真剣で私に恋しなさい!SK-大切なものはココにある-   作:夏みかん

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自分は小説は書いたことがなく、文章が下手です。

そこら辺を考慮していただき、読んでください。


この話は義経たちクローンたちに執事がいたら、の話です。

自分の妄想が爆発した作品です、どうぞ


プロローグ 「きっかけ」

 

 

プロローグ

 

 

 

ーーーー気づいていたら俺は盗みを何とも思わなくなっていた。金を払わずに施設を利用するようになっていた。そのことに何の疑問も感じないようになっていた。

周りは全員が敵。信じられる奴なんか自分以外にこの世にいない。俺はそう信じていた。この世の人間は自分のことしか考えていない。だから俺もそうする。俺は誰も信じずに、他の人のことなんか考えずに、一人で生きていく。

 

 

 

 

ある日、俺がいつものように幼稚園から帰ってきたら、家には何もなかった。

 

 

テレビも、机も、冷蔵庫も、俺の好きなおもちゃも、

 

 

 

 

 

そして両親も、

 

 

何もかもがなくなっていた。

 

 

俺は家中を歩き回った。

 

何か残っていないのか、何があるのか、ずっと探し続けて、歩き回った。

 

 

 

リビングの床の上に手紙が置いてあったのに気がついた。それがこの空間に唯一残っている物だった。

俺は手紙を手に取り、どういう内容か読んでみた。俺にも分かるようにひらがなで書いてあった。それで俺の今の状況がどういうことかよく分かった。

 

 

 

俺の両親は俺を捨てた

 

 

 

 

何でも、ひどい借金を抱え、家を出ることに決め、それで子供の俺は重荷になると判断して俺を捨てたらしい。

 

俺の目の前から金も、生きるために必要なものも、大好きだった両親もなくなってしまった。

今まで両親は、自分が欲しいと言ったものは笑顔で買ってくれた。無償の愛を受けていた。そんな母親が、父親が、好きだった。

 

 

 

だが、俺のそんな想いはすべて打ち砕かれた。一滴残らずその想いは消えてしまった。手紙にはごめんとも、寂しいとも、元気でねとも、書いてなかった。しかも親権を捨てていなかったようで、孤児院にも引き取られなかった。親戚も俺が捨てられたのは知らないだろうし、電話が無いので知らせるすべがない。それに、知っていたとしても俺は嫌われていたので引き取ってはくれないだろう。理由は分からないが、俺に一度も顔を見せたことはないし、話したこともしなかった。

 

 

 

 

どうやら俺は死ぬようだ。このまま死ぬしかなかった。誰にも受け入られず、拒絶され、死ぬしかなかった。親は俺が死んでも構わないらしい。それほど、俺の存在はどうでもいいらしい。子供の俺にでも分かった。

 

 

 

 

そんなの嫌だった。

そんなの受け入られるかよ、俺は何も悪くないのにこのまま死ぬなんて嫌だった。

俺は初めて生きたいと強く望んだ。こんな理由で死んでたまるかよ。

 

 

そして、両親を恨んだ。

あの頃の俺への愛はどこに消えてしまったのか。

自分が楽をするためにこうも簡単に俺のことを捨ててしまえる。そう思うと人間という存在のことを信じられなくなった。簡単に愛するものを見捨て、自分が生きることしか頭にない。

だから俺は一人で生きることに決めた。そんなくそったれの人間なんかに頼って生きるなんてことはしたくなかった。人間は自分を拒絶したのだから、俺だって人間を拒絶してやるさ。

 

当時の俺は六歳。働くこともできず、当然金もなかった。

 

 

 

俺が生きるためには人から奪いとるしかなかった。俺はそれが正解だと信じて疑わなかった。そのことに何の躊躇いも感じなくなった。俺は、足が速かった。大人なんかには捕まらなかった。そのうち、俺が盗みや無銭での施設利用を繰り返していたら警察にも追われるようになった。

だけど、俺はそれさえも何とか逃げ切ることが出来るようになった。俺は逃げているうちに足が速くなっていたのだ。これが生存本能というモノなのだろう。

 

 

俺はとにかく生きたかった。

 

 

 

 

 

 

そんな生活を繰り返していたある日。

俺は八歳になっていた。

 

あれから、やはり俺の家族や親戚が俺を探している様子はない。テレビで俺はちょっとした話題になっていたのにも関わらず、テレビではそいつらの姿が一向に出てこない。

 

 

 

俺は簡単に捕まらないために住む場所を転々としていた俺はある街にやってきていた。俺はその場所でも変わらず、いつものように空き家に入ってものを盗んだ。今日は酷い雨が降っていたから、なるべく雨をしのぐ物を中心に盗んだ。

盗んだものを抱えて出てくるとき、目の前には金髪の男が立っていた。普通の者ならば、自分のしたことが見られたと思い慌てるが、俺は全く動じずにその場から逃げるために横に逃げた。

こんなことはもう慣れていた。

 

 

そして、自分の視界からその男が消え、逃げきることが出来たと思った。

 

 

が、俺の足が突然、言うことが聞かなくなったような感覚に陥った。

バランスを崩した俺はそのまま前のめりに地面に倒れこんだ。今日は雨が降っていたので顔に変な不快感が襲った。さっきまで手に持っていた物は派手に転がって、手元から離れた。拾いに行こうと慌てて足を動かそうと思ったら、全く動かせなかった。まるで、自分の足がそこにないかのように。

 

 

「無駄だ。骨を折っておいた。もう立ち上がれんぞ、小僧」

 

 

自分の頭の上から、低く威圧感のある声が降ってきた。俺はその声に怯えた。そのとき、俺の心の中で一つの感情が芽生えていた。

 

 

 

  殺される

 

 

 

人生で初めて恐怖を覚えた。

恐る恐る顔を声のした方に向けた。そこには先ほどの金髪の男がいた。表情は影になっていてよく見えなかった。

 

 

その時、俺は涙を流していることに気がついた。理由は分からなかった。その涙は止まりそうにない。俺はただ歯を食いしばって、涙が出てくるのを抑えようとしたがさらに勢いを増すばかりであった。こんなみっともない顔を見せたくなく、俺は俯いた。

 

 

「小僧、なぜ泣く。自分のしたことを今更悔いているのか?」

 

 

その男の声には誰にも有無を言わせない凄味があったが俺は怯まなかった。

 

 

「ちげーよ、ひっく。お、おれは…ひっく」

 

 

この男の声を聴いて、涙が出る理由に気がついた。俺は怖かった。このまま死んでしまうことに。このまま孤独で死んでしまうことに。それを可能にする力を、この男は持っていると分かったからだ。

 

 

 

「では、なんだ」

 

 

 

…生きたい。生きたい。生きたい! 俺はこれ以上ないほど強く願った。

 

 

「俺は…うう。…生きたいんだよおぉお。ひっく。…おではただ生きてえんだぁぁぁ」

 

 

自分がここまで怯えているとは思わなかった。俺は思いの丈を言った。声がこの上ないほど震えていた。

雨足はさらに強まる。俺の頬を伝うものが涙なのか雨粒なのか分からなかった。

 

その男は返事をしないので俺はもう一度上を見上げた。金髪の男の表情は視界が霞んでいてよく見えなかった。

 

殺されたくない、死にたくない、そんな思いが頭の中を駆け巡っていく。

生きたい! 一人だと生きることもできないのかよ! 一人だとこんなにも惨めになってしまうのかよ!

 

 

 

 

………だったら、誰かと生きてみたい。俺はふと思った。

誰かがいれば生きていけるかもしれない。

 

 

 

そう、両親と暮らしていた、あの頃のように。

 

 

 

一瞬頭をよぎったこの考え。そう思うと、俺の目から溢れ出てくる涙が勢いをさらに増した。

しゃくりあげる声もさらに激しくなる。両親に捨てられた、というのはまさに死ねって言われてるのと一緒なのだ。そう思うとどんどん哀しくなってくる。

 

 

捨てられた実感が生々しく甦ってくる。あの日の苦痛が甦ってくる。

俺は孤独なのだということを改めて実感する。

 

 

そして、もう俺はここで死んであの温もりを味わうこともできないと思うと、さらに哀しくなってくる。俺は、孤独のまま、死んでしまうのか。俺はこの世の終わりかのようにただ泣き叫んだ。

 

 

「そんなに生きたいか、小僧」

 

 

「小僧、小僧うるさい! 俺は神崎蓮だ……生きたい…よ」

 

 

「そうか……ならば神崎蓮、俺の下で働け」

 

 

「……え?」

 

 

急な言葉に反応が遅れた。意味が分からない。

 

「貴様はこれから俺の下で働け。そこで、お前は罪を償え。もしそれ相応の働きを見せれば、ここで見たことは白紙にしてやる」

 

…ソーオー、とかハクシ、とかよく分からない単語があってどういうことを言っているかは分からなかった。だけど、助けてくれる、と言っている事だけは分かった。俺が、生きられる…

 

 

「…殺さないのか? 俺を、こんな俺を、たすけてくれるのか?」

 

 

「そういうことだ」

 

 

信じられなかった。この俺を…助けてくれるって?

表情を確認したかったが、涙に覆われていてまだ見えなかった。

 

だが、この声は嘘をついているようには聞こえなかった。

いや、ホントであることを強く願った。

 

この男が何を考えて、何を思ってこう言ったのかは分からない。

 

 

 

でも、この男は俺を拒絶しなかった。俺にもう一度生きるチャンスをくれる。だから、信じてみようと思った。いまの俺は誰かと生きてみたいから。

返事をしようとしたが、そこで俺の意識は途切れてしまった。――

 

 

 

 

俺は九鬼の下で働くきっかけになったあの日のことを思い出していた。今は、立派に(?)仕事をこなしている。あの時のヒュームには本当に感謝している。

 

 

ヒュームがあの時あんなことを言ってくれたのは、俺の武術の才能があると見抜いて、かつ子供を刑務所に連行するのは少し酷だったからと言っていた。

だったら足の骨を折るなよ、と思ったがまあ理由はそれだけじゃないだろうとは思う。何を考えているか分からない。

 

 

ちなみに俺に課せられた仕事というのは主に…

 

 

「おーい、蓮。こっちに来てくれないか」

 

 

「ハイハイ、今行きますよ、義経」

 

なぜか、俺と年が同じの源義経、武蔵坊弁慶、那須与一、葉桜清楚たちクローンの護衛だった。

ヒューム曰く、「今まで散々、人のモノを奪ってきたんだ。だったら今度は他人のモノを護ってみろ」だ。

 

が、こちらも当然、理由はこれだけではないだろう。まあそんなおかげで、誰にも心を開かなかった俺に、大切な仲間ができた。

 

 

はじめ、俺は避けられてしまうのが怖かった。両親ですら自分の子を捨てるのだから、ただの他人が自分を受け入れてくれるのか? 

だが予想に反して四人とも、俺のことを歓迎してくれて、嬉しかったのを昨日のことかのように思い出せる。俺のしてきたことは関係ない、仲良くしよう、と。

 

 

 

九鬼に拾われてからというもの、様々なことを学んだ。

武道、礼儀作法、勉強など、どれも大変なものだった。だけど、心をなくしてあの地獄の日々を送っていた時に比べれば、とても充実していて、楽しかった。俺は誰かと生きることに喜んでいた。

 

 

「蓮、義経は買い物に行きたいのだが、誰も一緒に来てくれない。蓮なら一緒に来てくれるよな?」

 

 

「ハイハイ、いいっすよ。ったく、つまらないことで呼ぶなよなあ」

 

 

「そんなことない。義経はいたって真面目だ」

 

 

「分かった、分かった。ほら、ぐずぐずしてないで、行くなら行こうぜ」

 

 

少し拗ねる義経を宥めてやった。

 

義経は他の三人と違って、少し幼いところがあって妹のようだった。うーん、なかなか可愛い妹だな…

 

「? 義経の顔に何かついているか」

 

じっと見ていたら義経が気づいたのでごまかそうと俺は義経の頭を乱暴に撫でてやった。義経は痛そうにしていたが、嫌がってはなかった。

 

 

 

 

義経は主に服を買っていた。やっぱり女の子は服に興味があるのかと黙認した。

俺はあまり女の子のそういうことは分からないのでつまらなかった。

 

欠伸の連発で、義経が服を持ってきて自分に合っているかどうか聞いてきたも、俺はああ、とか、いいんじゃない、などと適当に答えていた。んなこと聞かれても分かんねーよ。

 

 

 

だが、この時、義経は俺を自分に振り向かせるために、わざわざ買い物に誘って、自分に合っている服を選んでいるのを俺は知らなかった。

 





読んでいただき、ありがとうございます

投稿は不定期になるかと

最初は暗かったですが、ここからはマジ恋らしく、ギャグを混ぜていきたいと思います

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