この素晴らしい世界に妖精が! 作:妖精さん
主人公はあまり物事を深く考えない人間です。
駅のホームで電車を待っていたら何ものかに突き飛ばされて・・・
自分は死んでしまったようだ
自分の最後の記憶は目の前に迫る電車だったのでたぶんそうだ
『ようこそ死後の世界へ。私は死後転生部中韓を除くアジア担当の天照です。田中義男さんあなたの人生は、終わりました。』
そして、気が付いたら和室にこの巫女服を着た女性がいた。
どことなく神聖な雰囲気を醸し出している彼女を見てここは現世じゃないことを理解する。
天照ってかなり有名な神様だな~、なんで自分なんかにそんな大物がと思っていると、考えを遮るように、目の前の天照様は口を開いた。
『さて…これからあなたにはいくつかの選択肢があります』
何枚かの書類を取り出す。
『大まかには新たな生命として生まれ変わるか、天国の様な所でのんびりと暮らすというのがあります。どうしますか?』
「あの、なんで自分なんかにあなたのような大物神様が?」
『左遷です』
その瞬間凍り付く空気、天照様の思い出したくない記憶を偶然にもえぐってしまった。
涙を蓄えてこちらに目線を送る天照様。これはもしかしたら神様の機嫌を損ねてしまったのか?これはまずいのではないだろうか…機嫌を悪くした天照様が有無を言わさず地獄行なんかにされてはたまらない。慰めるなりして機嫌を直してもらわなくては、それにはまず・・・
「いったい何があったんです?」
『じ、実は・・・
自分は日本神話に残っていない外伝を聞かされた。
天照様の話をまとめるとこうだ。
天岩戸で皮を剥いだ馬を自室に投げ込まれ、二次災害的に側近の天女がスプラッタになりそれを間近で見てしまった気の弱い性格の天照様はうつ病を発病したそうだ。ここで日本神話ではスサノオは中つ国を追放され、ハッピーエンド。なのだが、さすがに皮剥ぎ馬とスプラッタ天女を見てしまった天照様は太陽神としての職務が手につかず、太陽神としての仕事を別の神話のアポロンに委託。天照様はその後日本の主神として祀られるが明治維新以後急速発展していく日本に適切な加護を与えきれず何度かの不況や第二次世界大戦の敗戦を招いてしまう。自責の念で再度天岩戸に引きこもる。時間をかけ自力で一念発起し神様業に復職。現在の職に就く。
ちなみに自分が最初の転生予定者らしい。
神様も大変なんだな~と思い彼女の話を聞いていた。
その途中で仕事机の傍らに大量の精神薬を見つけたような気がするが見なかったことにした。
黙って彼女の言い分を聞いていたら勝手に吹っ切れたようで涙をぬぐい。
『で、どうしますか?黙って私の愚痴を聞いてくださった。あなたには特別に色を付けますよ?』
よくわからないが勝手に機嫌がよくなったようだ。
「あの、天国ってどのような所なのですか?」
恐る恐る質問をする。
すこし頭を傾け考えるしぐさをして
『本来は上から黙っているように言われてるんですが、特別にお教えしましょう。天国は現世の情報更新がここ200年ほどしていませんので現代の人たちにとっては地獄に近いみたいですよ。』
「え」
いやそうな態度を察したのか天照様は慌てて
『で、では生まれ変わりますか?』
「正直、今の人生はそう何度も繰り返したくないな」
彼女なし、友人極少、中の下な収入、残業が多くて遊ぶ時間なし。
極端に不幸と言うわけではないが幸せを感じない味気ない人生だった。
『あ、そうだ。こんなのはいかがです?』
「心の中を読んだのですか」
『はい、神様ですから人の心くらいは見透かそうと思えばできますからね』
第三の選択ってどんなのがあるのだろうか?
『あ、はい。位相軸地球の転生担当神が応援要員の派遣を求めている。異世界転生と言うものがありますね。』
ふむふむ、詳細は?
『私が心読めるから、話すのやめたんですね。・・・・えぇ、いいですよ。私も楽ですから・・・・えっとですね・・・』
書類を目に通し読み上げる天照様。
『よくある魔王をやつけてくださいってやつみたいです。なにか転生特典が一つ選べるみたいです。』
転生特典って何が選べるの?
『なんでもいいみたいですね。ずいぶん太っ腹な神様ですね…こっちはマニュアル覚えるだけでも・・・』
き、機嫌が天照様!!天照様!!あなたは頑張ってます!!やればできる神様ですよ!!
『そ、そうですね!!私はやればできる!!そうでした田中さん、あなたはどうしたいのですか?』
異世界転生で・・・
『では、特典を決めてくださいね。』
じゃあ、社会人になってから切に願うようになっていた。絶対にかなわない夢を・・・
自分は妖精になりたい
埋没した伏線・補足
天照様・・・天岩戸の話を聞いて不幸キャラだなと思ったので・・・
天照様の役職・・・死後転生部中韓を除くアジア担当。中韓の人は自分が日本の神様だと騒ぎだすので精神的につらいため他の神様の担当に・・・