この素晴らしい世界に妖精が!   作:妖精さん

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ギャグもシリアスも難しい


09話 はじめての一回休み

 

「ロマネスコよ!!みんな伏せてぇ!!」

私は頭を抱えてしゃがみ込む。しゃがみ込む瞬間視界に移ったロマネスコは激しく明滅していた。そして、すぐ後に何かがはじけ飛んだ激しい爆発音が室内に響いた。

 

「ケホケホ・・・ルナぁ?ルナぁ・・・だいじょうぶ?」

濃いもやの中で手探りでルナを探す。

煙をかき分けた先には・・・飛び散ったロマネスコの破片で腕がちぎれ内臓をぐちゃぐちゃにされて事切れている妖精がいた。

「っひ!?」

 

もうやだ・・・どうしてこんな目に・・・ただ平和に暮らしたいだけなのに・・・うっぐすっ

すると後ろから私の手を引っ張り、ルナが抱きしめてきた。

「だいじょうぶ・・・だいじょうぶだから・・・」

「ルナぁ・・・ルナぁ・・・うぅ」

こわい、たくさんの仲間がこんな痛そうな死に方・・・妖精は死なないんじゃなかったの?

 

「き、君たち、大丈夫なの?とりあえず、今からでも公会堂に向かった方がいいんじゃないの?」

「そう思うよ。立てる?」

他の妖精達がルナと一緒に私を助け起こす。

 

「いえ、あの大きな木の化け物は公会堂の方へ向かっていったわ。おそらく公会堂のほうは・・・」

私に密着したままのルナがつらそうに公会堂のある方向を視線を向けた。

 

「私たちは東側の通用門から脱出するべきね。」

 

ガラッ

瓦礫が崩れる

「誰!?ファイアーぼ!?」「待って!!撃たないで!!」

ルナがファイアーボールを放とうとした先には鍋を兜代わりに頭からかぶったなんちゃって兵士姿のツヴァイがいた。

「あなたは?」

ルナはすぐにファイアーボールを引っ込めてツヴァイに尋ねる。

「私たちは前衛の殿部隊の残存部隊です・・・。サニーさんは・・・」

そう言ってツヴァイは後ろの方でリリー姉妹挟まれる形で守られる担架に乗ったサニーがいた。

私とルナはすぐに駆け寄ってサニーの姿を確認すると

「あはは、どじっちゃったよ。」

サニーは力なく笑いかけてきた。

 

サニー・・・みんなを守るために怪我をしてしまったんだ。

サニーはみんなを守るために頑張ってる。ルナも危ないところを何度も助けてくれた。

私が、私がしっかりしないと。転生者なんだから物語の主人公みたいに悪いやつをたくさんやっつけてみんなを守るんだ。

 

サニー達、殿隊の残存兵がサニーとリリー姉妹にツヴァイ含めて6人、私達と倉庫に隠れて助かった子たちが5人。合わせても11人。

はじめは50人以上いたのにもう半分以下。村外に避難した妖精達もいたが、公会堂に避難した子達もいたと聞いた。たぶん、その子たちはもう・・・

私が決意を新たにしている間に、サニーとルナ達は色々話し合っていた。

私が振り向くと「なにしてんだ?」って感じでこっちを見る妖精数名。

私はぼーっとしてるわけじゃないよ。アホの子でもないんだよ・・・

ジト目を止めてー。

 

「倉庫の中に通信用の水晶があったわ。これでスターに連絡ができるわ。」

「おねがい」

ルナが水晶球に魔力を注ぎ込む。それをサニー達が見守る。

「やっぱり、倉庫にしまわれてるだけの理由があるのね。これ、魔力漏れしてるわ。繋がっても30秒が限度ね。」

 

水晶球からノイズが聞こえ始める

「こちら、ルナチャイルド!聞こえますか!」

『・・・ザザ・・・・・・こ・・・ザザ・・・・臨時・・・所・・・』

「魔力が足りない!コニファーあなたも手伝って!」

う、うん!ルナにならって私も魔力を注ぎ込んだ。

『こちら臨時指揮所、聞こえています。どうぞ!』

「ルナチャイルドです!こちらはサニーミルクの残存部隊と合流し通用口より脱出します!」

『了解した、幸運を祈る』

「ちょっとまって、スターは・・・スターは無事なの?」

 

魔法球の向こう側で魔法球をいじっていた妖精が、後ろを向いて誰かを呼んでいる。

そこに現れたのはスターだった。

『サニー、ルナそれにコニファーも無事だったのね。よかった・・・』

魔法球の向こう側のスター安心した表情をしていた。

「スター、聞いて。私たちはさっきの子にも言ったけど通用口から逃げるわ。それと、野菜の親玉みたいなのが公会堂の方に行ったのを・・・・・・・切れたわ。スター聞こえたかしら・・・」

 

 

ルナがもう一回魔力を入れようとするが、リリーブラックに肩をたたかれる。

 

「ルナ、もう一回やるのはやめた方がいい。奴が戻ってくるかもしれないし、後続の野菜が来ることも考えられる。もう行った方がいい。」

ルナは魔法球から手を放し、なんどか魔法球をチラ見してから

 

「・・・そうね、行きましょう。」

暗く答えたルナに対してサニーが担架から半身を起こして元気づける

「ルナ、役場の方は公会堂からもっと遠いわ!!スターなら大丈夫よ!!」

それを聞いたルナは

「わかってるわ・・・わかってるの・・・でも・・・」

「ルナ、大丈夫。みんな助かるよ」

私もルナの手を握って元気づける。

「サニー、コニファー・・・そうね、そうよね。」

サニーとも再開し、スターの無事も確認できたルナは緊張の糸が切れて自分の中の不安が一気に流れ出てきている様子なのが分かった。

それが理解できた。だから

 

「ルナ、行こう。」

そう言って私が今度はルナの手を引いて歩きだす。

サニーは怪我が痛むようで、また担架に横になっていた。

サニーは私やルナと目が合うと歯を見せて笑っていた。

 

もうすぐ、通用口だ。

 

「ああ、ようやくだ・・・やっとついたぁ~「キャベー!!」おごぉあ!?」

 

妖精の一人が大きく息をつき油断した瞬間であった。

キャベツがその妖精の腹部にクリーンヒットしその体を家屋の壁に叩き付ける。

「ううぅ・・・」

壁に叩き付けられた妖精は意識を失っているがまだ生きてる。

数もキャベツが4玉、レタスが2玉、ハクサイが3玉・・・戦えない数じゃない。

「ファイアーボール」

私がファイアーボールを放つとハクサイとレタスたちが焼け落ちた。

私はこの世界に来て初めて出すような大きな声で叫んだ。

「みんな!!ここはわたしが食い止めるから!!みんな先に行って!!後から必ず行くから!!」

最初は皆、迷っていたがサニーを乗せた担架の担ぎ手達が抵抗するサニーを意を決したように抑えて通用口の方に駆け出す。その後もリリー姉妹と他の妖精が続く。

でも、ルナだけは残っていた。

「る、ルナもにげて!」

「がんばれば、魔法だってまだ撃てるわ!」

あれからキャベツも2玉、鉈でたたき切ったけど。

まだ、3玉いるし、もともと体力のない私は翻弄され始めている。

「ふ、フレイムバースト!!」

キャベツが2玉、炎に巻き込まれる。のこる1玉何とか叩き割る事が出来た。

「わ、わたしは、あなたの魔法の先生なのよ・・・魔力切れを起こしても気を失わないくらいの精神力ぐらいあるんだから・・・はぁはぁ」

手を地面について顔だけをこちらに向けるルナ。

私はルナを助け起こそうと駆け寄ろうと・・・

 

ズドムッ!

 

腹に来る重い音が聞こえた。いや、比喩でなく私の下腹部に深々と突き刺さるキャベコンがいた。

「うっ・・・!?」

痛みで足に力が入らない。膝から崩れ落ちる体。視界には泣き叫び、四つん這いで近寄ってくるルナの姿。何か叫んでいるがよく聞こえない。体の中でキャベコンが暴れている。すごく痛い。

「ルナ・・・に・・・げて・・・」

何を言ってるのかは聞こえない、でも泣きながら首を振って拒否をしている。

キャベコンがおなかを突き破ろうとしているのがわかる。わたしが死んでおなかを突き破ったキャベコンが次に襲うのはルナだ。そんなことはさせない・・・私は手に握ったままだった鉈を振り上げ下腹部に突き刺した。

 

目の前が真っ暗に・・・ルナ・・・みんな・・・さよなら・・・

 




主人公死にマンタ・・・
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