この素晴らしい世界に妖精が! 作:妖精さん
本当にこれでよかったのかとモヤモヤする気持ちを抱えながら
それぞれの冒険者職を決めてクリスさんとの待ち合わせ場所へ・・・
「まだ、クリスさんは来ていないようね。私たちはここで待ってましょう。」
「そうね~。ちょうど、そこに水芸の芸人さんがいるみたいだし、ちょうどよかったわね~」
「じゃあ、わたしはシュワシュワを買ってくるよ」
みんなが色々と話しているのを黙って聞いていると
「いこうよ!コニファー!」
と言って私の手を引っ張る。気が付くとみんな結構先に進んでいた。
見かねたサニーがわたしを連れに戻ってきたようだ。
サニーに連れられ他の冒険者たちに交じり芸人のお姉さんの見える前の列に座った。
芸人のお姉さんは扇子から水を出したり、ハンカチから鳩や花束を出したりして観衆を沸かせていた。最前列にいた私たちにも何もなかった掌に飴を出してくれた。
「では最後の締めに、あそーれ!!っと」
芸人のお姉さんがそういうと両手に持っていた扇子からかなり高くまで水が吹き上がった。
わたしを含めた観衆たちは「おお」と声をあげ拍手を送った。
「皆さま、どうもありがとうございました~」
そう言ってバーカウンターへ速足で行ってしまった。
そこにいた赤い服を着た魔法使いの少女と仲良さそうに話をしているところを見るに彼女は芸人ではなく冒険者の様だった。
すると後ろの方から女の人のすすり泣く声が・・・
よく見ると金髪の女騎士改めダクネスさんに慰められながらクリスさんがバーカウンターの方に歩いていく。その少し手前を見るからに異邦人な少年が歩いている。
状況から見るにクリスさんはあの異邦人の少年に何かされたのかもしれない。
一応クリスさんとは次にパーティを組む約束をしているのでクリスさんを慰める形で取り囲む。クリスさんを泣かせている時点でわたし、否、私たちの中で異邦人の少年はわるい人確定だ。
「どこ行ってたのよ私の華麗な芸も見ないで・・・で、その人どうしたの?それに貴方達はさっきの?」
芸人のお姉さん改め冒険者のお姉さんはすすり泣く少女とそれを慰める女騎士と幼女の集団という謎集団を見て一瞬声をこわばらせて、パーティメンバーであろう異邦人の少年と私たちに話しかけた。
「ああ、実は・・・「うむ、彼女はカズマに盗賊のスキルを教える際にパンツを剥がれたうえに有り金全てむしり取られて落ち込んでいるだけだ。ちなみにこの子たちは彼女の次のパーティメンバーだ。」
ダクネスさんの言葉にあわてて突っ込む異邦人の変態改めクズ野郎。
「財布返すだけじゃダメだって・・・じゃあ、幾らでも払うからパンツ返してって頼んだら・・・自分のパンツの値段は自分で決めろって!」
なんてひどい・・・お姉さんかわいそう
「ひ、ひどい・・・」
「鬼畜、鬼畜だわ」
「女の子のパンツを盗んで喜ぶなんてとんだ変態さんね~」
その様子を見て唖然とするクズ野郎の仲間の魔法使いの少女ともう一人の芸人じゃない水色髪の少女。
そして慌ててこちらを振り返り
「待てよ!おい、待て~!間違ってないけど・・・ちょっと待て~!」
と口走っているクズ野郎。
そしてクリスさんは
「さもないと、もれなくこのパンツは我が家の家宝として奉られる事になるって!」
と言って頭を伏せたが頭を伏せる瞬間「べ」っと舌を出していたので彼女的にはもう許しているようだ。
わたし以外にはそれは見えていなかったようで、
「ちょ、なんかすでに周りの女性冒険者たちの目まで冷たいものになってるから!本当に待てって!」
彼の言った通り、女性冒険者の視線は絶対零度の物だった。
もちろん、エリス様じゃなかったクリスさんが許しているのなら、わたしは許しますよ。
「それでカズマは無事に盗賊スキルを覚えられたのですか?」
彼の仲間の魔法使いがおそらくその場の空気を変えるために言った言葉なのだろうか。
彼も空気を変えたかったのであろう彼はそれに応じて
「へ・・・ふふ、まあ見てろよ。いくぜ!スティール!」
スティールを発動した。
「あ・・・ぅ・・・」
彼の仲間の魔法使いの少女が涙ぐむ。
それだけじゃない、ルナやサニーにリリーホワイトも顔を赤くし不自然に体をくねらせている。さらに言うとわたしも先ほどから股のあたりがスースーする。
「なんですか、レベルがあがってステータスがあがったから、冒険者から変態にジョブ・チェンジしたんですか?あの、スースーするのでパンツ返してください。」
魔法使いの少女が発言したのを皮切りに
「ぱ、パンツ返してー!」
「不潔、不潔よ・・・」
「私たちも有り金全部渡すのでパンツ返してくれませんか~」
そして私も彼の服の裾を引っ張りながら
「あの・・・お股・・・変な感じがするの・・・だから・・・返して・・・」
水色髪の少女が一歩下がり
「カズマ、あんた・・・・・・」
と完全に引いていた。
さらにそこへ
「みんな、すまない。あっちのカウンターが混んでいてな時間がかかってしまった・・・って何だこの状況は!?」
人数分のシュワシュワを抱えて戻ってきたリリーブラックがこの惨状を見て叫ぶ。
そんな、リリーブラックにダクネスさんが説明する。途中から説明になっていなかったが・・・
「ああ・・・これは、このカズマがそこのクリスからパンツを剥ぎ取った上に有り金全部毟り取ったあげくにそこの幼げな妖精達のパンツをも剥ぎ取ったからだ。・・・こんな鬼畜の所業を公衆の面前で出来るなんて!!真の鬼畜だ!!許せない!!ぜひとも私を貴方のパーティに入れてほしい!!」
それを聞いたリリーブラックは顔を赤くして彼を指さしショートソードを抜く。
「こ、こ、この、ペド野郎が!!姉さん達のパンツを返せ!!」
「ま、待て!!待て!!待って~!!お願いだから~!!返す返す!!返すから~!!」
リリーブラックが彼を壁際に追い詰めると
「あ、あのーこの辺にしてもらえます・・・。私たちもカズマを切られると困っちゃうし・・・」
「こ、こんなのでも私たちの仲間なので・・・」
リリーブラックも血が上った頭が冷えたのか私たちの方を見て来る。
「わかったわよ。許したげる。」
「・・・反省してるみたいだし・・・いいわよ。」
「この人も反省してるみたいだし~許してあげましょ~」
そしてわたしも・・・
「わたしたち全員にシュワシュワかネロイドを奢ってくれたらいいですよ。」
「わかった!!だから、もう許して~!!」
そんなこんなでパンツ泥棒の件は丸く収まったことにしました。
「では、改めて!!わたしを貴方のパーティに!!」
「やだ、要らない」
「あふぅうん!!くぅ・・・!!」
ダクネスさんの新パーティ加入はまだ時間が
「ちょっと!この方、クルセイダーではないですか!?断る理由なんてないのではないですか?!」
掛からなそうだ・・・
カズマさんでしたか、ちゃんお約束は守ってもらいますよ。
私たち全員の飲み代。そう、この街にいる妖精全員の飲み代を・・・ふふふ