この素晴らしい世界に妖精が!   作:妖精さん

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30話 寺生まれのTさんならぬアクシズ教徒のAさん

 

 

「っく・・・うぅ・・・毎日!毎日!!毎日!!!毎日!!!!お、俺の、俺の城に毎日欠かさず爆裂魔法を撃ち込んでいく、あ、ああ、頭のおかしい大馬鹿は誰っれだあああああ!!!!!それと、俺の城から備え付け品、全部持ってった奴もだよぉお!!」

 

デュラハンの怒りの咆哮を聞いた冒険者たちは

「爆裂魔法?」

「爆裂魔法使えるやつって言ったら?」

 

っと話し出した

 

ちなみに備品泥棒の件だが、あの時参加していた冒険者たちは私たち含め高速でアイコンタクトを取りシラを切る流れとなった。

口裏を合わせて乗り切るんだ!魔王軍の幹部になんて睨まれたら絶対に殺される!?

 

みんな、めぐみんさんの方に視線を向けると、当のめぐみんさんが横のほうにいた赤い髪のウィザードをのお姉さんを見る。それにつられてみんな彼女を見る。

 

「あの、私、まだ駆け出しで・・・あの、ほんと違うんです。信じて下さい!私、まだ死にたくない!小さい弟たちも居るのに~!うぁわ~ん!」

 

そんな様子を見て覚悟を決めたように颯爽と前に歩みだす。

 

 

めぐみんさんは街のみんなを守るために・・・・

黙っていることもできたのに、あのお姉さんに押し付けることもできたのに・・・

自ら進んで行ったのに・・・わたしたちは・・・・・・

 

ダクネスさんのように立派な騎士になりたい!!

エリス様といっしょにわるい魔王や悪魔をやつけるよ!!

 

わたしは偽物でも妖精の皇族としてみんなの象徴として誇ることができるはずがないよ・・・エリス様にも、きっと嫌われちゃう・・・

こんなんじゃだめだ!!わ、わたしも!!

前に!前に出るんだ!!

 

「こ、コニファー・・・?」

ルナが声をかけてきたような気がするけど。

 

今は前に!めぐみんさんに続かなきゃ!!

めぐみんさんだけを生贄にするようなことはしちゃいけないんだ!!

めぐみんさんの後を追う わたし、体の震えが止まらない恐怖からか動きが少しぎこちないような気もする。とにかく行かなきゃ!

 

私の視線の先では、めぐみんさんとデュラハンの会話が始まって居た。

 

「俺が?魔王軍の幹部だと知っていて喧嘩を売っているなら、堂々と城に攻めてくるがいい!その気がないなら、街で震えてるがいい!ねえ?なんでこんな陰湿な嫌がらせするのぉ?どうせ、雑魚しかいない街だと思って放置しておれば、調子に乗って毎日毎日ポンポン、ポンポンポン打ち込んできて!頭おかしいんじゃないのか!?貴様ぁあああ!!」

 

追いついた。

めぐみんさんの横に並んで立つと、めぐみんさんは少し驚いてわたしのほうを見て小声で声をかけてきた。

「どうして、あなたまで・・・これは危険なことなんですよ!?あなたが出てくる必要はないはずです!」

「訳ありなんです。」

 

めぐみんさんはさらに何か言おうとしたようだが、その前にデュラハンがわたしの方を見て合点がいったといわんばかりの視線で声を出す。

「やはりな。俺の城に妖精の粉が残っていたから、そうじゃないかとは思っていたがやはりお前らか・・・」

めぐみんさんほどではないが怒りが伝わってくる。

心が折れそうになる、デュラハンは妖精のみんなの方を睨む。

いけない!とにかくあいつの注意を惹かなくちゃ!

 

「わ、我こそは!コニファー!!かつて魔王軍に滅ぼされたティルナノーグ皇国の皇族の生き残りにして、国なき民を率いるプリンセスナイト!!き、貴様の城からすべての物を奪うように指示したのはわたしです!デュラハンと言えど騎士のはず責を問う相手が誰かはわかるはずです!!」

久しぶり、この世界にきて初めて長文を口にした気がする・・・のどが痛い・・・

 

「そうか・・・貴様の高潔な精神に免じて、責は貴様に問うことにしよう。それと、貴様の名乗りも聞いておこうか。」

デュラハンが今度はめぐみんさんの方を見る。

 

「我が名はめぐみん、アークウィザードにして、爆裂魔法を操る者!」

「めぐみんってなんだ?馬鹿にしてんのか?!」

「ちがうわい!!」

 

 

「我が爆裂魔法を放ち続けていたのは、魔王軍幹部のあなたをおびき出すための作戦。こうしてまんまとこの街に一人で出てきたのが運の尽きです。」

めぐみんさんがそのようなことを言うが、あの毎日の爆裂魔法の理由はたしか・・・撃ちたかっただけだったはず。

っは!!なるほど!!こうやって、こけおどしをしてアクセルの街から遠ざけようとする作戦なんだね!!さすがは高い知力を持つ紅魔族!!わたしも協力しなくちゃ!!でも、怖い怖すぎる?!?!目付きがさっきより鋭くなっているような気がするー!?

「わ、わたしたちの、け、計画通りですよ!めぐみんさん?!奴はわたし達の挑発にまんまと乗ってきました!」

 

 

 

「いつの間に作戦になったんだ?」

「しかも、さらっとこの街随一の魔法使いとか言い張ってるな・・・・・・、しかし、あの妖精・・・皇族だったのか。普段は黙して語らずと言うところがあったから高貴な者なのかと思っていたが・・・」

「あの妖精の子は他の妖精とは違う神聖な力を感じていたの、私は以前からわかってたわよ。それとめぐみんのことは黙っておいてあげなさいよ。今日はまだ爆裂魔法使ってないし、後ろに沢山の味方が控えてるから強気なのよ。いま良いところなんだからこのまま見守るのよ?」

カズマさんたちがそう口にしているような気がするし、

「スター様、そんな計画があったんですか?」

「知らない知らない知らない知らない、私は何も知らないわ」

スターが首を横に振っているような気がする。

 

 

 

「っふ。まあいい。俺はお前ら雑魚にちょっかいかけにこの地に来たわけではない。しばらくはあの城に滞在することになるだろうが・・・これから爆裂魔法を使うな。いいな」

 

「無理です。紅魔族は日に一度、爆裂魔法を撃たないと死ぬんです。」

「おい!聞いたことがないぞ!そんなこと!適当なウソはつくなよ!」

めぐみんさんはデュラハンにきっぱりとノーを突きつける。

 

「どうあっても爆裂魔法を撃つのは止める気がないと?」

「うむ。」

めぐみんさんはデュラハンに対して強く頷く。

「俺は魔に身を落とした身ではあるが、元は騎士だ。弱者を刈り取る趣味はない。だが・・・」

 

めぐみんさんは我に策ありと言わんばかりに一瞬だけこちらを見て口を開く。

「ふふん・・・余裕ぶっていられるのも今のうちです!先生!お願いします!」

そのフラグは先生が負けるフラグだ!?ダメだそれは!?

「ぉ、おい・・・って!?」

カズマさんもそれに気が付いたのかどうかはわからないが止めようとアクアさんに声をかけようとするが・・・

「しょうがないわねぇ~」

そう言って、カズマさんが声をかけるより早くアクアさんが駆け出した。

 

「ほう、これはこれは、アークプリーストか。俺は仮にも魔王軍の幹部の一人。こんな街にいる低レベルなアークプリーストに浄化されるほど落ちぶれてはいないぞ。ここはひとつ、私の力で懲らしめてやるか。」

 

「私の祈りで浄化してやるわ!」

アクアさんが強気に前へ出る。

「間に合わんよ。汝に死の宣告を!お前は一週間後に死ぬだろう。」

いけない!?思わず体が前へ出る。

わたしが前へ出た瞬間

ドンっとわたしを横に突き飛ばす感覚・・・ダクネスさん!?

わたしたちの代わりに!?

「ぐぁあ・・・!!うあぁあ・・・!?ああああ」

「ダクネス!!」

カズマさんが慌てて駆け寄っていく。

「仲間同士の結束が深い貴様らのような冒険者には、むしろこっちのほうが応えそうだな?そのクルセイダーは一週間後に死ぬ。ふっふふ。お前の大切な仲間はそれまで死の恐怖に怯え苦しむことになる。そう、貴様らの浅慮のせいでな!!仲間の苦しむさまを見て自らの行いを悔いるがいい。くははは、素直に俺の言うことを聞いておけばよかったのだ・・・」

 

デュラハンが馬首を返して立ち去ろうとする。

ルナとサニーがわたしの方に駆け寄って助け起こしてくれる。わたしたちはそれを見送ることしか・・・

 

「く、なんてことだ・・・つまり、貴様はこの私に死の呪いをかけ、呪いを解いて欲しくば、俺の言うことを聞けと!つまりは、そういうことなのか?!」

「ふぁ?!」

 

あれ!?

 

「呪いくらいではこの私は屈はしない!屈しはしないが!だが、どうしよう、カズマ!」

「はい、カズマです。」

 

あれ!?喜んでる!?!?

 

「見るがいい。あのデュラハンの兜の下のいやらしい目を!あれは私をこのまま城へと連れ帰り、呪いを解いて欲しくば、黙って言うことを聞けと、凄まじいハードコア変態プレイを要求する、変質者の目だ!それに、もし間に入らなければ、あの妖精の姫がその凄まじい欲求をぶつけられるところだったんだぞ?!やつは幼い妖精の姫でも容赦しない鬼畜だ!!」

 

ちがう!!あれは騎士として仲間を守る気概だ!!武者震いみたいなものなんだ!!

やっぱり、ダクネスさんは騎士の中の騎士なんですね!!

 

「っふぁ!?」

「この私の身体を好きに出来ても、心まで自由にできるとは思うなよ!城に囚われ、魔王の手先に理不尽な要求をされる女騎士とか、ああどうしようカズマ!」

「はいはい、カズマです。」

でも、最後に仲間に声をかけるのはこれから魔王の幹部と相対する覚悟の表れか・・・

カズマさんも不安も何も顔に出さずまるで心から信頼している様だ。

 

※コニファーにはダクネスに対する尊敬から若干のフィルターが掛かかりセリフの一部が聞こえません。

 

ダクネスさんがデュラハンに駆け寄ろうとするがカズマさんが止めに入る。

やっぱり、仲間を敵には渡せないよね。わたしが改めてダクネスさんの斜め前に立ち剣を構える。

「わ、わたしもダクネスさんほどではありませんが騎士の端くれ・・・行かせませんよ。」

ルナとサニーもカズマさんと一緒にダクネスさんを抑える。

 

「離せ!止めてくれるな!やめろおおおおお!」

 

 

少し様子を見ていたデュラハンが

 

「俺の所まで来ることができたなら、その呪いを解いてやろう。だがお前達が果たしてたどり着くことができるかな?っふふふふ・・・ハッハハハハハ!」

 

と言って去っていった。

 

 

デュラハンが去って行ったのを見てめぐみんさんが決意したように歩き出す。

「おい、どこ行く気だ?!」

カズマさんの問いかけに極力明るく答えるめぐみんさん。

「ちょっと、城まであのデュラハンに爆裂魔法を撃ち込んで、ダクネスの魔法を解かせてきます。」

 

「俺も行くに決まってるだろうが。お前一人じゃ雑魚相手に魔法を使ってそれで終わっちゃうだろう?そもそも、俺も毎回一緒に行きながら幹部の城だって気付かなかったかった間抜けだしな。」

 

「わたしも行きますよ。備品泥棒の件もありますので・・・」

わたしがそう言うと

「姫が言うんじゃ。わたしたちも一緒に行かなきゃね?ルナ?」

「えぇ、そうね。コニファーはわたしたちの大切な姫様ですもの、みすみすデュラハンに傷物にさせるわけにはいかないわ。」

「では、みんなで行きますか。今までは帰りだけでしたが、行きも一緒に行くのも悪くないですね。」

 

「「「「「はははは!!」」」」」

 

お互いの顔から自然と笑みがこぼれた。

 

 

「よせ・・・やめるんだ。おまえたち、私のために・・・・・」

「おい、ダクネス。呪いは絶対になんとかしてやるからな。だから安心して待っててくれよな」

カズマさんがダクネスさんに笑顔で告げる。

そしてわたしも・・・

「わたし、キャベツ討伐の時のダクネスさんを見て、あなたにすごく憧れてたんです。だから、あのデュラハンを倒せたらあなたと並んでも恥ずかしくない立派な騎士に・・・・・・・・????」

 

 

「セイクリッドォ!ブレイクゥ!スペルゥウウ!!!」

「わああああああ・・・・・・・ぁああああああああ・・・」

 

 

「この私にかかれば、デュラハンの呪い解除なんて楽勝よ。どう?私だって、たまにはプリーストっぽいでしょ?」

 

 

なんか、話が終わったぁああああああああああ?!?!?!?!?

いいんだけど!?実際、ダクネスさん、治って良かったけど?!?!?!?

えええええええええええええええ!?!?!?!?!?!?

 

 

 

とりあえず思ったのはアクシズ教徒のアークプリーストってすごい!!

 

 

 

 

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