この素晴らしい世界に妖精が! 作:妖精さん
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
異世界の冬将軍は第四形態フリーザ様だった。自分でも何を言っているのかよくわからない。
頭がどうにかなりそうだった… グミ撃ちだとか超スピードだとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を 味わったぜ…
と…現実逃避を敷いている場合ではない。正直言って逃げると言う選択肢を選びたいがたぶん選べない。戦うしかないと言う現実が私たちを追い詰める。
先だって戦いを挑んだ兵士な妖精の子は10数メートルほど弾き飛ばされている。
正直わたしたちは後ろの方で事の次第を眺めているような状況だ。
そして現在フリーザ様…この際フリーザでいいか。
フリーザと戦っているのはダクネスさんである。若干押し負けているがドラゴンボールのワンシーンを見せられているかのような殴り合いのシーンがかれこれ10分くらい続いている。
本当にこの人はすごい!強敵に燃える(主人公は意味をはき違えています)とか言って案外どこかでサイヤ人の血でも入っているんじゃないだろうか?
「ククク、あなた。なかなかやりますね。私の部下になる気はありませんか?」
「断る!神聖な騎士である私が貴様の様な邪悪な存在に仕えるわけがないであろう!どうしてもと言うのなら力ずくでやるのだな!だが、この身が屈しようとも心ばかりは自由になるとは思うなよ!」
「…!?何か様子がおかしいような気がしますが…いいでしょう力ずくでやって差し上げましょう!!」
フリーザとダクネスさんの撃ち合いがさらに激しくなる。
53万のフリーザとほぼ対等に戦えるダクネスさんってすごい!自分もこれくらい強ければ……ん?さすがに人間であるダクネスさんが53万のフリーザと戦えるのはおかしい…。
いや、まてよ…。このフリーザ本当に53万なのか?
…!?そうか!!よく考えればあくまで冬将軍と言いう高ランクモンスターが転生した日本人の脳内から採用したフリーザと言う存在を真似しただけで本物のフリーザって訳でもないはず!!
「カズマさん。しっかりしてください。もしかしたら勝てるかもしれませんよ!」
わたしと同じく現実逃避していたカズマさんを引き戻す。
わたしは思ったことをカズマさんに伝える。
「たしかに…あのフリーザが53万なら今頃俺達はミンチよりひどい事になってるはずだな(しかし、ダクネスの奴こうしてみると本当に固いんだな。飛べないだけでまるでZ戦士だ。)よし!めぐみん!アクア!あと妖精の子たち全員集合。」
カズマさんは何やら名案を思い付いたみたいだ。
「じゃあさっそく、めぐみん、アクア。二人はそこに並んでくれ。」
めぐみんさんもアクアさんもカズマさんに促されるままに並びカズマさんが2人の首筋をつかむ。
すると、2人の首筋とカズマさんの腕が紫に光出して…
「ちょっと!?なにすんのよ!!」
「か、カズマ!?いきなり首筋を触るとか変態ですか!?変態ですね!?」
「ち、ちがーう!!あいつを倒すためにはめぐみんの爆裂魔法が必要だってこと!!」
「な、なるほど…確かに爆裂魔法なら冬の帝王を倒せるかもしれませんね。」
「あー確かにアニメではそんな感じだったわね。」
2人ともカズマさんの言葉を聞いてすぐに納得したようだ。アクアさんってドラゴンボール知ってるんだ。って言うか結構詳しいような…
今回私達活躍してないなーなどと思いつつアクアさんの後ろに並んでカズマさんのドレインタッチを介してめぐみんさんに魔力を送る。
また蛇足ではあるがドレインタッチで魔力を吸われた時の感覚は「ひぅん!?」である。
とにもかくにもドレインタッチで魔力がこれまでにないほど満ちているめぐみんさんは爆裂魔法の呪文を唱え始める。
「黒より黒く、闇より暗き漆黒に、 わが真紅の混交こんこうに望み給たもう。
覚醒の時来たれリ、無謬むびゅうの境界に堕ちし理ことわり。
無業の歪みと成りて現出せよ!」
めぐみんさんの杖を起点に魔力で生成された炎が集まり丸い巨大な火球が姿を現す。
その姿は炎の赤に煌々と照らされて物語のワンシーンの様でもあった。
「 踊れ、踊れ、踊れ。我が力の奔流に望むは崩壊なり。並ぶ者なき崩壊なり。万象等しく灰燼に帰し、深淵より来たれ!」
見るからに巨大な炎の魔法にフリーザが気が付きこの場から逃れようと跳躍しようとする。
「私の相手は貴様ではないのか?敵前逃亡とは帝王の名が泣くぞ!!私を力ずくで組み伏せるのではなかったのか!!」
ダクネスさんがフリーザの足をつかんで離さなかった。
「貴様!!離せ!!あんなもの食らったら貴様とて無事ではすまんぞ!!離せー!!!貴様らも良くも味方を巻き込むような真似を!!この下等生物どもが!!」
「心配はいらん!!私の防御力は並ではない!!」
ダクネスさんがフリーザをつかんでいない方の手の親指を立ててこちらを向く。
「受けよ冬の帝王!!これが人類最大の威力の攻撃手段!!これこそが!究極の攻撃魔法!エクスプロォォージョンッ!!」
めぐみんさんが放った爆裂魔法を真正面から受け止めたフリーザ。
「く、クソがぁ!!こんなもの受け止めてやる!!ぬぉおおおおおおおお!!!うぎゃあああああああ!!!!」
エクスプロージョンの炎に飲み込まれていくフリーザ。まさか生で原作の再現を見れるとは思わなかった。
「やりました!我が爆裂魔法で見事!冬の帝王を討伐しましたよ!!…カズマ帰りはおぶってください。」
バッチリとポーズを決めて勝利宣言をしためぐみんさんはその直後ガクリとその場に崩れ落ちた。
カズマさんはめぐみんさんを背負い、そのすぐ先でアクアさんに回復魔法による治療を受けているダクネスさんの下に駆け寄る。
私たちも私たちでサニーやルナそしてアイビスちゃんたち兵士組の子達で集まってお互いの無事を喜び合った。
「見て!冒険者カードに雪精討伐と冬将軍討伐の文字が!!」
「ほ、ほんとだわ!!」
サニーとルナが驚きながらカードを示す。
「自分達のカードにも書いてあるのであります!!」
そう言ってアイビスちゃんもカードを掲げる。
ちなみに私のカードにも書いてあった。
その様子を見ていたアクアさんたちも自分達のカードを確認すると雪精討伐と冬将軍討伐の文字があったようで
「やったわ!!カズマさん!!あたし達大金持ちよ!!」
「お、おう!そうなのか!!これでこの前のベルディア討伐の時に出来た借金が返せるな!!」
などと向こうでも喜びの声が上がっていた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッゴゴゴゴゴッゴゴ
ん!?何の音?
わたしは音の方を振り返る。
「な、雪崩。」
カズマさん達が大声で叫ぶ。
「に、逃げろぉおおおおおおおおおおおお!!」
そうだ!逃げなきゃ!うわあああああああああ!!!
ふもとの村
「いやはや、こんな田舎の村に街の商人の方がいらっしゃってくださって助かりますじゃ。」
「いえ、私たちも雪精討伐の冒険者を山に送ったついでと思って立ち寄った甲斐がありました。」
「ウルフの毛皮に瓶詰。今年は少々心もとないと思っていた矢先の来訪ですじゃ。支払いはこれで…」
「たしかに頂戴しました。今後もユグドラシル商会を御贔屓に…」
村長宅の暖炉の傍で商談を済ませたスターは商会員である妖精たちと村の男衆とで保存食と防寒用の毛皮を村の倉に運び込む。午後3時頃、妖精的にはおやつの時間になり村人たちに商会員用の御菓子を無料で分けて休憩を始めた頃。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッゴゴゴゴゴッゴゴ
「いったい何の音?」
「やけにやかましいですじゃ。」
スターと村長(白髭ハゲ老人)が後ろを振り向くとさっきまで後ろにあった商会の馬車と村の倉庫が無くなっており巨大な雪の塊があった。
「「・・・・・・・・・・・・・」」
今回の話は結果的に私達にとっては馬車を失ったものの雪精討伐と予定外の報酬である冬将軍討伐の賞金で借金は帳消しになった。
雪崩に巻き込まれた村もケガ人と死者は幸いいなかった。
ただ、カズマさん達は雪精討伐と冬将軍討伐の賞金でこれまでの借金ある程度アクセルの街の外壁の修繕費を返済したのだが、馬車の弁償費用と半壊した村の復興費用が加算され借金自体はあまり減らなかったらしい。
そして、雪精討伐と冬将軍討伐の賞金を受け取った時の話だ。
パーティリーダーとして受付のお姉さんから賞金を受け取ったのだが、その時のお姉さんの話は衝撃的であった。
「御二人ともすごいですね。あの冬将軍改め冬の帝王を討伐されるなんて。もしよろしければ来年もよろしくお願いしますね。」
「「えっ」」
そう冬将軍と言うモンスターは季節に到来と同時に発生するモンスターだそうで完全に消滅した訳ではないそうだ。
「「お断りします。」」
「あら、そうですか。討伐の前例も出来たことですし来年は王都とかにも以来出してみようかしら。」
さらに余談であるが翌年の冬からはフリーザだけでなくクウラやコルド大王も現れ。さらにはアイスゴーレムやスノーウルフなどを支配下に置きフリーザ軍を冬季限定で結成したらしい。毎年冬には王都などから腕利きの冒険者が集まり壮絶な戦いが繰り広げられているそうだ。
この世界のフリーザ様もゴールデンになる日は近いかもしれない。
冬の帝王の件から1週間ほど経ったある日。
ギルドから指名クエストがあるとのことで呼び出された。
数人の黒服を従えたブラウンの紳士服を来た男が言う。
「ラ・ピュリタ継承魔導公国天空城捜索隊のロスカ特務大佐だ。天空城の捜索のために旧妖精王朝の末裔である君の協力が必要なのだ。ぜひ協力して欲しい。」