この素晴らしい世界に妖精が! 作:妖精さん
「わたしの名前・・・うぅ・・・わからない・・・」
正直、見た目洋ロリなのに日本人の名前は名乗りたくない。
もし仮に、この姿で「田中義男です!」キリ とかやっても違和感ありまくりだ。
親からもらったこの名前でも人間の成人男性として使っていたわけで洋ロリの名乗りとして使っていたわけではない。
コレジャナイ感がすごいのだ。
「ねえ、本当に名前がわからないの?何か覚えていることはない?」
心配そうに私の頭をなでながらやさしく聞いてくるスターサファイア。
どうしよう、田中を名乗りたくないゆえに記憶喪失を装ったが、何もかも忘れている感じでいいのか。
それとも、なにか断片的に覚えてる設定で行くか・・・
しかし、いざ即興で何か言おうとしても全く思い浮かばない。
「いちど、私たちの里に帰りましょうよ。この子も連れてってあげましょうよ。」
「そうね!うちで話を聞けばいいわね!!さあ、いきましょう!!」
そう言って私の手を引くサニーミルクとルナチャイルド。
彼女たちは羽を羽ばたかせ宙に浮くように飛び上がる。
「あ、あの飛び方もわからないんです」
「それも、忘れちゃってるの!?」
「これは予想以上に重症ね」
「どうしようかしら?」
そういって、ひそひそ話を始める3人。
まさかこのまま置いて行かれたりはしないよな・・・
彼女たちの様子を見続け5分弱で3人の話し合いは終わった。
ルナチャイルドとスターサファイアに左右の腕を抱えられ・・・
「二人の腕を話さないでよ!」
「よいしょっと」
「こわくないからね~」
サニーミルクに先導されて、ルナチャイルドとスターサファイアに抱えられてしばらく森の中を進んでいくと
大きなきな大木を中心に切り株型や巨大キノコ型のデフォルトな妖精ハウスが見えてきた。
「わぁ・・・すごい・・・」
感動する私をよそに見慣れている彼女たちは他の妖精達とあいさつな軽口を交わしながら、どこかに向かっている。
妖精の村についてからしばらく進んでいくとひときわ大きなキノコハウスが見えて聞いた。
サニーミルク達がビックキノコハウスの扉を開いて中に案内される。
いくつもの机が並び黒板が奥においてある。まるで小学校の教室だ・・・
「あなた、コーヒーと紅茶。なに飲む?」
ルナチャイルドがコーヒードリッパーやティーポットを取り出し夜間に火をかけたりしながら聞いてきた。
「あ、紅茶ください。」
そう答えるとルナチャイルドはやかんの下に手をかざし
「ティンダー」
すると夜間の下の小枝からパチパチと火がつく
魔法だ・・・幻想郷の妖精も魔法がつかえたんだな。
「どうしたの?そんな驚いた顔して?・・・そうよね、自分の事がわからないって言ってたし魔法もわからないのかしら?」
サニーミルクとスターサファイアは少し離れたところで何か話しているようだ。
ルナチャイルドは私の手を取って
「魔法なら私の補助で使えると思うしやってみる?」
魔法か、異世界らしいイベントだな。やってみたいな。
私はルナチャイルドにこくこくと頷いて答えた。
「じゃあ、こっちのやかんの下に手をかざしてみて。」
ルナチャイルドに言われた通りに手をかざす。
念じればいいのか?火よ出ろー、出ろー
なにも変化がない。
「ふふ、こうやって魔力の流れを感じるの」
そう言ってルナチャイルドが私の両手を包み込むように握る。
前世含めてかなり久しぶりに女の子に直接触られた・・・なんか、もにょもにょする。
すると触られてるところを中心になんだか暖かくなってきて、体の中をお湯が流れているような不思議な感じがしてきた。
これが魔力なのか?
「じゃあ、私と一緒に唱えて、さっきのと一緒よ。いっせーの「「ティンダー」」うまくいったわね。あなたの魔力すごく澄んでるのね、私の魔力にもすぐ馴染んだし・・・」
よくわからないけど、魔法がつかえてうれしい。やっぱり異世界と言えば魔法だよね。
私とルナチャイルドはその後もティンダーの魔法を駆使していくつものやかんのお湯を沸かして紅茶とコーヒーを用意した。
この大量の紅茶とコーヒーは何に使うんだろう?
ん、なんだか外が騒がしい・・・
「サニー、いったいどうしたの?急に呼び出して?」
ガヤガヤ
私がサニーミルクのいる方向を見るとぞろぞろと他の妖精達が集まってきていた。
集まってきた妖精達が各々椅子に座りだすのを見たサニーミルクは中央の演台の前に立つと大きく息を吸って
「は~い!!みんな、今日から私たちと一緒に暮らす新しい子を紹介するよ!!」
次回、主人公の新しい名前が決まります