この素晴らしい世界に妖精が! 作:妖精さん
「こほん!!さて、次は私の仕事場に案内するわね。」
スターは先ほどの独り言をごまかすように咳払いした。
そういって、少し大きなツリーハウスに案内された。
そこにはINNの看板が掛かっていた。
宿屋?旅人なんていないようだけど?
「えぇ・・・宿屋は長期休業中よ。」
そう言って宿屋の扉を開けて二階の客室の一つの扉を開ける。
「さぁ、着いたわ。」
その先には先日、名前を決めた会議で見かけたメイド服を着た妖精がいた。
「あ、スター?まだ、この前の行商の売り上げ計算は済んでません。夕方にもう1回来てくれませんか?」
メイド服の妖精は眼鏡を外して目頭を押さえて、椅子から立ち上がる。
「ごめんなさい、シャロン。仕事を押し付けて、この子に私達の村を案内してたのよ。」
スターが髪をファサーっとしながらシャロンに謝った。
髪をファサーっとした意味はなんだろう?
「いえ、わかっています。村の案内はスター様が適任でしょう。」
シャロンはずいぶん堅苦しい生真面目な性格みたい・・・
「ん?コニファー様?どうかしましたか?」
「あなた、妖精にしては真面目すぎるからコニファーが驚いているのよ」
不思議そうにするシャロンにスターが面白そうに答える。
「コニファー、こんな堅苦しい子だけど根はやさしい子のなのよ。仲良くしてあげてね。」
「堅物扱いは不満ですが、コニファー様、今後ともよろしくお願いします。」
シャロンは手を前に組み、まさに優秀なメイドと言った感じで会釈をした。
私も何となく反射的に会釈で返した。
「あはは!なんでコニファーまで硬くなるのよ!おもしろすぎよ!」
スターがこちらを見て笑っていた。
そんな、そこまで笑わなくても・・・
「スター様・・・」
「え!?ちょっと、ごめんなさい!?二人ともあやまるから許してよ!?」
私とシャロンがジト目でスターを見たら慌ててあやまってきた。
普段冷静なスターが取り乱しているのは珍しいのでゆるしてあげますよー
「コニファー様が許してあげるそうなので、私も許しましょう。」
「なんだか、私が遊ばれてるみたいだわ。それにしても、あなたたちもう仲良くなったのね。あなたたちいつも考え事ばかりしてるから気が合うのかしら?」
スターとシャロンはサニーやルナと一緒に暮らす前からの知り合いらしい。
言われてみれば二人の掛け合いもなんだか年季が入っている気がする。
「なんか、コニファーが失礼なこと考えてる気がするわ・・・」
あははは、ソンナコトナイヨ。ホントダヨ
「そういえば、スター様。次はどちらへ行かれるのですか?」
「農場よ。」
「え゛、あれを見せるんですか・・・。ここに来て日が浅い彼女にあれを見せるのは・・・」
シャロンがすごいいやそうな顔をしていた。
さっきから皆、農業に関して何か含むところがあるようだ。なんだろう
そして、畑では休憩中なのか数人の妖精が木製の古びたベンチに座って水筒のお茶を飲んでいた。
その中の一人である茶色い服を着た妖精が立ち上がりこちらに歩み寄る。
「スター、それにコニファーも待ってたよ。私はマロンこの農場を取り仕切ってるんだよ。さっそく案内するよ。」
「マロン、時間は多くとってあるから、大丈夫よ。」
スターから話を聞く前はすぐにでも案内をはじめようと考えていた様だが、時間があることを聞いてマロンは私とスターに長椅子に座るように勧めると話し始めた。
「じゃあ、細かく説明するよ。私達妖精族は種族スキル、グリーンプラントの効果で植物の成長が促進されるんだ。だから、野菜も果物も人間や他の種族がつくるより良質のものが作れるし病気にも強い。このトマトなんて私の顔くらい大きいだろ、でも味はしっかりしていてすごく甘いんだ。」
そう言って直径30センチはあろうトマトを包丁で適当に切って勧めてきた。
うん、あまい
「だから、通常なら無理な掛け合わせでも結構簡単に出来てしまうんだ。ここでは普通の野菜のほかに品種改良で作った独特な野菜も多くあるんだ。ちなみに品種改良はむかし、旅の冒険者に聞いた。あの頃は異邦人がたまに来てたからね。」
やっぱり妖精だし自然と相性がいいみたいだね。
異邦人ってのは私と同じ転生者の事かな。後で聞いてみよう
「さてと座学で話し続けてもいいけど、やっぱり実物を見た方が早いよ。牧場までの道のりを歩きながら説明するから行こうか。」
そういうとマロンが立ち上がる。
私達もそれに続く
「あ、そうだった。他の子たちも紹介しないと・・・」
マロンがそう言って他の子達に自己紹介するように言うと先ほどからマロンのそばで待っていた妖精たちが立ち上がって名乗る
「アインです」「ツヴァイです」「ドライだよ」「フィーアよ」「フュンフ」
「彼女たちはここで私と一緒に作物を作ったり家畜の世話をしたりしてくれるんだ。」
「「「「「よろしく(ね)。」」」」」
「こちらこそよろしく」
マロンが5人の方へ振り返り
「今日はコニファー達を奥のキャベツ畑にも案内するから、みんなもついてきて。」
「「「「「わかった(わ)(よ)」」」」」
それを聞いた5人はクワや鉈に、鎌を手に持った。
狼でも出るのかな?やだな怖いかも・・・
「そんなに怯えなくて大丈夫よ。コニファーの事は私がちゃんと守ってあげるから・・・ね。」
スターが表情を緩めて私の手を引きながら言う。
別に狼なんて怖くないよ。ほんとだよ。腰が引けてたわけじゃないよ?
「大丈夫だよ。私達もついてるし、いつもやってるんだから心配しないでよ。」
とマロン、他の5人もうんうんと頷いている。
私たちはマロンを先頭に畑を案内された。
「あの小屋が用具入れ。あそこは田んぼだよ、そんなにたくさんは育ててないけど異邦人には精米したやつが1袋(1㎏くらい)がだいたい1万から2万エリスで売れるよ。」
転生者の自分も故郷の味である米が食べられるのはうれしいな。異世界ものだと米がなくて自分で作ったり探したりするからな~
「おや、コニファーも米が食べたいのかい?変わってるね?秋の収穫の時に分けてあげるから来なよ。あと、あの横長の切り株型の建物が厩舎だよ。」
牧草地には牛や羊が放牧している。
羊の毛がふわふわしている。もこもこだ~
羊に抱き着いてみる。
「メェ~」
少し獣臭いがあったかい・・・
「そんなに気にってくれるとうれしいな。・・・でも、残念だけど牛や羊はそこにいる7匹で全部なんだ。うちで一番たくさん育ててるのはこれだよ。」
そう言って厩舎の扉を開けると・・・
何とそこには女の子が!?
「誘拐?」
私がそうつぶやくと
「ち、ちがうよ!?あれは女の子に見えるけど安楽少女っていうモンスターだからね!?誘拐とか監禁とかはしてないからね!?」
厩舎に閉じ込めるのは監禁のような?
「と、とにかく!?モンスターだから家畜なの!!わかった!?そういうことにしておいて!?」
「コニファーだから、悪気はないのよ。あんまり真に受けないでね」
私の予想外の反応に慌てるマロンだったがスターに落ち着かせれる。
気を取り直したマロンが
「人間に言われたことはあるけど同族から言われるとは思わなかったよ。」
と小さくつぶやいてから、この安楽少女は攻撃を仕掛けてくるような危険なモンスターじゃなくて比較的おとなしいんだ。原種の安楽少女の実は甘いけど栄養価が全くないんだ。でもここのはこうやって果物の苗や枝なんかを接ぎ木したり植樹して掛け合わせて高い栄養価を持っているから人間たちの街では好評なんだ。実際すごくおいしんだよ。」
そう言ってマロンが安楽少女になっている果実の実をちぎる
「ンッ!?」
痛がっているようだが実はそんなに痛くないらしい。ブリっ子してるらしい・・・原種時代にこうやって人間を虜にしていた名残らしい・・・
しかし、本当に甘いな。
「それに、こいつらは人間受けがすごくいいんだ。行商の時に連れていくと売り上げが上がるんだ。」
少女の実ウマウマ
しかし、なんか全体的に私の扱いがアホの子扱いは納得いかない。
「だって、コニファーだし・・・」
「ねえ?」
なんでそんな扱い~!?
アイン達5人はモブキャラです。名前に深い意味はありません。
妖精①=アインみたいな感じです。
他にも紹介していないモブ妖精がいますが、物語的には目立ちません。
そろそろ、エロを書かないとR-18タグが形骸化してしまう。