インフィニット・ストラトス ~グレモリーの白騎士~ 作:ELS@花園メルン
SIDE 一夏
「ん~!着いたぁ!にしても、暑いな今年の夏は」
駅に降り注ぐ日差しは例年よりもかなり照っていた。
「帽子をかぶってきて正解でした」
小猫は少し大きめの麦わら帽子に白のワンピースを着ていた。可愛い。
「あ、暑いですぅ…灰になりそうですぅ」
ギャスパーは半袖のTシャツにホットパンツで帽子の代わりにタオルで頭を隠している。もう、こいつ女でいいんじゃないか?
「確か、もう来てるはずだけど…、あ!おーい千冬姉!」
駅の付近に車を停め、そこにもたれ掛かっている千冬姉がいた。
事前にメールして、迎えを頼んでおいた。一応、免許は持ってるそうでレンタカーを借りている。
俺たち三人は千冬姉の元に歩いていく。
「久しぶりだな、一夏、小猫。
それと、君がギャスパー・ヴラディだな?一夏の姉の千冬だ
話しには聞いていたが、本当に女に見えるな」
「は、は、はじめまして!ギャスパー・ヴラディです!
よろしくお願いしますぅ!」
ビビりなギャスパーだが、千冬姉の前で更に萎縮しちゃってるか…
「こんなとこで話すのもあれだ。一先ず家に帰ろう。
一夏、荷物を後ろに乗せろ」
俺は三人分の荷物を乗せ、車を出してもらう。
「一夏、神社の祭りに行くんだろう?これで三人で美味しいものと私に酒に合うものを買ってきてくれ」
そう言って、俺に諭吉を2枚渡してくれた。
「いいのか!?こんなに貰っても!?」
「気にするな。これでもそれなりに稼いでいるしお前には普段家事を任せていたからな。楽しんでこい」
「ありがとう、千冬姉」
「・・・ご馳走になります」
「あ、ありがとうございますぅ!」
俺たちはしばらく話をしていると、家に着き荷物を下ろし千冬姉は車を返しに行った。
「中に入ろうぜ。ただいま~!」
家に入り、玄関を見ると
「あれ?汚れてない」
出たときと同じで綺麗なままだった。
・・・おかしい。冬八と千冬姉だけで綺麗なままを維持するなんて不可能なはずだ。
なのにこれはどういうことなんだ?
とりあえず、二人をリビングに連れていき、俺はキッチンに向かった。
洗い物の残しや生ごみなど無く、綺麗な状態を保たれていた。
「あ?一夏、帰ってきてたのか?つか、お前、どこ行ってたんだよ?」
リビングに冬八が入ってきた。
「ああ、ただいま。友達のとこへ行ってたんだよ。それよりお前さ、実は家事とかできたのか?俺が家出たときと変わってないんだけど」
「…ん、あ、ああ、それはな「ただいま~!」・・・こういうことだよ」
この声は鈴の声か。
鈴がリビングに入ってきた。買い物袋を両手にもって。
「あ!一夏、おかえり!久しぶりじゃないの!」
「久しぶりだな、鈴。てか、なんだ?その買い物袋は?」
「冬八と千冬さんの食事よ!
二人ともほとんど何にも出来ないから私がこうして作ってんのよ!」
「ふ~ん、良かったな冬八。
家事できる彼女ができて」
「ちょ!?一夏何言ってんのよ!?私は別にそんな!?」
「あ?別に彼女とかじゃねぇぞ、こいつは────っ痛ぇな!何しやがる!」
「何でも無いわよ!バカ!」
「は?何、キレてんだよ?」
ちょっと後押ししてやろうと思ってかけた一言がまさか、喧嘩を起こすとはな……
俺は言い合いをしている二人を見て、そう思う。
俺は鈴が持っていた買い物袋の物を冷蔵庫に詰め込み、菓子とジュースを取り、ギャスパーと小猫を部屋に連れていく。
その後は俺の修行中の話やその間の二人の話を日が暮れるまで話し、晩飯は鈴が買ってきた材料と追加で買ってきた材料を合わせて鍋にした。
夏の暑い日に冷房がガンガン効いている部屋で食べる鍋はなぜか旨い。
鈴と小猫とギャスパーは初対面ながらすぐに打ち解け、仲良くなっていた。
冬八は相変わらず不愛想な顔で、ギャスパーはあまり顔を見れなかったそうだ。
寝るときは小猫とギャスパーは俺の部屋に来て、三人で寝た。
鈴も泊まっていったらしく、冬八の部屋にて寝たらしい。
翌日、俺たちは祭りの時間になるまで家で涼み、頃合いを見計らって家を出て、近所の篠ノ之神社へと足を運んだ。
正直、俺はこの場所にあまりいい思い出が無い。
篠ノ之の家とは家族ぐるみの付き合いで千冬姉と束さんは親友同士だった。
束さんの妹で箒ってやつがいたけど、話を聞かず、貧弱だなんだといつも俺を剣道場に通わせていた。
千冬姉に誘われ、剣術の方で練習を行っていた時も、しつこく剣道をやらせようとしてきたので、俺は道場をやめた。
それからも軟弱者呼ばわりし、俺は軽くあしらってきた。
ISが登場し要人保護プログラムで箒が転校してからもあまり気のりせず、神社の方へ足を運ぶことは無かった。
神社周辺は祭りの屋台でにぎわっており、近所の見知っている人も何人かいた。
「早速、食べましょう。一夏君、わたあめが食べたいです」
祭りに来るなり小猫がそんなことを言い出し、屋台へ向かうので、俺とギャスパーは苦笑いして後を追いかける。
その後、俺たちは屋台(主に食べ物屋)を練り歩いた。
イカ焼き、たこ焼き、お好み焼、焼そば、フランクフルト、フライドポテト、りんご飴、ブドウ飴、かき氷、射的、かたぬき。
ほぼ食べ物屋だが、小猫はその全ての店の物を一人で平らげてしまった。
俺とギャスパーは分けあってやっとだというに…。何という胃袋だろうか!?
しかも、それで細身の体型なのだから、他の女子が聞けば羨むんじゃないだろうか?
屋台めぐりの途中、
「お!織斑じゃねぇか!」
赤い髪を少し伸ばし、ヘアバンドで止めてる奴が話しかけてきた。
「ん?あ、お前は、ええと、隣のクラスの…六反田君!」
「五反田だ!!」
「冗談だよ、五反田。今日は、
「…お前それ絶対に数馬に言うなよ?アイツはナンパだってよ」
小学生のころからナンパて…。
「それで、織斑は…お!両手に花じゃねえか!」
「あ、コイツ男だから」
俺はギャスパーを指差し言う。
「何!?男!?家の妹より女してんじゃねえか?───っ痛え!?」
あ、五反田が後ろから蹴られた。
「お兄ぃ、誰が女じゃ無いって?」
「お前のそういうとこだよ!つーか、お兄ちゃんを蹴るんじゃありません!」
「は?『お兄ちゃん』とかやめてくんない?キモい、いやマジでキモい」
「もぐもぐ……確かにキモいです」
「ちょ!?二回も言うなよ!?後、織斑の連れもさりげにディスらないでくれませんかねぇ!?」
五反田は若干、涙目になっていた。
「あ、どうも。五反田 弾の妹の蘭です。愚兄がお世話になってます」
「ああ、織斑 一夏。よろしく。礼儀正しいな?」
「ああ、織斑。
コイツ、家では全然──ヒッ!?」
「お兄ぃ…?すみません!もう私達行きますね!ほら、行くよ!」
そう言って、五反田兄妹は去っていった。
「仲の良さそうな兄妹でしたね」
「だな。ってか、小猫、その焼そば何杯め?」
「?3杯めですが」
千冬姉にもらった金がそろそろ尽きそうだな…
「あ!一夏君!小猫ちゃん!そろそろ花火始まりますよ!!」
ギャスパーは時計を見て知らせてきた。
「マジ?じゃあ、見易いとこ行くぞ!」
「あ、待ってください。串焼きが買いたいです」
小猫の串焼きで千冬姉にもらった金が尽きた…。
俺は二人を連れて、神社の裏の空地へ行く。
そこの大きめの石に座り、花火が上がるのを待つ。
ドォォォン!
「ひゃっ!?」
突然の音にギャスパーはビビった。てか、今の完全に女子の声じゃねえか
「ギャー君女の子みたいもぐもぐ」
小猫が俺の気持ちを代弁してくれた。
「ちょ、ちょっとびっくりしただけだよ~!でも、綺麗だよね!」
「何かこの花火上げてる人が結構こだわりの強い人らしくてな。毎回、凝った花火を上げるんだとさ」
「そうなんだ。来年も見たいなぁ!」
ギャスパーは花火に完全に夢中だった
「また来ればいいじゃないか。今度は眷属皆でさ」
「はぐはぐ、そうですね。あ、一夏君、これあげます」
そう言われ俺は残った食べ掛けの串焼きを渡された。
「そうか?じゃあ、ありがたく」
「小猫ちゃん?今のってひょっとして間せ───ムググ!?」
「ギャー君うるさい」
小猫がギャスパーの口を塞いだ。
?まあ、気にせず食べるか。
30分もすると花火は終わり、祭り終了のアナウンスが流れる。
「さ!そろそろ帰るか。明日の夜には冥界に帰るんだったよな?」
「はい。なので、今日は早めに寝ときましょう」
「一夏君、小猫ちゃん、来年も来ようね!!」
ギャスパーは元気にそう言った。
翌日の夜、冥界に帰り、グレモリー邸に着いたら、そこにはサーゼクス様が待っていた。
「ギャスパー・ヴラディ。
君に無期限の封印の間入りを命じる」
は?
何か色々とオリジナルな感じにしました。
弾は確か、中学の友人だったと思うんですが、小学生からの知り合いってことにしました。
後、蘭の性格が若干、別アニメのキャラ風になってしまった。
後はギャスパーの設定ですかね。