インフィニット・ストラトス ~グレモリーの白騎士~ 作:ELS@花園メルン
「それじゃあ、次のステップへ移りましょう。
朱乃、祐斗。二人は森からグラウンドへ向けて進軍、新校舎までの道を切り開いてちょうだい。
位置的にもあそこはライザー眷属が待ち構えているでしょうけど、グラウンドを確保できればこちらに有利になることは間違いないわ」
「「はい、部長」」
「イチカたちは——「部長、使い魔からの情報ですわ」――何かしら?」
「体育館付近にライザー様、並びに女王とその他複数の兵士の姿を確認いたしました。
使い魔の観測範囲内ではレイヴェル様の姿は確認されていません」
「…向こうも、当然、手は打ってきているということね……。
イチカ、小猫、あなた達で体育館にいるライザーたちを抑えてちょうだい。
イッセー、貴方は限界まで倍加の力を高めて。
一つ一つ手を打とうと考えていたけれど———、向こうは待ってはくれないみたいね。
短期決戦で勝負を決めましょう!!」
「「「「「はい!!」」」」」
部長の指示を受け、俺たちは行動を開始した。
眷属の数はこちらが圧倒的に不利。そこをライザー側は突くために、部長の判断を急がせるべく、一気に攻勢に出たんだろう。
恐らく、向こうの眷属は最低5人は待ち構えていそうだ。
「――――、ドライグ、聞こえるか…?」
部室を出る際、一誠先輩が籠手に宿る赤龍帝に何か尋ねていた。
しかし、俺はそれを最後まで聞かず体育館へと再び向かった。体育館へ近づくにつれ、魔力を色濃く感じ体育館だった場所には上空に今回の僧侶、ライザー・フェニックスとその女王が待ち構えており、地上にその眷属が8人、恐らく兵士全員が構えていた。
こちらは俺と小猫の2人に対し、相手は10人。
圧倒的不利な状況だったが、兵士陣はかなり消耗しているようだった。
「来たか、リアスの騎士と戦車。
レイヴェルの読みは当たっていたようだな。やはり、アイツには状況を把握するための眼が備わっているな」
「でしたら、ライザー様。もう一方の方に残りの眷属が向かっているのでしょう。そちらへは私が向かいましょう」
「任せる。レイヴェルの指示も無いあたり自由に動いても大丈夫だろう。
......さて、貴様らには俺たちの相手をしてもらおうか」
向こうの女王はグラウンドの方へ向かって行き、1人減ったが、こっちの不利な状況に変わりは無かった。
小猫を降ろし、俺はライザーと相対した。
「リアスの騎士。織斑一夏だったか?お前はレイヴェルにリアスの駒の中でも特に危険視されている。
よって、お前は俺が相手をしてやろう」
「そうですか。
では上級悪魔様に俺の力がどれだけ通じるか、試させてもらいます!」
俺は実体剣【カリバーン】を展開し、ライザーへとスラスターを吹かし、斬りかかった。
対して、カリバーンをライザーは拳に炎の魔力を纏い、受け止めてきた。
————―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「グレモリーのルークさん、たったお一人で私たちへ勝てるとお思いですか?」
現在、私は体育館だった場所に一夏君に降ろしてもらい、兵士八人と対峙しています。
メイド服を着た兵士が私にそう質問してきました。
「手負いのあなた達くらい、私一人でどうとでもできます」
もちろんハッタリです。
何人かは脱落させることができるでしょうけど、実際のところ数の暴力にやられてしまっては手の打ちようがありませんから。
「…そうですか。では、みなさん、やりますよ!!」
そう言いながらフェニックス眷属がかかってきました。
私は戦車の駒の力を活かし、地面に拳を叩き込みました。体育館へ仕掛けていた罠の爆発の影響で地盤が脆くなっていて、私の拳一つで地面に巨大なクレーターを作ることができました。
それにより、フェニックス眷属の何人かが落下、崩壊に巻き込まれリタイアの光に包まれて消えていきました。
『ライザー・フェニックス様の兵士三名、リタイアしました』
まさか一撃で三人も倒すことができるとは私は思ってなかったので、少し驚きましたが、それでもまだ敵は5人残っていると気を引き締め、ファイティングポーズを取りました。
「全員、離れて攻撃を!
彼女は恐らくインファイターです!無暗に突っ込んではただ殴られるだけです!!」
そう指示を出すフェニックス眷属の棍を持った兵士。
悪魔の翼で崩壊に巻き込まれるのを回避し、空中にとどまっていますが……勘違いもいいところです。
別に私は近接格闘しかできないから殴ってるんじゃありません。ちゃんと遠距離での攻撃だってできますよ。
「一斉に魔力弾を———な!?体が引っ張られる!?」
敵兵士が私の方へ引っ張られるように向かってきました。
それに対して私は蹴りを入れ、吹き飛ばします。
今使ったのは、とあるマンガの技を仙術で再現した技です。某忍者のマンガで内なるチ〇クラを使って腕を創り出してたのを真似してみました。
……え?それだと結局、近距離技じゃないかって?――――頑張って、練習します…。
—————―――――――――――――――――――――――――――――――――
「「はぁぁぁぁ!!!」」
カリバーンと炎の拳が激しくぶつかり合い、大きくお互いが吹き飛ばされる。
ISにはシールドエネルギーというものがあり、今回のレーティングゲームにおいて、俺のリタイア条件はISを纏っているということもあり、シールドエネルギーの全損が条件である。
ライザーとのぶつかり合いである程度、シールドエネルギーが減らされ、今は残り六割弱となっている。
「ふはは、ISというモノは面白いな!人間は摩訶不思議なモノを科学の力で作り上げ発展させてきたらしいが、ソレは正に稀代の大発明だろうな!その力をもっと俺に見せてみろ!!」
「…IS自体を造ったのは人間ですけど、俺の機体は堕天使総督が造ったものですからね?せぃっ!!」
右手にカリバーンを持ち、左手にオルトカリバーンを持ち、二刀流で構え、ライザーの攻撃を捌く。
「炎にはこういう使い方もある!」
ライザーは炎を剣のように変化させ、それを振るってきた。
炎の剣閃がこっちへ飛び、それを回避すると剣閃が着撃したところに炎が燃え移った。
「厄介な事この上ないな!!」
次々と放たれる斬撃をオルトカリバーンからナノマシン複合銃ヴィヴィアンに持ち替え、斬撃を相殺した。
「そらそらそらぁ!!まだまだ行くぞ!!」
「…ッ、おおお!!」
ヴィヴィアンでの射撃とカリバーンで斬撃を防ぎつつ、多少の被弾はお構いなしに俺はライザーへと肉薄した。
「この距離なら確実に当てられる!高出力だ!持ってけぇぇぇ!!」
「ぐ、うおぉぉぉ!!」
至近距離でヴィヴィアンの高出力レーザー砲をライザーにぶちかました。
だけど、ライザーと咄嗟の炎の魔力の爆発で銃身が逸らされ、ライザーの片腕を吹き飛ばすことしかできなかった。更に俺は、爆発をモロに受けてシールドエネルギーを大きく減らしてしまい、残りあとわずかとなってしまった。
「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ、まさか俺の片腕を吹き飛ばすとはな…。だが、お前の方もリタイア一歩手前と言った所か?」
「まだ、俺はやれますよ。仮に俺がここで敗退したとしても、せめて貴方の足一本位は追加で貰っていきますよ!!」
「面白いっ!!」
炎の魔力で己の身体を再生させることが可能なフェニックスだけど、いつまでも再生させられるわけじゃない。
一気に削り取ってやる…!
俺は長槍ロンゴミニアドを展開し、槍へエネルギーを収束させる。
「ほう?今までの中で一番威力の込められた攻撃だな。残り全ての力を使い切っての捨て身の一撃という訳か?」
「ええ。貴方を俺一人で倒すのは無理そうだ。だから、俺は後へつなぐ戦いをする!突き立て!食らえ!十三の牙!ロンゴミニアドォォ!!」
白い槍から13のレーザーがはなたれ、一つに収束し高威力の一撃となりライザーへと向かっていった。
「ふんっ!!」
対するライザーは炎の魔力を前面に結界として展開し、ロンゴミニアドの一撃を防いでいる。レーザーと結界がぶつかり合い、その光が辺り一面を覆いつくした。光で見えなくなっても、ISのハイパーセンサーの補助でどこにライザーがいるのかは分かる。そこへめがけて俺は光が止むと同時に最後の抵抗を行った。
「フハハハハハ!これで終わり———な!?」
「言ったでしょう?後へつなぐと。その足、貰います!!」
ロンゴミニアドを投擲し、ライザーの右足を貫き、俺は最後の抵抗を終えた。
『リアス様の騎士、一名リタイアです』
「みんな、後は任せます」
俺の身体をリタイアの際の光が包み、俺の身体はレーティングゲームの会場から転移させられた。
今回で一夏はリタイアとなりますが、この展開は最初から考えてました。でも、どういった感じで進めるかで悩んでて・・・
とりあえず、レーティングゲームはまだまだ続きます。
既にだいぶ原作乖離してますんで、どのような結果になるかお楽しみを。
あと、思ったんですが一夏むけの英霊ってなんでしょうね…?
自分の作品ではアーサー王ですけど、一夏は刀とかの方が向いてそうだし、日本の英霊とかの方が面白かったり?もしくは、ランサー、アーチャー、はたまたバーサーカー?
考えると、妄想がとまりませんww
それではまた次回