現在未確認巨大船に向けて船を向かわせていた
「うーん……」
「んー……」
そんな中、メアリーとアンがウンウン唸っている
トイレに行きたいのか?
「どうしました?」
「いえ、大したことでは無いのですが……確かに火薬庫を爆発させて船底に穴を開けました。けれど、なぜあの船は沈まなかったのでしょうかと」
うん大した事だよねそれ
なるほど、普通船底に穴が開いたら沈んでゆく
なのにあの船は沈まずに進んでいった
あり得ないと
でも
ここは聖杯戦争
あり得ないことが起きちゃう戦争なのだ
「それは担いだからです」
「は?」
「サーヴァントが担いで泳いだからです」
私も真実を知って驚愕したよ
まさか船を担いで岸まで泳ぐサーヴァントなんているか?
確かにクラスはバーサーカーだから、理性より本能で動いたのだろう
でも、これはやりすぎである
エルキドゥの獣バージョンならできるかな?
「あぁ、俺も見た見た。本当にバーサーカーというのは単純だよな」
ヘクトールがあくびをしながら甲板に出てきた
先程寝るとか言ってたのに、もう出てきたのか
「どうします?」
「今は未確認の船を沈めるのが先です。漁夫の利なぞされたらひとたまりもありませんから」
今なら未来の魔術師陣営は動けないはず
その間に面倒な敵は潰す
「そうですね。なら、私たちも戦いのために少し休憩しないと」
アンとメアリーは自分の部屋に向かった
「さて、暇になりましたね」
「そうだねえ……なら、あの盗聴器の出番ではないか?」
敵の情報が聞きたいのだろう
少しニヤニヤした顔をしていた
私はここに来てため息ばかりついている
そんな気がした
どうやらあの盾子一行は何処かの島にたどり着いたらしい
船もかなり悲惨な状態で、修理することに専念するとのこと
で、黒髭の宝具の正体がバレたようだ
なるほど
船員が強ければ強いほど船も強くなる……か
なら私出なくても良かったんじゃね?
船室で寝てたら良かった
うわぁ、恥ずかしい
だって久々の対人戦だもの
はしゃぐに決まってるじゃない
って、何か仲間増えてる
英霊ってそんなにホイホイ出てくるもんなの?
名前は……オリオンとアルテミス
神様じゃん
すごいね
向こうの陣営神様だらけじゃん
すごく屠りたい
メソポタミアの神が来たら問答無用で宝具を開帳するよ
でもエアやムンムが来たらちょっと考える
イシュタルなら喜んで宝具連発しちゃう
……見ているだけじゃ面白くないな
ちと介入するか
「え?介入するの?」
「ギルも風呂の覗きをした後、堂々と浴場に入ってきましたよ?」
あれはひどかった
周りの女は卒倒するし、私キレるし
ギルを問い詰めたら
「照れるな照れるな、我の裸体を見れて興奮したのであろう?」
確かにギルの裸体は美しい部類に入るだろう
だが、私の裸体も見られてんだ
そちらにキレてるんだよ
「ははは、その無駄乳を小さくすれば我好みなのだがな。ハハハ!!!」━━━━
「これが私の宝具の1つ"駆け抜ける大雷の嵐"が生まれたきっかけ」
「…………」
ヘクトールが引きつった顔をしている
まあ、そうなるな
盾の英霊に貼り付けた陣へ私とヘクトールは転移する
「な!?」
《嘘だろ!?サーヴァントの気配が急に君たちの近くに現れた!》
「先輩!後ろに下がって!!」
私たちを視認した盾の英霊はマスターを後ろに下がらせる
周りのサーヴァントも警戒してこちらを見る
「いや、何で着いてきてるのですか?」
何で着いてきてるの?ヘクトールさん
黒髭の宝具は人がいればいるほど強くなるんだよ
何戦力弱めてんの?
「いや、御姉さんがしゃしゃり出たら試合が終わっちゃうでしょ?それを阻止するために━━」
「いやいや私たち、あの者たちの敵でしょうが。倒して良いでしょ━━」
「いやいや、確かに楽できていいんだが、おじさん暇になるのは許しがたいよ?」
「いやいやいや、海の上は暇なのは同意です。しかし、私たちの目的を忘れてはいけません」
「あの……先輩、これって」
「あの2人仲が悪いのかな?」
未来の魔術師と盾の英霊が唖然としてる
周りもどうすればいいか少し悩んでいる
私は杖をついた
とたんに敵全員の足元から鎖が出てきて足に絡み付いた
「しまった!」
盾の英霊は悔やんだ顔をして鎖を破壊しようとする
鎖はさらに増えて手や身体に巻き付き身動き取れなくなる
「"天の鎖"。この鎖に捕らわれたら最後。中々切れませんよ。神に近ければ近いほどその鎖の力は強くなりますから」
「ふぅ……つまり、神性持ちはまず切れないってわけか」
ヘクトールはため息をついて私の近くに来る
「おいおい、味方を狙うなんてひどいじゃないか」
「まあ、避けると思いましたけどね」
不意打ちで避けれられたのは少し釈だが、まあトロイアの大英雄だからだと言い訳しとこう
敵で避けれたのは最後まで警戒していた船長
怪物も避けようとしたが、となりにいたエウリュアレを庇って鎖の餌食になった
つまり動けるのは
「こりゃあ、ヤバいねぇ」
「アステリオス!?」
あの2人だ
船長はすぐさま私たちに向けて発砲した
判断力はよい
だが
「その程度の銃撃では私は倒せませんよ」
障壁で防いだ
《あの障壁は高度の魔術で組み立てられてるみたいだ。生半可な火力じゃどうにもならない…》
「ドクター、どうすれば!」
《はっきり言って絶望的だ。あの魔術師1人でも倒すのが困難なのに、ここまで戦力を削がれたとなると……》
「話しは終わりましたか?さて、私たちは貴方の持つ聖杯とやらを戴きにきました」
「おいおい、御姉さん」
ヘクトール、分かってるよ
「渡さないと言ったらどうする?」
船長がまた発砲する
しかし障壁によってまた防がれる
「力ずくでと言ったらどうします?」
「嫌な奴だねぇ。質問を質問で返すなと親に言われたことないのかね?」
「生憎、私の両親は嫌いな人たちでしたから、話なぞ聞いてませんでしたね」
「こりゃあ親不孝だねぇ」
ニヤリと船長は笑う
このままだと膠着状態が続く
《分かったぞ!彼女の正体が!……でも、これが本当なら絶望的すぎる》
その膠着状態を破ったのは何処か遠くにいる者の声だった
「ど…ドクター、彼女の正体…は」
鎖で巻かれているというのに意外と余裕だな
《魔術を見たところあれは"原初"。原典の魔術を使うのは……エンムルク。ウルクの賢者だ……》
盾子や神様、マスターは驚いた表情になる
「ウルクの賢者、エンムルク!?………て誰?」
ずっこけた
私は微動だにしなかったが心の中ではすっごくずっこけた
いや、あんた今驚いてたろ
周りにいた人たちもずっこけてた
すごいなこのマスター
「魔術を初めて行った人です。魔術の母とも云われています。古代ウルクを繁栄させた人の1人で」
「俺たち神々の天敵でもある」
初めは盾子で、後は人形が説明した
人形は続けて話す
「しかし、賢者とも言われているオマエさんが、何故あんな黒髭と手を組んでいる」
気持ちはわかる
私もあなた等と一緒が良かったよ
だが
「私は彼に助けられたようです。眠っていたので詳しい事は分かりませんが。ヘクトール曰く流されていた私を黒髭が拾ってくれたそうです」
「へぇ?その恩を返すために黒髭と組んでるのかい?」
「それもあります」
「それもってことは、他にも理由があるのかしら?」
エウリュアレが弓を構えたまま聞く
しかしそれが放たれる事はなかった
「なに…これ……」
急にエウリュアレが膝をついて苦しい声を出す
同様に船長も膝をつく
押し潰されるかのように地面に倒れた
「なんだあ…これは上から押さえつけられてるような感覚だ」
立ち上がろうとするが思うように立ち上がられない
「私は原初の魔術師エンムルクですが、今は海賊です。財を奪うのは当然でしょう」
ふわりとエウリュアレは浮かびヘクトールの方へ移動する
「エウリュアレという財を奪うのは当然でしょう」
「えうりゅあれ!!!」
怪物は叫び、追いかけようとするが鎖で動けない
《無言詠唱……詠唱せずに魔術を使う。本来は威力が激減するから使われないのだが……なんて桁違いな威力なんだ!化物すぎるだろ》
そんな驚くことないだろ
ウルクではこんなの当たり前にできないと死んでる
「御姉さん、いいのかい?エウリュアレを捕まえるのは予定にはあったが、少し早すぎるのでは?」
ヘクトールが少し呆れた顔をしている
何?無双してたのがいけないのかい?
弱いのが悪い、私は悪くない
「最終的に奪うのですから早くても問題ないでしょう。それに」
「それに?」
魔法陣を足元に作り出す
「黒髭が見つけたようです。本当の黒幕を」
「どういう意味ですか!?本当の黒幕って」
盾子が叫ぶ
「それは企業秘密です。貴女方が私たちの所にたどり着いてる頃にはもう終わってると思いますが」
陣は光り私とヘクトール、エウリュアレは消える
残った者たちは唖然とするしかできなかった
エンムルク
クラス:キャスター
属性:中立、善
筋力:C
耐久:D
敏捷:B+
魔力:EX
幸運:C
宝具:A
保有スキル
・原初の魔術A
全ての魔術の原典であるため、殆どの魔術は扱える
・無言詠唱B
無言で魔術を行う。質は落ちるが、元々のスペックが高いためそこまで落ちてるように見えない
・賢者の叡智
???
クラススキル
・陣地作成:A
・神性:D++(A+
宝具
・神をも屠る大地の怒り
ランクA+
???
・???
???
つか、セリフはポンポン出るのに何故動きは出てこないのだろうか
ホントに文才が欲しい