ネタです
魔王と戦争━憤怒の少女━
「ふふふふふふふふふ」
「えと………その」
「ふふふふふふふふふ!」
「あの………」
「ついに、私の時代が来た!」
「……………」
「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」
「誰か………止めて………」
「………輩…………先輩!」
また居眠りをしていたようだ
目を開けるとマシュが心配そうな顔で俺を見ていた
「良かった……先輩の居眠りには慣れてますが、中々起きなかったものなので、心配しました」
「それよりマシュ!大丈夫か?」
「えと?大丈夫です」
「だって………」
第5特異点の修正後、彼女は倒れたのだ
いきなりフラッと………俺の目の前で
あの時ほど心臓が止まったような感覚は来ないだろう
「大丈夫ですよ、先輩」
「そうか………で、ここは?」
マシュが大丈夫って言うのなら大丈夫なのだろう
今は後輩の言うことを信じる
さて、見たところどこかの宿のように見える
ベッドと机と椅子しかない質素なものだが
「ここは仮眠室だそうです。1階が酒場で、その店主に私たちは運ばれたそうです。何でも入り口で倒れてたそうなので」
「今回も突発的なレイシフトなのかな?」
「だと思います。ドクターとの通信が繋がらないので」
今やるべき事は情報収集だ
「とりあえず分かったことは………」
宿を出た後情報収集を軽く済ませて、集められた情報をまとめる
「この世界は魔王によって支配されていて、たくさんの冒険者が魔王城を攻め落とさんとしているそうですね」
真顔でそう言われても……
そう、この世界はどこぞのRPGのようなものだった
「多分、魔王を倒さないとカルデアに戻れないと思う」
「私もそう思いました」
その魔王城には9つの魔王直属の戦士がいる間があるらしい
その戦士は多分サーヴァントだ
「とりあえず最低9人のサーヴァントと戦うことになる。少しでも多く仲間を集めないといけないな」
「そうですね。まずは魔王城に向かいながら、仲間集めですね!」
いつにもましてマシュさん、楽しそうではないでしょうか?
ここ、"始まりの街"に強い人はいないかと聞いてみたところ、集会所にいつもいる女の子がかなり強いとの事だ
もしかしたらサーヴァントかも知れないと思い向かうことにした
「でも、少女のサーヴァントとなれば………」
「ナーサリーさんとジャックさんくらいしか分からないです………」
子供のサーヴァントというのもかなり少ない
男だとアンデルセン、子ギル、中学生くらいとなればメディアリリィやアルトリアと増えるのだが、情報をくれた老人は子供と言っていたし………
「会わないと分からないか」
「はい、極力荒事にならないよう、気を付けましょう」
そう話してるうちに集会所にたどり着いた
集会所というのはたくさんのクエストを発注しているところだそうだ
クエストをクリアすればお金などの報酬を貰えるらしい
「で、マシュ……それっぽい女の子は………」
「あそこですね。カウンターに座っています」
カウンターを見たら、水を飲んでいる女の子がいた
気配からしてサーヴァントだろう
「声をかけてみますね。すみません!」
女の子はこちらを見る
白いパーカーを着ていてフードを被っているせいで顔ははっきりと分からない
ただ前髪で金髪だと判明、後は赤目で目付きが悪く、ゆったりとしたズボンにジャラジャラと腰に鎖が巻かれていた
「ああ?何か用?」
明らかにイラついた声で聞いてくる
ん?この声、どこかで聞いたことがあるような……
「えと……私はマシュ・キリエライトです。この街であなたが腕の立つ者だと聞いて来ました」
「ふーん、どうせ魔王を倒そうぜー的なやつでしょ?面倒だしパス」
「そこを何とか!」
…………やっぱり聞いたことある
何かトラウマ的な…………あ
「うっさいわね……あたしより強いやつなんてゴマンといるでしょ?他当たれ」
「ねえ、君……エンムルク?」
「え?」
「ああ?」
マシュは驚き、女の子は怪訝な顔でこちらを見る
「よく分かったね。何?どこかの特異点で会った?あたしには記憶ないけど」
「えと……大人の君に会った」
パリンとグラスがひとりでに割れた
マシュをバッと俺の近くに立ち戦争体勢になっている
見るからに殺気立っている
「へえ………"私"に会ったんだー。どうだった?あの無表情に、博識ですよ感駄々漏れのクズ女」
「え?えと……」
「いいわよ。どうせ、良かれと思ってとか言って味方になっても、敵になっても全力出してボコってたんでしょ?え?」
本当に彼女はあのエンムルクなのだろうか?
いや待てよ、ギルガメッシュと子ギルという例がある
彼らと同じで、エンムルクにも別人レベルの幼年期と青年期があるとすれば………
「はあ………久々にイラついてきた。あんたらボコるわ」
「え」
「ここに呼び出されてから一番今イラついてる。このイラつきをどこかにぶつけないといけないわー。死ね」
いきなり短刀を抜き取り俺の首目掛けて突っ込んで来る
それをマシュが盾で防いだ
「いいきなり何なんですか!?」
「言っただろう。殺すと」
一旦離れたら右手に針を生み出し飛ばしてくる
盾でまた防ぎ反撃を繰り出そうと前に出るがそこに誰もいなかった
急にマシュの後ろに現れ、蹴りを入れる
思いっきり背中を蹴られて体勢を崩されさらに蹴りを入れられ転けさせられた
「くっ、この………っ!」
立ち上がろうとするが踏まれて立てなくされる
「あんた……本当に"私"に勝てたの?雑魚いじゃない。確かに不意打ちとはいえ、こんなにあっさり負けるなんて……その盾も上手く扱えてないし、同じ英霊として呆れるわ。英霊のくせに自分の得物が扱えないとか………あーなるほど、あんた疑似サーヴァントみたいなもんか」
「っ!」
「ん?何かしら?ちゃんとした英霊ではないから仕方ないとか思ってない?じゃあ、あんたがこうなったら誰が彼を守るの?今なら彼を殺せるよ?」
「…………い」
「ああ?」
「させない!!」
キッとエンムルクを睨み無理矢理盾を振るう
だが、その一撃も腕に蹴りを入れる事で止められた
ガランガランと盾が床に落ちる
「だからさー、なってないって。あんた、時代を修正したの何回?」
チラッと俺を見る
その目にはいつでも殺せるよと語っているように感じた
「……6回だ」
「6回も修正して未だに真名分かってないの?こいつ。アハハハハハ!!!これはある意味才能だね。いいわ、仲間になってあげる」
「え?」
足を降ろして俺に近づき手を握る
急に右手に電気が走ったような痛みが入る
手を放されると令呪の一画が消えていた
「な!?」
「あんたの令呪の一画を貰って私と仮契約を結ばせて貰ったわ」
そ、そんなことできるのか
いや、それより
「なんで仲間になってくれたんだ?」
きょとんとした顔をしていたが、ニヤニヤと笑い始めた
「あんたの事を知りたくなった。どんな状況になってたとはいえ、"私"倒したんだ」
「俺はエンムルクと敵対してたとは一言も言ってないはずなんだが」
「あんたの顔を見て予想しただけよ。ああーボコられたんだなと」
「…………」
頭をかいてため息をつく
しかし、口元はにやけたままだ
「当たってんだからいいでしょ?まあ、これであんたらを殺す事ができなくなった。まあ、仮契約だから、この世界を出たらあたしとの契約はそこまで。いいね」
「…………分かった」
「せ先輩!大丈夫なんですか?」
マシュが心配してくる
はっきり言って不安しかない
だけど今目の前で彼女の実力を見せて貰った
実力はマシュより上である……俺たちではまず敵わない
でも、向こうから協力してくれると言ってくれた
なら、それを使わない手はない
「んじゃ、サーヴァントアサシン"エンムルク"ムルちゃんとか子ムルクとか好きに呼んで」
短刀を鞘にしまって、カラカラと笑う
『エンムルクか゛なかまになった!』
「え!?何?」
始まりの街にエンムルク以外のサーヴァントはいなかった
エンムルク曰く、少しした先にサーヴァントが2人ほどいるらしい
「まあ、あいつらとは喋ってないからどんな奴かはわからないけどな」
「あ、でも姿は見たんだよね?どんな人だった?」
「んー……1人は見るからに騎士って感じ、もう1人は……服装は紳士っぽかった」
ん?ぽかった?
何か曖昧な言い方だな
「結局会うんだし、その時に見て仲間にするか考えりゃ良いんじゃね?おっと前方に敵が」
「はい、戦闘体勢に入ります!」
『てきのワイハ゛ーンか゛あらわれた!』
「ちょっと!待ってください!」
ダンと盾を置く
「どした?デミィ。敵を前にして随分余裕だな」
「え?あの、先輩……」
「マシュ、今は戦闘だ。集中して」
「え?あれ?おかしいと思ってるのは私だけですか?」
『エンムルクのこうけ゛き!1500のタ゛メーシ゛!こうかはは゛つく゛んた゛!』
ワイハ゛ーン1860→360
「おーいデミィ、次あんたの番だぞー」
「番!?」
「ほら、ワイバーンも待ってんだから、早く攻撃しろよ」
「待ってる!?」
どうしたのだろうか?
マシュが混乱しているようだ
『マシュはこんらんしていてこうけ゛きて゛きない!』
「まじかよ、いつ混乱させられたんだ?気づかなかったぞ?」
「すまない、俺のミスだ」
「いいって、今は目の前の敵を片付けるよ」
「あの、おかしいと思うのは私だけなんですか!?」
『ワイハ゛ーンのこうけ゛き!490のタ゛メーシ゛!こうかはいまひとつのようた゛・・・』
エンムルク7970→7480
『エンムルクのこうけ゛き!1500のタ゛メーシ゛!こうかはは゛つく゛んた゛』
ワイバーン360→0
『ワイハ゛ーンはたおれた!』
「マシュ!大丈夫か?」
「えと……その………大丈夫です」
大丈夫には見えない
「回復のポーションとか無いかな?」
「悪いけど手持ちにないね。次の街まで頑張ってもらうしかない」
「……………適応すればいい………適応すればいい………」
バッと顔を上げる
何か決心したような顔だ
「はい、私は大丈夫です」
「そ、そうか?」
大丈夫って言ってるんだ
大丈夫なのだろう
「んじゃまあ、行くとするか」
俺たちは次の街に向かった
「そういえば、エンムルクの逸話にアサシンの話ってあったかな?」
第3特異点後に彼女について調べたけど、そのような話は無かったように思える
あれかな?エリちゃんみたいなやつかな?
「ああ、あたしの話ってほとんど書かれてないからね。ほとんど大人になってから。まあギル君が主人公だから。それが原因でしょうね」
短刀を抜き取りクルクルと手の中で回す
「今のあたしは、"神殺し"としてのあたし。まあ、本当に神を殺したのは大人になってからだけど。でも神を嫌ってたのはあたしの時が全盛期だからね。多分それが原因で神殺しの力を持って顕現したのだろう」
「"神殺しのあたし"ってことは他のクラスもあるのかな?」
「そうねー……魔術師としての"私"を筆頭に神殺しとしての"あたし"、武を極めんとした"私"………後は………」
「後は?」
「いや、可能性があるだけで、まずないよな。あたしが…………」
どうしたのだろうか?
急に黙りこんでしまった
武を極めんとした私となれば三騎士のどれかになるだろう
じゃあ残るはライダーかバーサーカー
エンムルクに何か乗って戦ったという逸話はなかった
ということは
「バーサーカーとしてのエンムルクか?」
ビクッとエンムルクは動く
鋭く睨んだら
「この話は終わり、いいね?」
と威圧してきた
怖くて文句も言えないのでアッハイと頷くしかなかった
バーサーカーとして顕現したエンムルク………つまり狂ったエンムルク………あの無表情でどことなく優しそうな彼女が狂っている………
想像できなかった
子供の時の彼女は口にしなかっただけで、とても短気でした
これは、転生前の幼少期にも関係しています
おまけ
エンムルク
クラス:アサシン
属性:中立、善
筋力:D
耐久:E
敏捷:A
魔力:A+
幸運:B
宝具:A
保有スキル
・原初の魔術A
全ての魔術の原典であるため、殆どの魔術は扱える
・神殺しA
神を殺した故のスキル
・辻斬り
???
クラススキル
・気配遮断:B+
・神性:D++(A+
宝具
・神よ地に墜ちよ
???