キーコーカーコン
授業終了のチャイムが鳴った。ようやく家に帰れる。
もうすぐ夏休みだが来年には受験があり、遊びまくることはできなさそうだ。
宿題をさっさと終わらせるためにも、早く帰ろうと教室を出た。
さすがに7月に入ったためか、とても日差しが暑い。
その時、何かが光った。よく見ると何か落ちている。
拾い上げてみると、それは指輪だった。大きな宝石(ダイヤかな?)が嵌められてある。
ちょっと、出来心で指輪を嵌めてみることにした。少し小さいが何とか指を通った。
その瞬間だった、目の前の光景と音が遠ざかっていく、体も動かない、意識がもうろうとする。そして、俺は気を失った。
気がつくと、俺は見知らぬところに立っていた。壁はすべて真っ白だ。
自分の服装はそのままだが、担いでいたカバンがない。そして、指には拾った指輪がはまっている。
辺りを見渡すと、人が立っている。女の子だ。
これはもしや、おいしい展開!と思い馬鹿みたいに全力で走って近寄る。
近づくと、女の子もこちらに気づいた。
俺は、女の子の前で止まり、挨拶をしようとした。その時。
女の子の口が開きこういった。
女の子「ようこそいらっしゃいました。晃様。私の名前はリンカ。貴方が付けている
‘次元越えの指輪’の守護者です。」
俺は、この子が何を言っているかわからなかった。リンカ?‘次元越えの指輪’?なんのことだよ?それより、なぜ俺の名前を知ってる?しかも、晃様?
晃「いろいろ疑問があるが、まず俺の名前をなぜ知っている?」
リンカ「それは、晃様が指輪を嵌めたときに契約が完了し、晃様の情報をすべて得たからです。」
晃「じゃあ、次元越えの指輪とは何だ?」
リンカ「次元越えの指輪とは、文字通り、次元を超えることができる指輪です。これを身に着け、契約を完了することで、次元を超え、別世界に行けるようになる代わりに、今までの貴方の存在が消えることになります。」
晃「それはつまり、俺がいたことが無くなるってことだな。」
リンカ「はい、そうです。」
俺のいたことが消える。母や父、学校の友人や教師、どれもいい人たちだった。そんな彼らから、あの世界から、俺が消える…。
だが、それでもいい。俺は今まで自分の運命を感じたことが無かった、これが俺の運命なら受け入れよう。
誰からも忘れ去られるなら、永遠に旅をしよう。もう1度、違う次元で、世界で俺がいたことを残そう。
ラノベのような馬鹿な展開だが、それでもいい。この運命を受け入れよう!
晃「契約はまだ、完了してないんだよな?」
リンカ「はい。」
晃「では、契約を完了しよう。だが、その前に1つだけ質問がある。なぜ、俺がこの指 輪を拾った?そして、なぜ俺と契約しようとした?」
リンカ「契約しようとしたのは、晃様なら、今から行くであろう、長い次元の旅にも耐えられると思ったからです。もう1つの質問ですが、その答えは、次元の旅の最後にいる。その指輪を創った人にお聞きください。」
晃「なるほど、自分で来いってか。」
リンカ「では、契約を完了します。よろしいですね?」
晃「いいぞ。」
リンカ「それでは行きます。 *この者に次元越えの力を授けよう!* ここに契約を完了する!」
そういうと、リンカの掌から光が放たれ。俺の手にある、次元越えの指輪に吸い込まれていった。
リンカ「これで、契約は終わりです。もう私とは会えないでしょう。次に会うとした ら、それは旅の終わりですね。」
晃「そうか。で、どうやって次元を超えればいいんだ?」
リンカ「簡単ですよ。指輪を天に掲げて、祈るんです。」
晃「へえ、じゃあ、行ってくる。またな。ありがとう。」
そういうと俺は、リンカが言った通りに、手に嵌った指輪を天に掲げ、指輪に向かって、*どこか違う次元に連れて行ってくれ*と強く願った。
そうすると、指輪から白い光が溢れ出した。
リンカ「では、行ってらっしゃい!」
晃「ああ。」
視界が白く染まっていく…。ん?待てよ、これ何処に行くんだ???
リンカ「あ! 言い忘れてましたが、1度行ったことがある次元なら、指輪に祈って、
行くことができますが、行ったことのないところに行く場合は、どこの次元行くかわかりません。」
マジかよ! それを早くいええええ! と思いながら、俺は最初の旅に出るのだった。
う~~ん これでいいのか?