白銀の王   作:うたまる♪

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作者もここまで来るとは思ってもいませんでした!


今後も今作品をよろしくお願いします!





停戦と共同戦線

 ガアアアァァァァァァァァ!!!

 

 

 けたたましい音が戦場に木霊する。その音はおよそ悪魔や天使、堕天使から発せられることのない、生々しい咆哮が戦場を駆け抜け、二つの巨体が戦場に現れる。赤色の鱗を纏う龍と白色の鱗を纏う龍が戦場で暴れはじめる。いや、お互いは戦っているつもりなのだろうが、戦場にいる悪魔、天使、堕天使からしたら厄災のようなものだろう。咆哮による大気の振動、ブレスによる熱気、ありとあらゆるものが半分にされ、魔力、光が四方八方に跳ね返る。この現象がたった二体の龍によって引き起こされていることを考えると、今までの悪魔、天使、堕天使の三つ巴の戦いとの圧倒的格差を見せつけられたかのようだ。そして当然三種族は突如戦場に現れた龍を快く思う者は居ないだろう。三種族は突然戦場に現れた二体の龍に我々の戦争を邪魔するなと言うようにありったけの攻撃を二体の龍に放つ。しかし、その攻撃は赤き龍の鱗に傷一つ付けることができず、白き龍には攻撃のほとんどを半減、反射される。そして三種族から攻撃を受けた二体の龍は今まで見向きもしなかった三種族に目を向ける。だが、龍が三種族に向ける目は敵を見るような目ではなく、自身に群がるハエを見るような鬱陶しそうな眼をしている。そして、二体の龍は大きく息を吸い込む。その姿を見て次に起こりうる状況を予想することができた者は急ぎその場から退避する。それを見て未だ恐怖を感じずその場にいるのは力を過信している者と戦闘経験が浅く予想ができなかった者達だった。

 

 

 次の瞬間、赤き炎と白き閃光が三種族を襲った。そのブレスは戦場の地形を大きく変え、その場にいた者達を塵一つ残さず消滅させた。その光景を見せつけられた三種族は恐れ戦き、戦場から各陣営に撤退していく。先程の二体の龍の一撃により、三種族は甚大な被害を被った。およそ戦争を続行するにあたって壊滅的な被害をたった一撃によって、齎されたのだ。これにより、前線で闘っていた多くの命がそこで散った。

 

 

 その振動は戦場から遠く離れたイースレイとヤハウェにも届いた。

 

 

「最悪だ……このタイミングで来たのか」

 

 

 イースレイは戦場から発せられる只ならぬ振動とオーラに冷や汗を流しながら呟く。イースレイは二天龍が三大勢力の行っている戦争の中現れる可能性が高いという事をタンニーンから前もって知らされていた。だが、今のタイミングで現れるのはイースレイにとって最悪だった。ヤハウェとの戦いで消耗しきった魔力、体力や体の傷こそは回復したが、ヤハウェとの戦闘で削られた精神的疲労は多大なる物があった。そして、直に見たわけでもないにも関わらず感じられる圧倒的な龍のオーラ。タンニーンとは比べ物にならないほどの莫大なオーラが遠くからも感じられる。

 

 

 この時、イースレイは既に二天龍との戦闘を脳内でシュミレーションさせていたが、今の状態ではどうやっても勝てないという圧倒的な負のイメージが脳内を支配していた。仮に今の状態で闘ってもよくて二天龍の片割れに手傷を負わせるので精一杯だという結論に辿り着く。勿論、その結果イースレイは死ぬことになるだろう。

 

 

「これは……まさか二天龍がこの戦いに乱入したとでもいうのですか!?」

 

 

 ヤハウェも尋常ならぬ龍のオーラを感じ、二天龍が戦場に現れたことを察する。今の疲弊した状態ではヤハウェと言えど、二天龍の相手は全く務まらないと言ってもいいだろう。

 

 

 イースレイはヤハウェの声を聞き、即座に考えをまとめる。

 

 

「すまない、ヤハウェ。先の停戦の話だが、撤回させてもらおう。私達が感じたこのオーラが正しければ、二天龍がここに現れたようだ」

 

 

「ええ、間違いありません。あの尋常ならぬオーラ……間違いなく赤龍帝と白龍皇です」

 

 

「ここで提案があるのですが、此処は一時互いの事を忘れ、共同戦線と行きませんか?」

 

 

 イースレイの言葉にヤハウェは眼を見開く。そしてすぐに考えるしぐさを見せる。ヤハウェも今状態では自分が戦ったとしても二天龍を止めることができないと感じているはずだ。よしんば、止めることに成功したとしても疲弊したところを他の勢力に付け込まれて終わりだ。そうなるとヤハウェも共同戦線を受け、最小限の被害に留めつつ、二天龍を討伐、または二天龍の撃退が望ましい。自身の勢力が生き残ることを優先するなら一時の感情に流されることなく、その誘いを受けるべきだ。

 ヤハウェは自身の体調が万全でないことを悔やみながらイースレイの提案に頷く。

 

 

「わかりました。悪魔を信用するのは難しいですが、今回は事態が事態ですので容認しましょう。私は貴方たち悪魔と一時停戦し、協力体制を取らせていただきます」

 

 

「助かるよ。ここで断られてたら私も打つ手がない」

 

 

 実際、イースレイが魔力も体力も万全だったとしたら二天龍の片割れは倒すことができるだろうが、それはあくまで一対一での話だ。二天龍が戦っているとなると必然的に二天龍の両方を相手取らなくてはいけなくなる。そうなるとイースレイ一人の力ではどうしようもないだろう。魔王を二人も失い弱体化した今なら尚更他の悪魔達からのバックアップは望むことは難しい。二天龍を分断し、各個撃破する。それがイースレイの考えだ。それを決行するには今の悪魔勢力にはいささか力不足感が否めない。魔王が全て健在であり、戦争によって疲弊していなければ行えたかもしれないが、今の組織状況ではそれは難しいどころか、無謀だ。もしも、イースレイが二天龍の片割れを倒すことができたとしてもその頃には足止めをしている悪魔達は全滅しているだろう。それ故に他勢力からの助力が必要不可欠だった。しかし、その問題もたった今解決した。後はイースレイが魔王にその旨を伝え、説得するだけだ。

 

 

「それでは私は戻らせていただきます。共同戦線の事を伝え、態勢を整えねばなりませんから。それからアザゼルにもこのことを伝えておきましょう。力は多ければ多き程いいですから」

 

 

 そう言い、ヤハウェはその場から飛び去ろうとするが、その姿は中々に痛々しかった。イースレイとの戦闘によって負った傷は浅くなく、また光力の消耗も激しいからだろう。

 それを見かねたイースレイはヤハウェを呼び止め亜空間から一つの小瓶をヤハウェに投げ渡す。中身はイースレイの持つ数少ない回復手段であるフェニックスの涙だ。共同戦線を行うにしても敵側であることに変わりないヤハウェに渡すのは躊躇いがあったが、それは致し方ないだろう。今のヤハウェでは二天龍の足止めは愚か、その戦場に立つことも難しいくらいなのだから。

 

 

「失礼ですが、貴方の名前を教えていただいてもよろしいでしょうか?」

 

 

 ヤハウェの言葉にイースレイは少し驚く。当然だ。聖書の神であり、イースレイ達悪魔を害悪と罵ったヤハウェが一介の悪魔でしかないイースレイの名前を訪ねてきたのだ。

 イースレイはヤハウェの言葉にやや面喰いながらも自身の名前を告げる。

 

 

「私の名前はイースレイ、イースレイ・シトリーだ、聖書の神」

 

 

「イースレイですね……わかりました、確かに覚えさせていただきました。この品はありがたく頂戴させて頂きます。そして、覚えておきましょう。害悪と呼ばれる悪魔にも貴方のような優しき慈悲ある心を持つ者がいるという事を」

 

 

 ヤハウェはフェニックスの涙を口に含み身体の傷を治し、その場から勢いよく飛び去っていった。そこに残されたイースレイはふっと笑顔が込み上げてきた。

 

 

「わかり合えないことはない。今はただ少しすれ違っているだけだ………今回を気に和解することができたらいいのだが」

 

 

 残されたイースレイも流星(ミーティア)を使い魔王ルシファーの元へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その結果、イースレイとヤハウェの働きもあり、三大勢力は一時停戦し、二天龍を相手した共同戦線が行われることになった。

 

 

 そして、ここから更に物語は加速をしていく。

 

 

 




ここ最近、話がぐだってきてる感が否めない……

どうすればいいんだろう?
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