今回は作者の都合で作品を改変してしまい申し訳ありません!
今後はこのようなことにならないようにしたいと思います。
誠に申し訳ありませんでした!
イースレイの命を対価にして戻された時は約30分。たったの30分と言う者もいるかもしれないが、その巻き戻した30分がどれだけの命を救うか。だが、イースレイの巻き戻した30分が、多くの命を救うきっかけとなるのは間違いない。
イースレイは巻き戻した時の反動を一身に受ける。唯の悪魔が絶対的な世界の理、世界の時を巻き戻したのだ。唯で済むはずがない。イースレイの寿命はラストエイジスを使ったことによって、その99%を失った。その急激な生命力の低下はイースレイの肉体に多大なる負担を齎す。
それに加え、
イースレイが身を粉にして戻した時
イースレイは同じ過ちを繰り返させるものかと言わんばかりに更なる魔法を行使する。
「我は汝と契約を交わす者」
それはイースレイが禁忌とする
「汝、星をも砕くその力を」
ナニカを犠牲にしなければ使うことのできない
「星々の力を我に貸したまえ」
イースレイの禁忌魔法の一つ
「契約に従い星々の扉を開け」
古よりイースレイが契約した星々の王を呼ぶ儀式
「開け!星霊王の扉!」
代償召喚術
紫色の空が光り輝き、星々が集まり一つの門となる。
その門はゆっくりと扉が開き、中から一体の星霊が現れる。
『久しいな、わが友よ』
「ああ、実に久方ぶりだね」
両者は再会を懐かしみながら笑顔で挨拶を交わす。
『して、この状況……友は我に何を求める?』
星霊王は先程までの表情と打って変わって、真剣な表情でイースレイに問いかける。
当然だ、星霊王を召喚するには特殊な方法を使わなければならない。だが、一度星霊王を召喚することが成功すれば、星霊王の名に相応しい力を召喚者に与える。それこそ、二天龍と同等と言っても申し分ないほどの力を与えてくれる。
「白龍皇アルビオンの足止めを頼む」
イースレイの藁にも縋る様な物言いに何とも言えない不自然さに蝕まれるが、星霊王はその不自然さについて一度頭の隅に置き、大きく頷く。
『グウィバーか……相も変わらず戦い好きな奴よ………よかろう!契約者であり、友である主の願い確かに承った!』
そう言い、星霊王は此処から離れた戦場に向かって飛翔する。
連合軍は奇妙な違和感のようなものを覚えた。先程から白龍皇が何を仕掛けようとしているのか、それが手に取るようにわかる。まるでその出来事が一度起きたかのようなデジャヴ感が彼らの窮地を救っていた。
だが、それでも連合軍にとって白龍皇を相手取るのは難しく、苦戦を強いられていた。かろうじて戦死者は出ていないが、怪我人は多く出ており、各戦力のトップも無傷では済まなかった。全体の損害率は怪我人を含めて5割強と言ったところだ。このままでは結末は変わらないだろう。
だが、それでもイースレイの巻き戻した時は細微ながら連合軍にわずかながらの希望を与えた。
連合軍は各勢力のトップ、幹部を中心に戦線をどうにか維持し、白龍皇の足止めを行う。ここで連合軍が敗北することはイースレイの死亡につながる。唯でさえ赤龍帝の相手を一人で請け負いギリギリの戦場に白龍皇まで合流したらイースレイには万が一の勝機もない。それに今ここで三大勢力が敗北した場合、二天龍は三大勢力を滅ぼしにかかるかもしれない。深読みし過ぎだと言うかもしれないが、相手はドラゴン。力の象徴であり、気まぐれな生物だ。警戒しておいて損なことはない。
「ヤハウェ!これ以上の戦線維持は不可能だ!」
「わかっています!ですが、此処で撤退しては彼の努力が水泡と化します!」
魔王ルシファーの言葉にヤハウェは即座に反論する。ヤハウェ自身もこれ以上の戦線維持は難しいとひしひしと感じている。だが、それでも退くわけにはいかなかった。ここで退けば赤龍帝と闘っているイースレイの努力が水泡と化すのを理解しているからだ。
「でもこのままでは全滅よ!イースレイと合流して戦場から離脱するべきよ!」
魔王レヴィアタンの現実的な言葉にトップは苦虫を潰したような表情になる。ここまで闘っても尚白龍皇を倒すことができなかった。なら戦闘前より疲弊している今の戦力で白龍皇を倒すことができるのか?その答えは否だ。それ故にトップたちは撤退をするか宣戦を維持するか思案していた。
「この魔力……まさか星々の王がここに現れたのですか!?」
ヤハウェは突如現れた懐かしくも力強い魔力に呆然とする。
何故ここまでヤハウェが驚くのかと言うと、此処に彼が現れる意味が解らないからだ。その力強い魔力から彼なら二天龍の片割れを相手取ることも可能だろう。だが、それは戦闘に協力してくれたら話だ。
ヤハウェは冷や汗を流しながら魔力が発せられる発信源を見つめる。ヤハウェと同様に強力な魔力を感じた白龍皇も戦闘を中止し、発信源を見つめる。
だが、次の瞬間
先程の強力な魔力が小さく見えるほどの禍々しくも儚い、途方もない魔力が冥界を覆う。
そう、この魔力はイースレイの魔力だ。今まではラストエイジスと星霊王の召喚に魔力を大幅に使った反動で魔力量が少なくなっていたが、その消費した魔力が、回復……いや、回復と言う言葉はおかしいだろう。何故ならその魔力は今も尚、際限なく急激に増加しているのだから。
その魔力の圧力により戦場の時が止まる。
各勢力のトップは勿論、白龍皇アルビオンも目を見開きありえんとでも言いたそうな表情をしている。
しかし、その沈黙は星々の一撃によって破られた。
『メテオブレイドォォ!』
大地を砕きながら白龍皇に迫る斬撃。その一撃は最上級悪魔でさえ、一撃で消し飛ばされるほどの威力を秘めている。白龍皇はその一撃を半減することによって防ごうとするが、強力な一撃にその場から数十m弾き飛ばされる。
白龍皇は態勢を整え、自らに攻撃をした愚か者を睨め付ける。
『相も変わらず、愚かなことをしているな………グウィバー』
『わざわざ星霊界からこのような場所に来るとは……何用だ、星霊王』
星霊王と白龍皇が対峙する。星霊王は魔力を、白龍皇は龍のオーラを発し、互いを牽制している。
『我が友との古き契約に従い、貴様を止める』
『ほぉ、貴様に私を止めることができるか?』
『できる出来ぬではない。我は貴様を是が非でも止める』
『面白い!二天龍が一対白龍皇アルビオンと星霊王!どちらが真の強者であるか、ここで示してみせよう!』
白龍皇は好戦的な笑みを浮かべ星霊王に襲い掛かる。
白龍皇と星霊王の激闘が幕を開けた。