もうすぐ終わる……
自身の文才の稚拙さに涙が出てきそうだ……
感想、評価お待ちしております!
毎回誤字訂正を示唆してくれる皆さま!
本当にありがとうございます!
あれ、おかしいな………
何故私は倒れているんだ?
何故、私は空を見上げているんだ?
混濁する意識の中、イースレイは自身の記憶を辿り現状を把握しようとする。
私は確か……そうか………
使用者の時を、寿命を代償とした超絶魔法。悪魔であるイースレイが代償として支払った時は数千年、もしかしたら数万年かも知れない。それだけの時を経った一瞬に凝縮したのだ。元々悪魔の中でも群を抜いたイースレイが使用したのだ。その効果は計り知れないだろう。事実、二天龍を短時間で二体とも沈黙させることができるほどの力を手に入れた。それだけでもこの超絶魔法の凄まじさが窺えると言う物だ。
イースレイが二天龍に使用した魔法は天体魔法、
エーテリオンは非常に高度かつ、複雑な魔法陣で構成され、非常に多くの魔法属性が
27億イデアという魔力は世界の半分以上の神が集まってようやくと言ったほどの魔力だ。それほどの魔力をイースレイがたった一人で集め、収束し、全て一人で発動したのだ。余りにも非現実的で、一個の生命体が行うには無謀と言う言葉すら通り越し、愚かとしか言いようがない。それをイースレイはたった一人で可能にしたのだ。付け加えるならエーテリオンの範囲をできる限り縮小させ、威力を調整したのだ。
エーテリオンは威力次第で、国の一つや二つ軽く消滅させるほどの威力を秘めている。その余波だけで並の存在は耐えることができず、身体が消し飛ばされるだろう。それをここまで威力を減らして撃ったのだ。仮にイースレイが威力を加減せず、エーテリオンを投下したなら冥界は崩れ去り、その被害は冥府まで及ぶだろう。それがこの程度の被害で済んだのは一重にイースレイの優しき心によるものだろう。
そうか………これは私への罰なのだな………自身の戒めを捨て、多くの命を摘み取った私への罰なのだな……
イースレイは馴染みある紫色の空を見上げながらその右腕を空に懸命に伸ばす。その右腕も今は細々とした老人の様になっている。
私の人生は良いものだった……厳格な父に優しい母、可愛い妹、出来の良い弟子に悪魔である私に心を許してくれた友………そして―――――――――——————
イースレイの瞳からボロボロと涙がこぼれる。イースレイの脳内に今までの思い出が流れては消えていく。それが何度も繰り返しリフレインする。
そうか……私はまだ死にたくないのか………まだ、生きていたいのか………
イースレイが空に伸ばしていた右腕が力無く、重力に従い地面に落ちていく。
「イースレイさん!」
そんなイースレイの右手を優しく包み込んだのは紅髪の男、サーゼクス・グレモリーだった。その横には涙を流し、イースレイの胸に顔を擦り付けるようにしながらむせび泣くカテレアがいた。少し離れた場所には信じられないものを見るような眼で呆然としているセラフォルーもいる。
「レイ!しっかりしてぇ!何で……なんでぇぇ……」
カテレアはこんな姿になるまで戦ったイースレイに文句を言うように嗚咽交じりな涙を流す。サーゼクスは涙こそ流してはいないが、変わりにイースレイの変わり果てた姿に悲痛な表情を浮かべている。
嗚呼……何故この子たちは涙しているんだ?
イースレイは自身の姿が年老いた老人の様になっていることを理解していない。いや、そこまで頭が回らないだけだろう。
イースレイは弱弱しい笑顔を浮かべ、サーゼクス達に話しかける。
「やあ……君たちが無事で……良かったよ……」
その事実が確かめられただけでイースレイはこの命を賭けた甲斐はあったと満足する。
だが、他の者はそうではない。
「よくありません!何故ここまで力を酷使したんですか?!貴方ならここまでしなくてもどうにかなったはずです!」
サーゼクスはわかりきっていることだが、どうしてもこの言葉を言わずにはいられなかった。確かにイースレイは二天龍と闘っている時、普段ではありえない程焦って戦っていた。それはサーゼクス達を思い、急ぎ戦いを終わらせ、加勢をするためだった。全てはイースレイの他人を思いやる優しい心が招いた事態だった。
「家族を……同胞を……君達を守りたかった……それだけだった……」
イースレイの言葉にサーゼクスはとうとう我慢できず、その瞳から涙を流す。それと同時に自身の力の無さに嘆いた。
もし、サーゼクスにイースレイ程の力があったならこの結果にはならなかったはずだ。だが、それは全てもしの、IFの話だ。いくら悔いたとしても時は戻らない。現実から逃れることはできない。
「レイィ……レイィィィ……」
カテレアは唯々泣き続けた。
ここだけの話だが、カテレアはイースレイの事を一人の男性として愛していた。幼少の頃から自身に魔法を指導し、優しく微笑んでくれるイースレイの事が大好きだった。
「何よ……何でよ!」
そんな二人を押しのけセラフォルーはイースレイの胸倉を掴み自身に引き寄せる。
「なんであんたはそこまでするの!ふざけないでよ!勝手に死ぬなんて許さない!私があんたを越えるまで勝手に死ぬなんて許さない!速く起きなさいよ!」
「セラフォルー!」
イースレイに食って掛かるセラフォルーをサーゼクスは半ば無理やり引きはがす。セラフォルーは息を荒げながらイースレイを見据える。
「そうだね……確かに自分勝手だな………セラフォルーには迷惑ばかりかけているね……兄と名乗るのも烏滸がましい………」
イースレイはよろよろと今にも倒れそうになりながらその場に立ち上がる。
「イースレイ!」
そこにイースレイの唯一の眷属、グレイフィアが現れる。その後ろには聖書の神ヤハウェ、堕天使総督アザゼルの姿も見える。
「貴方……その姿………」
ヤハウェは口元に手を当てながらその瞳から涙を流す。
「お前……イースレイ……なのか………?」
アザゼルは目の前の出来事が信じられないと言わんばかりに目を見開き、イースレイを見つめる。
「やあ、ヤハウェにアザゼル………それにグレイフィア……無事で何よりだ……」
イースレイは普段と同じ優しそうな声音で笑顔で笑う。
「無事じゃねぇのはてめぇだろうが!どうなってやがる?!」
アザゼルは頭をぐしゃぐしゃとかき回しながらイースレイに問いかける。
「イースレイ……貴方……もう……」
今まで多くの子を産んだヤハウェだからこそわかる。イースレイの命はもうそよ風が吹くだけで消えてしまうほど、消耗している事実を。
「いーす……れい………」
グレイフィアは掠れた声でイースレイを呼びかける。その言葉を発するのにどれほどの勇気が必要だっただろうか。今のグレイフィアに目の前の現実を享受するための準備はできていない。
イースレイはそんなグレイフィアの不安を取り除くためか、ゆっくりとした足取りでグレイフィアに歩み寄る。そして、優しく抱きしめる。
「何だい、グレイフィア?」
イースレイは今の自分ができる限りの平静を装い、グレイフィアに言葉を返す。それだけで、グレイフィアは胸の奥から熱い感情が、涙が込み上げてくる。
「グレイフィア、すまないね……私のような甘ったれた奴の眷属になってくれたのに………私は何も君にしてあげることができなくて………」
イースレイの言葉にグレイフィアは涙を流しながら首を横に振る。
「そんなこと言わないでください……私はまだ…貴方から何も学んでいません……」
グレイフィアは嗚咽交じりに言葉を紡いでいく。
「グレイフィア…ありがとう……こんな私の眷属になってくれて………ありがとう…私の思想を認めてくれて………ありがとう…私を愛してくれて……」
そう言い、イースレイは自身の首に架けていたペンダントをグレイフィアの首に架ける。優しく、丁寧に、壊れないように。
「私の大切な物だ……どうするかは君に任せよう………」
イースレイはそれだけ告げ、踵を返す。そして、自身の最愛の妹、セラフォルーに向き合う。
「セラフォルー……私からの最後の手向けだ……」
イースレイはそれだけ言うと、ゆっくりと身体に残った魔力を練り、身体強化を施す。
「私を越えろ」
その瞬間
兄妹であり、師弟の最後の戦いが始まった。
まだだ……まだ終わらんよ!(作品は)
そんなことで次回!
終戦!
次回は何時投稿するかわからないけど!
ご期待ください!