白銀の王   作:うたまる♪

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UAもいつの間にか70000越えてるし、読者の皆様には感謝しています!

本当にありがとうございます!


ちょっと無理やり感と言うか、イースレイまだ死なねぇのかよってなるかもしれませんけど、今回もよろしくお願いします!



終戦

 小規模な爆発が死地と化した戦場を揺らす。

 片や多くの時と魔力を失った兄、片や二天龍と闘い消耗した妹。二人の戦いは突然切って落とされた。

 

 

「私はあんたよりも強い!アイスメイク、大鷲(イーグル)!」

 

 

 セラフォルーが造りだした何羽もの大鷲が四方八方からイースレイに襲い掛かる。イースレイはセラフォルーの攻撃に対し、ゆっくりと動き最小限の動きで回避していく。その動きはまるで洗練された舞踊の如き美しかった。

 

 

「いくら四方に攻撃を行ったとしても直線的な攻撃は躱される。それに君の視線が何処を狙っているのか雄弁に語っているよ……正直すぎる君の弱点だ」

 

 

 イースレイはセラフォルーの攻撃を冷静に分析し、今度は此方の番だと言わんばかりに両手を前方に掲げる。

 

 

「アイスメイク、槍騎兵(ランス)

 

 

 20本の氷の槍がセラフォルーに襲い掛かる。数こそは普段より少ないが、その代り一つ一つの大きさは通常の倍ほどある。セラフォルーはすぐさま迎撃を行う。

 

 

「アイスメイク、(ウルフ)!」

 

 

 一度に10体の狼が生み出され、次々と氷の槍を破壊していく。だが、それに違和感を感じるセラフォルー。

 

 

(おかしい、いくら何でも脆すぎる)

 

 

 しかし、セラフォルーの考えの纏まる前にその違和感はセラフォルーを襲う。

 狼の群れは統率された動きで19本の氷の槍を破壊し、残った1本も同じように破壊しようと噛みつきにかかるが、そうはいかなかった。最後の1本となった氷の槍は先程の19本と違い狼を貫き、セラフォルーに迫る。セラフォルーはとっさに障壁を展開し、攻撃を防ぐが、威力を殺しきることができず数m後方に弾かれる。

 

 

「今の攻撃は全体の95%が見た目だけの張りぼて、残りの5%に十分な魔力を込めたのさ」

 

 

 今のイースレイはお世辞にも魔力に余裕がある訳ではない。今のイースレイの魔力総量はよくて下級悪魔程度の魔力しかない。少ない魔力を効率的に使い、最大限の戦果を挙げる。これこそ戦いの極意。しかし、そんなことができる人物は世界でも多くはないだろう。

 イースレイは自身を蝕んでいく身体に鞭を打ち追い打ちをかける。

 

 

「アイスメイク、(チェイン)

 

 

イースレイは氷の鎖をセラフォルーの両腕に巻きつけ引き寄せる。態勢の崩れたセラフォルーは成すがままに引き寄せられ、腹部に掌底が打ち込まれる。だが、いくら身体強化を施してもその一撃は並。セラフォルーを傷つけるには威力が圧倒的に不足している………はずだが

 

 

「うぐっ!」

 

 

 イースレイから打ち込まれた掌底は今までのどの攻撃よりも重く強烈だった。セラフォルーは痛みに呻きながらもイースレイから視線を離さず、反撃を試みる。セラフォルーは攻撃の反動で隙ができたイースレイに巨人の脚を造形し、イースレイを踏みつぶさんとする。だが、イースレイはそんな一撃避けるまでもないと言わんばかりに片手を上に上げ、その一撃を受け止める。

 

 

「そ、そんな……」

 

 

 セラフォルーは自身の一撃を魔法も使わず受け止められたことに驚愕する。それもそうだろう、目の前にいるのはいつ死んでもおかしくない死にぞこない。体力も魔力もとうの昔に0になっているはずだ。そんな魔力も身体能力も上であり、絶対的有利な状況であるはずのセラフォルーの一撃が素手で防がれたら驚きもする。二人の戦いを見届けている者達もその不可解な光景に唖然としている。しかし、当の本人であるイースレイはこれを至極当然と言わんばかりの表情をしている。

 イースレイは空いているもう片方の手で拳を作り、巨人の脚を破壊する。

 

 

「不思議かい?私が素手で魔法を防いだことが。だけど、驚くことじゃない。君の一撃は軽すぎる」

 

 

 セラフォルーはイースレイの言葉に歯噛みしながらも再び造形魔法を発動する。

 

 

「これでも軽いって言える!アイスメイク、白竜(スノードラゴン)!」

 

 

 イースレイに巨大な氷のドラゴンが襲い掛かる。

 イースレイは小さく溜息を吐き、その手に一振りの氷の剣を造形する。

 

 

「さっきのより強力な魔法か……馬鹿者!」

 

 

 イースレイは白竜(スノードラゴン)を一刀で両断する。その切断面によどみはなく、氷の剣は刃毀れ一つしていない。剣に効率的に力を加え、長年の経験が齎した確固たる技術、これだけでもイースレイの地力の強さがうかがえると言う物。

 イースレイは身体を脱力させ、重力に従い前方に落下していく。

 この瞬間、セラフォルーは自身の攻撃が効き、イースレイを倒したと錯覚する。だが、次の瞬間、それが甘い考えだったと気付かされる。

 脱力落下しているイースレイは地面と衝突しそうになった瞬間に身体強化を全て両足に集中させる。その瞬間、イースレイの姿はあたかもその場から消えたかのように姿を消す。セラフォルーは突然の出来事に混乱しながらもイースレイの姿を探す。

 

 

「魔法の大きさとか、魔力をどれだけ込めたとかじゃない。魔法に込める想いこそが本当の重さだ」

 

 

 セラフォルーの背後からイースレイの言葉が聞こえる。セラフォルーは慌てて後ろを振り返り、距離を開ける。警戒するセラフォルーを気にすることなく、イースレイは言葉を続ける。

 

 

「君の魔法には何もつまっていない。空虚なんだ……君は何故強くなろうとするのか、何故この戦争に参加したのか。自分自身を観れない者に私の生み出した魔法は使用者に答えない」

 

 

 イースレイの言葉が電流の様にセラフォルーの身体を駆け巡る。何故ならイースレイの言葉は間違いではなかったから。それでもセラフォルーはその事実を認めまいとイースレイに攻撃を仕掛ける。

 

 

「そんな事はない!私にだって闘う理由はあるよ!」

 

 

 セラフォルーは次々と後先考えずに次々と造形魔法を使い攻撃をするが、すべてイースレイに躱される。その中でセラフォルーは自分が強くなろうとする理由、戦争に参加した理由を考え始める。

 

 

 私にだって闘う理由はある………沢山あるはず……

 

 

 いつもイースレイばかり見ている周囲の目を私にも向けてほしい

 

 

 いつもイースレイの妹として接している周囲にイースレイの妹ではなくセラフォルーとして接してほしい

 

 

 イースレイばかり見ている両親、イースレイばかり見てないで私をもっと見てほしかった

 

 

 私の力を周囲に認めさせたい

 

 

 いろんな考えが私の中に浮かんでくるけど、どれも何か一つ足りない。今浮かんでくるモノは全部目的のための過程、つまり通過点だったはず。そうだ……本当は私

 

 

 

 

 お兄ちゃんに褒めてもらいたかったんだ

 

 

 

 

 その瞬間、セラフォルーの中でずれていた歯車がカチリとかみ合う音がした。それと同時に造形魔法に変化が現れる。3羽の大鷲が鋭い爪をもってイースレイに襲い掛かる。イースレイはそれに難なく対応するが、3羽目を斬り落とすが、同時に氷の剣が罅割れて崩れていく。先程までの造形魔法とは打って変わって何かしらの強い想いが魔法からイースレイに伝わってくる。

 

 

「見事、それが想いを込めた一撃と言うものだ」

 

 

 そうだ、私は褒めてもらいたかったんだ。たった私のお兄ちゃんに。『よくできたね』『頑張ったね』ありきたりな言葉でもいい。私はお兄ちゃんに褒めてもらいたかったんだ。ただ、それだけのために頑張ってたのに……それがこんなにも馬鹿みたいなことしちゃって……。でもやっと、やっとお兄ちゃんが私の事を褒めてくれた!もっともっと私の事を褒めてほしい!

 

 

 だから

 

 

「これが……今の私の全力!アイスメイク、一角獣(ユニコーン)!」

 

 

 セラフォルーが全魔力を使い造形したのは一匹の獣、ユニコーン。その姿は山ほど大きく、凛々しく、力強く、美しい今まで最高の造形魔法だった。ユニコーンはその長く尖った角をを使いイースレイに突進する。

 イースレイはセラフォルーの成長した姿をその目に焼き付けながらゆっくりとその腰に右手を構える。

 

 

「氷魔零ノ太刀!」

 

 

 イースレイは残っている魔力を振り絞り人生最後の魔法を放つ。

 互いの一撃が衝突した瞬間、大きく爆発し、辺りに衝撃波を巻き起こす。

 セラフォルーは体内から魔力が全て放出し、その場に倒れそうになる。そんなセラフォルーのボロボロな身体は優しく抱き留められる。懐かしい匂いに包み込まれながらセラフォルーはゆっくりと顔を上げる。

 

 

「よく頑張ったね、セラ」

 

 

 そこには綺麗な銀色の髪をなびかせた優しい兄が、自身の頭をゆっくりと撫でる姿が見えた。

 

 

 イースレイの今の姿は第三魔法源(サードオリジン)を使う前の好青年だった時の姿だ。悪魔は歳を重ねると魔力で見た目を自由に変えることができる。イースレイは最後の力を使い、セラフォルーの知っている自分の姿に見た目を変えたのだ。それはセラフォルーの止まっていた時を動かす為にイースレイができる最後のことだった。

 

 

「おにい……ちゃん……」

 

 

 セラフォルーは感動のあまり、子供の頃の様にイースレイに抱き付く。セラフォルーは今まで仲違いしていた時間を埋めるかのようにイースレイに甘える。イースレイはそんなセラフォルーの頭を優しく撫で続ける。だが、イースレイに残された時はもうない。本来ならイースレイはとっくの昔にこの世にいないだろう。それでも尚、生きながらえることができたのはたった一人の妹であるセラフォルーに大切なことを伝えていなかったからだろう。

 

 

「セラ、君は私を越えた……ここまでよく頑張ったね……私は嬉しいよ……」

 

 

「グスッ……え、えへへ……やっとお兄ちゃんに褒めてもらえた……」

 

 

 セラフォルーは涙と鼻水塗れになった顔で嬉しそうにイースレイに笑いかける。イースレイはそれを見て今まで自身の行いを激しく後悔した。

 

 

「セラ、君には厳しくしずぎた……悪かったね……こんな出来の悪い兄で……」

 

 

 イースレイの言葉にセラフォルーはブンブンと首を横に振る。

 

 

「カテレア、私の最後の我儘を聞いてくれるかい?」

 

 

「は、はいぃぃぃ……」

 

 

 カテレアは今もなお流し続ける涙を手で拭いながら返事を返す。

 

 

「君はセラと違い聡明な子だ……この子はまだまだ危なっかしいところが多い……カテレア、信頼している君だからこそ……頼めることだ………これからセラの事をよろしく頼む」

 

 

 カテレアはイースレイの言葉に涙を流しながら大きな声で答える。

 

 

「任せてください!私が責任もってセラフォルーを一人前にして見せます!」

 

 

「…ありがとう……」

 

 

 イースレイはセラフォルーの肩を掴みそっと自身から引き離す。名残惜しそうにセラフォルーはイースレイを見つめるが、笑顔を浮かべゆっくりと周囲を見渡す。

 

 

「サーゼクス……君は大きな力を持っている……だからこそ、己の力を理解し……命の大切さを忘れないでくれ……たとえ悪魔であろうと妖怪であろうと人間であろうと同じ命だ……それは忘れないでくれ。アザゼル、ヤハウェ……二天龍の処置は任せた……面倒事を頼んで済まない………グレイフィア、君に出会えたことは私の中で一番幸せだった……ありがとう……愛している…………」

 

 

 イースレイは地面に横たわり馴染みある紫色の空を見上げる。その視界も徐々にぼやけ、白く染まっていく。

 

 

「おやすみ…………」

 

 

 イースレイはそれを最後に息をひきとった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、二天龍はヤハウェとアザゼルの協力によって神器(セイクリッド・ギア)に封印された。天使、堕天使、悪魔は再び戦争をすることなく、三大勢力のトップの指示の元、勢力の復興に努め、停戦協定を結ぶこととなった。

 イースレイの亡骸はイースレイの領地に墓場を立てられ手厚く弔われ、埋葬された。

 

 

 魔王ルシファー、魔王レヴィアタンは戦闘中の傷が元で亡くなり、それに並行し、冥界は悪魔の新たな指導者として魔王を4人選出することになった。

 

 

 サーゼクス・ルシファー

 セラフォルー・レヴィアタン

 アジュカ・ベルゼブブ

 ファルビウム・アスモデウス

 

 

 以下の4名となった。

 

 

 

 そして、戦争から多くの時がたった。

 

 

 

 

 

 




これで今作品は終了いたします。


今までご愛読ありがとうございました。



















何ていうわけないじゃないですか!

まだ話は終わりませんし、終わらせません!(必死)


これで原初という一つのストーリーが終了しますが、まだ終わりませんよ!


主人公死んじゃったけど、まだ終わりませんよ!


次回は何時投稿になるかわかりませんけど、まだ話は続きます!

てか、原作開始する前に物語終了とか、読者に申し訳が立たない!

ここからは原作通りに進まないことが多くなってきますが、どうか温かい目で見守り下さい!


感想、評価をお待ちしております!



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