少し物足りないと思うかもしれませんが、これはイースレイが中心の物語です。
断じて兵藤一誠の物語ではありません。
という事で一気に聖剣編まで飛びます!
三大勢力の戦争が終結して、様々な問題が起きた。
一つが天界のトップである聖書の神ヤハウェが行方をくらましたことだ。
このことに天界は騒然とし、ミカエルを始める多くの天使たちがヤハウェの行方を捜索したが、ヤハウェを見つけることは愚か、手が掛かりの一つも発見することができなかった。
天界は急遽代理の指導者としてミカエルを祭り上げ、騒動を治めようとした。だが、聖書の神が作りあげた天界のシステムはミカエルでは十全に扱うことができず、多くの信者を切り捨てなければいけなくなった。
その後、天界では聖書の神が行方不明であることを禁則事項とし、ミカエルを中心とした熾天使が天界を纏めることとなった。
二つ目が、イースレイの死体が持ち去られたことだ。
あの大戦後、イースレイの墓標には必ず見張りの悪魔を数人配置していた。その理由はいくつかある。一つが、イースレイの魔法についてだ。
イースレイの身体の中にはサーゼクスやセラフォルー、グレイフィアでもわからない複雑な術式がいくつも埋め込まれていた。中には小型の水晶も体内に埋め込まれていた。サーゼクスとセラフォルーはイースレイの解剖を行おうとするアジュカを必死で止め、イースレイの身体に何十もの封印魔法をかけ、その遺体を墓標に埋めた。それからサーゼクスはイースレイの遺体を何者かが盗み出さないように常に見回りを配置し、イースレイを守り続けた。
しかし、ある日突然、イースレイの遺体が何者かによって持ち出されたのだ。見張りとして配置していた悪魔は五体満足だったが、全員息を引きとっている状態で発見された。まるで命だけを抜き出されたかのように絶命していた。
サーゼクス、セラフォルー、グレイフィアはすぐさまイースレイの遺体を持ち去った者を拘束するべく捜索部隊を派遣した。サーゼクス、セラフォルー、グレイフィアも立場を忘れ、一心不乱に探したが、その足取りは一切見つけることができなかった。その代り捜索部隊として派遣した悪魔達は手がかりを一つ発見することができた。いや、手がかりと言っていいものではないだろうが、捜索部隊の一つが見回りとして配置されていた悪魔達と同じような状態で遺体として発見された。
その情報が伝わり、大戦で少なくなった悪魔をこれ以上少なくしたくないと思った上層部はサーゼクス達に捜索の打ち切りを言い渡した。
勿論、サーゼクス達は反論したが、上層部のもっともな言い分により、頷くほかなかった。唯一グレイフィアだけは諦めることなく、独自で捜索を続けるが、手がかりを掴むことはできなかった。
そしてある日を境にグレイフィアもその姿をくらました。上層部は自分たちの言葉に従わなかったからだと嘲笑い、サーゼクスはその事実に亡きイースレイに泣きながら一人謝罪を繰り返した。
これが二つ目だ。
三つ目が謎の悪魔がいたる所で出現していることだ。
その悪魔は最初こそは中級悪魔と同等程度の力しかなく、その時の謎の悪魔は危なげなく討伐されることとなった。しかし、時が進むと同時にその力は増していった。謎の悪魔は世界各地に出現し、世界を荒らし回った。その中には最上級悪魔と同等、魔王にも匹敵するほどの力を持つ悪魔もいた。
その被害は三大勢力だけではなく、世界各地の神話勢力にも被害をもたらした。
最初こそ、各勢力は悪魔に管理問題を追及したが、四大魔王は『自分たちは一切関与していない』『あの悪魔は自分達とは根本的に作りが違う』と言い、各勢力に何度も説明を繰り返した。四大魔王の言う通り、謎の悪魔は冥界に住む悪魔達とは根本的に違った。何が違うと言われれば、その身体の造りだ。普通の悪魔なら光は致命的な弱点であるが、その悪魔は光の攻撃をものともせず、戦闘をしていたと言う報告もある。中でも特筆すべき点は謎の悪魔が死んだときの状態だ。謎の悪魔は死ぬと同時にその身体が魔力と共に霧散する。他にも死んだと同時に身体が唯の土塊に変わったと言う話もある。
更にその悪魔達は冥界悪魔なら誰もが知っているある特殊な魔法を使用していると報告されている。
二天龍を倒したとされるイースレイが開発した魔法を謎の悪魔達は使用しているのだ。中にはセラフォルーやカテレアと同系統の魔法を使う悪魔もいた。その中で特に注意すべきタイプの悪魔が
サーゼクスはこの事件の主犯はイースレイの遺体を持ち去った者だと見当をつけている。しかし、その足取りは一向に掴むことができず、謎の悪魔はどのように生み出されたかも謎に包まれている。その中でも唯一といってもいい情報が悪魔にタイプが分かれていることだ。謎の悪魔は様々なタイプが存在している。そしてタイプは大きく分けて三つとされている。
特効タイプの悪魔
殲滅型の巨大な悪魔
理性のあるタイプの悪魔
この三つが、現在知られている謎の悪魔の唯一の情報だ。
特効タイプの悪魔はその名の通り、ある一点に対して絶大的な力を持っている悪魔の事だ。例えるなら先程言った
殲滅型巨大悪魔は10mを超える巨体から放たれる素手による攻撃、煉獄の炎、絶対零度の氷、黒光する雷を駆使し、冥界や天界だけでなく、人間界にも被害を出している。特筆すべき点は唯一つ、攻撃範囲の広さだけだ。そしてこのタイプの多くは動きが遅いが、中には俊敏な悪魔も存在する。
最後に理性のあるタイプの悪魔だ。この悪魔は他の悪魔と違い言葉を話すことができる。現在このタイプの悪魔の出現は稀だが、どの勢力もこのタイプの悪魔を危険視している。何故なら、この悪魔は高い知性にそれに追随する高い戦闘力を持っている。中には他のタイプの悪魔を支配下に置き、小規模な部隊を形成していることもある。
以上が、謎の悪魔に関する情報だ。
サーゼクスは自身の机に置かれている書類に目を通し嘆息する。
憂鬱な気分になっているサーゼクスの部屋の扉が開けられる。
「よう、サーゼクス」
「やあ、アザゼル。久しぶりだね」
そこに居たのは堕天使総督アザゼルその人だ。なぜここにアザゼルがいるかと言うとそれには裏の事情と言うモノがあった。
先程の情報にもあったが、現在謎の悪魔が定期的に世界に出現している。その中に光を使用する天使、堕天使と相性最悪な光に対する特効作用を持つ悪魔が現れた。その時は辛うじて撃退することができたが、被害は目も当てられない状況だった。それは悪魔にも言えることで、悪魔は
「それにしても何のようだい、アザゼル?」
サーゼクスは急な訪問に訝しげな表情をする。
アザゼルは申し訳なさそうな表情をしながら話を切り出す。
「今回は二つ報告があってきた。一つは先日、謎の悪魔と交戦し、そいつを殺した。その際にその悪魔が意味深な言葉を言っていてな」
「意味深な言葉かい?」
「ああ」
アザゼルは真剣な表情で話を続ける。
サーゼクスも先程までの憂鬱な表情とは打って変わって魔王ルシファーとして責任ある者の表情に変わる。
「なんでもそいつが言うには『13の鍵が揃うとき、我々はエデンの元に召されるだろう』とか言ってたな」
「13の鍵……いったい何のことだ?」
「その鍵の検討は大まかだが、ついている。おそらく、
「ふむ………」
確かにアザゼルのいう事は合っているかもしれない。13と言えば聖書の神が生み出した
「何故、
それだけが疑問に感じて仕方がない。聖書の神ヤハウェに聞こうにもヤハウェは現在行方不明とされている。流石にミカエルでも
「俺が知る限り、現在行方が分かっているのは
「それは私でも知っているさ。その言葉を信じるなら残り九つの
「奇遇だな。俺もそうだと踏んでいる」
アザゼルの報告を聞き、頭を抱えたくなるサーゼクス。少なくとも謎の悪魔は何かしらの意味を持って行動していることが今回の報告で分かった。しかし、その内容までわからないと言うのは歯がゆいものだ。
「それともう一つの方はさっきの話と違ってそこまで面倒な話じゃない。むしろ三大勢力にとってプラスに働くことだ。運が良けりゃ和平を結べる」
サーゼクスは先程と打って変わってうれしそうな表情を浮かべる。しかし、アザゼルの発した言葉によってその喜びは無に帰した。
「コカビエルの野郎が暴走してエクスカリバーを奪って駒王町に向かっている」
その時、サーゼクスは発狂してその場に転げ落ちた。
失踪したヤハウェさんとグレイフィアさん!
2人は一体どこに行ったのか!?
次回!
コカビエル死す!