白銀の王   作:うたまる♪

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勝手ながら3話構成に変更した作者です。

先日は失礼しました。

実際かいてみたら少し収まらなくなり変更せざるを得なくなりました。

作者の未熟さをどうかお許しください。


ではお話へどうぞ。


初めての眷属2/3

 あの地獄のような書類提出を終え、ようやく一息ついたところでグレイフィアは愕然とした。この道はかつてサーゼクス・グレモリーも通った道だ。今日はようやくの休日という事でイースレイはグレイフィアを連れてのんびりと昼寝をしにきていた。久しぶりの休日という事もあってイースレイも静かな場所に居たかったのだろう。イースレイはお気に入りの憩いの場へグレイフィアを連れてやってきた。

 

 

「また貴様か」

 

 

「久しぶりの休日でね。少しお邪魔させてもらうよ」

 

 

 グレイフィアの目の前でいつもの定番の挨拶が始まる。勿論話しているのはイースレイとこの地を支配するタンニーンだった。

 グレイフィアは最初にこの場所に案内された時はイースレイが正気か確かめたほどだ。その後、この地に足を踏み入れた途端イースレイが魔力を解放したことにさらに驚いた。端から見たらイースレイのやっている行為はこの地にいる生物への挑発行為に等しいのだから。グレイフィアは急いでこの場から離れようと促すがイースレイはそれを取り合わず少し待てと言うだけだ。それからしばらくするとその場にタンニーンが現れた。その瞬間、グレイフィアは正直生きた心地がしなかった。目の前に魔王に匹敵すると言われている六大龍王の一角であるタンニーンがいるのだ。緊張するなと言う方が無理だ。しかし、グレイフィアの心情を一切気にすることなくイースレイは定番の挨拶をタンニーンにする。そんな光景にグレイフィアはサーゼクスと同じようにあんぐりと口を開けながら呆然とする。

 

 

「確かに無断で入るなと言ったが、魔力を解放して知らせる奴がいるか!もう少し方法を考えろ!」

 

 

「そう言わないでくれ。こうでもしないと君には伝わらないと思ってね。そう怒らないでくれ、カルシウム不足じゃないのかい?」

 

 

「喧しい!全く、貴様と言うやつは………今日は前回連れて来ていた小僧じゃないようだな。貴様の女か?」

 

 

 タンニーンはグレイフィアを指刺しながらイースレイに問いかける。

 グレイフィアはタンニーンの言葉に驚きと恥ずかしさにより頬を赤らめるが、イースレイはそれに気が付くことなく

 

 

「そんなわけがないだろう。彼女は私の眷属だ。最も正式な眷属じゃないけど」

 

 

「そうか、貴様にもとうとう春が来たのかと思ったが」

 

 

「よしてくれ、私に好意を持つようなもの好きは居ないさ」

 

 

「ふん、まあいい。俺には関係のないことだからな。ではな、どこぞの馬鹿な悪魔のせいで森のドラゴンがピリピリし始めたのでな!」

 

 

 そう皮肉を言い捨て飛び去って行くタンニーンに『頑張ってね~』と言いながら手を振るイースレイ。完全に愉快犯である。

 タンニーンが飛び去ると当時に我に返るグレイフィア。それと同時にイースレイを問い詰めにかかる。

 

 

「イースレイ、なぜ貴方は六大龍王の一角タンニーンとあれほど親しく話をなさっているのですか?!」

 

 

 グレイフィアの問いかけに対してイースレイは少し思い出すかのように米神をトントンと指先で突きだす。そして思い出すと同時にトントンと言う音が消える。

 

 

「そうだね、確か一度勝手にこの森に入ったことで喧嘩になって―――――――――」

 

 

「そこからおかしいです!」

 

 

 イースレイの言葉を遮るようにグレイフィアが声を張り上げる。イースレイはその様子を面白そうに見ながら話を続ける。

 

 

「それから少し話をするようになってね。こうして今に至ると言うわけさ」

 

 

 何がどうやってこういう結果になったかはわからない。だが、グレイフィアからしたらどうしても聞きたいことがあった。

 

 

「何故この危険な地に来たんですか?冥界でもこの辺境の地は危険と言われています。それが何故イースレイがここに来たのかその理由がわかりません」

 

 

 そう、グレイフィアは何故この危険区域に入ったのか。それが聞きたくて仕方がなかった。悪魔の中でもこの辺境の地に行くものはほとんどいない。何せ六大龍王の一角が巣くう危険地帯なのだ。誰が好き好んで龍の逆鱗に触れたいと思うだろうか。普通の悪魔はそう思わない。だからこそグレイフィアはイースレイの真意が知りたかった。

 

 

「何でって、此処は人気が少なく静かだからね。昼寝には絶好の場所だったんだ」

 

 

 イースレイの言葉に絶句しながら頭を抱えるグレイフィア。そうだ、この人に常識的な考え方は通じないんだった。それを再び痛感させられたグレイフィアだった。

そんなグレイフィアの事を気にすることなく原っぱに寝転ぶイースレイ。

 

 

「さ、そんなことは忘れてここでゆっくりと昼寝をしようじゃないか」

 

 

 呆れた………誰が好き好んでこんな危険地帯と言われている場所でリラックスして寝ることができるだろうか。少なくともグレイフィアには不可能だ。グレイフィアは呆れながらもイースレイの隣に腰を下ろす。

 暫くすると隣から規則正しい寝息が聞こえる。余程疲れていたのだろう。その顔は普段の飄々としたものではなく、だらしなく、締まりのない顔をしている。ただし、幸せそうな表情をしながらだが。

 グレイフィアはそんな表情に少し見惚れる。

 

 

「全く、普段はあんなに飄々としてのらりくらりとしているのに何でこういう時だけはこうも無防備で幸せそうな表情をするのかしら?」

 

 

 普段とのギャップのせいか、その寝姿は子供の様に見える。グレイフィアはそんな姿を見てため息をつく。ここ数日、イースレイの眷属をしてみてわかったことがある。まず第一にイースレイには常識が一切とは言わないが通用しないことが多い。独特と言うのか、彼には普通が通用しない。他の者がしないであろうことを平然とする。勿論、悪いことをしている訳ではないが。

 第二にイースレイの人柄だ。イースレイは今まで見てきた悪魔の中で最も悪魔らしからぬ悪魔だった。グレイフィアの知っている悪魔はプライドが高く、傲慢で、欲深いものだ。しかし、イースレイからはそう言った感情は一切感じられなかった。貴族としての誇りはほとんどなく、名家に生まれたことを鼻にかけることもない。どちらかと言うとそのシトリー卿らの子として生まれたことを誇っているような感じだ。それに仮の眷属である自分に気を利かしてくれることも多い。昨日の書類と言う名の仕事も自分には最低限の量しか渡さず、残りはすべてイースレイが片付けている。そこから他の者を配慮する優しさが感じられる。まあ、仕事を期限ギリギリまで取り掛からないという事は問題だが。

 第三に時間にルーズなことだ。これは眷属になった当日に嫌と言うほど思い知らされた。片付けても片付けても湧いて出てくる書類の山。半ば自暴自棄になりながら取り組んだのは思い出したくもない記憶だ。

 以上の事からイースレイは時間にルーズで、家族思いで優しく、型破りな悪魔だという事が推察で来た。

 

 

 そんなことを考えたりしている間に時間も経過していた。そろそろイースレイを起こそうとしたが、その前にイースレイが瞼をゆっくりと開ける。

 

 

「休暇は終わりか」

 

 

「?」

 

 

 イースレイの突然の言葉に何のことかさっぱりなグレイフィア。しかし、その答えはすぐにわかった。

 

 

「やはりここに居ましたか」

 

 

 茂みから現れたのはサーゼクス・グレモリー、彼は疲れたと言わんばかりの表情をしながらイースレイに話しかける。

 

 

「全く、貴方を探す私たちの身にもなってください。それと報告があります」

 

 

 サーゼクスは先程と打って変わった真剣な表情で言葉を続ける。それにつられてグレイフィアも真剣な表情になる。

 

 

「先程、我々悪魔の勢力と天使の軍勢での小規模な戦闘が発生しました。天使の軍勢の中にはミカエルやラファエル、ウリエルなどが確認されており、こちらが劣勢を強いられています。イースレイさんには上層部から出撃できないか、と言われています。どうか尽力していただけませんか?」

 

 

 サーゼクスの言葉にグレイフィアは眼を見開く。天使との小規模な戦闘とはいえ、ミカエルらの天使の主戦力が出張っているのだ。天使側は完全に悪魔側の戦力を削りに来ている。ぼやぼやしていると、今戦闘をしている悪魔達は全滅を免れないだろう。

 それにも関わらずイースレイはふわぁ~っと欠伸を浮かべるだけだった。しかし、その表情はグレイフィアは知らない、戦う時の戦人の表情に切り変わっている。イースレイは重そうに腰を上げながらサーゼクスに問いかける。

 

 

「場所は?」

 

 

「ここから南西に約100kmほどの場所です」

 

 

「100km?!」

 

 

 グレイフィアは驚愕に顔を引きつらせる。ここから100kmまで移動するとなると全速力で行ったとしても1時間はかかる。それに転移を行ったとしても場所が悪ければ敵陣の真っただ中に転移をしてしまう可能性もある。グレイフィアはどうやっても間に合わないと考える。しかし、この男は違った。

 

 

「100kmか……10分もあれば着くな」

 

 

 イースレイはグレイフィアを見て問いかける。

 

 

「一緒に来るかい?」

 

 

 グレイフィアは躊躇う。行きたいのは山々だが、自分の速度では間に合わない。イースレイの足を引っ張るだけだろう。そう思い辞退しようとするが

 

 

「安心してもいい。現地までは私が責任もって連れて行こう。だから君は行った後の事だけを心配すればいい。それに逆に戦場には来なくてもいい。君たち若い世代が戦争を経験するのはまだ少し早い」

 

 

 グレイフィアの心情を察し、行くと言う選択肢と残ると言う選択肢を作ったイースレイの一言に少し驚くが、その一言で決心がついた。グレイフィアは決意を固め答えを出す。

 

 

「私もついて行きます」

 

 

 その一言にイースレイは満足しながらも少し悲しそうな表情をする。グレイフィアは何故イースレイが悲しそうな表情をするかわからなかったが、すぐにイースレイはいつもの飄々とした表情に変わる。

 

 

「わかった。なら行こうか……サーゼクス、彼らに報告を頼む」

 

 

「わかりました」

 

 

 サーゼクスの返答を聞くと同時にイースレイの身体が光り輝く。

 

 

流星(ミーティア)

 

 

 次の瞬間、イースレイとグレイフィアの姿はサーゼクスの遥か彼方へ消え去った。

 

 

 

 




イースレイが天体魔法を使う。これにはさすがに作者も『やばい、完全にチートキャラになる?!』と思いある設定を加えさせていただきます。

イースレイは魔法をかなり多く使うことができますが、それらを十全に100%使いこなせることができるのが氷の系統の魔法のみであり、それ以外の魔法は50%、60%の威力しか使いこなすことができません。相性によっては80%、90%使うことができますが、使いこなすことはできません。

因みに天体魔法との相性は70%あたりです。


それとヒロインを誰にするかアンケートを取りたいと思います。
活動報告に書きますので意見をお聞かせください!
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