ポケモンコーディネーター ハルカ
通称、『ホウエンの舞姫』。初優勝時からアゲハントを使用するため、彼女といったらアゲハントのイメージを強く持つ人もいるだろう。
父親はトウカジムリーダーのセンリで、弟にマサトがいる。バトルセンスは父親譲りなのか、サトシと引き分けるくらい、正確にいえばエースのジュカインを相性こそ勝るものの能力で劣るワカシャモで互角くらいには強い。ワカシャモはこの時、バシャーモに進化。
始めはポケモンが苦手だった。幼少期の『海でメノクラゲに囲まれた』体験からとされており、後にハーリー(とマサト)によってこのエピソードが日の目を見る。そんな彼女がアチャモをパートナーに選んだのは『かわいいから』。どうやらこのアチャモ、御三家に珍しく雌らしいとの噂。
ちなみに『料理の天災』。ポロックはゴンベ以外食べない様な味みたいだ。カントーでイーブイを入手するが、シゲル以来アニポケ伝統なのか登場したシーズンでは進化しない。
手持ち
バシャーモ
アゲハント
エネコ
フシギバナ
ゴンベ
カメール
グレイシア
豪華客船 VIPルーム
ジャスミンが責任者を勤める豪華客船には彼女が宿泊するVIPルームがある。中国風の調度品でまとめられた部屋には、アッシュに吹き飛ばされたキャサリンがいた。服も着ず、ベットでシーツに包まっている。
「あのガキめ……」
タチワキまで飛ばされたため、ジャスミンを頼ってここに来たのだ。海にドボンしたため、体を温めるべくシャワーを借りたかったのが第一の理由だ。そのジャスミンは部屋の机で経理の仕事をしている。インドアな仕事環境の時ですら、ジャスミンはチャイナドレスを着用する。不意の訪問にも備えているらしい。
「ねぇ、なんであんた達はブルジョワ伯爵に付き合ってんの? 特にあんたとセイレン。リリスは事情ありそうなのよ」
「金の為よ」
ジャスミンはふとした疑問をキャサリンに投げかける。リリスの事情を見抜いているジャスミンは、そうでない2人が気になったのだ。
「金の為にあんなメタボ親父に身体を捧げるの?」
「嘘をついて誰かを騙せば幸せになる。子供の頃、ヤマブキのビル火災で逃げ遅れてね、そん時助けてくれた奴を犯人に仕立てるのに手を貸したら謝礼が沢山。それ以来、そう考えるようになったの」
「人としてどうよ」
ジャスミンは恩人を陥れるキャサリンの生き方、そして好きでもない男に身体を捧げる姿勢に共感出来ない。そんな男に貫かれ、あまつさえ欲望を中に吐き出されたらと考えるだけで死にたくなる。彼女は富豪を翻弄するが、その為に身を捧げることはしない。一方的に金を搾り取ることが目的だ。
「外出るならその芋みたいなジャージ使いなさいよね。目立たないから」
「はいはい」
ジャスミンから渡されたのはダサいデザインのジャージ上下。顔立ちは美女のキャサリンが目立たずに動くにはうってつけだ。化粧品も無いのですっぴんであるが、部屋にいても暇なので船を探索することにした。
「保育園でポケモンが足りないってヴァイオラさんが」
「今暇かも。行ってみようか」
船の廊下で話をする姉弟とすれ違う。姉の顔にキャサリンは見覚えがあった。
「ホウエンの舞姫か」
そのまま甲板に出て外の空気を吸うことにした。アッシュにしても、ホウエンの舞姫とその弟にしても、やけに目が輝いている。反面自分はどうだろうか。命の恩人を売り渡して以来、嘘の味を覚えた彼女は誰かを騙すことを極めた。純粋さなど失っていた。
甲板から船内に入ろうと、フードを被ったコートの男が歩いてくる。そのフードが風で取れ、顔がハッキリ見えた。
くすんだ金髪を伸ばして顔を隠していたが、顔の左半分に火傷の後があるのがわかる。さらに、右目を彩るように炎の刺青が刻まれていた。
キャサリンはその男の顔立ちに見覚えがあった。男も同様なのか、互いに少し相手を見ながらすれ違う。
タチワキ保育園
タチワキシティにも保育園は存在する。たまたまヴァイオラがそこにいると聞いたアッシュは、行ってみることにした。実習中で忙しいと思いきや、トレーナーを探していたとのこと。
「アッシュの知り合いなんだ」
「うん」
ヒカリもトレーナーがなるべく多く必要と聞き、一緒に向かうことにした。トレーナーというより、ポケモンが必要なのだろう。
「あ、いたいた。アッシュくん!」
「ヴァイオラさん。お久しぶりです」
保育園の前にヴァイオラが立っていた。紫の髪をポニーテールにし、眼鏡をかけた姿はかなり久々に見る。エプロンにシャツ、ジーパンと動きやすい服装をしている。
ヴァイオラはまじまじとヒカリを見る。ヒカリはグランドフェスティバル出場者なので、ヴァイオラも顔くらい見たことあるだろう。
「お友達も連れてきたね」
「トレーナーが必要と聞きまして」
「そうなのよ。サンヨウだとポケモンがいるんだけどこっちにはいなくて。それで私が来たらポケモンが珍しいのか子供もはしゃいじゃって、それで私のポケモンはあの有様よ」
ヴァイオラは保育園の隅っこで真っ白に燃え尽きたハッサム、ハハコモリ、ペンドラーを指差す。これはアッシュも見たことあるヴァイオラの手持ちだ。さらにヘラクロス、アギルダー、アリアドスまでいたが、同様に疲れ果てていた。
まるでボクシング漫画の最終回だ。
「あ、あのグレイシア……」
アッシュは燃え尽きた虫ポケモンの中に、見覚えのあるグレイシアを見つける。エルトのフィアだ。そして、唯一無事で未だに子供達を相手取るバシャーモはイチローに違いない。
「エルトから借りてきたけどね。イチローってタフなのよ」
「エルトさん。ここにいるんですね」
ヴァイオラがエルトからいくらかポケモンを借りてきたらしい。エルトは自分の信頼してる人間以外に手持ちを任せたりしなさそうなので、ヴァイオラを信頼しているかエルトが近くにいるかどちらかだ。
「とにかく子供達をポケモンと遊ばせればいいのね! 大丈夫大丈夫!」
ヒカリはモンスターボールを投げ、ポケモンを出す。ポッチャマ、ミミロル、パチリス、マグマラシ、マンムーだ。アッシュもポケモンを全て出すことにした。
「むっ、殺気! ソミュア!」
「う、うぬ。小さい私達は真っ先に狙われる!」
ルリリのシャルルとヨーテリーのソミュアは互いに団結し、子供達に捕まらない作戦を考える。シャルルがソミュアに乗って、ひたすら逃げ回るのだ。
「それ逃げろ!」
「のおおお!」
必死で逃げる2匹に対し、子供達を相手にした経験のあるマチルダは小馴れた手つきで子供の相手をする。マインとトーゴは初めから触れ合いは手探りだ。
「来たぞ」
「アリスじゃない!」
そこにアリスが現れた。ヒカリはコンテストで彼女と戦ったことがあったが、一つ驚くことがあった。
「この衣装、ドレスアップじゃなかったの?」
アリスは普段から鎧を纏ってることをヒカリは知らなかった。ドレスと鎧を組み合わせた衣服に、ヒカリは興味津々だった。
「凄いのね! 王子様とお姫様のハイブリットみたい! 髪も綺麗、肌もツヤツヤね」
「うわ何するやめろ」
アリスの髪を指で梳き、肌を突く。基本的にアリスは素材がいいから何を着ても似合うだろう。着せ替えて遊びたい衝動にヒカリは駆られた。
「あ、アッシュだ!」
アリスと一緒にハツネもいた。いつしかアリスとハツネは行動を共にするようになっていた。何処かで気が合うのだろう。
「ヴァイオラさん。来ましたよ」
「ハルカ!」
そこに、アッシュの見知らぬ人物が顔を出す。ヒカリはその人物を知っていたのだ。
「知り合い?」
「有名なコーディネーターよ。ホウエンの舞姫って二つ名の」
アッシュは知らないので、ヒカリはハルカを紹介する。アリスとハツネはコンテストに出るだけあり、彼女の名前を知っていた。
「あの有名なホウエンの舞姫が私の目の前に!」
「う、うろたえないぞ……」
ハツネとアリスはテンションがおかしくなっていた。テレビでしか見たことのない人間が目の前にいれば、誰だって少しおかしくなる。普段は冷静なアリスが狼狽してる様は珍しい。
「うろたえないッ! クルセイダー家の騎士はうろたえないッ!」
「うろたえてるやつじゃない、それ」
完璧にうろたえるアリス。彼女は元々、コーディネーター志望だったらしい。家の掟に縛られて自由に出来ないが、掟の中で好き勝手するのが彼女のポリシー。
「……」
「な、なんです?」
ハルカの弟、マサトがアッシュを覗き込む。かなり疑いの強い目だ。
「本当に10歳?」
「ちっちゃいだけで10歳だよ!」
マサトが疑っているのはアッシュの年齢。並んでみるとわかるが、アッシュはマサトより少し大きい程度だ。ハルカやヒカリとの身長差はかなり大きい。
「本当に?」
「本当だよ」
「バトルすればわかるかもね」
対立するマサトとアッシュ。ヴァイオラはとりあえず、バトルすることを提案した。アッシュはトレーナーとしての実力もそこそこ。それを見せれば信じてもらえるだろうと考えたのだ。
「僕ポケモン持ってないよ?」
「ルールは簡単、この中から好きなポケモンを3匹選んでトリプルバトル!」
ポケモンを所持しないマサトの為にヴァイオラが提示したルールはここにいる全員のポケモンから選んでのトリプルバトル。
「公平を期すためにアッシュは自分のポケモンではなく他人のから選ぶのはどうだろう」
「うん」
アリスがアッシュにハンデを求めたため、アッシュもそれを呑む。全員のポケモンを並べての選出タイムが始まった。
アッシュのポケモンはチャオブーのマイン、レパルダスのマチルダ、ゴーゴートのトーゴ、ルリリのシャルル、ヨーテリーのソミュア。これらをアッシュは選出出来ない。
ヒカリのポケモンはポッチャマ、ミミロル、パチリス、マグマラシ、マンムー。コンテスト向けに育てられたため、その技をどう生かすかがポイントとなる。
ハツネのポケモンはエイパムのシッポ、ユンゲラーのおヒゲ、モグリューのドリル。アリスのポケモンはルカリオ、エンペルト、クチート、エアームド。ハツネはともかく、アリスのポケモンは強力に違いない。
ヴァイオラのポケモンはハッサム、ハハコモリ、ペンドラー、アリアドス、アギルダー、ヘラクロス。エルトが貸したポケモンはバシャーモのイチローとグレイシアのフィア。共に実力は未知数である。
ハルカのポケモンはバシャーモ、アゲハント、エネコ、フシギバナ、カメール、ゴンベ、グレイシア。マサトはよく知るここから選出するのが有利と見える。
「決めた!」
「こうするよ」
マサトとアッシュは共に選出を終える。マサトが選んだのはアリスのルカリオとアッシュのトーゴ、そしてハルカのバシャーモ。アッシュが選んだのはヒカリのマグマラシとマンムー、エルトのイチロー。
「アリスさんのポケモンが1番強そうだけど鋼で固められてるから、弱点を突いていこう」
アッシュはアリスのポケモンが選出されることを前提にチームを組んでいた。マサトは恐らく、気に入ったポケモンを選んだのだろう。
アッシュは早速、ポケモンと話す力でポケモンの出来ることを確認したり作戦を伝えたりした。
「じゃ、審判は私ね。バトルスタート!」
アッシュはマンムーを中央に置き、左右にマグマラシとイチロー。マサトはバシャーモが真ん中で左右にトーゴとルカリオ。
ヴァイオラの審判でバトルが始まる。マンムーはアッシュの指示を待たず、じしんを放つ。
「味方もろとも?」
マサトはいきなり過ぎる技に驚く。マンムーが中央で放つじしんは味方にも被害大。オマケに地面タイプに弱い炎タイプで両脇を固めている。
「作戦通り!」
しかし、アッシュはイチローにある指示を出していた。イチローはマグマラシを抱えて空高く跳んだのだ。これならじしんは当たらない。
「こっちも!」
ハルカのバシャーモもイチローを追って空を跳ぶ。イチローはマグマラシを地上に逃がして迎撃を開始した。
「地上は任せておいて! マンムー、とっしん!」
「トーゴ、つのでつく!」
マンムーのとっしんとトーゴのつのでつくが激突する。地上に下りたマグマラシがトーゴを狙うが、ルカリオが動いた。
マグマラシを止めたルカリオは即座にマンムーにインファイトをぶつける。この一瞬でマンムーとマグマラシが戦闘不能になった。
「早い!」
アリスのルカリオは強かった。しかし、まだ上空にはイチローがいる。地上に降り立つイチローはトーゴにオーバーヒートを放ち、ルカリオにとびひざげりをかました。トーゴとルカリオが戦闘不能になる。
「こっちも一気に!」
これで互いのポケモンはバシャーモ1匹。展開は一気にわからなくなる。
「イチロー、ブレイズキック!」
「バシャーモ、ブレイズキック!」
2匹のブレイズキックが交差する。ブレイズキックは連発出来る技ではないため、マサトは両者共に使えなくなると予想していた。パワーポイントと呼ばれる数値がポケモンの技にある。これは一つの技を連続でいくつ出せるかを示すものだ。ブレイズキックは平均10回とされている。
10回ブレイズキックの競り合いをすると、ハルカのバシャーモはブレイズキックが使えなくなる。ここはマサトの予想通り。しかし、イチローはまだブレイズキックを使ってくる。
「え、なんで?」
ハルカのバシャーモがブレイズキックを受けてしまう。イチローとバシャーモは同じ回数ブレイズキックをぶつけ合ったのに、イチローだけまだブレイズキックを使える。
「エルトはバシャーモのブレイズキックに並々ならぬこだわりがあってね。特訓の末、ブレイズキックを普通のキックくらい打てる様になったんだって」
ヴァイオラが解説する。エルトのこだわりが産んだ誤算であった。
「バシャーモ! にどげり!」
しかしながら、ハルカのバシャーモにも固有の技がある。未だににどげりが使えるという点だ。バシャーモのトレーナーはたいてい、忘れさせてしまうことが多い。
「しまった!」
これにはアッシュとイチローも不意を打たれ、防ぎ切れない。互角の展開となった。
「お見事!」
「ジャスミンさん」
そこへ、チャイナドレスを纏った女性が現れた。ハルカの知り合いらしく、彼女の隣に立っている。
「なかなかいいトレーナーになりそうね、マサトくんとアッシュくんは」
「ボクはトレーナーですよ?」
ジャスミンはトレーナーになる前のマサトとアッシュが周りのトレーナー達からポケモンを借りてバトルしてるのだと思い、微笑ましく見守っていたのだ。つまり、マサトとアッシュが同い年だと思っていたのだ。
「おいおい、俺は子供が嫌いだって……」
「ポケモン達は好きみたいよ?」
ジャスミンに連れられて来たのはエルト。ヴァイオラとエルトが知り合いだと聞いてはいたが、こうして並び立つのは初めてだ。
「もー、なんであんたは子供嫌いなの? こんなにかわいいのに」
「嫌いなもんは嫌いなんだコンチクショー。父性なんかクソ喰らえだ」
ヴァイオラはエルトの子供嫌いに呆れていた。母親になる女性だって人次第では子供嫌いなのだから、仕方ないことだ。
「アッシュくんを探してたのよ。あなたに話がある人がいるの」
「誰です?」
「あなたの探してるポケモンよ」
ジャスミンの用件はアッシュだった。知らない人についていってはダメだということをハハコモリから教えられたが、そう言われては引き下がれない。
「おいおい、リベレート団の罠かもしれないだろ?」
「ソミュアとシャルルを連れていくよ。マインも来る?」
マインに咎められたが、仲間を連れていくことで納得させた。結局、アッシュは手持ちを全て連れていくことでマインを説得した。
「戻れ、イチロー、フィア」
エルトもポケモンを戻す。特にイチローを戻すことは子供達から大ブーイングを買った。
「黙りたまえ」
「子供相手だと本当に口悪いのね」
「いいから黙るんだ。安っいクレヨンでお絵かきでもしてろ」
エルトはヴァイオラをスルーして子供達に暴言を吐く。しかし恐れを知らない子供達はブーイングを続ける。
「永遠に昼寝してぇか? 俺は帰る」
エルトはそのまま帰ってしまう。あまりに愛想の無い対応だ。
「それじゃ、行きましょう。こっちよ」
アッシュはジャスミンに連れられ、その人物がいる場所まで向かう。ハルカとマサトはもう少し保育園にいるみたいだ。万が一を警戒し、アッシュはマインとシャルル、ソミュアはボールから出しておく。いざとなればマインとシャルルが戦い、ソミュアが危機を誰かに知らせる作戦だ。
「凄い! 大きな船!」
「豪華客船ブルジョアジー号。ブルジョワ財閥の子会社、ブルジョワ観光が所有する豪華客船よ」
連れてこられたのは港に停泊する豪華客船の前。世界一周をしているこの船は、タチワキにしばらく停泊する手筈となっていたのだ。
「ジャスミンさんがこの船の偉い人?」
「是的。私はオーナーなの」
ジャスミンはこの船のオーナー。船長は航行の全責任を追うのでまた別にいるだろう。
「マズイんじゃないか? 船を出港させられたら逃げ場が無い」
「客船ってことは他のお客さんがいるからそれは無いよ。そうなってもシャルルがいるから泳いで逃げれるし」
慎重に構えるマインだが、アッシュは楽観的だ。一応、楽観の根拠はあるのだが、どうもアッシュは豪華客船に浮足立っていて警戒心が無い。
「この中にいるのよ」
「ボクの探してるポケモン……レントラーかな?」
ジャスミンと船に乗り込み、アッシュは辺りを見渡す。客船に乗るのは初めてであった。船酔いするのも忘れてキョロキョロしている。
「アッシュ、あんた船酔いが……まあいいか。気にしなきゃならないし、万一の時船酔いじゃ困るし」
「あ、そういえば揺れないね、この船」
「この船は特殊な構造をしている」
いつの間にかいたエルトが船の構造を説明し始めた。机を持ってきて、そこに水を満たした桶がある。水にはお椀が浮かんでいる。お椀の中には水があり、おちょこが浮いていた。
「この桶が海、お椀が船だ。この船は二重構造になっていて、我々のいる生活スペースがこのおちょこに当たる。お椀が揺れても、おちょこが揺れなければ船酔いはしない。おちょこが揺れない仕組みがあるんだ」
「な、なるほど」
アッシュはエルトの説明に聴き入った。さすがは学芸員志望。説明がわかりやすい。
「さあ、さっそく会いに行きましょう。エルトさん、模型に使った道具は戻しておいて下さい。おちょことお椀はキッチン、机は会議室、桶は浴場の備品です」
しかしジャスミンはスルー。エルトは説明に使う模型を船の備品で作っていた。
「つれないねえ」
エルトの呟きも聞かず、アッシュはジャスミンと共に待ち人の下へいく。どんな出会いが彼を待つのか。
ジャスミンの中国語講座
是的
これは肯定の意味を示す言葉。たまに『提的』。本来、『提』に『才』は必要無いのだが、ベースが中国語故、携帯だと入力出来ないしパソコンで打ち直すのも面倒なので代用している。ちなみに、『不提』とすれば否定の意味になる。
亮
本編に出てないが予習。綺麗を意味する『漂亮』を省略したもので、ジャスミンは自分を「綺麗?」と聞く時に使う。控えめな表現。
工作、打工
本編に出てないが予習。工作は仕事、打工はアルバイトを指す。打工はすなわち軽めの仕事ということ。
なお、ジャスミンが口にする中国語っぽい言葉は中国語をベースに作った『シェンロン地方の方言』なので正確な中国語ではないという点に留意してほしい。だって私が授業で受けてるの中国語の入門だけですしおすし。