ヒウンアイスには期間限定の商品がある。今回の『砂パ味』はオレンのシャーベットにハニー蜜とフレークを塗し、砂嵐を活用する砂パをイメージした。
ポケモンをあしらったパッケージも人気で、通常の期間限定商品より売れ行きが伸びた。この売上は、チャンピオンとなったカノコ出身のトレーナー、トウコの手持ちをパッケージに刻印した時以来である。
俺の小さい頃の夢は何だったか? 実はトレーナーでも学芸員でもない。本当に単純なことだったよ。
腹一杯食べたかったんだ。何でもいいから。食い倒れとか、して見たかったんだ。
うちが貧しかったわけじゃない。普通程度の収入がある家だ。なんせ、ヤマブキの町工場を経営していたからな。だけど、工場に従業員はいなかった。
思い浮かぶのは、腹が減って頭がボンヤリしてる中、変な部品作る光景。何の部品かは今でもわからない。ネジなんだかバネなんだか歯車なんだか。でも、金属を削ると綺麗な火花が出てさ、何とか空腹から頭逸らせた。やけに削る甲高い音が耳に残る。高い音がそれから大嫌いになった。
たった一つ、あることさえ両親がやめてくれりゃ俺の夢は叶った。ギャンブルや薬物とか酒みてーな中毒のあるもんじゃないし、やめても誰も死なん。なのに、弟を変な学校に行かせることをやめなかった。俺には学校休ませてさ。
よく考えりゃ、勉強は博物館でしたんだ。学校行かなかったから。だから学芸員になりたかったのかもな。俺みたいな奴が勉強する手伝いをしたくて。後から育て屋のおじいちゃんおばあちゃんに引き取られて住むことになったキンセツは博物館の入館料、子供は無料だったし。
キンセツと言えば、育て屋のおじいちゃんとおばあちゃんが俺をそれはもう可愛がってくれて。夢が叶ったのも2人のおかげだよ。
見たこともない料理が並んで、凄いいい匂いが襲って来た。口の中は涎でいっぱいだ。既に痛んでいた胃は、痛みを加速させた。スープからゆっくり飲むと、干物みたいに干からびた身体全体に染み込んだ。
満腹の幸福感を初めて知ったよ。もうあんなひもじい思いは二度と御免だ。だから俺は食費だけは節約したくないんだ。
シッポウ博物館 事務所
「それで、君はアロエの肩を持つのか!」
「ええ。この件について、私は全面的にアロエ姐さんに味方します」
シッポウ博物館はアロエが館長に就任して以来の大ピンチを迎えていた。理由は単純。キダチがアロエの取っておいた『ヒウンアイス期間限定砂パ味』を勝手に食べてしまったらしいのだ。
最初は2人の言い争いだったが、事情を聞いた途端にエルトがアロエの味方になったのだ。何故いきなり味方についたのか、キダチが聞いたらエルトはキッチリ理由に答えた。あんまりにも悲惨な過去が原因だったので、キダチも反論できなかった。
そもそもキダチは食べてないと主張している。
「完璧で幸福な市民にはわかるまい…ワンリキーに手伝ってもらいながら自販機の下にある小銭を集め、遂に買えた一個のパンを大事に取っておいたら勝手に食われた、絶! 望! 感を!」
「死活問題だもんね。当時のあんたにとって」
普通の人なら将来笑い話になるだろうエピソードも、還付無き欠食児童だったエルトにとっては明日の命すら揺るがす大問題。その後、怒り狂って包丁持って暴れたのは言うまでもない。
たまたま博物館を訪れたアーティは気温の変化に着目した。
「あー、なんか部屋の温度上がってない?」
「エルトの周辺に陽炎が発生してるからね」
アロエは冷静に分析する。どうやらエルトの体質がこうした状況を生み出しているらしい。
「サイキッカーがたくさんいるから、さほど気にしてなかったんだよ。でも、この文献見ちゃうとね」
「むぅん。ブレイブハートだね」
アロエは『ブレイブハート』に関する文献と『究極の技マシン』に関する文献の調査で忙しかったのだ。だからエルトに深夜から並んでもらい、期間限定ヒウンアイスを手に入れたわけである。シンジ達に同行してヒウンシティまで来たのはこのためだ。
エルトの体質がサイキッカーなのか何なのか不明だが、ポケモンと一体化する『バースト』の記述がブレイブハートに関する文献にあった。これも関係がありそうだった。
「さて、この不逞の亭主をどうしようか。パッケージまで捨てちまうし」
「パッケージが本番ですか。さいみんじゅつからのかたきうちでアロエ姐さんのフルコース喰らわせます?」
アロエとエルトがキダチの処遇を考える。キダチはアーティに助けを求めるが、虫の知らせを感じた彼は既にいない。
「人生最大のピンチ! 冤罪はこうして作られる!」
「うぐっ!」
絶望に叫んだキダチ。しかし、エルトが何らかの反応を示す。
「いくら食い物の恨みとはいえ、冤罪を生み出すのは忍びない……。俺はあいつらと一緒だったのか? 喋ることも字を書くことも出来ない俺を有罪にした奴らと!」
エルトはガックリと膝を付く。これまた過去に何かありげな反応だ。
「騙されないの! 犯人はキダチだよ!」
「これは冤罪だ! エルトくん、正義は我々にある!」
アロエとキダチに板挟みのエルト。食い物の恨みも分かるし、冤罪の苦痛も分かる。どっちに味方すればいいかわからなくなってしまった。
「あのー。お客さんだよ?」
外に出ていたアーティが戻ってきたので、アロエとキダチは休戦して客を迎えることにした。エルトはまだ悩んでいる。
「あいつ大丈夫かい?」
「僕らはエルトくんの過去について知らないからね。本人も言わないし」
博物館の入口まで来て、客に会う2人。団体のようで、17人の女子生徒が集まっていた。ブレザーの制服を一様に着こなし、髪型と髪色、瞳の色しか違わない彼女達は異様な存在に見えた。
「エリートスクールから来ました。『エレメント17』の者です。今日はシッポウ博物館の資料を回収に伺いました」
「?」
リーダーらしき緑髪の女子生徒がアロエにいけしゃあしゃあと抜かす。なんかの悪戯かと、アロエはしばらく考えた。
「キダチ、心当たりは?」
「無い。アイスの件も……だ?」
アロエがキダチに話題を振る。すると、キダチが何かに気付いた。リーダーである緑髪の女子生徒、彼女の口に何かついてるではないか。キダチは指摘してみることにした。
「口に何か付いてる」
「しまった! アロエとキダチの仲を裂く作戦が!」
『お前かい!』
ヒウンアイスを食べた犯人がわかり、全員が突っ込む。エリートスクールとやらは、何かの目的があってアロエとキダチを仲たがいさせようとした。そして、その為にヒウンアイスを食べたのだ。もっとマシな方法はなかったのか。
「よーし、じゃあ表でようか」
「バレたからには仕方ない! エレメント17! 戦闘準備だ! シッポウシティは既に人質だ、我らに敗北は無い!」
アロエの指示でエレメント17が全員表に出る。シッポウシティを人質に取ったというのでアロエは慎重に出ることにした。
「仲間でもいるのかい?」
「仲間はこれで全部だ。才能無き町など、これで十分」
仲間は17人で全員らしい。まさかこんな人数で町を制圧など、それこそ冗談か。得体は知れないが非道な連中であることをアロエは把握した。町を人質にするなら、仲間を少なく見積もって伝える理由は無い。普通は2年前にゲーチスがホドモエを人質にした時みたく、数を匂わせる。
既に、表にはいつの間にやらエルトが立っていたのだが。彼の周りは燃えているのか、コンクリートが熱を反射して陽炎が起きる。
「エリートスクール。エリートスクール…! エリィートスクゥールかぁ! その名が起こした災いの数、数! 昨日のことの様に覚えてるぜえぇっ!」
エルトが叫ぶと、彼を中心に火災旋風が起きる。もはや何が何だか。アロエ達は全員呆然とする。エレメント17は混乱を隠せない。ジムリーダーみたいな立派な人物が唖然するほどだ、彼女たちただの女子生徒には荷が重い相手だろう。
「こいつ、何だよ! 炎タイプの新ポケモンか?」
「エルトだ! キンセツのコンテストにいた! 奴はワカシャモを使うから、水と飛行が有効に使える、行け!」
リーダーの緑が指示し、青と水色の髪をした女子生徒が前に出る。髪色と髪型以外に、青い方はスパッツにくるぶしまでの短いソックス、水色はタイツとレッグウェアに違いはあるようだ。互いに相談し、バトルに出すポケモンを決めているようだ。
「バシャーモは速い。フローゼルを使う!」
「飛んだら私のスワンナを使おう」
2人はフローゼルとスワンナを繰り出した。エルトはタイマーボールを投げ、対抗するポケモンを出す。
「使うとか使わねえとか、道具じゃあねぇンだよポケモンは! ジェイクぅ! 任せたあ!」
エルトが繰り出したのはブーバーンのジェイク。バシャーモを予想した相手に、結局炎タイプを出している。格闘の弱点を突く為にエスパー、例えば鋼複合のメタグロスを出したならそのチョイスはわからないでもないのだが。
「フローゼル、アクアジェット!」
「スワンナ、上空で迎撃準備!」
フローゼルのアクアジェットがジェイクに迫る。しかし、ジェイクは何もしない。エルトは静かに、あるものを投げる。
「フローゼル?」
「何してるのスワンナ!」
フローゼルとスワンナは投げられたものに飛びつく。その正体はポケモンフーズだ。これはどういうことか。
「随分マズイもん食わされてたんだな。水タイプに対して当たり障り無い味付けなのだが」
「マズイって……栄養学上は完璧な調合をした餌だ! 強くなるにはマズイくらい…」
「貴様がポケモンに出す食事には味付け、食感、香りの配慮が足りない。だが何より圧倒的に愛が! 足り! ない!」
フローゼル達はエルトの投げたフーズに夢中だった。ポケモン最大の娯楽ともいえる食事に気を遣わなければ、彼らは力を発揮しない。栄養バランスだけのマズイ飯では不十分だ。
「あの餌に何入れた!」
「水草。色んな種類あるから、たまにブレンド変えるだけで食いつきが違う」
「馬鹿な、完璧な餌では不満足なのか? これだからポケモンは使えない!」
フーズのせいか、フローゼルとスワンナはすっかりエルトに懐いてしまった。普通のポケモンフーズしか食べてなくてもこうはならないのだが、よっぽど彼女達が与えたフーズがマズイのだろう。いや、それ以外にも何か理由がありそうだ。
「何してるの、戦いなさい!」
フローゼルとスワンナは我に返り、戦いを始める。エルトは冷静に指示を出し、ジェイクに技を出させる。
「ジェイク、10まんボルトだ!」
10まんボルトはフローゼルとスワンナをスルー。トレーナーである女子生徒を直撃する。
「人間に……ぐ、ああああぁっ!」
「うくっ、んん!」
2人は地面に倒れ、痛みに悶える。フローゼルとスワンナは互いに顔を見合わせ、ジェイクに目配せしてから自らのトレーナーを水浸しにする。
「な、何を?」
「まさか……」
起き上がりかけた2人はフローゼルとスワンナの憎しみに満ちた瞳を見て、全てを悟る。エルトはなんともいえない不気味な笑い声を上げている。アロエも、フローゼルとスワンナが受けた仕打ちをその瞳から見た。
「わかるぜお前らのその憎しみはよぉ! まともな食い物も無くこき使われるのは嫌だよなあ! ポケモンは道具じゃあねーんだぁ!」
「あうぅ……。いいこと言ってるのに悪役にしか見えないよ?」
アーティはエルトがあまりに悪役じみていたので、正論言っていても引いてしまう。
「ジェイク、もう一度だ!」
「いやっ、ああ!」
「ぐぅう、許し……て。やめてよぉ!」
やってることもやってることだ。水浸しになって電気が通り易くなった2人に向けて10まんボルトを容赦無く放つ。女子生徒2人は互いに抱き合い、痛みに耐えた。
「これは、あいつらと俺達の怒りだ!」
「もうやめろ!」
オリーブ色の髪をした女子生徒が見るに見かねてエルトへ駆け出す。虫タイプ担当なのか手持ちであるデンチュラを繰り出したが、またもポケモンフーズに釣られて戦意喪失だ。
「なんでよ!」
「俺のフーズが美味いからさ!」
「こいつ!」
デンチュラが使えず、対抗手段を失った女子生徒はあろうことかナイフを出してエルトを刺そうとした。しかしデンチュラがエレキネットで捕縛し、事なきを得た。
「ぐぎゃああっ! な…んで?」
「ポケモンは全力で愛せば応えてくれるんだよ」
デンチュラはエルトを守りたかったのだ。愛をフーズという形で与えてくれたエルトを。彼は自らの経験から、ポケモンに食事を与えることはは愛を与えることと同義に考える。
「ジェイク、だいもんじ」
「はっ……?」
女子生徒は焼かれながら吹き飛ばされ、地面に力無く横たわる。それでも未だにエレキネットの苦痛から解放されていない。ダメージを十二分に与えつつエレキネットを焼かない絶妙なパワーコントロールが求められる技だ。ジェイクは再び水使いと飛行使いの2人に電流を流す。
「ああっ…痛いよお!」
「もう、ダメ……身体が…」
2人の女子生徒が肉感的な身体を擦り寄せ、生足にタイツという対照的なコントラストを持つ脚を絡めて抱き合い、悶える姿は背徳的な魅力があった。もっとも、そんなものを感じているのはエルト含め誰もいない。彼はポケモンを道具の様に扱ったことに制裁を加えただけである。
「クソ、やめろ!」
茶髪の少女がエルトに走る。ドリュウズと共に駆け、手に拳銃を持ち、完全に殺す気だ。しかし、エルトはボールからあるポケモンを出した。爆炎と共にボールから現れ、その場に出ただけで茶髪の女子生徒を焼き飛ばす。ドリュウズはご丁寧に無事だ。
「きゃあっ!」
陽炎を揺らめかせ、炎の中から姿を見せる。その力から、全員が伝説クラスのポケモン、即ちファイヤーかエンテイ、ヒードランと予想した。しかし、実態は違う。予想が外れたことで、女子生徒達は絶望に叩き落とされる。
ポケモンが雄叫びを上げ、炎が晴れる。ポケモンの正体はバクフーンだった。伝説でもないポケモンがこれ程の力を発揮する事実が絶望を深める。
「ひっ……!」
「任せたぜ、カザン!」
カザンと呼ばれたバクフーンは、女子生徒達を心底震え上がらせた。左目の傷が特徴で、炎の温度も通常より高い。中にはへたりこんで立てなくなる者も。アロエとアーティはその理由に感づく。
「かなり怒ってるね、あのバクフーン」
「ねー」
カザンは怒りに燃えていたのだ。ボールの中からエルトの声でも聞こえたのか、ポケモンを道具にする女子生徒へ怒りを燃やす。アロエの頭に図鑑の解説が浮かぶ。
『バクフーン、ポケモン。マグマラシの進化系。灼熱の炎で周りに陽炎を作り出して姿を隠すことができる。燃え上がる爆風は全てを焼き尽くすぞ』
「あ、暑い……」
「頭が…」
「肌が焼ける……」
女子生徒はバクフーンの熱波にやられていた。アロエ達も安全確保のため待避する。
「この程度、私のシャンデラで! オーバーヒート!」
赤い髪の女子生徒がシャンデラを繰り出し、オーバーヒートを放つ。カザンは小さな炎でそれを相殺する。
「今のはかえんほうしゃではない、ひのこだ」
カザンは圧倒的火力を誇っていた。シャンデラが放つオーバーヒートの威力は伊達じゃないはずだ。
「皆! ポケモンを盾に撤退だ!」
リーダーが全員に指示を出し、撤退する。生き残った全員がボールからポケモンを出したが、エルトがすかさずフーズを投げて気を逸らす。
「下がってろお前ら!」
「ああっ!」
最後の希望すら奪われ、女子生徒は抵抗の手段を失う。逃げたポケモン達は、共にろくでもない主人からの解放を喜んで踊り出した。
「この炎は愛の炎! されど悪には地獄の業火! ポケモンと人との絆を断ち切る奴は、骨も残さん! カザン、ラブボルケイノぉ!」
エルトが妙ちきりんな技名を叫び、カザンが応える。カザンの炎が最大まで噴き上がり、口から熔岩の塊とも思える炎塊が噴かれる。
「いやぁっ!」
炎塊が爆発する瞬間、カザンは女子生徒達を飲み込んだ炎塊をかえんほうしゃでコーティングし、爆発を封じ込めた。威力を細大残さず敵にぶつけると同時に、被害を最小限に抑える、ふんかとかえんほうしゃのコンボだ。
巨大な炎の球が強く輝く程度で爆発は終わり、炎は風と消える。町に被害は無いが、女子生徒達は制服のあちこちを焦がし、全身に火傷を負って倒れた。互いを抱きしめて倒れたり、仲間を庇う様に折り重なっていることから、いかに苦悶の時間が続いたかを物語る。一気に爆発したら、こうする余裕は無い。
「ミッションコンプリート。よくやってくれたなジェイクにカザン。超クール!」
エルトは手を貸してくれたポケモンを褒める。ポケモンに戦ってもらうしかない人間には、彼らの功績を讃えることしか出来ない。だからエルトはそれを欠かさない。
「普通ならやり過ぎ、って言いたいけどね」
女子生徒はポケモンを道具に、最終的には盾にして逃げようとした。アロエはそれを目の当たりにし、エルトがやり過ぎでも仕方ないと感じた。ポケモンを人一倍大事にする彼が、こんなこと許すはずもない。
「これはどうしたことだ? 爆発があったから占拠したとばかり……」
そこに、何やら偉そうな老人が現れる。後ろには女子生徒と似たデザインの集団がおり、エリートスクールとやらの責任者と思われる。
「偉い人ならそこの雑魚共回収してけよ。ポケモンを使い捨てる奴らだ、負けた奴なんて見捨てるだろうが、こんなの不法投棄されても片付けらんねーよ」
「各員、エレメント17の回収に当たれ。ポケモンは捨ておけ」
エルトの不満に反応したわけでもなく、老人は後ろの集団に女子生徒達の回収を命じる。これには、アロエ達も意外そうな顔をする。
「私の見抜く才能は絶対だ。ギンの奴がヒオウギで戦術的撤退をしたのも、今回も偶然の誤算だ」
「ギン……だと?」
エルトは老人の言った名前に反応する。知り合いだったのだろうか。しかし、エルトは突然笑い出す。
「そうか、負けたか! いい気味だ! ヒオウギってことはチェレンだろうな! 新人ジムリーダーに勝てないでエリートとは笑わせる!」
「私はエリートスクールのジキル。貴様、そのコートを何処で得た?」
ジキルと名乗った老人はエルトのコートに目を向ける。なんの変哲もないコートのはずだが、ジキルには何か心当たりがあるのだろう。
「ああ、これはおじいちゃんの友達のハイドさんから貰った」
「あいつか。どこまでも邪魔を……」
コートの出所を知ったジキルは町を去る。リベレート団にエリートスクール、そしてプラズマ団。イッシュはこれまでにない混迷を極めていた。
「お前達の負けは、10年前に決まっている」
「どういうことだい?」
「後のお楽しみ」
エルトの呟きにアロエが反応するが、彼ははぐらかした。エルトに対する謎は深まるばかりであった。
今回保護したポケモン
フローゼル
スワンナ
デンチュラ
シャンデラ
ドリュウズ
ナットレイ
プテラ
ランクルス
ゼブライカ
フリージオ
デスカーン
ポリゴンZ
ローブシン
クリムガン
ドクロッグ
メタグロス
ドンカラス
担当者所感
エルト「アララギ博士も粋なことするよな。プラズマ団とかが利用したポケモンの保護だなんて。アッシュにも手を借りてみるか」