経済を司る八賢老。若い頃は既得権益で値段を吊り上げるカントーの商人を相手取り、シンオウの貿易を盛んにした。
しかし現在は自分の既得権益を死守している。
ブルジョアジー号 VIPルーム
「ライブキャスター?」
夜風に当たって眠くなったアッシュが部屋に戻ると、リュックに入れたライブキャスターが鳴っていた。相手はシンジだ。
「もしもし」
『そうか、時差があるんだった。お前に話があるって奴がいる』
シンオウ地方は昼である。シンジは時差を忘れて電話してしまったのだ。10歳の子供が時差など考慮できるはずもないので自然な話だ。
「話?」
『もしもし、アッシュくんですか? 初めまして、私はポケモン犯罪防止委員会のイヴです』
シンジと代わったのはイヴ。アッシュにとって初対面の相手だった。
『眠そうですね。明日で構いませんので、お話を聞きたいのです』
「むにゃ、そうですか」
『では、お休みなさい』
ライブキャスターが切れる。イヴはアッシュが眠いのを察してくれたのだ。アッシュは彼女の好意に応え、そそくさとベッドに潜った。
一緒に寝ているジャスミンはバスタオルを巻いただけで寝てしまい、それもはだけかかっているので掛け布団を掛けてあげた。
5年前 マサゴタウン ナナカマド研究所
『こんなことより高齢者福祉に回して下さいよ!』
『今の子供達は恵まれ過ぎですから、少しくらい何ですか!』
『とにかくこの恵まれた時代を築いた老人達を労るべきです!』
朝っぱらから高齢の司会者が喚き散らす声がテレビから聞こえたので、エルトはテレビを消した。この司会者こそ、局の経営と司会者を同時に勤める八賢老のジョンだ。
「イヴは普段どんなテレビを見る?」
「テレビ? 上手く思い出せないけど、いつもは帝王学とか勉強してて見てない」
「そうか」
現在進行形でポケモンの本を読み漁るイヴはテレビをあまり見ないらしい。家庭の教育方針だろうか。ロボットアニメのタウリナー辺りでもやってたらエルトもイヴに奨めただろうが、シンオウではやっていない。
「タウリナーは去年『タウリナーZ』やったからな。Ωとかついて4、5年したらやっとシンオウ放送って感じだな。しかしここじゃモノズキッチン見られないのか?」
エルトのいうモノズキッチンとは朝のニュースの1コーナーであり、ヒマナッツオイル推しや視聴者からのリクエスト無視、毎回使われる謎木の実などでネタ方面での人気を博している。イケメン俳優『モノズお兄さん』が担当のコーナーだ。
「モノズお兄さんってミズゴロウさんと同じくらい有名だよね。うちの娘にも知ってもらいたいよ」
「ベルリッツ博士の娘さんってテレビ見ないんですね」
ナナカマド博士の助手、ベルリッツ博士には娘がいた。イヴより年下であるが、いずれ家のしきたりで儀式の為にテンガン山へ登る身。ちょっと心配である。
「よし、今日はバイヤとかいう奴を茶化しにいくぞ。準備はいいな?」
「いつでも」
イヴは昨日、商店街で買った白いファー付きの黒いダッフルコートを着込んでいる。シンオウは寒いのだ。スカートではタイツまで穿いておかないと寒さは防げない。
「アイン、出てきて!」
イヴは自分の手持ちになったイーブイのアインをボールから出した。アインはエルトの住んでるキンセツの育て屋で生まれたイーブイ4兄弟の長男で、イヴに懐いたため彼女に預けられた。一応、まだイヴが10歳ではないため書類上はエルトがトレーナーである。
「ショッピングモールはあれだな」
マサゴに不釣り合いなくらい大きなショッピングモールに2人は向かった。今日はここで八賢老のバイアが講演会を開くのだとか。
「よし、早速潜入だが……」
「どうしたの?」
建物を見上げた瞬間、エルトが立ち止まったためイヴが声をかける。エルトの脳裏には炎へ消えるビルの光景が浮かんだ。
「前に見たビルに似てる、あまりにな。こんな下品なデザインがまたとあるのか?」
「同じ建築家さんの建てたものに見覚えがあるのね。バイアって人が建築家もしてるみたいだよ?」
エルトがまるで、建物を見ただけで建築家を特定できるマニアみたいに聞こえる会話だが、節々の金ぴかなどの下品な特徴は一度見たら忘れられない。彼が以前見たビルに同じ装飾があるとしたら、同じ建築家によるものと思わずにはいられない特徴だった。
「あのポケモン達……」
イヴはふと、建物の周辺に集まるビッパの群れを確認した。前歯が伸びて、しょんぼりしている。
「入るか」
「そうですね」
2人はともかくショッピングモールに入ることにした。家族連れが多くいるのだが、恐らくマサゴから来た人は少なく、コトブキやヨスガなどの都会から来た伊達酔狂人間と思われる。車のナンバープレートを見ればわかる。
「フードコート、凄い人だね」
イヴはフードコートに並ぶ人々の群れを見た。しかしながら並ぶ理由を看板を見ても理解出来ずにいた。
「何がそんなにあの人達を駆り立てるの?」
「さあな。奴らはヤラセ番組が納豆ダイエットとか言った瞬間に普段は食わない納豆なんざ買い占めて、普段から納豆食う層を苦しめる愚か者だ。わからなくて正解だよ」
実際にエルトとその保護者である育て屋夫婦も被害にあった。普段から食べてる納豆を食えない2人を見るのは本当に辛かった。
「なあ、なんかこの建物歪んでないか」
「なんか斜めチックだね」
エルトとイヴは建物が傾いていることに気付く。試しにモンスターボールを床に置くと、コロコロ転がった。欠陥構造なのか。
「そういえばよ。テンガン山にある彫刻を持ち出したって?」
「うん。これを見て」
イヴが指差したのは壁に貼られたポスター。テンガン山にある有名な彫刻が展示されるとのこと。エルトは嫌な予感しかしていなかった。
「俺はとある事情で学校に行ってなくてな、勉強は博物館でしたんだ。キンセツは子供の入場料が無料だったし。だから美術品の扱いには多少知識があるんだ」
「そうなの?」
「カロスの博物館史の中には、外国から持ち出した彫刻に施された塗装を『我々に合わない』と剥がした馬鹿がいてな」
「エーリックマーブルね。『エーリックの収奪』で持ってきた彫刻のことでしょ?」
「そうだ。マーブルは塗装の極彩色を示す言葉だ」
エルトとイヴは美術談議をしながら彫刻の展示場へ向かう。エルトは博物館で勉強し、イヴは富裕層の教養として習った知識を語り合う。しかし、2人はヒシヒシと嫌な予感を感じていた。
「テンガン山の彫刻は等身大のディアルガ、パルキア、そしてギラティナを掘ったものだ。ディアルガが巨大なこんごうたま、パルキアがそれはそれはデカイしらたま、ギラティナがもう馬鹿デカイはっきんだまに掘られている。だけどな、それは華美過ぎてテンガン山に作った神殿には合わなかったから神殿の材料と同じ石材を塗して塗装した」
「嫌な予感がするね」
そこまで聞いたイヴが嫌な予感を感じた。エーリックマーブルの件といい、彫刻の成り立ちといい、八賢老の性格を考えると歴史を繰り返しそうな予感がしていた。
彫刻の展示場は巨大な吹き抜けの中央。このショッピングモールには3ヶ所に同じような吹き抜けがある。等身大の伝説のポケモンを掘った彫刻はそれぞれ1個ずつそこに置かれる。
そして、エルトとイヴはそこにようやく至ろうとしていた。
「ぎゃああああ!」
「っ……!」
悪夢を見た。吹き抜けにはピカピカに輝くディアルガ像があったのだ。華美さを防ぐための塗装が剥がされ、粗削りで曇っていたと文献に記された表面は無駄に磨かれて透き通ってしまった。
「あんまりや……塗装剥がしだけじゃなくて磨くだなんて……」
「そん…な」
エルトとイヴはショックを受けた。確認のため、残る2つの彫刻も見たが結果は同じ。全く歴史的価値を解さない人間による犯行だろう。
「おのれ八賢老! ゆ゛る゛さ゛ん゛!」
「まだ講演会まで時間あるよ? 別のところ見る?」
このままだとエルトが凶行に走りかねない。そう判断したイヴはとりあえず彼を落ち着かせることにした。
「ここってまともな商品無いだろ? 全部自社ブランド(笑)だし」
「自社ブランドだからいいものってわけじゃないよね」
話を逸らすことには成功した。イヴは自分が普段、どんな買い物をしていたかを思い出そうとする。
「うーん、私は買い物ってよくしたね。値札見ないけど」
「それが出来るのは真の金持ちだけだよ。貧乏人は安いのを求め、成金は高いのを探す」
2人は高級ブランドのブティックを訪れた。専門店なら劣悪な自社ブランドではなく、その専門店の商品が手に入る。
「ポケモンの服がある。アインに似合うかな?」
イヴはポケモンの服を見つけ、アインに宛がおうとする。だが、アインは全力で嫌がった。
「アインは服着るように育ってないんだ」
「そうなの」
ポケモンが服を着るのは稀有な例で、特に四足歩行のポケモンは嫌がる傾向がある。
「結局はこんな服など、ポケモンをアクセサリー程度にしか思わない愛が足りない連中の自己満足さ」
「こんなのどう? 杖」
エルトが普段から杖をついてるので、イヴは杖を奨めてみた。いい機会なので、何か助けてもらったお礼がしたかった。
「いや、杖あるし、これがまた使えるんだよ。使わない時は縮めれる」
エルトはやはり愛用の杖を捨てる気などなかった。何故杖などついているのかと以前聞いたら、足を怪我しているかららしい。それも骨折の様な単純なものではなく、怪我自体が治っても後遺症が残ってるのだとか。
「疲れた、休もうぜ」
「そうね」
ベンチに座って休むことにした。エルトは自分より体力が無い、イヴはそれに気付いていた。
「調子悪いの?」
「普段からこんなもんさ。肺が片方無いってのはキツイ」
「えぇ?」
「じいちゃんとばあちゃんに引き取られる前の生みの親が、弟の学費稼ぎに俺の内臓を売ったんだ。子供の内臓は高く売れるからな。左の肺、右の腎臓、胃は2回取られたから相対的に腸が短い。肝臓も少し持ってかれた」
エルトの事情を聞き、イヴは何とも言えない気分になる。親が子供を利用するのだろうか。エルトもその弟も、自分の子供であるはずだ。
「そんな、おかしいよ! 親が子供の内臓を売るだなんて!」
「そうだ、おかしい。弟がエリートスクールに行って自分達の地位も高くなるとみたアホの行動だ。覚えておけ、届きもしないものに手を伸ばすと破滅を呼ぶ。時間だ、行こう」
エルトとイヴは講演会が行われる会場に向かう。その途中、イヴは考えごとをしていた。そんな親が本当にいるのだろうか。何かの間違いではないか。ボンヤリしているものの、自分の持つ両親の記憶は暖かなものだったはずだ。
講演会の会場は、大学の教室の様な構造になっている。後ろに行くほど高くなる構造だ。エルトとイヴは冷やかしが目的なので、寝具を持って最前列へ行く。
講演会が始まる。バイアが入場してきて、拍手が沸き立った。イヴとエルトはそんな中グッスリ寝ていた。元々冷やかしなのだ、別に問題は無い。ボールから出てるアインまでグッスリだ。
しばらく寝ていたので、2人は全く話を聞いていなかった。イヴが目を覚ますと、新製品の話をしていた。背中にスラスターと、手に槍を持ったエレキブルが演台の上に立っていた。
「この背中に装着した『ふゆうスラスター』とセットの槍があれば電気タイプは無敵です! さらに元々有利な水タイプにはさらに有利に、水タイプ疎外電波も発生させることが可能!」
演台で喋る老人がバイアだろう。ハゲ散らかしており、唾を撒き散らしながら喋る姿に気品もなにもない。高級なスーツを着ているが、むしろ着られているといった赴きだ。似合わない。
「我々の商品を買える人間が強くなる、これぞ自明の理!」
「なんだありゃ?」
さすがにエルトも騒がしさに目を覚ました。武装したエレキブルを見て、しばらく頭を捻った。
「槍なのに刃がないな。電気をエレキブルから賄ってビーム刃を展開する仕掛けか?」
「これでポケモンバトルに革命が起きる!」
「聞き捨てならんな」
エルトは急に立ち上がる。そして、フードを外す。その素顔を見て、イヴは息を呑んだ。伸びた金髪はくすみ、黒く変色している。顔の左半分は激しい火傷の痕で覆われ、右目の部分には炎の様な刺青がある。顔に無事な場所が無いのだ。
「エルト……?」
「冷やかしはヤメだ。こいつは俺が倒す」
あまりに突然な行動にイヴは戸惑う。思い返せば、出会ってからエルトに振り回されっぱなしな感じもしていた。
「そ、その顔は……貴様か、私のカントー進出の足掛かりだった一号店を焼いた馬鹿は! 私がせっかくデザインしたのに。」
「あれは冤罪だ。だが、今回はマジだ」
エルトが建物に感じていたデジャヴュはこれだ。エルトがいる最中ヤマブキで焼けたビルもここも、バイアがデザインした建物だったのだ。そしてイヴはエルトの怒りの理由に何と無く検討がついていた。外にいた前歯の伸びたビッパ、歪んだ建物、そして水タイプ疎外電波。
「ここって、もしかしてビッパ達が住んでいた湿地なのかな? 土地が柔らかいから建物が斜めになってるし、間違い無いよ」
このショッピングモールはビッパの生息地に建てられたものだったのだ。水タイプ疎外電波で、進化後に水の因子を持つビッパが体調を崩しており、かつ前歯が伸びっぱなしだ。
『ビッパ。まるねずみポケモン。いつも大木や石をかじって丈夫な前歯を削っている。水辺に巣を作り暮らす』
図鑑の説明通りなら、生息地が無くなったビッパ達は前歯を削る大木や石も無くなったのだ。ビッパ達を苦しめてまで儲けたいのか。バイアの自分勝手な考えにイヴは憤った。
「ポケモンの生息地を荒らすなんて、許せない!」
「ガキに何がわかる! 生息地眺めてるだけでメシが食えるか! 誰が一体この豊かな時代を作ったと……」
「圧 倒 的 に 愛が、足り、ない!」
凄まじい爆音と意味不明な言葉が飛んできたので、イヴとバイアは音の発生源を見る。エルトとモウカザルのハナコがエレキブル相手に勝利を収めていた。武装だけが破壊されたエレキブルはバイアを睨み付けていた。
「なるほど、この武装はポケモンを従えやすくする機能があるのか」
武装の残骸からエルトは機能の存在に気付く。最高傑作を破壊されたバイアはワナワナと拳を震わせる。
「許さん! 貴様、私の邪魔ばかりを! この豊かな時代に住むなら、決して足を向けて眠れぬはずの私を!」
今まで自分に逆らった人間がいなかった反動なのか、バイアは白目を向いて一層涎を撒き散らして激昂する。会場にスラスターとゴーグルで武装したエレブー達が現れた。
「ゆけい、エレブー軍団よ! エリートスクールに納品する前の準備運動じゃあ!」
「エリートスクール? ああ、エリートスクールか」
ある単語を聞いたエルトは表情を不気味に歪める。イヴはエリートスクールの存在なら知識として知っていた。ジキルの設立したトレーナーズスクールの名門だ。だが、何故そんな場所がポケモンバトルにおいて禁じ手の武装ポケモンを必要とするのか、彼女にはわからなかった。
「なら俺が潰す! やっちまいなお前ら!」
エルトは残る2匹、ゴローンのダクダとムクバードのラドを繰り出して応戦。多数いた武装エレブーはラドとハナコが撃ち落とし、そこをダクダがマグニチュードで叩く作戦で順次武装解除されていった。
「馬鹿な!」
「貧弱貧弱ゥ! 武装なんかに頼るからだモウロクジイサンよぉ! 八賢老も大したことねぇな、今日中に壊滅ッスねー、こりゃあよ!」
「おのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれッ! 若造ごときが邪魔を!」
エルトの挑発に乗ったバイアはまんまと怒り狂い、元から無かった冷製さを失うことになった。ナッシーをボールから出し、戦いの準備をする。
解放されたエレブー達はエレキブルに電気を送り始める。エレキブルのとくせい『でんきエンジン』で電力が吸収されていく。
「そうだ。アイン、てだすけよ!」
イヴはアインにてだすけを指示、エレキブルをサポートする。これでエレキブルの力はさらに上がる。
「ナッシー、かげぶんしん!」
「ラド、きりばらい!」
バイアが指示したかげぶんしんをエルトがきりばらいで打ち消す。分身は出来る傍から消滅していく。
「ふ、ふざけるな! なんだその技は!」
「へ? ノモセに伝わる秘伝技ですがなにか? もしかして時代についていけない?」
隙を見てはエルトが煽る煽る。冷製さを失ったら負けだ。勝てるほどの冷製さなどバイアに無かったのだが。
エレキブルが充電を終え、最大パワーのかみなりパンチをナッシーに決める。本来は効果がいまひとつだが、何故かナッシーは耐えたといえギリギリだ。
「衰えに気付いてない?」
イヴは原因をナッシーの年齢と仮定した。そして、そこに付け入る隙を見出だした。
「アイン、シャドーボール!」
「ぬぉぉぉぉっ! 馬ぁぁあああ鹿ぁああぁなああああ! 私の全盛期を築いたナッシーが!」
ナッシーはアインのシャドーボールで崩れ落ちる。トレーナーとしてのバイアの全盛期を築いたナッシーであったが、時代の変化にトレーナーが適応出来ず、かつ寄る年波さえ感知出来なかったため敗北した。
「馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な! ありえん、不正だ! これは不正だ! 私が負けた、それは不正があったからだ! 私が負けるはずない! 負けるはずが!」
不正を売ろうとしていた人間がそんなことを言う始末。最終的には泡を吹き、失禁して気絶した。自分の時代が終わったことを実感し、精神が持たなくなったのだ。
「引き際を誤るとこうなるのか、一つ賢くなったな」
「うん」
エルトとイヴは引けなかった者の末路を目の当たりにした。これが滅びである。このバイアの醜態は、イヴの中に破滅のイメージとして強く残ることとなった。
現在 マサゴの湿原
「でもよかった。生息地が元に戻せて」
マサゴの湿原は現在、ショッピングモール建設以前の姿に戻っていた。イヴが久しぶりに訪れたそこは、ビッパの生息地に戻せたのだ。
湿度の高い風が彼女の髪を撫でる。長い月日が掛かったが、八賢老が貪り尽くしたシンオウは全て元通りになった。
「……」
イヴは自分の胸元を抑え、悲しげな顔をした。全てじゃない。元に戻らなかったものもある。彼女自身の様に。
ナッシーとかげぶんしん
第一世代、原作でいう『赤・緑』の時代に猛威を振るったナッシーのかげぶんしん。当時のかげぶんしんは今より回避率が上がった。そこにどくどくを積む待機型が流行った。
当時は弱点の炎と虫がさほど強くなく、フーディンのかみなりやサイコキネシスを半減できたためそれがブームを加速した。