ポケットモンスター 灰色の疾風    作:級長

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 イッシュ観光案内
 タチワキコンビナート
 夜景が綺麗なコンビナート。ただし従業員はやる気が失せているので、あなたの手で喝を入れてみては?


30.タチワキ危機! コンビナート火災を鎮火せよ!

 ブルジョアジー号 甲板

 

 アッシュはヒュウと合流した。しかし、ヒュウがポケウッドでハリーセン刑事役を射止めてしまったため、あと1日アッシュは待機することになった。

 「タチワキコンビナートに行ってみたら?」

 「コンビナート?」

 豪華客船ブルジョアジー号の甲板でアッシュがのんびりしていると、ジャスミンがそんな提案をした。

 今日のジャスミンは両側にスリットが入り胸元の開いた白いチャイナドレスで艶やかながら、いつもの黒い長手袋とニーソックスで手足の露出を抑えていた。白と黒のコントラストが美しい。

 「タチワキコンビナートにはここにしかいないポケモンがたくさんいるの。あと、夜のコンビナートは夜景が綺麗なのよ」

 「じゃあ、いってきます」

 「うん、私はカジノにいるわね」

 ポケモンに釣られ、アッシュはコンビナートへ向かう。波止場からはそう、コンビナートは遠くない。アッシュの足でもすぐに着けた。ゴーゴートのトーゴに乗っていたので尚更早い。

 コンビナートは丸いタンクが並ぶ場所で、子供にとっては面白い場所ではないかもしれない。このタンクには石油が入っており、そのおこぼれを狙ってブビィやガーディなど炎タイプのポケモンが多数やってくる。また、ドガースやコイルも棲息。

 ここは幼い頃のホミカもよく遊びに来ており、ここのドガースがある意味彼女のポイズンな生き方を定めたのだろうか。

 「あ、ホミカさん」

 「あれ? 知ってる人かい?」

 向かう途中、アッシュはホミカを見つける。トキシックエンブレムの試練で司会を勤めていた以来の再会となる。そこでアッシュは女装をしていたので、ホミカはアッシュに気づかなかった。

 「あれ? このゴーゴート……もしかしてアッシュ?」

 「はい。トキシックエンブレムの試練だったコンテストに出た……」

 「はーん。格好が変わると印象も違うねぇ」

 そしてホミカはアッシュが男であることに気付いてないようだ。見たことのないポケモンに興味を示す。

 「どこ行くんだい?」

 「ちょっとコンビナートに」

 「アタシも乗せてってよ! そうだ、ちょっとタチワキ一周しよう!」

 ホミカはトーゴに跨がり、勝手に進路を決める。アッシュも急ぎではないので、ホミカに従うことにした。

 「新しい彼女かい?」

 「違うよ」

 アッシュはトーゴのジョークを流す。新しい、つまり前に乗せたシルフィも彼女としてカウント。夜のタチワキはネオンで輝いていた。繁華街というわけではないが、バーなど娯楽が揃っていた。

 「タチワキにはコンビナートとか港とか、肉体労働やってる奴が多いからね。こういう店が重宝されるのさ」

 「へぇー」

 しばらくアッシュとホミカがトーゴで町を歩いていると、スキンヘッドの男に呼び止められた。

 「へいそこのトレーナー! これ使いな!」

 その男はモンスターボールを2つアッシュに投げる。それを受け止めたアッシュは、そのモンスターボールが普通と違うことに気付いた。

 「青いモンスターボール?」

 「そいつはスーパーボール! モンスターボールより性能はいいぜ!」

 突然渡されたボールに困惑するアッシュだが、ホミカはこの男を知っていたので説明をする。

 「ああ、こいつはタチワキで有名なスーパーボール男。ハイパーボールでもなくスーパーボールを広める活動をしているのさ」

 「あ、ありがとうございます。大切に使いますね!」

 アッシュは旅を始める時、ベルから5つのモンスターボールを貰っていた。それはレパルダスのマチルダ、ルリリのシャルル、ゴーゴートのトーゴを捕まえる時に使用し、残りは2つ。ヨーテリーのソミュアは始めから人のポケモンだった。これでアッシュのボールは残り4つ。

 アッシュ達は町を一周し、コンビナートに着いた。コンビナートの奥にある、ベンチが置かれた広場からは夜の海が見える。

 「あ、ホミカちゃん!」

 「なんだマサヒロか。夜遅いから帰りな」

 短パン小僧がホミカに声をかける。知り合いなのか。ホミカはトーゴから降りて軽く流す。しかし、短パン小僧のマサヒロはというと、そうもいかないらしい。

 「お前……誰だ?」

 「え? ボクはアッシュ。よろしくね」

 「俺を差し置いてホミカちゃんとデートだと? ゆるさーん!」

 マサヒロはさっきまでホミカとトーゴに乗っていたアッシュに嫉妬爆発な模様。当のホミカはすっかり呆れていた。

 「あのなー、よく見ろ。髪短いけど女の子だよ」

 「「えっ?」」

 ホミカはアッシュを女の子だと思っていたが、アッシュ本人やマサヒロはそうでもなかったため困惑する。

 「女の子だったの? にしても名前がカッコイイ……」

 「ボク男だよ!」

 「やっぱり男じゃないか!」

 「え?」

 そしてホミカも困惑。アッシュが男だと始めて知ったようだ。

 「お前、男の子だったのか……。アタシはコンテストであんな衣装だったからてっきり」

 「よーし、こうなったらバトルで決着だ! いけ、ヨーテリー!」

 マサヒロは遂にバトルを仕掛けて来た。ポケモンはヨーテリー。アッシュもポケモンを出すべく準備する。

 「ソミュア!」

 選んだのはヨーテリーのソミュア。同じヨーテリー同士の戦いになる。

 「やめとけ、アッシュはエンブレム持ってるぞ。4つくらい」

 「男にはやらねばならん時がある! ヨーテリー、たいあたり!」

 ホミカが止めるのも無視して、マサヒロは攻撃を仕掛ける。しかしアッシュは冷静にそれを見極めた。

 「ソミュア! でんじは!」

 「何!」

 なんと、でんじはで相手のヨーテリーを麻痺させたのだ。ノーマルタイプは補助技も多い。それを活かして戦うのがベストだ。

 「ふるいたてる!」

 「動け、ヨーテリー!」

 アッシュは相手が痺れている間に、ふるいたてるを使う。マサヒロは攻撃が来なかったため、安心してあるものを取り出す。

 「何あれ?」

 「ミラクルシューターだ! まひなおし、シュート!」

 マサヒロが腕に付けているのはミラクルシューター。ポケモンバトルで気軽に道具を使うためのもので、経過したターンに応じて道具が使える。

 「まあいいや。ソミュア、たいあたり!」

 「効くか! 俺のヨーテリーはそこいらのミネズミのたいあたりじゃ倒れないぞ!」

 余裕を見せるマサヒロ。ミラクルシューターを使うと、道具同様隙が出来る。だからソミュアのたいあたりに迎撃出来ないだろうが、この攻撃を耐える選択をした。

 「うわっ! マジか!」

 しかし、ソミュアは一撃でヨーテリーを倒した。ふるいたてるで攻撃力が上がっていたのだ。

 「やったー! ソミュア、ありがとう!」

 「このくらい、どうってことないのね」

 アッシュは活躍したソミュアを労う。ホミカはアッシュがミラクルシューターを知らないことに驚きを隠せなかったが、勝てたので良しとした。

 「お前、ミラクルシューター知らなかったのか? トレーナーには支給されるはずなのに」

 「もしかして、これ? 使い方わからなかったし、説明書見ても読めなかったから」

 アッシュはバックからミラクルシューターを取り出した。何の道具かは知らなかったらしい。説明書を改めてめくっても、やはり読めない。

 「うーん? なんて読むのかな? 名前がミラクルシューターなのはわかったけど……。ひらがなは読めるけど、カタカナは読めないんだよね。トーゴは?」

 「それなら……」

 アッシュはトーゴに説明書を読んでもらい、ミラクルシューターの使い方を覚えた。

 「ポケモンと話せるみたいなやり取りだな、これ」

 「ああ、チェレンの奴が言うには話せるらしいぜ」

 「え?」

 アッシュがポケモンと話せることは割と知られてない。そもそもアッシュも当たり前のことなので特筆したりしないのだ。ホミカはチェレン経由、チェレンはベル経由で知っていた。

 「マジか……、だからモテるんだ」

 「モテる?」

 「そんな経験無いよね?」

 マサヒロがモテそうだと思ったのもつかの間、アッシュはモテるという単語を知らず、ソミュアはアッシュがそんな経験していないことを知っていた。

 「これが……勝者の風格ッ!」

 「勝手に盛り上がってるところ悪いけど、夜遅いから帰れ」

 「今日は父ちゃんも母ちゃんも仕事でいないから帰らん!」

 ホミカは面倒なことにならないうちに、マサヒロを帰そうとする。しかしマサヒロは今、両親共に働いていたため、帰る理由もなかった。

 「いいよなー、お前ん家は真面目に働いてて。うちのオヤジなんてこの前、映画俳優になるって言ってポケウッド突入して、オーディション落ちて凹んで未だ船出さないんだ」

 「えぇっ?」

 アッシュは結局、ヒュウと合流しても足止めという衝撃の真実を知る。イッシュラリーの予選に影響しないだろうか。この地区だけでも2つのエンブレムがある。逆にこの地区からスタートしたトレーナーは2つで足止めだ。

 「それって大丈夫? 主にイッシュラリー」

 「タブンネ」

 「不安になってきた……」

 質問にも横からタブンネが口を挟む始末。アッシュの不安が倍増である。

 「おー、タブンネじゃないか」

 「タブンネに話し掛けると前向きになれるらしいぜ」

 ホミカとマサヒロはそんな話をする。まずはホミカが試す。

 「アタシはトップバンドになれるか?」

 「タブンネ(知るか)」

 確かに前向きになれそうだ。多分、ということは可能性はゼロではない。しかしアッシュには本音が聞こえていた。それでもアッシュは果敢に挑戦。

 「イッシュラリーで優勝出来るかな?」

 「タブンネ(マサヒロより可能性あるよ)」

 続いてマサヒロ。アッシュはポケモンの言葉がわかるが、黙っていることにした。

 「俺ってポケモンマスターになれるかな?」

 「タブンネ(寝言は寝て言え)」

 「多分かー、頑張るよ!」

 「タブンネ(無駄無駄。諦めて就職しろや)」

 ポケモンの本音とトレーナーの感じ方の差が激しい。アッシュはそれでも知らぬが仏と黙っている。

 「俺のヨーテリー強いかな?」

 「タブンネ(貧弱貧弱ゥ!)」

 タブンネが本音を漏らすと同時に、コンビナートの一角が爆発した。アッシュ達はその辺りに向かう。

 「なんだ?」

 「火事か?」

 火事はコンビナートにとって致命的。施設そのものが可燃物どころか燃料と言っても差し支え無いここは、燃えるとなかなか消えない。

 アッシュは火を放っただろう犯人を見つけた。信じられないことに、彼の母親であるシラコだ。

 「お前は! ……誰だっけ?」

 「忘れたか小僧!」

 しかし当のアッシュはすっかり忘れていた。いろいろ楽しいことがあったので、辛い思い出は既に消えていた。これから戦艦アルセウスという懸念のあるクロスケはまだ辛うじて覚えている。

 「貴様に受けた屈辱! 今帰す! この炎でな!」

 「タブンネ(炎ならば、俺の為に焼き芋でも焼いているのが似合っているぞッ!)」

 シラコはコンビナートに火を放ち、とにかくヤケクソな様だ。だんだんと悪のカリスマみたいになってきたタブンネは放置し、アッシュ達は火を止めることに。

 「シャルル!」

 「ヘルガー!」

 ルリリのシャルルを出すアッシュに対し、シラコはヘルガーを出す。奇しくも、アッシュのポケモンの出し方は母親に似ていた。

 「かみつくだ!」

 「タブンネ(貴様の攻撃が一番生っちょろいぞ!)」

 妨害を謀るシラコをタブンネが止める。ヘルガーに噛み付かれてこの余裕。アッシュ達は消火活動に当たるが、水タイプのポケモンがいないので手こずる。

 「そうだ! みんな!」

 アッシュは海に向かって叫ぶ。声は水に溶け、ブルンゲルやネオラント達を呼び出すことに成功した。

 「何ッ!」

 「タブンネ(無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッ!)」

 「馬鹿な!」

 水ポケモン達が消火を開始する。シラコが驚愕している間に、タブンネはパンチのラッシュでヘルガーに対抗。タブンネが強いことにシラコは更に驚愕。ヘルガーは何とかかわす。

 「タブンネ(ほぅ、では貴様がいくら避けれても意味がなう攻撃を思い付いたぞ?)」

 「なっ?」

 「タブンネ(タンクローリーだッ!)」

 タンクローリーを投げつけ、タブンネは善戦する。なかなかに強い。

 「ビビビ、逃げ遅れた!」

 「コイルが!」

 しかし火の気は弱まらない。コンビナートの火災は水をかけたくらいでは弱まらず、普通なら化学消防車がやって来るのだ。

 逃げ遅れたコイルを助けるため、アッシュは炎をシャルルと掻き分けて進む。

 「ビビビ、助かった!」

 「早くここから逃げないと!」

 コイルを抱え、アッシュはコンビナートから脱出しようとする。陸路からは困難だ。なら海から逃げるしかない。ホミカとマサヒロ、タブンネは既にブルンゲルが回収して脱出した。

 「させるか! オンバーン!」

 シラコはアッシュの道を塞ぐ様に、5匹のオンバーンを繰り出す。

 「あんたと私はここで死ぬんだよ!」

 「くっ!」

 シラコはアッシュの道連れが目的だった。もう、シラコが築いた地位はだいたいアッシュによって崩壊した。シラコは息子であるが、アッシュを憎んでいた。

 「あんたがいけないのさ! 作る気もなかったのに生まれて来て! この転落の始まりだったよ、あんたは!」

 「ポケモンを巻き込むのか? ボク達人間のことに!」

 シラコはオンバーン達やアッシュのポケモンも道連れにする気だった。実の母親とは思えない行為にアッシュは戦慄した。

 「ポケモンと話せるとか言ってN様と同じ世界が見えた気になるなよ! あの人はお前と違う!」

 シラコはNを信奉している割に、Nが一番嫌いなことをしている。ポケモンを傷付ける行為だ。

 アッシュはこの短い旅でも十分気付いていた。悪いポケモンがいるのではない、悪い人間がいるのだ。

 「ボクはNのことも知らないけど、ポケモンの声は聞こえるんだ! 決めたよ、ハハコモリとレントラーも見付かって、イッシュラリーしか目標がなかったけど! ボクはポケモンを助ける!」

 アッシュは旅の目的を果たし、副次的な目標でしかなかったイッシュラリーだけを目的に旅を続けようとしていた。だが、タチワキにいた数日で心に決めたことがある。

 ポケモンを救う。旅だけではなく、自分の将来を決めることにした。

 「全くアッシュは。なーんも考えてるそぶり見せない癖に」

 「ビビビ、思考が顔に出ないのは戦略的に、非常に厄介ですぞ。企みを見抜き難いですぞ」

 シャルルとコイルはアッシュの決断を聞き、話し合う。コイルも何かを決めたようだ。

 「ですが非常に面白いですぞ、このトレーナー。今までに会ったことの無いタイプですぞ。少し興味ありますね」

 「ボクはそこまでの人間じゃないよ」

 「ワタクシの言葉がわかるのですか?」

 コイルはアッシュがポケモンの言葉を理解出来るとわかり、ますます興味が出たようだ。

 「まずはここを出るよ! マイン、マチルダ、トーゴ!」

 アッシュは持てるポケモン全てを繰り出す。チャオブーのマイン、レパルダスのマチルダが出揃い、アッシュのポケモンが並ぶ。

 「ボクはここで、全部に決着を付ける!」

 「やってみろ! まやかしの英雄が!」

 オンバーンがアッシュに向かって飛び掛かる。それを冷静に見定めたアッシュは、ポケモン達に指示を出す。

 「マチルダ! ねこだまし! マイン! オーバーヒート!」

 マチルダのねこだましでオンバーンを止め、マインのオーバーヒートでトドメ。古参2匹による完璧なコンビネーションだ。

 「1匹だよ!」

 「まだまだですわ!」

 マインとマチルダは勢いを付け、次のオンバーンを倒しに行く。横から襲い掛かる別のオンバーンはトーゴがウッドホーンで吹き飛ばす。

 「つっぱり! おいうち!」

 マインがつっぱりでオンバーンにダメージを与え、撤退を促す。そこへマチルダがおいうちを仕掛けて倒す。これで残るは2匹。

 「ソミュア、でんじは!」

 主力ポケモンがアッシュを離れた隙に残ったオンバーンが彼を狙う。ソミュアとコイルがでんじはを放ち、麻痺させて食い止める。

 「コイル!」

 「ビビビ! ラファールとお呼び下さい」

 コイルのラファールも参戦し、アッシュは少し有利に。だが、シラコも反撃をしてくる。

 「りゅうのいぶき!」

 「シャルル!」

 アッシュを狙ったりゅうのいぶきをシャルルが受け止める。その瞬間、シャルルの体が光る。シャルルはルリリから、マリルに進化したのだ。シャルルはダメージを受けた様子が無い。

 「何故だ! ドラゴンタイプの技が無効化?」

 「この力……シルフィに似てる」

 ドラゴンタイプの技が無効化されて焦るシラコ。マリルに進化したシャルルにはフェアリータイプが付属したのだ。フェアリーはドラゴンを無効化することが出来る。

 「新しい技が増えてる! れいとうパンチ!」

 シャルルはアッシュから指示されたれいとうパンチでオンバーンを粉砕。ここまでは順当、ドラゴンは氷に弱い。

 「そしてじゃれつく!」

 フェアリータイプの技、じゃれつくでラストのオンバーンを攻撃するシャルル。フェアリーはドラゴンに効果抜群だ。

 「こんな餓鬼に!」

 「ソミュア! とっしん!」

 手持ちを失ったシラコを、ソミュアのとっしんで海に突き落とす。ボールが6つ落ち、マインとトーゴがそれを踏み潰した。

 「オンバーン! ヘルガー! 逃げるよ! みんな、戻って! ラファールはこれで!」

 アッシュはオンバーンとヘルガーを連れ、コンビナートを脱出した。手持ちはボールに戻し、ラファールはスーパーボールでゲットする。

 「アッシュだ!」

 「無事だったんだな!」

 「タブンネ」

 先に逃げてたマサヒロ達がコンビナートの入口前で待ち構えていた。とにかく互いの無事を喜び合った。

 「マサヒロ!」

 「大丈夫か!」

 そこへマサヒロの両親が駆け付ける。子供の無事を喜ぶ両親。こんな光景を、アッシュは見たことがあった。サンヨウシティで、スリーパーによる子供の誘拐事件を解決した時だ。

 しかし、その時の様な悲しげな顔はしていない。満ち足りた表情だ。

 「なんか前と違うな、アッシュ」

 「変わりましたわね」

 ボールから出て来たポケモン達の中で、マインとマチルダがシミジミと様子を見守る。たまたま近くを訪れていたヴァイオラも、遠くからその様子を見ていた。

 家族という開いた穴を埋めるだけの仲間を、アッシュは得たのだ。




 トレーナーカード
 ポケモントレーナー アッシュ
 新たな目標を胸に、イッシュを旅するポケモントレーナー。ポケモンと話せる力で、人とポケモンの掛橋になる。
 手持ち
 チャオブー♀(マイン)
 レパルダス♀(マチルダ)
 ゴーゴート♂(トーゴ)
 マリル♀(シャルル)
 ヨーテリー♀(ソミュア)
 コイル(ラファール)
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