10歳の新人トレーナー。ポケモンと話せる能力を持ち、新人ながらポケモンに合わせた最適な戦術を組み立てることが可能。それにより高い士気を保ち、ポケモンの実力を最大限引き出す。
また、悪タイプの力を扱えるためエスパータイプの技を無効化出来る。通常の悪タイプより力が強く、さいみんじゅつの様な普通なら無効化出来ないサポート技も打ち消せる。体力の消耗が激しい分、敵からパワーを奪って補給する手段があるらしい。ただし、この力は悪の組織以外に使わないようだ。
虐待の影響で栄養失調気味だったため、小柄で線が細い。というか、女の子に見間違うほど中性的な外見で髪も長い。
所有ポケモン(〇は基本的な手持ち)
〇エンブオー♀(マイン)LV46
〇レパルダス♀(マチルダ)LV40
ゴーゴート♂(トーゴ)LV40
〇マリル♀(シャルル)LV18
〇ヨーテリー♀(ソミュア)LV10
〇コイル(ラファール)LV22
ヘルガー♂(ルガー)LV35
オンバーン♂(オンサ)LV65
ベトベトン♂ LV78
サンド♂ LV23
〇バルジーナ♀(ネーベル) LV80
アッシュの家
アッシュの自宅はソウリュウシティ都市部にある高級なマンションだ。高い防音性ゆえに、皮肉にもアッシュの虐待は気付かれていなかった。
そうでなくとも、都市の人間は無味乾燥。夜遅くに子供一人で帰って来たのに誰も気に止めない。このマンションの一室は今まで家賃払いだったが、シラコが全財産を叩いて購入した。故にアッシュはここの高い家賃を気にせずに済む。
「アッシュ! 起きろ!」
「朝だぞ!」
シャルルとソミュアがバタバタと部屋に入って来る。アッシュはシラコの使っていた部屋で今日は寝たのだ。
母の匂いが残る部屋で寝るのは、やはり彼に親からの愛情が足りていないことの裏返しなのか。それでも、アッシュのポケモン達、特にマインとネーベルは母との溝が埋まったと見て少し喜んだ。
「起きてるよ」
「また髪伸びたなぁ」
アッシュは三面鏡の前に座り、髪を櫛で梳かしていた。シャルルは初めて会った時より髪が伸びていることに気付いた。今や背中辺りまで長くなった。
部屋にはクローゼットがあるが、そこに現在のシラコのものは無い。代わりに、何故かシラコが子供の時に着ていた衣服がしまわれ、手紙がおいてあった。
『あんた、男の子の服より女の子の服の方が似合うんじゃない?』
そんな一文だけが書かれた手紙である。最初で最後の母親らしい言葉に、アッシュはどう反応したのか。
「似合う……かな?」
とりあえずいろいろ宛がって確かめる。結局いつもの服に着替えたアッシュは、リビングに向かう。このいつもの服も女の子の服であることをアッシュは忘れていた。何せ、ベルのお下がりなのだから。
「いやー、あたしくらいデカイのが寛げるとは広い家だな」
「俺達はギリギリなんだが」
リビングにはマインとトーゴ、ベトベトンがいた。広い部屋ではあるのだが、さすがにこれだけの数ポケモンを出すと狭いものだ。
「ビビビ、現在の時刻は午前7時ダ」
「今日はどうするんだい?」
「ライモンだけじゃなくてソウリュウにも来られるなんて感激だべ」
ラファール、ネーベル、サンドがおり、アッシュのポケモンは殆ど集合していた。トースターでパンを焼いて朝食を済ませたアッシュは、これからの行動を説明する。
「まずポケモンセンターにいくよ。大所帯だし、ベトベトンは研究所戻りたいんでしょ?」
トレーナーが持ち歩けるポケモンは6匹まで。アッシュはそれを軽く越えていたので、まずは手持ちを整理する必要があった。
アッシュはポケモン達をボールに戻し、ポケモンセンターに向かった。まず、ベトベトンをアララギ研究所に帰してあげるのだ。彼は研究所に馴染んでおり、あまり動きたくないとのことだ。旅をするタイプではなかった。
「ハーイ、アッシュ。ベトベトンを戻すのね」
「はい、お願いします」
アララギ博士にベトベトンを転送する。すると、画面にアーシェが現れたのだ。小さい方である。
「あ、アーシェ」
『久しぶり。家に帰ったんだってね』
「うん」
『私、世界を旅することにしたから』
久しぶりというほど間は開いていないが、とりあえず軽く挨拶。互いに、アーシェはアッシュのクローンであるということを知らない。
「そうか、ならボクの出番だな!」
「シャルル?」
「ガイドがいるんだろ? 世界中の面白い場所教えてやるよ!」
旅という単語に反応し、シャルルがアッシュの頭に乗る。ガイドをしようというのだ。シャルルは元々、旅人である。アッシュにゲットされたのも身の安全を確保するためだったりする。
「って、アーシェはどう?」
『旅するとこ決まってなかったし、助かるよ。ありがとう』
「じゃあ、シャルルも送りますね。シャルル、アーシェをよろしくね」
「おうよ!」
アッシュはシャルルをボールに戻し、研究所に転送した。これである程度整理が着いたのだろう。
アッシュは自宅に戻り、看板を掲げた。
『ポケモンのお悩み受付ます』
しばらくはポケモン達を助けていこうと決めたのだ。そこでこの看板をドアに付けた。
「これでよし」
「ビビビ、万屋カ?」
「探偵事務所ですの?」
ラファールとマチルダが口々に看板の内容を指摘する。確かに探偵事務所みたいな内容であった。
「予選突破に必要なエンブレムもあと一個だし、ポケモンを助けに世界を回れば修業になるかな? じゃあ、ポケモン探偵事務所(仮)と……」
「万屋は却下カ?」
「わかり難いじゃん」
ラファールはまさかの万屋却下に軽く落ち込む。マチルダの方がアッシュの好みはわかっていた。
「さあ、行こう! ポケモン探偵事務所解説だ!」
アッシュの新たな旅はここから始まる。10年後、彼が『美し過ぎるポケモン探偵』として名を馳せることをこの時、誰も知らない。
現在のアッシュの評価
ポケモントレーナーとしてのアッシュの評価は各界でもまだ高くは無い。『ポケモンと話せる』ということも知らない人が多い。
リベレート団、ブルジョワ伯爵の方針転換も気まぐれ程度の認識。リベレート団壊滅におけるアッシュの功績は関わった人間の多さから明らかになっておらず、正確に功績を認識しているのは比較的近くにいたエルトとイヴくらいである。
コンテスト界でも一度優勝した新人くらいの扱い。ただ雑誌では『かわいい』と少し話題。