ポケットモンスター 灰色の疾風    作:級長

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 アッシュの次の冒険はガンプラバトル? 「灰色の疾風」主人公のアッシュがガンプラバトルに殴り込みだ!


ガンダムビルドファイターズR(仮) 予告

 「目的は基地の制圧だ! 1機も近付けるな!」

 砂漠にある軍事基地の近くで、大量のギラ・ズールが上空に向かってビームマシンガンを放つ。狙われているのはガンダムAGE1の改造機だった。

 両腕にビルドブースターMk2のライフルを付ける改造が一番目立ち、サブフライトシステムの89式ベースジャバーに乗っていた。マシンガンを避けるために後方宙返りをしながらベースジャバーを下りる。

 ガンダムAGE1は落ちる途中、ライフルを連発してギラ・ズールを正確に撃ち抜いた。

 降りたガンダムAGE1に向かい、ある機体が迫った。ケンプファーをベースにした改造機である。脚部にはジョニー・ライデン専用高機動型ザクの脚部カバーを取り付け、全体的にバーニアが増設されている。カラーは改造前と同じ青で、武装は改造前と同じ物が増加している。シュツルム・ファウストは6つに増え、バズーカは弾層が倍に大型化している。

 最大の特徴は頭部。ヴェイガン系の頭部を移植しており、まるで別の機体だ。更に、脚部にはヒートサーベルの柄がマウントされている。

 二つの機体は向き合い、火花を散らす。

 

 ガンプラバトルがブームになった日本では、子供のみならず、大人もバトルの相手を探し求める。そのため、この町にはジオンバーなる物がある。それに対抗するかの様に、連邦バーもあるのだ。

 ある漫画の影響から、BGMはイカしたジャズがいいという客が急増。ただ、ガンダム一筋なマスターにはジャズがよくわからず、要求した客もジャズをよく知らないという有様であった。

 比較的経営に余裕がある連邦バーはこの事態に際して、ジャズを出来る人間を雇うことにした。それが現在、ステージでサックスを鳴らす人物だ。

 サックスが大きく見えるほど小柄な少女で、スーツに帽子まで被っているが微塵も渋さは感じられない。選曲は漫画『機動戦士ガンダム サンダーボルト』で連邦サイドの主人公、イオ・フレミングが聞いていた曲に偏っている。たまに、アニメの主題歌をジャズバージョンで演奏する。

 「いいぞー、アッシュちゃん」

 「男です」

 その人物はまるで少女の様な顔立ちをしながら、男であるという。その顔立ちがコンプレックスなのか、本人も『渋いオッサン』を志して努力中である。

 帽子の下はショートヘアの黒髪。若干長いのは、最近見たメンズ雑誌で『少し長い方が男らしい』と書いてあったから。

 アッシュ・グレイは文化を尊重する校風で有名な『私立風柳高校』の生徒である。それゆえ、未成年ながらバーでの演奏というバイトが『文化活動』として認められている。

 「で、アッシュちゃんはガンプラバトルはしないのかい?」

 「フッ……、渋い男はおもちゃのバトルにのめり込むことはないのさ」

 「その迷走ぶりじゃ説得力無いけどね」

 マスターは度々、アッシュをガンプラバトルに誘う。だが、アッシュにその気は無いらしい。

 アッシュが着るスーツは少し大きめで、これは『大きくなっても大丈夫な様に』と一つ大きいサイズを彼が選んだ結果だ。

 お陰で袖が余って所謂『萌え袖』になっていることに彼はまだ気付かない。

 

 一見、素組に見えるウイングガンダムが宇宙空間を飛翔した。改造されているポイントは頭部右にアンテナが追加されたことと、武装である。通常のバスターライフルではなく、ガトリングに変更されている。シールドは二連ビームライフルを備えたものに、ライフルの銃口の反対側にソードを取り付けたものへ変えている。

 バックパックは第7回ガンプラバトル世界選手権の優勝者がプロデュースした『ビルドブースター』のキットを使っている。

 「敵は1機だ! ガイア、オルテガ、マッシュ、敵モビルスーツにジェットストリームアタックを仕掛ける!」

 「お前誰だよ!」

 4機のドムがウイングガンダムに向けて攻撃を仕掛ける。何気にリック・ドム、リック・ドムⅡ、リック・ディアス、ドライセンと皆バラバラだ。ジェットストリームアタックは3機が一列に並んで1機に見せかける技なのに、これでは意味が無い。

 「喰らえ!」

 先頭のリック・ドムがフラッシュライトを光らせ、目潰しをする。しかし、ウイングガンダムは特に変化無くシールドのライフルを撃つ。

 「ウゲェ!」

 「うわぁ! えっと……誰だお前?」

 先頭の言い出しっぺがやられたが、ガイアには名前がわからなかった。ガイアはとりあえずジャンプして爆風から飛び出る。そこにガトリングの弾が放たれる。

 「ギャア!」

 「ガイア!」

 ガイアもやられ、残るマッシュとオルテガは左右に別れる。モビルスーツ2機が破壊された煙に紛れて挟み撃ちにする作戦だ。

 だが、ウイングガンダムは煙で見えないはずなのに、分離したマッシュとオルテガを正確に撃ち抜いた。

 「馬鹿な!」

 「マジか……」

 ウイングガンダムは踏み台にする必要性も無く、ドムを撃破した。そんなウイングガンダムに迫る影があった。ガンダムアストレイブルーフレームの改造機だ。

 セカンドLのキットを使用したガンプラで、タクティカルアームズの代わりにM1アストレイのフライトパックを改造したバックパックを装備している。何より最大の特徴は、セカンドLの外見をしながらフレームは赤いということだ。

 両手にはタクティカルアームズを二分割して製作したソードライフルが握られている。

 赤いモビルスーツが、ウイングガンダムに接近した。

 

 一人の少女が、模型屋の前で立ち往生していた。ブレザーの制服を着こなす彼女は、ボンヤリとした目で模型屋を見つめている。意を決して入った模型屋には、所狭しと多数のプラモデルが並べられている。

 (……多い)

 少女は思った、ここから目当ての物を探すのは苦労しそうだと。セミロングの黒髪を揺らしながら棚を物色する少女は風柳高校の生徒、彼方氷霞である。

 手に取ったのはマスターグレードのウイングガンダム。

 (大きい)

 始めてガンプラを作る自分にこんなもの作れるのか、氷霞は少し悩んだ。

 「やぁ、こんにちは」

 「……?」

 突然声をかけられたので、氷霞はそちらを振り向く。そこには爽やかな好青年っぽい男が立っていた。変わった形のサングラスを頭にかけているが、印象は良好だ。

 「ガンプラを作るのは始めてかい?」

 「……」

 氷霞は青年の問い掛けに無言で頷く。基本、無口なヒョウカはあまり声を出さない。

 「僕は三代目メイジン・カワグチ。よかったら僕が君にピッタリなガンプラを選んであげようか?」

 「……」

 メイジンと名乗る青年の呼び掛けに、やはり氷霞は無口で頷く。

 「何か好きなモビルスーツはあるかい?」

 「……ウイングガンダム」

 「だったら始めはマスターグレードよりハイグレードの方がいいよ。ちょうど、ハイグレードを買うと武器が貰えるキャンペーンをしているからね」

 メイジンが氷霞の答えを聞いて選んだのは、『HGACウイングガンダム』。これが全ての始まりとなる。

 

 モビルスーツが乗っても十分広い高速道路があった。そこを疾走する1機のモビルスーツがいた。深紅に彩られたイフリートだ。脚部や背中にバーニアを追加し、凄まじいスピードで進撃する。

 「何をしている! 敵はたった1機だ!」

 イフリートを止めようとするネモの大群だが、紙屑の様に粉砕されていく。立ったままの姿勢でホバー移動だが、目に止めるのがやっとというスピードだ。

 まずネモのライフルが射程圏内に入る前に、イフリートが装備したグレネードランチャーで撃破されてしまう。ネモも大部隊であるため、それだけでは全滅しない。

 ミサイルポッドなどの大火力兵装を使い捨て、身軽になったイフリートはドンドンスピードを増していく。

 残るネモはすれ違いざまにヒートサーベルで斬られ、バラバラになっていた。

 「嘘だそんなこと!」

 部隊の隊長はライフルを撃つ事なく撃破されていた。ネモ部隊の残骸が転がり、高速道路は酷い有様だった。

 

 「ガンプラバトルしようぜ!」

 ポニーテールを揺らし、友人に話し掛けた女子生徒は四条志帆。現在、ガンプラ甲子園の出場メンバーを集めていた。

 領土の奪い合いをするガンプラ甲子園では、人数がどうしても必要になる。パイロットさえ集まれば、ガンプラが作れずとも後は自分が作った量産機を持たせればいいだけだった。

 「ガンプラ? 知らないなぁ」

 友人を誘っても、乗ってくれる人はいない。いくら世界中でブームとはいえ、本場の日本ではあまり主流な趣味とは言えない状況だ。

 「国立の日本体育学園とかパラオ第三高校が大人数で構えてるんでしょ? すぐ潰されちゃうよ」

 さらに、周りにはどういうわけか学校単位で大規模勢力を整え、猛威を振るう学校が沢山ある。日本体育学園は幼稚園から小中高大一貫のスポーツエリート養成学校。甲子園の名前を神聖視し、野球の大会以外にその名を使うことを不服として暴れ回る厄介な学校である。

 パラオ第三高校は地元の進学校。近年の受験における不合格者の大量生産、卒業生の各業界での失脚多数により焦りを隠せないこの学校は、『成績がいい者こそ常に勝利する』という学校が掲げる原則を再確認するために参戦した。

 本来ならそんなことしている暇は無いと生徒も冷静に考えられるだろうが、残念な事に上記の理由から人気が落ちたパラオ第三高校は進学校に入り損ねた負け犬の巣窟になり、自らのプライドを保つ為にこの計画へ参加する生徒が多い。

 「周りが人数だけなら強国ばっかってのはなー」

 そんな参加理由の奴らに上級者である志帆は負ける気がしなかったが、初心者同士の戦いになると人数が多い方が有利だ。ましてや領土の奪い合い、志帆一人強くても生き残れない。

 「ある程度強い味方が必要だなー」

 志帆は考えながら階段を下りていた。その時、廊下と下の階段から他の学生が歩いて来た。それはアッシュと氷霞だった。

 「ガンプラかー、どうすればいいんだ?」

 「バトル……相手……」

 二人が呟く言葉に、ピンと来た志帆は例の言葉を投げかけた。

 「ガンプラバトルしようぜ!」

 

 志帆率いる風柳高校、仮想国家『オーメル』は左右を巨大国家に囲まれたこのピンチを切り抜けられるのか? 戦え! オーメル第一小隊!




 ちょっと設定

 アッシュ・グレイ
 5人の義理の姉妹と暮らす、ハードボイルドな渋いオヤジを目指す少年。しかし男の娘。ちなみに6人の姉もそれぞれに血縁関係は無い。
 家族を纏める姐御のネーベル、勝ち気なマイン、気ままで高飛車なマチルダ、人懐っこい妹のソミュア、旅好きのサーファーであるシャルルが姉妹。家にはシャルルが買ってきた最新型のスマート炊飯器『ラファール』がある。
 年齢はネーベル(30)<シャルル(23)<マチルダ(19)<マイン=アッシュ(16)<ソミュア(14)<ラファール(製造から2年)である。
 ちなみに推しライダーは仮面ライダースカル。次点で響鬼、アナザーアギト、オルタナティブ・ゼロ。オッサンばかりであるが、渋いオヤジに憧れたのはスカルがきっかけ。
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