ポケットモンスター 灰色の疾風    作:級長

80 / 85
 クリスマス商戦、それは、年末商戦の始まりである。普段は胡坐をかいていても生き残れるポケモン達も、今年ばかりはそうもいかない。
 何故だ! 妖怪の仕業だ!

 〇多分妖怪の仕業
 最近『灰色の疾風』の更新速度が落ちたら
 春休みに散々読者をヤキモキさせて何も完成しなかったら
 Windows8が親機モードに対応してなくて3DSのネット環境確保に手間取ったら
 ポケモンバンクがクリスマスに回線パンクしたら
 やっと繋がったと思ったら正規のポケモンを弾いた挙げ句に改造ポケモンはスルーしたら
 アドバンスジェネレーションのOP『スパート』のフルに台詞が入ったら
 フラダリクソコラグランプリが始まったら
 その翌年にヌマクロークソコラグランプリが始まった上にNHKデビューして公式が素材を投下したら
 会見で号泣しちゃうのも
 STAP細胞が実は無いのも
 2年前から耳が聞こえたのも
 相方がクスリやってたせいで『シャブ&ASUKA』とか言われて被害被っちゃうのも
 フライゴンがメガシンカ貰えなかったのも
 ヒガナのキャラがあんなんなのも
 想像力が足りないのも
 ギリーがイッシュ出身なのに未だアッシュと絡みが無いのも
 ルチアがグロリアスなのも
 新しい仮面ライダーがバイクに乗らないばかりかタイヤを襷掛けしちゃうのも
 カガリが大人気でホムラが太ったのも
 周りが濃すぎてイズミのキャラが薄くなるのも
 キャラ立てようと部屋にぬいぐるみ置いたら四天王のカンナと被ったのも
 ミツルが廃人になったのも
 シーキンセツの闇が深いのも
 ???「これって絶対妖怪の仕業だよ!」


番外 アッシュのクリスマス

 12月24日 ソウリュウシティ

 

 クリスマスも当日と迫ったある日、ソウリュウシティのポケモン探偵事務所に依頼が舞い込んだ。

 「うー、朝から冷えるなぁ。どんな依頼だろう」

 朝早く依頼の指定ポイントであるビルの前まで来たアッシュ。ファー付きの茶色いダッフルコートを着込み、隣にエンブオーのマインを連れていた。

 「あ、やぁやぁ。君が噂に聞くアッシュ君だね」

 「こ、コダック?」

 待ち合わせ場所にいたのは『増田代理』という看板をぶら下げたコダック。ポケモンの声が聞こえるアッシュは、そのコダックが一般人にも聞こえる声で話しているのに気付かない。

 「依頼はごく単純。今年のクリスマス商戦で妖怪ウォッチに奪われたシェアを取り戻すこと」

 「妖怪ウォッチ? 何ですかそれは?」

 増田代理のコダックはアッシュに依頼内容を説明した。アッシュは妖怪ウォッチを知らず、依頼内容を理解出来ていない。

 「妖怪ウォッチを知らないのかね? 最近人気のゲームだよ。関連商品が悉く売り切れ、社会現象にまでなっているアレだよ」

 「とにかく、その妖怪ウォッチに奪われた『シェア』ってものを取り返せばいいんですね。ところで、シェアはどんなもの何ですか?」

 増田代理が説明したが、今度はシェアがわかっていないらしい。こりゃダメだと思ったのか、増田代理は移動することにした。

 「シェアは通常の奪還とは違う方法でしか取り戻せない。付いてきたまえ」

 「ここは……?」

 移動したのはゲームショップの前。何故ゲームショップなのだろうか。

 「これを着てくれ」

 「これを?」

 そして渡された衣装に着替える。それはサンタの衣装だった。

 「さぁ、シェアを奪還するぞ! この商品を売ればシェアは取り戻せる!」

 「ゲームソフト?」

 増田代理がアッシュに渡したのは、『ポケットモンスターオメガルビー、アルファサファイア』のソフト。ここでようやくコイルのラファールが出て来て解説。

 「ビビビ、アッシュはシェアを知らないのカ。ならワタシが説明しよウ。『妖怪ウォッチ』は現在、大人気のゲームソフト。つまり今年発売されるポケモンの売上がそちらに持っていかれている状態なのダ」

 「うーん、まだよくわからない」

 市場原理に疎いアッシュにはいくら説明しても無駄だ。そこでラファールはより簡単に説明する。

 「例えば、毎年クリスマスに100本のゲームソフトが売れるとすル。今までならその内90本をポケモンが占めていたが、妖怪ウォッチが50本を持っていったことでポケモンの取り分は40本になってしまっタ。大人なら両方買うが、メインターゲットの子供はどちらかしか買えなイ」

 「そ、それは大変だ! ポケモンが売れないとどうなるの?」

 アッシュもようやく理解し始めた。そこで増田代理も話に加わる。

 「ポケモンが売れなくなると、続編が作れなくなる。続編が作れないと、新しいポケモンもメガシンカも無い。君の冒険もおしまいだ」

 「許すまじ妖怪ウォッチ! ポケモンをとにかく売ろう!」

 危機感を感じたアッシュは早速ポケモンのソフトを売り始めた。早速一人、ソフトを手に取った。

 「ほー、ダブルパックかニャ。こいつはお得ニャ」

 「あの赤い猫……どこかで見たな」

 増田代理がそのお客、赤い猫を怪しむ。それはよく見ると、妖怪ウォッチのジバニャンだった。アッシュもさすがに気付いた。

 「あ、もしかしてジバニャン? 何故妖怪ウォッチのマスコットがポケモンを?」

 「ん、なんニャ? 別にオレっちレベル5の子飼いじゃニャいニャ。ポケモンやりたくなったから買っても問題ないニャ。ちょうど両方3DSニャ」

 ジバニャンは普通にポケモンを買いに来ただけだった。存外、妖怪ウォッチサイドにポケモンへの敵愾心は無いのだろうか。

 「あ、ジバニャン何してんだよ!」

 「ポケモンを殲滅しなきゃいけない時に何やってんだよ!」

 買い物をしていたジバニャンを二人の少年が止めた。片方は腕時計が目立つだけの特徴が無い少年、もう片方の物騒なことを言っているのは『日野代理』の看板をぶら下げた緑髪の少年だ。

 「ビビビ、妖怪ウォッチのケータ君にガンダムAGEのフリット・アスノ……やはりこちらに盾突くカ」

 彼らの正体をラファールは知っていた。あちらは敵愾心剥き出しだ。

 「というか、ジバニャン見えてるの?」

 「妖怪って人間の言葉話せるんだ」

 火花を散らす両代表に対し、ケータ君とアッシュはいろいろ互いのことが気になっていた。アッシュはエスパータイプの技を無効化する力を持つが、それは悪タイプの力に由来するものなのでゴーストタイプにもある程度働く。だから妖怪が見えるのだ。

 「妖怪って普通の人には見えないの?」

 「普通はね。この妖怪ウォッチが必要なんだよ。ポケモンって、人間の言葉は話せないんだ」

 「ボクは話せるけどね。普通は無理みたいなんだ」

 対立している勢力だが、個人同士は仲良くなれそうだ。

 「ウィッス、何だか楽しそうですな」

 「あ、また妖怪。妖怪ってみんなゴーストタイプなのかな?」

 典型的なお化けみたいな姿をしたウィスパーも現れ、両陣営揃い踏みとなった。

 「プロデューサー、なんでポケモン陣営は二次創作の主人公なんですか?」

 「サトシもレッドも連絡がつかなくてな。旅してるから仕方ないね」

 ポケモン陣営だけ非公式のキャラクターが出てしまったのにはわけがある。主人公達は旅をしている上に、アッシュみたいにライブキャスターを持たないので連絡が付かないのだ。アッシュはポケモン探偵として連絡先を公開しているので、連絡しやすい。

 「たくさんトモダチがいるんだなぁ。ポケモンは6体までしか持ち歩けないのに」

 「妖怪は妖怪メダルさえあればいつでも呼び出せるからね」

 「呼び出すタイミングは考えて欲しいニャ。ケータはいつもおやつタイムのオレっちを呼ぶニャ」

 いつの間にか、互いのトモダチを全て呼び出して盛り上がっていた。ジバニャンとレパルダスのマチルダみたいに、種族が近いと話もできるようだ。

 「これだったら妖怪ウォッチとポケモンのダブルパック売った方が良さそうだな」

 「……うん」

 代表二人も戦いを諦めつつあった。その時、ゲームショップから紫色とオレンジの煙が染み出してきた。

 「全くお前ら、生温いぞ! 妖怪ウォッチならポケモンを潰してくれると思ったのに!」

 「潰れるのは貴様だ妖怪ウォッチ!」

 紫色の煙からレトロなダイヤル式テレビを顔にして、唐草模様のマントを着た妖怪が現れた。成人男性ほどあるピカチュウにも見えなくないデザインだ。

 オレンジの煙から出て来たのはパソコンの頭を持つ、最新ファッションを着こなす妖怪だ。

 「あれって妖怪?」

 「いえ、妖怪ウキウキペディアにも載っていません!」

 アッシュが何やら辞典らしきものを持ったウィスパーに聞いてみる。だが、妖怪でもないようだ。彼らの後ろには灰色の霧がかかっていた。

 「我が名は伝統怪人『カイコチュウ』! 古きよきものを守る為に、新参の下らないものを切り捨ててやる!」

 レトロテレビ頭はカイコチュウと名乗った。怪人、それが何を意味するのだろうか。

 「私は新時代怪人『マアタラシー』。古臭いものを改めて、新しい時代を作るのです」

 「怪人? ペンドライダーの世界から抜け出してきたの?」

 パソコン頭はマアタラシーというらしい。アッシュは怪人と聞き、ペンドライダーを思い出す。ペンドラーに乗ったヒーローの番組だが、ポケモンモチーフの怪人が多い中こんな怪人はいないはずだ。

 「とにかく古きよきポケモンから発展した貴様らはまだ見逃すが、妖怪は死ねぇ!」

 「今時ポケモンなんて流行りません! 時代は妖怪です!」

 「ど、どうにかしないと……」

 襲い掛かる怪人ではあったが、妖怪でなければ、タイプがわからなければどうにもならない。

 「ぐぁあああ!」

 その時、怪人は何者かに撃たれた。銃撃が飛んできた方向をアッシュが見ると、ピンクに緑の目をしたヒーローらしき何かがいた。小型の銃を武器にしており、それを腰に戻した。

 「あれは……?」

 「大ショッカーの怪人……ではなさそうだな。この世界は他の世界の影響を受け易いから、見に来て正解だ」

 「なんなんだお前は!」

 カイコチュウがそのヒーローを睨んだ。マアタラシーの方は何か知っているらしい。

 「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ」

 「貴様、ディケイドか!」

 ヒーロー、仮面ライダーディケイドは腰に戻した銃を本の様に開き、カードを取り出した。それをベルトのバックルに装填する。

 「まずは、新しく手に入れたこいつだ」

 『カメンライド、鎧武!』

 音声が流れると、空からオレンジが降ってきてディケイドの頭に被さる。それが開くと、ディケイドはベルト以外別の仮面ライダーに変身していた。

 「こいつが世界の破壊者ディケイドか! 新しいライダーのデザインは流石ダサいな! 死ね!」

 「テレビの映りが悪い? 叩いて直してやる」

 『アタックライド、無双セイバー』

 迫るカイコチュウに対し、ディケイド鎧武は刀の様な武器で反撃する。何度か切り付けて距離を取った後、刀に付いてる引き金を引いて銃撃する。

 「ボク達も応戦しよう! マイン!」

 「おうよ!」

 アッシュはエンブオーのマインを繰り出し、ディケイドの援護をした。マアタラシーを牽制し、一対一の状況に持ち込む。

 「ちょっとくすぐったいぞ」

 基本フォームに戻ったディケイドがジバニャンに近づき、カードをベルトに入れる。

 『ファイナルフォームライド、ジジジジジバニャン!』

 「ニャニャ?」

 ジバニャンが巨大な妖怪ウォッチに変形し、マインにチャンピオンベルトの様に引っ付いた。そこに同じく巨大なジバニャンのメダルを入れ、マインがある技を放つ。

 「あの技は!」

 「よっしゃ! 炎のひゃくれつ肉球だ!」

 マインがカイコチュウとマアタラシーに対し、ひゃくれつ肉球を使う。ラッシュを受けた2体は吹き飛ばされ、道路に落ちて爆発した。

 「やった! 凄いやポケモンって!」

 「これが妖怪の力……凄い!」

 トップ同士の対決はどこへやら、結局妖怪ウォッチ代表のケータ君とポケモン代表のアッシュは仲良くなっただけだった。

 

 「クリスマス商戦か、厳しい戦いになりそうだ。ドライブの応援に行くか」

 ディケイドは灰色の霧の中へ消えていった。結局、あの怪人達は何だったのか。

 「あ、アッシュにこれあげるニャ」

 「ん? これは?」

 元に戻ったジバニャンはアッシュにメダルの様なものを渡す。ジバニャンの姿が書かれており、先程マインがジバニャン妖怪ウォッチに入れたメダルの小さいものだとわかる。

 「それは妖怪と友達になった証、妖怪メダルだよ」

 「妖怪ウォッチが無いと召喚はできませんがね」

 「ありがとう。これで君達ともトモダチだね」

 妖怪との友情の証、妖怪メダル。ケータ君はそう説明した。ウィスパーによると妖怪ウォッチ無しでは機能しないらしいが、使うつもりがなければ問題無い。

 クリスマス商戦の戦いはまだまだ続く。次は年末商戦だ。

 

 ヒウンシティ

 

 「律儀な奴らだ」

 ヒウンでデリバード軍団をエルトは捌いていた。去年、また来ると約束していたのだ。

 デリバードは何かを言いながら撤退した。また来年も来るのだろうか。

 「ん? ライブキャスター?」

 エルトのライブキャスターが鳴り、電話が着信する。ジャスミンからだ。

 「もしもし? ジャスミン?」

 『ニーハオ、エルト。クリスマスだけど予定空いてない?』

 「クリスマスは家族で過ごす、以上」

 ジャスミンはクリスマスにエルトを誘っていた。食事かデートか、はたまたその先か。エルトはナチュラルメイク多めのジャスミンが珍しく、唇にグロスまで使っているのがわかった。

 「なんかいつもと違う? めっちゃ搾り取れる金持ちでも見付けた?」

 『亮? そうじゃないんだけどね、気付いてくれて……嬉しいな』

 「?」

 エルトにはジャスミンの異変に気付いていても理由までわからなかった。

 「しかしまた急に。世界中の金持ちを篭絡した傾国の美女さんが一体どういう風の吹き回しだ?」

 『失礼な。身体までは赦してません! 前にウインディの体調不良を治してくれたお礼よ』

 ジャスミンが自ら誰かを食事などに招くのは珍しいことだ。特にエルトみたいな金持ちでも何でもない青年を。ジャスミンは相手に貢がせるのが基本なのだから。

 「マジか? 狙いは?」

 『不堤、何も狙ってません』

 「逆に不安だな……」

 エルトはジャスミンを知るからこそ、不安があった。むしろ何らかの打算があった方がジャスミンらしくて安心出来る。

 『もー、エルトったら。本当に資産「も」狙っちゃうよ? 再見、また時間があったらね』

 ジャスミンは多少の照れ隠しを含みながら電話を切る。エルトは最近、ジャスミンとその周辺の様子がおかしいことに薄々気付いていた。

 「何か最近、じいちゃんとばあちゃんが『ジャスミンはいい子じゃのう』とか言い出すし、マツリカ姐さんが『エルトならジャスミンを任せられる』とか言うし、一体何が起きてるんだ?」

 気付いてはいるが核心までは辿り付かない。ライモンシティをリベレート団が襲撃した事件で拉致監禁され、負傷したジャスミンをホウエンのフエンタウンに湯治に誘ったのはエルトだが、それは特に関係無いと思っていた。

 「ジャスミン……変なもんでも食ったか?」

 肝心な事を、エルトは気付かない。




 次回予告
 新年恒例、トレーナー格付けチェック! 映す価値無しになるのは誰だ!
 参戦チームはこいつら!
 灰色チーム:アッシュ&ヒュウ
 ヒロインチーム:ハツネ&アリス
 シンオウチーム:イヴ&ヒサメ
 ホウエンチーム:エルト&ジャスミン
 そして現れる……正体不明、謎の『番宣チーム』! こいつはユート博士と別物か? 直江遊人&朝凪一機の『なろうチーム』!
 波乱の新年が幕を開ける!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。