ポケットモンスター 灰色の疾風    作:級長

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 『神』について
 分類不明
 ???タイプ
 とくせい:ぜったいしん
 相手のとくせい、技の追加効果を封じる。
 八賢老がテンガン山を封鎖していたのは、この神の命令。体力を回復している間テンガン山を封鎖する報酬に永遠の命を与えるという。どうやら、その力はあるらしい。


58.さよなら、そして久しぶり

 テンガン山の山頂遺跡で、遂に神と対峙するイヴ、ヒサメ、アッシュ、アリスの4人。神は人のシルエットをしながら肩にはパルキアの肩と同じ意匠、胸部にはディアルガと同じデザインの飾りが付いている。ディアルガカラーのマントで体は隠れているが、顔はパルキアに似ていながら後頭部が伸びている。

 「貴様らなど戦うほどでもないわ! これがパルキアの力だ!」

 神は肩の宝石を光らせる。すると、辺りの景色が歪んで別の世界に変わる。そして、足元には先程あった遺跡がない。というか地面もない。重力だけはある様で、そのまま真っ逆さまに落ちてしまう。

 「うわぁ!」

 空間に岩場が浮かぶ、非常に捻れた空間だ。この場所が『やぶれた世界』ということも、イヴ達は当然知らない。

 「ネーベル!」

 「ガスト、お願い!」

 アッシュがバルジーナのネーベルを繰り出し、自分を捕まえさせてヒサメを助ける。イヴはフワンテのガストを出してアリスを救出した。

 「重い~!」

 「頑張るでござる!」

 ヒサメは鎖かたびらを着込んでいたりして重いので、アッシュの細腕では持ち上げるのがしんどい。近くの岩場に着陸し、辺りを見渡した。

 「あ、いた!」

 「ふん、小癪なガキ共だ」

 イヴが空中に浮く神を見つけた。どうやらわざわざここに来ていたらしい。

 「頼んだ、アイン!」

 「行くでござる、エッジ!」

 「剣となれ、ポッタイシ!」

 イヴがリーフィアのアインを、ヒサメがニューラのエッジを、アリスがポッタイシを繰り出した。敵は正体不明。慎重に戦わねばならない。

 「ポッタイシ、バブルこうせんで様子を見て!」

 アリスがバブルこうせんで牽制する。神は胸の宝石を光らせただけだった。

 「え?」

 だが、ポッタイシがいつの間にか移動していた。なんと、アリスに向けてバブルこうせんを放っていたのだ。

 「くっ! バブルこうせん程度でよかった……」

 アリスは防御したものの、バブルこうせんだったおかげで大したダメージにはならなかった。ポッタイシの反応からして、望んで移動したわけではなさそうだ。

 「アイン、リーフブレード!」

 今度は直接攻撃を狙ってイヴがリーフィアのアインにリーフブレードを撃たせる。だが、また神が胸の宝石を光らせるとアインが瞬間移動し、リーフブレードをイヴに向かって放っていた。

 「ああっ!」

 「イヴ殿!」

 イヴは直撃を受けたが、コートのおかげで傷は浅い。一体、神はさっきから何をしているのか。

 「アッシュ! 多分これはポケモンをテレポートさせているんだと思う。なんとかならない?」

 「さっきからやってるけど、力が効かないんだ!」

 イヴはポケモンをテレポートさせることで同士討ちにしているのだと予想した。しかし、エスパーの力ならアッシュの力で打ち消せるはず。なのに、アッシュの力は効いていない。

 「当然だ、時を止めているからな」

 「時間停止? そうか、時間を止めてポケモン達を動かしたのか」

 神がネタバラしをする。時間を止めてから、ポケモンを直接手で移動させていたのだ。

 「活動停止だか時間停止だか知らぬが、とにかく数撃ちゃ当たるでござる! エッジ、氷の手裏剣!」

 「待って、迂闊に技使ったら……」

 ヒサメがニューラのエッジにこおりのつぶてを手裏剣にしたものをやたらめったら撃たせた。アッシュは止めたが、イヴは何かに気付いた。

 「いや、もしかしたらいいかもしれない。あいつはポケモンを直接動かしているから、ポケモンから離れた技なら方向転換も……」

 しかし、神は時間を止めて普通に回避した。時間を止める相手など、どうやって戦えばいいのか。

 「時間を止めて動けるということは、貴様らを時間を止めている間に殺せるということ。お遊びはこれまでだ、死ねい!」

 神は4人を始末しにかかる。だが、いきなり神が爆発して落ちていった。

 「グォォォォッ!」

 「何が起きたの?」

 「あ、あれは!」

 イヴが周りを見ているとアッシュが空から下りて来るディアルガを見つけた。隣にはパルキアとギラティナまでいた。

 イヴ達の周りにエムリット、アグノム、ユクシーが飛んでいる。その三匹は赤い鎖の様なものを生み出し、イヴ、ヒサメ、アリスに渡した。

 「わっ、と……」

 それを手にすると、三人はそれぞれポケモンの背にいた。イヴがギラティナ、ヒサメがパルキア、アリスがディアルガに乗り、赤い鎖を手綱の様にしている。

 ディアルガとパルキアが何かの門を開く。すると、その中から黒い小さな石の様なものが現れた。それは忽ちポケモンの姿に変わる。伝説のポケモン、ゼクロムだ。

 「あのポケモンは!」

 ゼクロムはアッシュを乗せて飛翔する。これで役者は揃った、というところか。

 「ぐ……伝説とはいえポケモンごときが……神の邪魔をするでない!」

 「吸収したってのはやっぱりハッタリだった……いや吸収されたのは別の時間軸から来たのか」

 ディアルガは確かに神に吸収されている。だが、違う時間から来ることが出来るので意味はない。イヴは神と呼ばれたポケモンの力を実感した。

 「ディアルガ!」

 アリスはディアルガに声をかけ、本気を出させた。ディアルガが次々に門を開き、違う時間からディアルガをたくさん呼んだ。

 「ば、馬鹿な!」

 「時の咆哮!」

 ディアルガが1匹ずつ時の咆哮を放って神を攻撃する。途中、神は空間の軸をずらして攻撃を回避する。

 「フ、これなら手も足も……」

 神は下半身をギャロップの様に変化させ、一安心。それを許すパルキアではなかった。

 「アバーッ!」

 パルキアの亜空切断は空間を歪めても回避出来るものではない。神は下半身をパージし、翼を生やして逃走する。

 「こうなれば、やぶれた世界にあいつらを閉じ込めて……」

 「ここは、ギラティナの世界だ!」

 アナザーフォルムに変身したギラティナがイヴと共に、逃げる直前の神をシャドーダイブで撃墜する。神は浮かんでいる地面に叩き付けられた。防御の為に騎士の様な姿へ変身したが、それは無意味だった。

 「ゼクロム!」

 アッシュが闇の力をゼクロムに送信し、ゼクロムがらいげきを放つ。神の鎧が破壊され、中から銀色のシルエットが現れた。

 イヴ達も地面に降ろされ、戦闘が再開される。

 「後はお前達の仕事だ」

 アッシュにはギラティナの言葉がわかった。イヴ達にもその意図は汲み取れた。

 「神である私が……負けるはずがない!」

 「神じゃないから、負ける!」

 神はさらに姿を変える。翼を生やし、空を舞った。ここからが本当の戦いだ。

 「行け! ルカ、メガシンカ!」

 イヴはルカリオのルカをメガシンカさせる。飛ぶ神に対し、格闘戦を仕掛けた。

 「ポケモン風情が……勝てると思うなよ!」

 「そうやってポケモンを甘く見るから!」

 飛んでルカの攻撃を回避する神だったが、上からエンブオーのマインが振って来てヒートスタンプが直撃する。バルジーナのネーベルが持ち上げて落としたのだ。

 「今よ! ラッシュ!」

 倒れた神に対し、ルカはパンチのラッシュをかけた。メタルクローとインファイトの合わせ技だ。ボコボコに殴られ、神は地面に減り込んでいく。

 「グオオォ! 貴様!」

 怒り狂った神は更に姿を変化させた。巨大な鎌を手に、トレーナーを狙う作戦だ。心なしか、本体のサイズも大きくなった。

 「死ねぇ!」

 「エッジ!」

 ちょっと疲れたからか、最終決戦なのにお茶を啜って煎餅をかじっていたヒサメを神は狙った。エッジが鎌の軌道をずらして、地面に鎌を当てた。

 「ちょっと、ヒサメ!」

 「イヴ殿、アッシュ殿。交代でござる。休憩するでござる」

 こんな時でも緊張感のないヒサメだったが、だからこそ強いのだとイヴもわかっていた。ヒサメとアリスが前に出て、イヴとアッシュが休憩に入る。

 「舐めた真似を……」

 「いや、そうでもないでござる」

 「何?」

 神が憤りながら鎌を持ち上げると、鎌はボロボロになっていた。その犯人は、ミカルゲのクラカゲだ。

 「プレッシャーとうらみでPPは根こそぎ無くなったでござる」

 「さすが忍者汚い。後は私の仕事だ」

 武器を失った神に、ポッタイシがアクアジェットで攻撃する。

 「貴様ら! もう許さん!」

 神は腕を6本にし、更に巨大化。いよいよ本気ということか。手には剣を持っている。

 「死ね、虫けら!」

 「ラファール! でんじは!」

 「馬鹿め、効くか!」

 剣で斬り掛かる神に、アッシュはコイルのラファールにでんじはを使わせる。当然効かないが、狙いはそれじゃない。

 「後ろがガラ空き!」

 でんじはに気を取られた神を、後ろからアインがリーフブレードで切り裂く。

 「舐めた真似を! グボッ!」

 アインの方を向いた瞬間に、キモリのフィリップが神の傷をはたいた。

 「おのれ……グギャ!」

 フィリップを追おうとした神の背中を今度はエッジがえぐった。背中を攻撃され続けて苛立った神は冷静さを失っている。

 「貴様もか……ガベッ!」

 今度はポッタイシのアクアジェットが背中に直撃する。神は剣を手に、独楽の様に回転して隙を隠した。

 「これでどうだ! 切り刻んでやる!」

 「す、吸い込まれる!」

 回転は激しく、イヴ達を吸い込もうとしていた。既に地面から足が滑り、神に吸い寄せられていく。アッシュとイヴはマイン、ヒサメとアリスはクラカゲに掴まって何とか速度を落としていた。だが、ヒサメは気付いた。

 「あ、これ飛び道具も吸い込むでござるか?」

 エッジにこおりのつぶてを使わせてみたが、吸い込みこそすれ剣で弾かれてしまう。そこでアッシュはあることをする。

 「マイン、かえんほうしゃ!」

 剣で弾かれるのは実体があるから。切れないものなら弾けない。かえんほうしゃは神に吸い込まれ、神が燃えた。

 「ウギャアアアアッ!」

 「ルカ! りゅうのはどう!」

 燃えて回転をやめた神に、ルカがりゅうのはどうを放つ。直撃を受け、遂に神は倒れた。

 「グオォ……おのれ、こうなったら……力の全てを使ってでも貴様らを殺す!」

 神は人から掛け離れた姿に変貌していく。何かの球体みたいな姿になり、そこに一つだけ巨大な目が現れた。浮上して、周りにエネルギーを纏う。

 「死ね!」

 目から何かを発射しようとした時、18つのレーザーで神が貫かれた。神は爆発、炎上しながら、やぶれた世界の真下に落ちていく。

 「グギャアアァッ!」

 あれだけ変身を繰り返した神が、その一撃で抵抗も無く沈んだ。その神からある物が飛び出した。それはこんごうたまとしらたま、はっきんだまだ。

 その石はアッシュの手に収まる。どうやら、神の『ディアルガを吸収した』という言葉はハッタリだった様だ。

 「誰?」

 『よくぞ戦った。小さき勇者達よ』

 神にトドメを刺した者が下りて来る。それは、見たことも無いポケモンだった。いや、ポケモンかどうかも不確かだ。何せ、イヴ達はそのポケモンを見たことが無かったのだから。

 『我が名はアルセウス! 神を名乗りたいのなら、私を越えてみせるのだな』

 アルセウスが現れた瞬間、破れた世界が元のテンガン山の光景に戻る。エルト、シロナ、アカギも神と呼ばれたポケモンを目撃することになった。

 「あれは!」

 「伝説の……」

 「神と呼ばれたポケモンか」

 テンガン山の山頂に、伝説のワンシーンが再現されていた。アルセウスが生み出した命からディアルガとパルキアが生まれ、彼らが時間と空間を作った。その影でギラティナが産声を上げる。エムリット、アグノム、ユクシーが感情、知性、記憶を作り、世界は今の形になった。

 「よくぞ偽りの神を倒してくれた。私が倒したいところだが、なるべく人間のいさかいには介入しないと決めておってな。何か私の出来る範囲で礼をしたい」

 アルセウスはイヴ達にそう告げた。真っ先に声を上げたのはヒサメだ。

 「な、なら! 私の里を元に戻して! 里のみんなを生き返らせて!」

 「それなら、私もお願いします。ヒサメの里を、元に戻して下さい」

 ヒサメの願いは当然であった。八賢老に故郷を破壊されたヒサメは、この復讐が終わっても帰る場所が無い。イヴもアルセウスに申し出た。

 「すまない、里を元に戻せても、死んだ人間を生き返らせるのは神にも困難だ。肉体を再生出来ても、失われた魂までは取り戻せない」

 「そんな……」

 「代わりと言ってはなんだが、君の里復興を私なりに支援しよう」

 肩を落とすヒサメに、アルセウスが何かの光を浴びせた。これはどういうものなのだろうか。

 「この力は、君の尽力を必ず実らせる呪いだ。君が手を尽くせば、必ず道は開かれる。そして二度と大切なものを失わない」

 「……拙者、やるでござる。里を復興させてみせるでござる!」

 アルセウスからの言葉を受け、ヒサメが奮起する。アルセウスも嬉しそうに目を細めた。

 「頼もしいな。他に何か欲しい物はないか? なんでもよいぞ?」

 「あ、じゃあ私。あの人を、オリジナルイヴを助けて下さい。まだ息はあるはずです」

 次に声を上げたのはイヴ。エルトのコートを被せられて眠るオリジナルイヴは、最早助からない。神であるアルセウスの力なら、命を救えるはずだ。

 「なるほど、誰かの為にこのチャンスを使えるとは。やはり勇者となるは定めか。よいだろう。では彼女を救おう」

 アルセウスがピンクのプレートを持ち出し、その光をオリジナルイヴに当てた。すると、オリジナルイヴが目を覚まして起き上がった。

 「う……」

 「それと、すべきことがある」

 アルセウスはオリジナルイヴの前にユクシーとアグノムを立たせた。ユクシーが目を開き、オリジナルイヴと目を合わせる。そしてアグノムが彼女の頭に手を触れ、何かを抜いた。

 「では、幸せになるのだぞ」

 アルセウスは紫のプレートを使い、オリジナルイヴを何処かへ飛ばしてしまう。これには一同も困惑する。

 「な、何を……」

 「クローン故の細胞異常を治し、記憶とその記憶を取り戻そうとする意思を消して、彼女を幸せに出来る人達のいる時空まで送った。安心しろ、並行世界までは越えてないからまた会える」

 「記憶を? どうして?」

 「罪の記憶はそれだけで重荷だ。あ、ポケモン達も一緒に飛ばしておいたぞ。メガストーンとキーストーンはエルト、お前からまた会った時に渡してやれ」

 エルトはイヴとアルセウスの問答を聞いて、心当たりがあった。それはエルトとオリジナルイヴが初めて会った時のこと。彼女は自分のクローンを殺していた。

 「あいつが罪を犯したのは、生まれの不幸で狂わされていたからだ。だったら、無い方がいいかもな」

 「で、次はお前達か」

 イヴの願いが終わり、今度はアリスとアッシュ。アリスは何か悶々と悩んでいた。

 「ああ……結構願い事あるけど神様に言うことじゃ……そうね。あ、私もヒサメの前途を祈るよ。騎士は自分の手で道を切り開くものだから」

 「友人想いだな。では、ヒサメにより強い力を、アリスはよき友に巡り会わんことを」

 アルセウスはアリスの願いを確かに聞き入れた。それはアッシュが一番知ることであった。アリスはハツネというよき友に会えたのだ。

 「では最後にアッシュだな」

 「飛ばされたじむぐむぐ」

 アッシュが願い事を言おうとした瞬間、イヴが口を塞ぐ。アッシュもそこで、自分のタイムスリップが皆に内緒だったことを思い出す。

 「アルセウス、ちょっと耳を」

 「ほう、さすがに願いを聞かれるのは恥ずかしいか」

 アルセウスは頭をアッシュの位置まで下げる。アルセウスもアッシュが未来から飛ばされたことくらい知っており、それを隠すために演技していた。

 「5年後に戻りたいんだ。助けなきゃいけない人がいる」

 「ふむ、今は疲れているだろうから休むとよい。肉体は回復させられるが、精神的な疲れまでは無理だからな。タイムスリップする時間を飛ばされた時の数秒後にすれば手遅れにもなるまい。十分休んだと思ったら、ハクタイのディアルガとパルキアの像まで来るんだ。私からも『頼れる援軍』を出そう。修業するのも悪くない。カロスのシャラシティでメガシンカを習得するのもな」

 アルセウスはタイムスリップを利用して、そんな提案をした。つまり、アッシュを5年前のシンオウに飛ばした張本人、ジキルとの最終決戦は苛烈な物になるということ。

 「そうしたいのは山々ですが、待っているポケモン達がいます。これ以上、別の時間を生きるわけにはいきません」

 「そうか。なら、手厚い援軍を約束しよう」

 アッシュは修業の機会を断る。今のアッシュとその手持ちはイッシュで待つポケモン達と違う時間を過ごしてしまっている。これ以上、アッシュは無駄に歳を食うわけにはいかない。

 「では、皆よ、さらばだ。励むのだぞ」

 アルセウスは礼をし終わると、他のポケモンと共に消えていった。まるで夢であったかの様な一時だった。

 「よーし、アルセウスに報いるでござる! 里に帰って復興の準備でござる!」

 「おいおい、ヒサメ。まぁ落ち着け」

 ヒサメが何処かへ走り去りそうだったので、エルトが止めた。気合い十分なのはいいことだが、今のヒサメは宿無し文無し。無策では気合いも空回りだ。

 「エルト殿、これが落ち着いていられますか!」

 「どうやって復興する気だ? まずは里に残ってるだろう古文書や資料を保護して、それからだ。手伝うぞ。にしても、今日は休め」

 エルトは里に残っているかもしれない古文書の類いを保護してからだと言う。古文書は里の歴史を語る重要な資料であり、途絶えさせるわけにはいかない。エルトらしい段取りだ。

 「じゃあ、私は家に帰るね。久しぶりに、家で寝たい」

 「私は修業の旅を続けよう」

 イヴとアリスもこれからの行き先を決めた様だ。シロナが統括してこれからすることを考えた。

 「あ、それじゃあ、今日はみんなうちに泊まらない?」

 「な、なんと……!」

 アカギの反応から、エルトは「あー、こいつシロナさんに惚れてるな」くらいには思ったらしい。

 一つの戦いが終わり、また新たな戦いが始まろうとしていた。アッシュの旅も、エルトの因縁も、今度こそ最後。




 次回予告
 アッシュは戻って来た。シルフィをエリートスクールから取り戻す為に。そのアッシュをギンが阻止しようとする。
 今語られる、シンオウで神を名乗った男の正体。エルトとギン、奇妙な兄弟の結末にして始まり。
 次回、『エルトVSギン、最後と始まりの戦い!』
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