Fate/Grand Order 聖唱残響遺物シンフォギア   作:YT-3

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第8節-3 狂気の星

「うぉぉおおおぉぉぉぉッッ!!」

 

 

 

「ぐっ、うぅ。

余波だけでも凄まじい圧力です!!先輩、大丈夫ですか!?」

 

 

なんとか、マシュ達のお陰で!

 

 

「く、私とマシュの宝具を重ねてやっとですか!? これでは中心地の響さんは……なっ!?」

 

 

 

「はあぁぁああぁぁぁぁッッ!!」

 

 

 

「オイオイオイ! あの嬢ちゃんナニモンだよ、女神の権能を真っ正面から抑えてやがる!?」

 

「当然だと思うがね。ガングニール、つまりは大神宣言(グングニル)を意図的に暴走させているようなものだ。我が身を省みず、壊れた幻想(ブロークンファンタズム)一歩手前で稼働させ続ければこのぐらい不可能ではないだろう」

 

「おそらく、ランク換算すればA+++以上。ですが……」

 

「ああ、長くは保たないだろう。

()()()正面衝突しているお陰で、こちらへの被害は最小限に抑えられているようだが……()()()()()()、な」

 

 

 

「うぅ、ぐぅぅううぅぅ!?」

 

「あははっ、やっと限界が来たな!?

いくら一時(いっとき)押しあえたとしても、定命の生物(にんげん)(わたし)に持久力で勝てるもんか! 諦めちゃえ!」

 

「諦めないッ!! 生きるのも、手を取り合うこともッ! 絶対に諦めてやるもんかッッ!!

私の後ろにはマスターさん達がいる、未来がいるっ!私のワガママを、こうして見守ってくれる人がいるッ!!

だからぁっ、貫けぇえぇぇッッ!!!!」

 

「うそっ、力を一点に集中させて——!?

でも迂闊ぅ!!抑えてた分がなくなれば、後ろに庇ってたただの城と旗程度、ぶち抜ける!」

 

 

 

「それはどうかな?」

 

 

 

「なにっ!?」

 

「ふっ、2枚で足りないなら、3枚目を持ってくるのが魔術師だ。

トロイア戦争の悪夢を再現して(見せて)やろう。——熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)!!」

 

「なっ!?」

 

「んだとぉっ!?」

 

月女神(アルテミス)よ、お前はここのランサーと同じ負けた(トロイア)側だ。

ならば——勝った(ギリシア)側のこの花の盾、貫けるかな?」

 

「ぐっ。たしかに不利かもだけど……私はヘクトールと違って、()()()()()()()()()()()()()()!たからその盾は絶対じゃない!

相性が多少悪くとも、英雄(大アイアス)の盾ぐらい、この弓で簡単に砕いてやる!!」

 

「そうか、ならやってみるがいい。

だが——そら、その前に自分の矢(月光)が砕かれるぞ?」

 

 

 

「届っ、いたぁッ!!」

 

「な、あっ!?」

 

 

「えっ、ええぇぇええぇぇぇ!?」

 

——ぶん殴ったぁ!?

 

 

「う、ぐぅっ!?

な、なんで!? どうやって私の(ひかり)を——!?」

 

「この胸に宿る激情と——足りない分は根性で! 思いを伝えるのに、それ以上なんて必要ない!」

 

「ッ!?!?」

 

 

 

 

『女神アルテミス、魔力反応縮小——!? 急に、どうして!?』

 

『そうか! 彼女は響君たちに"神罰を下すため"に現界していた。

だけど、もう()()()()()()! 神霊としての彼女の現界を繋ぎとめていた理由がなくなって、世界から修正が働き始めたんだ!』

 

「……まさか根性(ガッツ)でアルテミス様の神罰を耐え抜くなんてな。大英雄(ヘラクレス)もビックリだろうよ……

いや案外あの人ならそのぐらいしそうだけど?」

 

「ああ。常識はずれの脳筋で、馬鹿馬鹿しいね。

でも、そんな馬鹿だからこそ面白い!こんなところで失っちゃいけない才能だ!」

 

「……ふ、違いないねぇ。

いいぜ、無茶でも無謀でも貫いてこそ英雄だ!ラストスパート、行ってやろうじゃないの!」

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

「……あーあ。まさか一人も仕留められずに終わっちゃうなんて。これじゃあ狩猟の女神の名折れじゃない?」

 

「アルテミスさん……その、ごめんなさい!」

 

「んーん。いいよ、いや、分かってたのかも。

わたしだって、ダーリンが死んじゃった時とか、トロイアが滅んだ時とか、取り乱さなかったわけじゃないもの。

神様だって失うのは怖い。わたしが(からだ)の一部を壊されて(なくして)怒ったように……あなた達にも大切な人がいたんでしょ?」

 

「……はい。絶対に、なくしたら生きていけないような……私にとっての陽だまりが」

 

「響……」

 

「でも、月にも心があるなんて、今まで考えたこともなかったから。

バラルの呪詛をばら撒いてて、二回も落ちて来そうになって……了子さんも、ナスターシャさんも、その為に命を散らしたから……正直に言って、少し恨んでました」

 

「そ、人間(あなた)からしたら当然だと思うわ」

 

「だけど、アルテミスさんの怒りも、嘆きも、今なら少しわかる気がするから……。

どうしたらいいか、今は分からないけど……でも、きっといつか、アルテミスさんの体を直しに行きます!」

 

「そうなんだ……えっ?」

 

「でもって、私と友達になって、『もっと話したい、バラルの呪詛なんて必要ない』って思って貰えるぐらい、人間を好きになって貰います!

私はバカだし、きっと神様なんかにはなれないけど、でも神様と人間が手を取り合っちゃいけないことなんてないはずですから!」

 

「…………。

ふふ、あはははっ! なにそれ、バッカじゃないの!?」

 

「アルテミスさん……」

 

「本当に馬鹿!

ああもう、()()()()()()()()()()()()()()()()()!」

 

「えっ?」

 

「うん、分かった。

じゃあその時まで待ってるから……そしたら、友達になりましょう?」

 

「っ、うんっ!分かった、じゃあ()()()()!」

 

「ええ、またね!」

 

 

 

「うっそぉ……。あのアルテミス様が、あんなに笑ったの初めて見たぞ」

 

「でも、良かったじゃありませんか。

知らずに傷つけ合い、恨み合い、喧嘩し合った二人が、こうして和解できたんですもの」

 

「権能同士の衝突など、喧嘩の域を遥かに超えていると思うがな……。

まあ良い、ジャンヌの宝具の奇跡で負傷者も一命を取り留めたようだし、そろそろ拠点に戻るぞ」

 

「そうですね。先輩、帰ったらあったかいものでも飲みましょうか」

 

 

そうだね。

 

 

「はい!」




Q.防御無視・無敵貫通の神罰(ほうぐ)にはどうしますか?
→A.根性(ガッツ)で耐えて本体をぶん殴る。
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