Fate/Grand Order 聖唱残響遺物シンフォギア   作:YT-3

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第4節 八岐の大蛇

酒呑童子……!

 

 

「しゅてんどうじ……? どっかで聞いたことあるような……ないような……」

 

『酒呑童子。彼女は中世の日本、大江山に住んでいた鬼の頭領だ。日本三大妖怪にも数えられる。

茨木童子などを配下に従えて悪事を働き、最期は源頼光やその部下の坂田金時……昔話でいう金太郎によって討伐された』

 

「ん、んんん……えーと、すごく強い鬼、ってことですか?あの女の子が?」

 

『ああ、難しかったならその認識でいいよ。

でも、彼女は幻想種の中でもトップクラスの実力の持ち主だ。見た目で誤魔化されていたら即座に首が落ちる、常に気を張ってるんだ』

 

「酒呑さん! どうしてここへ!? あなたは簡単に召喚できるような方じゃありませんよね!?」

 

「そらそうや。ウチは鬼やからなぁ、そうホイホイと人に呼ばれる訳やあらへん。

でもな。今回はちょいとばかし事情が違うんや。ウチの目的はその刀、それが手に入るーゆうから出てきてん」

 

「刀……? 風鳴先輩の剣がどうしたってんだ!」

 

「……雪音。本当に彼女が酒呑童子なら、私の剣、天羽々斬は決して無関係とは言えないんだ」

 

『天羽々斬だって!? 布都斯魂剣、天叢雲剣、草薙剣とも呼ばれる、日本神話最強クラスの神剣じゃないか!?』

 

「ふふふ、そこまで知っとるならもう分かるやろ?答え合せや」

 

「……この剣は、須佐之男命が八岐大蛇の尾から取り出し、八岐大蛇自身を切り裂いた物。

そして、その八岐大蛇の子と言われているのが……酒吞童子なんだ」

 

「っ!? そうなんですか翼さん!?」

 

「正解や、花丸付けたるで防人はん。

つまりウチにとって、その刀は父親の形見で仇っちゅう訳や。

まあ、仇っちゅうのはどうでもええ。そのお陰でウチが産まれとるからな、それに関しては感謝しとるで。

でも、防人はんにもウチがそれを欲しくなる理由は分かるやろ?」

 

「っ、それは……」

 

「ほら、理解できたんならおくれやす。

殺してでも奪い取るのが鬼の流儀やけど、殺さずに手に入るんならそれでもええからなぁ」

 

『! キミ!早く渡すんだ!マスターちゃんも説得して!

今回の彼女は羅生門の時みたいに弱体化していない!君たちだけじゃ絶対に勝てないぞ!』

 

「く、しかし……! 剣は我が命、我が魂!防人たるもの手放すわけには……!」

 

「ほんま強情やなぁ、武士ちゅうのはみんなそうなん?

まあええわ。それならそれで、殺して奪い取るだけや——!」

 

 

!危な——

 

 

「え——」

 

「獲ったで!」

 

ガキン!

 

「……? 私、生き、てる……?」

 

「……誰どすか? ウチの爪を止めるっちゅうのは、なかなか出来るものやあらへんよ?」

 

「……幻想大剣・(バル・)——」

 

「先輩!あの人は!」

 

 

「——天魔失墜(ムンク)!!」

 

 

ジークフリート!来てくれたの!?

 

『ふぅ〜。良かった、緊急送還、なんとか間に合ったようだね』

 

「すまないマスター、浅かった」

 

「……なるほど、あんたはんが噂に聞く竜殺し様やね? 竜の娘であるウチにとって相性最悪っちゅう訳や」

 

『その通り! 直撃は避けたみたいだけど竜殺しの一撃を受けたんだ! 魔力量もかなり落ちた! これならまだ勝ち目はあるぞ!』

 

「ほーん? それで、防人はんはどないするの?

勝ち目はできたちゅうてもまだウチが有利や、おとなしくその刀を渡すっちゅうなら見逃すで?」

 

「……すまないが、それは出来ない!」

 

「ほお?」

 

「貴殿の境遇に同情はしよう、私が死んだなら持っていっても構わない!

だが、私はこの剣を持つ限り、一生戦い続けると決めたのだ! 立花、雪音!力を貸してくれ!」

 

「分かりましたぁっ!」

 

「へっ、そう来なくっちゃな!」

 

「先輩、私たちも!」

 

「マスター、指示を」

 

 

ああ、行くぞ!鬼退治だ!

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「むぅ、ウチの負けやな。竜殺しのおにーさん、容赦ないなぁ」

 

「酒呑ちゃん!剣が胸に!」

 

「別にかまへんよ、ウチは鬼、いつかは退治されるのがお役目や。

ちゅうか、酒呑()()()ってなんなん? ウチ、少なくともうん十年は生きとるで?」

 

「え? 年上だったの!? ……ですか!?」

 

「そらそーや。鬼ゆうとるやん。

でもええ、そない呼び方されたことないから新鮮やったわ。

時間切れやな。それじゃあな、防人はん? あんたの死に際にその刀もらいに行くから待っとってなー」

 

「え、ちょ、ちょっと!

……消えてしまった……」

 

「どうなってんだよこりゃあ。ロビン先輩といい、死体すら残らねぇって薄気味悪いぜ」

 

「あ、それは、彼女たちは英霊といって……」

 

 

 

 

「なんだよ、つまりロビン先輩たちは英雄の幽霊みたいなもんなのか!?」

 

「えーと、このジークフリートさん?もですか?」

 

「はい。ドイツ、ニールベルゲンの歌に登場する悪竜ファブニールに退治した英雄、ジークフリートさん本人です」

 

「すまない、一目で分かるようなオーラがあれば良かったのだが……」

 

「いえ、先ほどの太刀筋、感服いたしました。

それも彼の竜殺し殿の剣技を間近で見られたとなれば感銘の極み」

 

「へぇー、翼さんは知ってたんですか?」

 

「ばっか、ヨーロッパじゃ知らない方が珍しい超有名な英雄だぞ!」

 

「え゛っ!?そ、そんなに有名なの!? えーと、えーと……握手してください」

 

スッ

 

「? ジークフリートさん? どうして逃げるんです」

 

「……分からない。分からないが、なぜかバルムンクが折られそうな気がしてな」

 

「……立花?」

 

「し、しませんよそんな事!」

 

『ああ、それは仕方ないね。響君の使ってるのはガングニールなんだろう?

グングニルの槍とも言われる、北欧神話の主神オーディンが使う槍だ。その中に、オーディンがガングニールを投げて魔剣グラムを折ったという一節があってね』

 

「魔剣グラム……ジークフリートさんと同一視される北欧神話の英雄、シグルドさんの剣ですね」

 

『そう。だから、バルムンクとグラムも少なからず同一基盤の神秘の上にある宝具なんだ。響君のガングニールとは相性最悪だね』

 

「そ、そうなんですか。初めて知りました」

 

「あのなぁ、自分の使うシンフォギアの出典ぐらいは調べとけっ!!」

 

「ご、ごめーーーん?!」

 

 

……マシュ。次来る人が分かっちゃったんだけど。

 

 

「……奇遇ですね先輩、私もです」

 

『……ああ、そう言えばオーディン関係の英雄はもう一人いたね……』

 

「む、そこにいるのは誰だ!?」

 

「ああ、もう来ちゃいました……」

 

 

「……困りました。あの人(シグルド)とお父様の槍を使う不届き者、どちらを先に始末(あい)しましょうか……?」

 

 

やっぱりだーー!?




たぶん次の投稿は7章が来てからか、4期が始まったら……
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