Fate/Grand Order 聖唱残響遺物シンフォギア 作:YT-3
「先輩!敵影です!」
「数は少ない、纏めて斬り払うぞ!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「むむむぅ〜〜……」
「んだよ、そんな首傾げながら唸りやがって」
「いやね、今のノイズって何かから逃げてたように見えてさぁ〜」
「そうだな、まるで怯えているかのような印象を受けた。
それに、リディアンの方から来たのも気がかりだ。少し急ぐとしよう」
「ハァッ!」
——ズドン!
「フンッ!」
——パシィッ、ズガッ!
「ハハハ……!」
「フフフフ……!」
「「ハハハハハッ!!」」
「……到着したんですが、なんなのでしょうかこの状況」
……さあ?
「うわぁ、師匠と真正面から戦って推してる……あの赤い人、スゴイ……」
「いや、あの人も大概だろ。もうシンフォギアなんてなくてもノイズに勝てるんじゃないか?」
「キリエライトたち、あの赤服の男性に見覚えは?」
李書文さんだよ
「李書文……?どこかで聞き覚えが……」
「あ!その人知ってる!神槍とか
「はい、まあ、そうなのですが。
あの、確認ですが、李さんと戦っている方は、響さんたちのようにシンフォギアを使ってるんですよね?」
「使ってないよ(ぞ・ぜ)」
「……先輩……英霊と真っ向勝負でほぼ互角の人ってなんでしょうか……」
ご覧マシュ、あれがOTONAだよ
『うーん、反応は一般人のはずなんだけどなぁ……。魔力反応も特にないし……』
「『飯食って映画見て寝るッ!男の鍛錬はそいつで十分よッ!』って言ってましたよ?」
『それでいいなら僕も今頃ムキムキのマッチョマンになれるんだけどなぁ!
最近、お腹周りに脂肪が付いてきてる気がして……』
「それは単なる
と、スーツの男性が一人、こちらに向かってきます」
「——翼さん!響さんと雪音さんも、無事だったんですね。連絡がつかなくなったので心配してたんですよ。
それで、こちらの方々は?」
「すみませんでした緒川さん。どうも今回は勝手が違って。
マスター、マシュ。この人は二課の一人で私のマネージャーもしてくれている緒川さんだ。
緒川さん、こちらは人理継続保障機関・カルデアの」
「マシュ・キリエライトです」
『ロマニ・アーキマンです。ロマンとでも』
フランシスコ・ザビ——マスターです
「オイ、今なんて言おうとした」
なんかビビッときて?
「人理継続……?失礼だとは思いますが、そのような組織に聞き覚えないのですが」
「それは当然だと思います。詳しい話をすると長くなるので手短に言いますと、現在この地域で起きている現象を解決するために派遣された者です」
「そうですか。こちらは外部との通信も遮断されてしまっていて情報が不足していたので助かります」
「……あの、信用するのが早すぎませんか?」
「翼さんたちを信頼してますから。彼女たちが信用できると判断したのなら、まずは受け入れるのが大人というものです。
どうぞこちらへ、特異災害対策機動部二課にお連れいたします」
「あのー、師匠は止めなくていいんですか?」
「あの人を見た瞬間に『漢の戦いだ、止めてくれるなよ』と言って飛び出してしまって。満足したら戻ってくると思いますよ」
「そんなんでいいのかよ……」
『うーん、普通なら止めに入るとこなんだけど……本人たちが非常に楽しんでるし、下手に入ったらこっちが集中攻撃されそうだよねぇ』
放置で良いんじゃないかな
「先輩がそう言うのでしたら」
「では改めて。ようこそカルデアの皆さん、特異災害対策機動部二課、通称『
☆
「……なるほど、そういうことでしたか」
「ご理解いただけたようで何よりです」
「死去されたはずの李書文老師がお若い時の姿で動いているのをこの目で見てますから。
しかし、困りましたね。おそらく全ての原因は英霊たちを呼び出している何者か、ということになるのでしょうが」
「そいつが分からねーことには動きようがねーな」
『こっちでも広域サーチをかけてるけど、マスターちゃんのモニタリングをしながらだと中々ね』
うーん……
「うーん……」
「どうした立花、マスターも。二人して首を捻って」
何かが引っかかってるような……
「えーと、その人は英霊さんたちを召喚?してるんですよね?」
「はい、そのように判断して良いかと。英霊の召喚は、通常、人の手に余る大儀式ですが、聖杯を使えばそこまで難しいものではありません」
「それで、呼び出された英霊さんたちはノイズを従えて自分たちの好きなように動いてて——」
——そこだ!
「なるほど、どうして英霊が現象であるノイズを従えられるのか。そこが不可解だな」
「つっても、ソロモンの杖っていう前例もあるわけだし、聖杯なんていうご大層なもん使えば出来るんじゃねーのか?」
『ちょっと待って!ソロモンの杖だって!?』
「ん、ああ、前にそれを使ってノイズを操ってた人がいたんだよ……そいつを起動させたのはあたしだけどな」
「とはいえ、もう失われたはずの聖遺物だ。直接それが出てくることはないだろうが——」
『重要なのはそこじゃないんだよ!
いいかい。歴史の重要地点に聖杯と手下を送り込み、人理焼却を行なっている。その人物こそが魔術王ソロモンなんだ!』
「まさか、彼がこの特異点の元凶だと?」
『可能性としては。否定できる要素はない、むしろノイズを従えるのに"ソロモンの杖"が必要だったのなら高いものがあるだろう』
「じゃあ、その人を探しましょう!それで解決でしょ?」
『……あまり希望を断つようなことは言いたくないけどね。彼に勝つ、なんてことは考えないほうがいい』
「はい。私たちも一度遭遇していますが、あの時ほど死に直面したことはありません。見逃されただけでも幸運だったかと」
「そも世界すべてを、その何千年、何億年という歴史ごと燃やし尽くそうという怪物なのだ。限定解除しようとも勝てるとは限らないだろう」
「そもそもこの周辺以外の人間はもう居ねーんだろ?限定解除するにもフォニックゲインが足りねーよ」
「そうだったな」
「じゃあ、どうしたら……」
ロマン、準備は?
『快くサークルを設置させてくれたからね。いつでもOKさ』
「マスターさん?」
『まあ見ててよ。今は唐突な遭遇だったロンドンとは違う。万全の準備さえできてれば僕らにも考えがあるのさ』
いくよ、召喚!
「光が集まって——!」
「ジークフリート殿の時と同じか!」
「あの、先輩?どなたをお呼びになったんですか?」
信頼できる仲間だ——
「だーかーらー!なんでローランの剣をそんな魔改造しちゃってるのさ!
いくらあいつが露出狂の変態でボクの女装で正気を取り戻す変態だからって、仲間として怒るときは怒るぞ!」
「だから話を聞けって。もとはオレの槍なんだってば、そのローランってのがオレのお下がりなのよ」
「二人とも、今は人目もあるのですから落ち着いて——」
「ちょっと黙っててよムッツリ聖女!今はこのおじさんと話をしてるんだから!」
「ムッツ——!? ああ貴方って人は!自分が淫乱だからって他人まで一緒にさないでください!」
「おーおーバトルかい?いーねー、ここまで拗れちゃそっちのがシンプルだ」
——いきなり仲間割れなの!?
「信頼できる要素がねぇ!」
「先のジークフリート殿とブリュンヒルデ殿と言い、カルデアとは何時もこうも殺伐としているものなのか……?」
「あれもこれもかなり特殊な例です……。誰か、メディアリリィさんを呼んできてください……」
「残念ながら彼女はジークフリートの治療中だ」
「あの鬼神の如き戦女神から逃げるのに必死でしたからね、肉体的にはともかく精神的にかなり参ってたようですよ」
助けてエミえも〜ん!ベディえも〜ん!
「はぁ、確かに迷惑をかける訳にもいかんからな」
「どうするんですかエミヤさん?」
「こうするしかあるまい……
「っ此処は……無数の剣!?」
「やはり巻き込んだか。まあ、全く戦えない訳じゃないんだ。巻き込まれないように注意してくれ」
「これは、貴方が?」
「固有結界、簡易的な別世界とでも思ってればいい。
あのピンクとイエローは驚異的な対魔力の持ち主ではあるが、この手の魔術には対応できないからな。まあ、そのカバーの為に私が呼ばれたのだが」
「なるほど、ここなら周囲を気にせず彼らの頭を冷やせると言う訳ですか」
「ああ。敵を倒すにはまずは味方からだ、ぶっ飛ばすぞマスター」
騙すにはじゃなくて!?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
三人とも、何か言うことは?
「「「すみませんでした」」」
よろしい
「ドクター、今回のことを教訓に、相性の悪いサーヴァントもちゃんと会わせるべきでは?」
『うーん、金時くんの周りみたいに即殺し合いが始まることもあるからなぁ。状況を見て判断するしかないかな』
「そう、ですね。本人の希望にもよりますか。
皆さんもまた巻き込む形になってすみません」
「今回は戦ったわけでもねーし、アンタらが謝ることじゃねーよ」
「うん。それに、懐かしいものも見れたしね」
懐かしいもの?
「ソロモンの杖を使ってノイズを操っていた人の話はしただろ?あの人が月を破壊する為に建てた砲塔、それがカ・ディンギル」
「月を破壊ですか!?」
「月の遺跡にあり、人々の言葉を捻じ曲げて意思疎通を妨げていた呪詛を破壊する。その為に彼女はノイズを操り、それを隠れ蓑に天に届く塔を建てたんだ」
『古来より月には幻惑の力があるとされてきたけど……この世界ではそんなことになってたのかい?』
「ああ。それ自体は——呪詛も塔も私たちが破壊したが、その塔の中心に添えられていた無尽のエネルギーも生み出す炉心の名が……デュランダル」
「っ、それは」
「ああ、分かってる。あの槍は私たちの知ってるそれと同じで、でも正しい使い方をされてるものだ。そこに嫌悪感も何もないさ」
「そのデュランダルは、今どこに?」
「戦いの最終盤、彼女から奪い取ったデュランダルを私たちが振るい、ネフシュタンの鎧と対消滅した」
『ネフシュタン、旧約聖書に登場する青銅の蛇像のことだね。その名を冠した鎧となれば、強烈な再生力があるはずだ』
「でも、対消滅したとはどういうことでしょう?矛盾の故事になぞらえるには再生力では少し無理がありますし」
「デュランダルは三回限りで奇跡を起こせる剣だからねー。使い切っちゃったんじゃない?」
「あ」
そういえばそんな設定もあったね
「オレの槍の穂先が消えたのは複雑だけど、人様の役に立ったってんなら鼻は高いねぇ」
「では、やはり貴方は」
「お、もしかしてオレのこと知ってる?……後ろの嬢ちゃんは知らなそうだな。
じゃあ自己紹介だ。オレの名はヘクトール、この槍の名はドゥリンダナだ。まあ、剣になった後のデュランダルって名前の方が有名だと思うけどー?」
「じゃあ次ー!ボクの名前はアストルフォ!ローランと同じシャルルマーニュ十二勇士の一人さ!」
「アストルフォ?伝承では男だったはずだが……酒呑童子のこともあるし今更か」
女装好きなだけだよ
「あーっ!それは言っちゃダメだよマスター!こっちでは性別不詳で通してるんだからーっ!」
「煩いですよ。しれっとカルデア女子会に混ざってくるとか常識を持ってください。
さて、私の番ですね。ジャンヌ・ダルク、ルーラーとして召喚されました。あまり戦闘は得意ではありませんが、非戦闘員の護衛は任せてください」
「「「ジャンヌ・ダルク!?」」」
「うーわー、流石は聖女サマだなー、ネームバリューがちがうやー」
「本当にそう思ってるならその棒読みをやめなさい」
「では次は私だな。エミヤ、それ以外の名は捨てたのでな。聞き覚えはなく戦力として不安だろうが、その分は戦いで示してみせよう」
「ベディヴィベールです。かつてはとある王の元で騎士などをしていたのですが……」
「存じていますとも。英国が騎士王、アーサーを支えた円卓の騎士の一人。そしてその最後を見届けた忠臣。幼い頃から剣士の端くれとして憧れておりました」
「そんなご大層なものでも……。私は他の騎士たちのように素晴らしき武勲もありませんし、それに、私は裏切り者なので」
「裏切り者?」
『まあそれは今はいいじゃないか。
とりあえず第一陣はそんなところだね。あとは斥候が欲しいところだけど、そっちはまだ調整中』
「今は響さんたちの仲間の合流待ちですし、拠点防衛に優れたヘクトールさんの選出は正しいかと。
それに、本当に魔術王ソロモンが相手だとしたら、ジャンヌさんの対魔力EXは貴重な力です」
「ボクもこの本があれば魔術には無敵だよー、真名は……なんだっけ?
「
「一文字もあってねーじゃねーか!」
「あははー、ほら、ボク理性蒸発してるから」
「エミヤさんが呼ばれたのはこのためもあったんですね……」
『ベディヴィベールくんの選出理由だけど、人理焼却の影響で座に刻まれた英霊だからね。
万が一の可能性だけど、もしソロモンが"英霊が生まれる可能性ごと"消すことで無力化を図ろうとするかもしれない。
それでも、自分の目的のための行動の結果生まれたベディヴィベールくんは消せないはずだ』
「そんなことが可能なのですか?」
『普通は無理だ。エミヤくんはよく知ってると思うけどね。
でも相手は人理を丸ごと消そうとしている相手なんだし、そのぐらい常識に縛られない可能性も考えておかないと』
「そう、ですね」
『じゃあ今後の方針を決めよう。カルデアとしては両組織で広域サーチをかけつつ英気を養い、こちらの第二陣かそちらの仲間の合流を待って探索に切り替えようと思っているのですが』
「こちらはそれで構いません。司令もまだ闘っておられるようですし」
「では、まずは食事にするとしよう。
なに、戦場での食事の大切さは身に染みている。腕によりをかけて英気を養えるものをこしらえてみせよう」
JDASLちゃんカワイイ(父性)