Fate/Grand Order 聖唱残響遺物シンフォギア 作:YT-3
「………………(ばくばく)」
「んだこれウメェッ!?」
「はふはふがつがつんぐんぐ……ぷはっ!」
「みなさん、すごい食べっぷりです」
お腹減ってたの?
「ええ。酒呑童子殿に襲われてから半日ほど戦ってたのでその間は……未熟を晒すようで恥ずかしい話ですが」
「いえ。あの状態の酒呑さんを相手に半日も生き残れるのが驚愕に値するのですが……」
「あたしらも似たようなもんだな」
「私はいくらでも食べられますよー!食べるのもまた修行ですから!」
「ふむ。それはいい心がけだ。生身の君たちは食べれば肉になるからな。
……時に、成長しないサーヴァントですらドカ食いするんだから、君達は気にすることなくたっぷり食べるといい」
「……我が王が本当に申し訳ない」
アルトリア……エンゲル係数……うっ、頭が
「ところでさー、残りの仲間ってどんな人達なの?あっ、それちょーだい」
「なんでアンタも混じってるんですかねぇ十二勇士殿」
「いーじゃんべつにー。エミヤのご飯が美味しいのが悪い!
で、どうなの?」
「合流できていないのは
「未来は私の親友で、シンフォギアは使えないんだけどここの事も知ってるんです。
今は駅前のシェルターにいるはず……」
「未来さん以外の三人は適合者で、現在そのシェルターから未来さんを含む民間人をこちらへ護送中になります。
それぞれシュルシャガナ、イガリマ、アガートラームのシンフォギアの所有者です」
「アガートラム、ですか」
「ベティヴィウェールさん……」
「いえ、話を止めてしまって申し訳ない。続けてください」
「はい。彼女たちは元々F.I.S.という組織に所属していたんですが、先ほど解体され、我々が保護している形です。
ただ、彼女たちは翼さんたちと比べると適合率が低いので、LINKERという薬品で一時的に底上げをしているんです」
「薬品で、ですか。それは危険性はないのですか?」
「昔のLINKERは体を蝕み、反動も大きかったのですが、彼女たちの使っているのは改良型で肉体的なダメージは大きく軽減されています」
「だが連続使用が好ましくないことも確か。
改良型LINKERの効果時間は半日ほど。時間的にそろそろ戻ってくるはずだが、あと数時間以内に戻らなければこちらから迎えに行くしかあるまい」
「あっ!師匠!」
うぇぇえええっ!?
「李書文さんと戦っていた人です……まさか彼に勝ったのですか!?」
「いや、完敗でしたな。流石に伝説とされる拳法家、最後にいいのを貰ってしまった」
「何を言うか、この儂相手に一矢報いるどころか十は返したというのに。
その若さでそこまでの高みに至るとは、将来が気になり思わず手を抜いてしまった。儂に一戦一殺の誓いを破らせるのはそう出来ることではないぞ」
「李老師にそう言ってもらえるとは、光栄です」
えぇ……
「まさか、あの李さんにそこまで言わしめるとは……もう彼だけで良くないですか?」
「いえ。ノイズには位相差障壁があるので、シンフォギアの調律機能がなければいくら司令といえど戦えないんです」
「口惜しいことに、我々大人は子供である彼女たちのサポートをすることだけしかできない。
……己の力不足と不甲斐なさを、常に感じている」
「師匠……。
師匠たちが頑張ってくれるから、私たちは全力でノイズを倒せてるんです!戦場は違えど、共に戦っていることに変わりはありませんッ!!」
「ありがとう響君、その言葉が我々にとって何よりの励みになる。
それより、話は藤林たちから聞きました。カルデアの皆様、ご協力感謝いたします」
「いえ、こちらが巻き込んだ可能性もあるので……」
「ですが、我々の戦力と言えるのは装者が六人。小中規模の戦闘ならどうにかなっても、やはり長期間の持久力には難があった」
「監視網も壊れた今、情報収集や偵察をするにも装者の力が必要になります。
そうなると、事態終結までの翼さん達の負担は計り知れません」
「ですが、人手が増えるのならリスクも少なくなり、解決までのスピードも上がるでしょう。それは一人でも多くの人命を救うことに直結する」
「ふむ、道理だな。さらに言えば、サーヴァントには本来休息が必要ない。
マスターとデミ・サーヴァントのマシュには必要だが、偵察などの体力が必要な任務はこちらが引き受けるべきだろう」
「えー、休むのは大切だよー。充分な休息と適度なご飯が元気の源だからね!」
「防衛戦経験者としちゃそれには賛同するが、今回ばかしは時間との勝負な気もするねぇ。
犠牲者が増えれば増えるだけこっちの士気も落ちる、補給路も完璧とは言い難い」
「では、偵察と速攻を基本方針として——」
『ビーーッ、ビーーッ』
「司令、生き残っていた観測機からノイズパターンを検知!」
「場所は距離500、第8区域北側付近!」
「時間的にマリア君達とかち合う可能性が高いな……」
「師匠!私が行ってきます!
翼さんとクリスちゃんは残ってて!」
「待て立花、私と雪音も行くぞ!」
「いや、響君の言う通りだ。翼とクリス君は許可できない」
「なんでだよ!」
「翼は酒呑童子との戦闘で負ったダメージがまだ残っている。
クリス君も、解毒薬を貰ったとはいえ毒が抜けきっていないだろう?」
「それは……」
「それに、今の我々には頼もしい協力者がいることを忘れたか」
「!」
「マスター君、マシュ君。それと古今東西の英雄の皆様方。
早速方針転換して悪いのですが、頼めますかな」
準備万端、いつでもOKです!
「先輩には傷一つ付けさせません!」
「マスターがそう言うのでしたら異論はありません。
もとより我々は人類の守護者。マスターの剣となり盾となり、ノイズから一般市民を守って見せましょう」
「ふむ。儂は強者の匂いを嗅ぎつけてふらりと来ただけだったが、そういうことなら協力も吝かではない。
この拳、一時の間マスターに貸そうではないか」
「よし!では出撃だ!響君、マスター君達の先導を頼むぞ!」
「りょーかいです!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「戦闘終了。お疲れ様でした、マスター」
ほんとにね……
「もー!なんで途中みんなしてボクを攻撃したのさーっ!」
「おめーさんがその笛吹こうとしたからだろうが!」
「あの笛を吹かれたら最後、響さんの歌が止まってしまっていたでしょうから……」
「ああ。あれに合わせられるのは何処ぞの赤いセイバーと紅いランサーぐらいなものだからな」
「あー、そうか。ゴメンゴメン」
「本当に分かっているのですか!?響さんはギアがなければただの人間なんですよ!もう少し考えてから行動してください!」
「それはムリだね!なにせボクは理性が蒸発してるから!」
「それは胸を張って言うことなのでしょうか……。
ところで、そのマリアさん達は時間的にそろそろここに来るとのことでしたが……」
……いないね
「どうしたんだろ。まさか、マリアさん達がやられるなんてことは——っ、」
「今の音は!?」
「爆発音、ここからそう遠くないな」
「——未来ッ!」
「先輩、響さんが!
私たちもすぐ追いかけましょう!」
次回更新:2週間後予定。