Fate/Grand Order 聖唱残響遺物シンフォギア   作:YT-3

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第8節-2 狂気の星

「今日の私は……月の女神アルテミス様よ!」

 

 

「なっ。

月の女神……アルテミスですか!? オリオンさんの枠を借りているのではなく!?」

 

「バカな! 神霊の完全降臨だと!? この現代でそんなことが可能なものか!」

 

「……いいや、間違いねぇよ。()()はアルテミス様だ、大狩人(オリオン)の皮を被ってるやつじゃなく、本物のな」

 

「ランサー、何故それを……いえ、トロイア戦争において、トロイア側を支援した神の一柱がアルテミスでしたか」

 

「ああ。だからといって手を抜くわけじゃねーが……こりゃヤバイぜマスター」

 

『ロマン!魔力計測、霊基判別、その他諸々が軒並みオーバーロードしかけてる! こんな数値、現代で出せるものじゃない!』

 

『なんだって!?

くそっ、まずは暴走しかけの機器をシャットダウン! 壊れる前に、急いで!

並行してマスターちゃんのレイシフトを強制終了……出来ない!?どうして!?』

 

「そんなことさせるわけないじゃーん♪

オレンジはもちろん、その仲間は皆殺しなんだからぁっ!」

 

『そんなバカな!? 特異点にいながらレイシフトに干渉したっていうのか!?』

 

「チッ、これだから神ってのは……!」

 

「すみませんヘクトール。彼女のような神を見続けたならば、先ほどの神の不信も当然です」

 

「そんなことを言ってる場合かね? そら、来るぞ!」

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

「おぉ……女神よ……」

 

「おし!射線が開いたぜ!

トロイアの恩を仇で返して悪いが、いくぜ不毀の極そ(ドゥリンダ)——」

 

「セイヤァッ!」

 

「なっ!オイアストルフォ(ライダー)!急に射線に割り込むんじゃ……くっ!」

 

「オオォオォォオッッ!!」

 

「バーサーカーか!

だが、見え見えのテレフォンパンチが当たるかよ!オラァッ!」

 

「ヴッ、オォォ……ディアーナよ……。

余の、命を……捧げ……る……」

 

「ったく、消えかけの癖して大した信仰心だ。

もう一度……は無理そうだな。流れが向こうに行っちまった」

 

「くそっ、きっついな〜〜!!

っていうか全く効いてない気が済んだけどっ!」

 

「アストルフォ!落ち着いてください!普段の貴方ならもう少し冷静に周りを見れるでしょう!」

 

「……いや、違うな。おそらくだが、理性蒸発スキルが上がっている」

 

「なっ!それは本当ですか!?」

 

「奴の理性蒸発は月が原因だ。新月になれば効かなくなるのがその証拠。

ならば、()()()()()である彼女が目の前にいれば、強化されるのもまた当然ということだろう」

 

「理屈は通ってますね……。

完全に狂いきっていないだけまだマシと考える他ありませんが、これでは連携するのも難しい。どうすれば……」

 

「その、私まだよくわかってないんですけど……あの人が月そのものって、どういうことですか?」

 

『響君、それは彼女が月の化身だからだ。

女神アルテミス。太陽神アポロンの妹にして自らも"月"を司る女神として神話に語られる。

大狩人オリオンと恋に落ち、女狩人アタランテを育て、ローマ神話ではディアーナと名を変えて皇帝カリギュラを狂わせた』

 

「いわば人の形になった月と言っても過言ではないでしょう。それも、人智をはるかに超えた神霊です。

全盛期ならばここら一帯を片手間に壊滅させることだってできるはず……どうやら今は、そこまでの力は出せないようですが」

 

「もしかして、了子さんが月を壊したから……」

 

「ああ、その可能性は大いにある。

欠けた分の力を失った……いや、古来より月の神秘性がその円形にあったことを考えれば、約半分といったところか。

それでも英霊5騎がかりでまともに抑えることすら厳しい辺りは、神霊は伊達ではないということだろう」

 

「…………」

 

 

——響ちゃん?

 

 

「……アルテミスさん!!」

 

「何?セップクでもしてくれる気になったー?」

 

「貴女は、月が、自分の半身が壊されたから怒ってるんですよね?!」

 

「もちろん!当たり前じゃない、体を消し飛ばされたら誰だって怒るでしょうが!!」

 

「ぅ、凄い気迫と魔力です。

先輩、響さんは何をしようとしてるんでしょうか?」

 

 

分からない。けど……

 

 

イヤな予感がする。

 

 

「でも! (あなた)がバラルの呪詛を発してなかったら、了子さんは(あなた)を壊そうとしなかった!!

私たちだって、月の欠片が落ちてきたら、大切な人がみんな、みんな死んじゃうから壊したけど……壊したくて壊したんじゃないッ!!!みんな、まぁるいお月様が好きだったんだ!!」

 

「それはお前たちの都合でしょ!(お前たち)はいつだってそうだった!

天に手を伸ばした不遜の罰として言葉を奪えば、自分たちが生んだ争いの原因まで押し付けられ!

夜天にあって美しいというだけで、狂気の原因とされて!

そして今回は、かつての罪を忘れ、罰として受けた呪詛が邪魔だから破壊しようとしました? その時に出た欠片が邪魔だから砕きました?

……(ヒト)の思いを考えないのもいい加減にして!!!!」

 

「っ、こいつは……やべぇぞ、アルテミス様のやつ、権能を使うつもりだ!」

 

「なっ!?

響さん!急いで下がって——」

 

 

「あなたの思い……たしかに私にはわかんない。だって、人の思いは人それぞれだもの。

私の大切なもの、あなたの大切なもの。何も知らない今はお互い何も分からない。

……でも、思いを伝える手段はある!手と手を繋げる未来はある!!」

 

 

「詩が変わった……? っ、く……!?」

 

「なんて魔力だ!こんなの人に出せるの!?」

 

「そんなわけないでしょう! 人はおろか、対価を払わずしてここまでの魔力を生成するのは英霊だって不可能です!

……まさか!?」

 

「そのまさか、でしょう……。私も似たようなものでしたから、なんとなくですが分かります。

マスター!響さんは、()()()()()()()()()()()宝具を超過駆動させています!」

 

「正気か!? そんなことをしたら宝具の臨界点も突破して、体の内外からボロボロになるぞ!」

 

 

——響ちゃん!

 

 

 

「たかだか十数年間の人生(すべて)で、(わたし)46億年(すべて)に勝てるもんか!

全ての時代、全ての世界の月の光を束ねたこの矢で! 狩猟神(アルテミス)の名にかけて、あなた達人間の傲慢を撃ち殺してやる!!」

 

 

「それでも私は貫き通す!!

お月様と比べたらちっぽけでも、思いの強さだけは負けられないッ!!

胸の(うた)がある限り、生きることを、手を取り合える未来を諦めてなるものかッ!!

私の思いを、私のすべてを、この(こぶし)にのせてッッ!!!!」

 

 

 

「っ、激突します!

マシュ!宝具を!わたしが合わせます!」

 

「了解です!

先輩!早く私たちの後ろに!」

 

 

 

 

 

「——月女神(タウロポロス・テ)の天穹(ィス・アルテミス)ッ!!!!」

 

「——ガングニィィィイィルッッ!!!!」

 

 




アルテミスの権能攻撃については捏造なので、後で出てきたりしたら交換します。
……なんかこのレース中に来そうな気も(特攻鯖と第1レース見ながら)
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