あんハピ♪パラダイス♪   作:naogran

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春、ある家では、1人の紺色の髪の少女が制服に着替えてる。少女は何かを思ってる。






別の家では『花小泉杏』が靴を履いてる。

杏「行ってきまーす!」

桜「行ってらっしゃーい!」

杏は元気良く登校する。






別の場所では、薬が入ったケースを持ってる。少女の名は『久米川牡丹』。

牡丹「行って参ります。」

メイド「行ってらっしゃいませ。」

牡丹はメイド達に見送られながら登校する。






また別の家では、1人の男子が家から出た。彼は『小川京平』。

京平「高校人生が始まるな。杏はもう行ったのか?」






その頃紺色の髪の少女は、家を出て登校する。少女の名は『雲雀丘瑠璃』。彼女は家をジッと見ている。

瑠璃「行って来ます。」

登校途中、2人の男子に遭遇した。

???「よう瑠璃。おはよう。」

???「今日から高校生活が始まるな。」

瑠璃「あ、おはよう。大吾、総一。」

この男子2人は『吾野大吾』と『豊島総一』。中学の時から瑠璃の親友。

瑠璃「確か、この橋を渡って、よね?」

大吾「そうらしいな。俺もあんま分かんないけど。」

すると瑠璃はため息をした。

総一「どうした瑠璃?何かあったのか?」

瑠璃「いえ、ただ高校なんて、何処でも良かったのよ。あの人と離れてしまう運命は、変えられなかったんだもの。」

総一「あの人か、確かに辛いかもな。」

瑠璃「学校が終わったら会いに行こう。」

そして3人は再び歩き出す。すると。






犬「わんわん!」






何処からか犬の鳴き声が聞こえた。

瑠璃「犬?でも何処に?」

大吾「何処にも居ないぞ?」

犬「わんわん!」

総一「もしかして・・・」

橋の下を見るとそこに。






瑠璃・大吾・総一「居たーーーーー!!!!」

なんとそこに犬を抱えてる杏がぶら下がっていた。






瑠璃「(しかも女の子まで!?)ちょ、ちょっと!あなたどうしたの!?大丈夫!?」

杏「ん?あ!うん!このワンコが凄い噛み付いてるのと、髪の毛引っ掛かっちゃって痛いの除いたら全然大丈夫だよ!」

瑠璃「全然ダメじゃない!」

総一「何処か助けは居ないのか!?」

すると杏の制服が少し破れた。

大吾「仕方無い!俺が行く!」

靴を脱いだ大吾が少しずつ杏に近寄る。

大吾「お前!そのまま動くなよ?」

瑠璃「大吾大丈夫?」

大吾「心配するな!」

その瞬間風が強く吹いて来た。

大吾「風が強い、だけど!」

そのまま距離を縮める。

瑠璃(入学初日から、なんてついてないの?)

杏「あの!もしかして、天ノ御船学園の1年生?」

大吾「お、俺達3人そうだけど・・・じゃなくて喋るな!落ちるぞ!」

杏「うわぁー!私もなんだー!」

大吾の忠告も聞かず喋る。大吾が手を伸ばすが、少し届かない。

杏「名前、何て言うのー?」

大吾「おい!こんな時に自己紹介させるなよ!」

瑠璃「瑠璃!雲雀丘瑠璃!」

総一「言うのかよ!俺は豊島総一だ!」

大吾「総一もかよ!ああもう!俺は大吾!吾野大吾!」






杏「・・・ヒバリちゃん!総ちゃん!大ちゃん!」

そう言った瞬間、鉄筋が壊れてしまい、杏が落ちる。






杏「しっかり!受け止めてねー!」

そう言って犬を上に高く投げた。

瑠璃「え!?」

杏はそのまま川に落ちる。犬は瑠璃の頭に着地した。そして杏は、川に「ドボン!」と落ちてしまった。






落ちてしまった杏を探す3人。

瑠璃「ど、何処に・・・?まさか・・・」

すると川から杏が浮かんだ。

総一「居た!」






こうして杏を無事救出した。杏はスカートを絞る。

瑠璃「本当に大丈夫なの?怪我は?」

杏「うん!平気だよ!川の深い所だったから、何処も打ってないし。」

瑠璃「そう。」

総一「一歩外れたら大惨事だぞ?」

杏「うふふ。無事で良かった!」

そう言って犬を撫でようとするが、犬が杏の手にがぶり付いた。そして犬は全速力で走り去った。

大吾「彼奴、やりよるな・・・」

杏「機嫌悪かったのかな?達者でね・・・」

すると瑠璃はポケットからハンカチを出した。そのハンカチで杏の右手を結んだ。

瑠璃「何であんな事になってたのよ?」

杏「途中で会ったわんこが橋から落ちそうになっちゃって、でもありがとう!ヒバリちゃん達のお陰で助かっちゃった!」

瑠璃「助かったのは犬だけでしょ?」

総一「全くその通りだな。」

瑠璃「あなた、飛んだ不運だったわね。」

杏「ううん、私は、すっごくついてるよ!所で、大ちゃん、君は何処かで見た事あるような・・・」

大吾「え?俺?そう言われてみれば・・・」

突然杏は大吾を見て何かを感じた。丁度その時。学校の予鈴が響いた。

瑠璃「学校の予鈴?」

杏「うわぁ!大変大変!ヒバリちゃん大ちゃん総ちゃん急がなきゃ!!」

4人は急いで学校へ向かう。

総一「なあ大吾、あの子知り合いなのか?」

大吾「まあ、何か思い出しそうな予感がするな。」

新たな学校生活が始まる。


1話「4月7日 不幸な入学初日」

こうして何とかギリギリ入学式に間に合った4人。体育館で校長のお話を聞く。

 

校長「この天之御船学園では、勉強やスポーツなど各分野に渡って、生徒の才能を更に伸ばす事を教育念としています。」

 

瑠璃(入学式から遅刻ギリギリなんて・・・)

 

杏「間に合って良かったね。ヒバリちゃん。」

 

瑠璃「そ、そうね・・・」

 

杏は瑠璃の隣の席に座ってる。

 

瑠璃(1学年7クラスもあるのに、同じクラスになるなんて・・・)

 

 

 

 

 

 

???「はぁ・・・はぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

誰かの息を切らす声が聞こえた。横を見ると、牡丹が先生に支えられながら疲れてた。

 

牡丹(大切な日に遅刻した上、先生のお手を煩わせてしまうなんて・・・)

 

すると牡丹が倒れた。

 

先生「大丈夫!?久米川さん!?」

 

 

 

 

 

 

そんな中、大吾と総一はコソコソ周りを見ていた。

 

大吾「なあ総一、この学校俺ら以外男子居なくね?」

 

総一「全く同じ事を考えてた。」

 

同じ京平でもキョロキョロ見ていた。

 

京平「マジかよ・・・丸っきり女子校じゃねえか・・・しかも男子は向こうに居る2人と俺か・・・」

 

 

 

 

 

 

そして入学式を終えて、7組の自分の席に座った。

 

大吾「あーやっと俺の席に座れた・・・」

 

総一「しかも瑠璃とあの子の席の後ろか。」

 

大吾の席は杏の後ろ。総一の席は瑠璃の後ろ。

 

瑠璃「そう言えば、あなたの名前まだ聞いて無かったわね。」

 

杏「あ!そうだね!コホン。私花小泉杏って言います!中学生の時は杏って呼ばれる事が多かったのかな?宜しくね!」

 

大吾「あ!思い出した!」

 

総一「お!やっとか!」

 

大吾「杏!覚えてるか?俺だよ!大吾だ!小学校の時まで一緒に!」

 

杏「大吾・・・あ!やっぱり大ちゃんだ!久し振りだね!こっちに戻って来たんだね!」

 

大吾「ああ〜思い出してスッキリした〜!」

 

杏「私もスッキリしたよー!だから改めて宜しくね!」

 

大吾「おう!宜しく!」

 

総一「宜しくな花小泉。」

 

瑠璃「宜しく、はなこ。」

 

杏「ふえ?はなこ?」

 

瑠璃「私がヒバリだったら、あなたもそれで良いでしょ?」

 

杏「はなこ、いずみ、杏、は、な、こ・・・はなこ!」

 

瑠璃(ちょっと意地悪だったかしら?)

 

杏「可愛いね!はなこ!」

 

どうやら気に入ったらしい。

 

杏「ありがとう!ヒバリちゃん!本当一緒のクラスで良かったなー!ね!」

 

瑠璃「そうね・・・」

 

杏「あ!そうだ!おーい京ちゃーん!何処ー?」

 

京平「何だ杏?俺はここだー。お前の前にー。」

 

杏の前の席に京平が座っていた。

 

杏「私ね!はなこって呼ばれるようになったの!可愛いでしょ?」

 

京平「そうだな、にしても久し振りだな大吾。」

 

大吾「え!?京平!?お前なのか!?」

 

総一「こいつも知り合いか?」

 

大吾「まあな。小学校まで一緒だった幼馴染みだ。3年振りだな京平。」

 

京平「そうだな大吾。で、あんたは?」

 

総一「ああ、俺は豊島総一。大吾とは中学時代からの親友だ。宜しくな京平。」

 

京平「そうか。宜しくな。俺は小川京平だ。そしてヒバリか?」

 

瑠璃「え、ええ。雲雀丘瑠璃よ。はなこからヒバリって呼ばれてるけど。」

 

京平「じゃあ俺は瑠璃と呼ぶわ。」

 

杏「それでね私、このレベルの高い学校に合格するなんて思ってなかったんだー。家に一番近かったから受けてみただけなのに、色んな人にびっくりされたよ!京ちゃんもびっくりしちゃったよ。」

 

京平「まさかお前が合格出来たなんて今でもびっくりだわ。」

 

瑠璃「私もそんなものよ。特に優れた才能なんて思い付かないし、どうして受かったのか。」

 

大吾「俺達も同じさ。合格してみたら、男子が俺達3人だけだもんな。」

 

京平「それさっきの入学式の時に思ってたわ。」

 

杏「えへへー!ラッキーだったよね!うーん、じゃあ、何か好きな物とか無いの?」

 

瑠璃「え!?」

 

すると瑠璃はある人物の事を思った。

 

瑠璃「何で!いきなりそんな事を!?」

 

杏「趣味とかも、合格の理由になったりしたのかな?って。」

 

瑠璃「あ、趣味?料理とか、かしら。あ、あなたは?」

 

杏「私はね!動物が大好きなんだー!何でか分からないけど、色んな動物が私の所に寄って来てくれるんだよ?ほら!さっきも助けたわんこが!」

 

瑠璃「あれ噛まれただけでしょ!」

 

京平「本当お前、小さい頃からよく噛まれたりしたよな。」

 

大吾「それが今でも続いてるとは。」

 

総一「かなりヤバイ体質だなおい。」

 

 

 

 

 

 

???「くす。」

 

5人「ん?」

 

 

 

 

 

 

近くから声がした。声の主は牡丹だった。瑠璃の前の席に座ってた。

 

牡丹「あ、ごめんなさい。5人のお話がとても楽しくてつい。」

 

瑠璃「あ、いや・・・」

 

京平「俺達別に気にしてはいないぞ?」

 

牡丹「人様の会話を盗み聞きした上、こんな得体の知れない気持ち悪い女が笑っていて、さぞご気分を害されたでしょうね。」

 

総一「何だこのネガティブは・・・」

 

瑠璃「いや・・・そこまでは思ってはないけど・・・」

 

牡丹「まあ!ではこんな私を法に訴えないで下さるのですか?綺麗な方だと思っていましたが、まさか天使だなんて!」

 

瑠璃「は、はあ・・・」

 

牡丹「私は久米川牡丹と申します。名前負けする病弱なダメ人間ですが、どうぞ宜しくお願いしますね。ヒバリさん。」

 

京平(自虐的だなおい・・・)

 

瑠璃「よ、宜しく・・・」

 

京平「小川京平だ。宜しくな。」

 

大吾「宜しくな。俺は吾野大吾だ。」

 

総一「俺は豊島総一だ。これから宜しくな。」

 

杏「ぼたんちゃんって可愛い名前だね!私は!」

 

牡丹「はなこさんですよね。」

 

杏「うん!宜しくね!」

 

 

 

 

 

 

握手したその瞬間「ボキッ!!」。突然何かが折れたエグい音が響いた。突然牡丹が倒れた。

 

 

 

 

 

 

牡丹「お気に・・・なさらないで下さい・・・きっと指の骨に少々ひびが入った程度で・・・大した事はありませんから・・・」

 

瑠璃・京平・大吾・総一「大した事あるでしょ!!(だろ!!!)」

 

杏「あわわ〜ご、ごめんね!い、今バキッ!って。」

 

牡丹「はなこさんは悪くありませんから、お気に病まれませんよう・・・」

 

杏「で、でも・・・」

 

牡丹「簡単に、応急処置しますね。」

 

すると牡丹は、救急箱を出して包帯を自分の左手に素早く巻く。

 

杏「うわー!凄いねー!私もよく怪我するんだー!」

 

京平「よくっつうかほぼ毎日だろ?」

 

応急処置終了。

 

瑠璃(何なの・・・?何でこんな変わった子ばっかり?このクラスって一体・・・)

 

 

 

 

 

 

すると担任らしき女性が教室に入った。

 

???「はーい。皆揃ってますか?」

 

京平「おっと!座らなきゃ!」

 

生徒達はそれぞれの席に座る。

 

小平先生「このクラスの担任を務める小平です。入学式でも説明があったように、この学校では生徒の才能をグーンっと伸ばして、沢山の偉人を輩出しています。1組から3組までは勉学、4組から6組はスポーツのスペシャリストを。これからの3年間で目指して貰う事になります。」

 

全員「え?」

 

瑠璃「先生、そんな学科に分けられるなんて、受験前は聞いてません。」

 

小平先生「あら?あなたは雲雀丘瑠璃さんね。」

 

瑠璃「はい。それに、このクラスは7組ですけど、私達は何をするんですか?」

 

小平先生「非常に良い質問です!あなた方には。」

 

すると小平先生がチョークで黒板にある言葉を書いた。

 

 

 

 

 

 

小平先生「全員、幸せになって貰います!」

 

 

 

 

 

 

黒板にでかく幸福と書いた。全員が理解出来ない空気に包まれてる。

 

杏「幸せ?」

 

大吾「何の幸せだ?」

 

小平先生「戸惑うのも無理はありませんね。理解する時間はこれから沢山ありますから、ズバリ言っちゃいましょう。ここに居る皆さんは全員・・・『不幸』です!」

 

全員「ええ!?」

 

総一「はい!?」

 

小平先生「世の中、多大なる幸運を持って生まれる人あれば、不幸、不の業で、折角の才能を発揮出来ない人も居ます。皆さんは大なり小なり、不を背負う。不幸側の人間なんですよー?そして、この学園の男子3人全員が、このクラスに居ます。」

 

すると周りの女子達が京平達を見た。

 

京平「凄く目立ってるな俺達。」

 

総一「これは幸せなのか不幸なのか?」

 

大吾「それは分からん。」

 

瑠璃「折角ですけど!私、人に言われる程不幸な人間じゃ!」

 

大吾「瑠璃?」

 

小平先生「学園は受験前にしっかりとした極秘調査を行います。あなたには本当に、何も心当たりは無いと?」

 

突然小平先生の目が鋭く開いた。瑠璃は何も言い出せない。

 

小平先生「安心して下さい。皆さんを一つのクラスに集めたのは、その不幸を克服し、幸福を掴んで貰う為なのですから。これからは毎日、皆さんの行動をしっかり測定しながら、幸福になる為の特別授業を行っていきます。」

 

瑠璃(何?何なのこれ?)

 

総一(中学の頃、何故俺達の元にこの学校の手紙が来たのか分かった気がする・・・)

 

大吾(不幸を背負った者だけを集めたのか・・・俺達含めて・・・)

 

杏「皆で幸せになれるんだって!」

 

牡丹「素敵ですねー!」

 

瑠璃(私は3年間、普通の・・・)

 

響「たまに道に迷う事はあるが。」

 

蓮「1日3回はたまになのか?」

 

萩生響と江古田蓮。

 

瑠璃(平凡な学生生活を、送ろうと思ってたのに・・・)

 

 

 

 

 

 

すると小平先生がキレて、教鞭をボキッと折った。

 

小平先生「良いからさっさと黙れよガキ共・・・そんなだからろくな運を持って無えんだろうが・・・・!」

 

クラスが怖い雰囲気に包まれて全員が黙った。瑠璃は静かに座った。

 

小平先生「はーい。 良い子達ですね。それでは早速、席替えも兼ねて本日の測定をしてみましょう。」

 

京平(ある意味先生がラスボス感を醸し出してる・・・)

 

大吾(俺ああ言うタイプ苦手だな・・・)

 

総一(今度キレたら確実にヤバそう・・・)

 

瑠璃(ギャップ・・・)

 

 

 

 

 

 

小平先生「今朝、皆さんの机に数字を書いた紙を入れて置きました。その数に従って、席を決めていきますが、そうですね・・・数が少ない程ラッキーと言う事にしましょうか。」

 

それぞれの生徒が机に入ってる数字を見る。

 

瑠璃(こんなので、人の運で分かれるな訳・・・)

 

紙を広げる。瑠璃の数字は28。

 

瑠璃(40人中28位・・・微妙ね・・・は!何考えてるの!?こんなの確率の問題じゃない!)

 

総一「俺は14位か、まあまあだな。大吾は?」

 

大吾「俺12位だ。微妙だ。京平はどうだ?」

 

京平「俺は、10位だ。」

 

大吾「マジか!?かなり幸運を持ってるなお前!」

 

京平「そうか?俺幸運なんてこれっぽっちもねえけど。」

 

杏「ねぇねぇヒバリちゃん!」

 

瑠璃「な、何?」

 

杏「このクラスって確か、40人だったよね?」

 

瑠璃「ええ。」

 

杏が瑠璃に数字を見せた。杏の数字は、最下位の40位だった。しかも0のインクが擦れて9になっており、49になってしまってる。死苦!

 

瑠璃「!!??」

 

牡丹「そ、それははなこさん、インクが擦れて、9になってるのではないですか?」

 

杏「おお!」

 

瑠璃(わざと言い・・・やっぱりこの子・・・)

 

そしてその数字に従って席替えをする。

 

小平先生「はい。席も決まりましたね。今日はこれで終わりですが、お試しで一つ、宿題を出しましょう!」

 

 

 

 

 

 

いきなり宿題を出された。そして全員に配られたのは、卵1個。因みに賞味期限切れ。卵にはハートの絵が描かれてる。

 

杏「え?卵?」

 

大吾「卵だな。」

 

牡丹「卵ですね。」

 

小平先生「生だから気を付けて下さいね。この卵を明日まで割らずに持っている事。これが本日の宿題です。」

 

蓮がこっそり机に入れようとするが。

 

小平先生「そこ!ちゃんと持ち帰って下さいね?」

 

見抜かれた。

 

瑠璃(何なの?これ?)

 

 

 

 

 

 

今日の学校が終わり、6人一緒に下校する。

 

杏「あ〜!あっと言う間だったね〜!」

 

瑠璃「まだ状況が読み込めないわ。」

 

京平「まあ後々分かってくるかもな。」

 

杏「ぼたんちゃん、手大丈夫?」

 

牡丹「ええ、何時もの事ですから。はなこさんこそ大丈夫ですか?」

 

杏「うん!これヒバリちゃんに巻いて貰ったんだ〜!」

 

牡丹「そうでしたか。」

 

大吾「でもお前、自分で手当てするなんて器用だな。」

 

牡丹「医者の娘ですから、寧ろ自分の怪我しか手当て出来ない役立たずな女ですよ。一人救命病棟とお呼び下さい。」

 

突然牡丹が自虐的ムードに入ってしまった。

 

総一「相当なネガティブだなおい・・・」

 

その後も一緒に下校する。

 

 

 

 

 

 

途中で分かれ道まで止まった。

 

杏「ぼたんちゃん、お家どっち?」

 

牡丹「あちらです。」

 

杏「わぁー!一緒だね!ヒバリちゃんは?」

 

瑠璃「同じだけど。」

 

杏「総ちゃんは?」

 

総一「俺は反対側だけど。」

 

杏「そうなんだ!じゃあ5人で帰れるね!」

 

すると瑠璃は、1つの看板を見付けた。直売所の看板だ。

 

瑠璃「ごめんなさい!ちょっと寄る所があるの忘れてた。」

 

杏「あ、そうなんだ・・・」

 

牡丹「残念ですが、仕方無いですね。」

 

瑠璃「ごめんね!また明日!」

 

杏「ううん、じゃあねー!」

 

牡丹「お気を付けてー!」

 

大吾「また明日なー!」

 

 

 

 

 

 

瑠璃はそのまま全速力で走る。後ろから総一が追い掛ける。

 

総一(きっと彼奴に会いに行くのか?)

 

 

 

 

 

 

その頃4人は桜の木の道を歩く。

 

杏「卵の事とか、話したかったな〜。」

 

牡丹「きっと、大事なご用事なのかと。」

 

杏「そうだね!」

 

京平「なあ大吾、瑠璃って何かあるのか?あの時急に寄りたい所があるって言ってたけど。」

 

大吾「ああ、その事は後で話す。」

 

杏「ん?」

 

牡丹「ん?」

 

京平・大吾「ん?」

 

上を見上げると、桜の花びらが降って来た。

 

杏「綺麗だね〜。」

 

牡丹「本当に。」

 

大吾「まあ春だから桜が実ってるからな。」

 

京平「何だか花見したくなるな。」

 

猫「ニャー。」

 

目の前に黒い猫が尻尾を立てて歩いて来た。

 

杏「ニャンコだー!」

 

大吾「尻尾立ててる、興味が湧いてるのか?」

 

すると杏が猫に近寄る。

 

杏「おいでー!」

 

京平「おい杏やめろ!」

 

すると猫が、杏の顔に猫パンチした。頬に肉球の跡が出来た。それでも杏はポジティブ。杏が倒れて猫が逃げた。

 

牡丹「はなこさん!?」

 

大吾「おい杏!?大丈夫か!?」

 

京平「言わんこっちゃ無い・・・」

 

杏「平気平気!えへへ〜。」

 

猫「ニャーーーー!!!」

 

4人「ん?」

 

猫の鳴き声を聞いて急いで駆け付ける。

 

杏「待ってーニャンコー!」

 

牡丹「あっちですね!」

 

 

 

 

 

 

その頃瑠璃は、工事現場をこっそり覗いてる。瑠璃は顔を赤くしていた。

 

総一「何コソコソしてんだよ。」

 

瑠璃「総一!?」

 

総一「満足か?」

 

瑠璃「・・・ええ。」

 

総一「これは、俺とお前と大吾の秘密だぞ?」

 

 

 

 

 

 

同じ頃杏達は猫を探してる。

 

杏「何処なの?ニャンコー!」

 

牡丹「はなこさーん・・・」

 

大吾「おい牡丹!?京平!先行ってくれ!」

 

京平「分かった!」

 

そして辿り着いた場所は、田圃だった。キョロキョロ猫を探す杏。そして。

 

杏「あ!ニャンコ!」

 

なんと案山子の上で泣いてるさっきの猫を発見した。どうやら出られない状態であった。

 

京平「さっきの猫!?っつか何で自らあそこまで?」

 

杏は靴と靴下を脱いで田圃に入る。

 

京平「おい杏!何してんだ?」

 

坂の上で、牡丹と大吾が到着した。

 

大吾「おい牡丹、大丈夫か?」

 

牡丹「はい・・・はなこさん・・・」

 

大吾「彼奴猫を助けようとしてるのか?」

 

牡丹「はなこさん・・・大吾さん・・・私も・・・お手伝いを・・・」

 

急に牡丹が倒れて、そのまま坂の上から転げ落ちた。

 

大吾「おい牡丹!?」

 

京平「牡丹が落ちて来る!?」

 

そして杏は、猫の目の前まで到達して両手を伸ばす。

 

杏「もう大丈夫だよー!」

 

牡丹が坂から転げ落ちて、カバンから宿題の卵がパカッと割れて黄身が出て来た。すると猫は覚醒した。ジャンプして杏を飛び越えて、見事に着地した。そして黄身をペロペロ舐める。

 

京平「あ、卵が割れた・・・」

 

杏「え?え?・・・あれ?・・・あれれ?」

 

すると杏は、自分の足に異変が起こった事に気が付いた。立ちっぱなしになってたので、足が抜けなくなってしまった。

 

大吾「あらら、牡丹の宿題が終わった・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃瑠璃は、1人桜の木の道を歩いてる。

 

瑠璃「はぁ・・・学校が遠くなったせいで、全然時間が足りない・・・幸福になる為の不の克服?課題?馬鹿馬鹿しい。こんな物で、不幸を返上出来るって言うの?大体、私は不幸なんかじゃ・・・」

 

彼女は中学時代を思い出した。彼女が涙を流してるあの時を思い出してしまった。

 

???「ヒバリちゃーーん・・・!」

 

すると何処からか叫び声が聞こえた。

 

???「ヒバリさーーん・・・!」

 

今度は違う叫び声が聞こえた。

 

瑠璃「なななな何!?まさか、幽!?」

 

すると茂みの中から手が出て来て、瑠璃の右足を掴んだ。

 

瑠璃「きゃあ!!」

 

尻餅付いて恐怖心が舞い上がった。そして茂みから出て来た人物は。

 

 

 

 

 

 

牡丹「ヒバリさん・・・」

 

 

 

 

 

 

何と牡丹だった。

 

瑠璃「え?牡丹?」

 

大吾「瑠璃?どうしたんだ?」

 

今度は大吾が出て来た。

 

瑠璃「え?大吾?」

 

杏「ヒバリちゃーーん!」

 

瑠璃「はなこ?」

 

先程の叫び声は牡丹と杏だった。杏は田んぼから動けない状態のままだった。

 

杏「やっぱりヒバリちゃんだ!」

 

そして遂に、杏を救助した。

 

杏「大脱出!」

 

 

 

 

 

 

その後牡丹は横になった。

 

杏「いやぁ〜ほんと助かったよ〜!牡丹ちゃんと京ちゃんと大ちゃんとここで、一晩過ごす覚悟を固めてたぐらいだし!」

 

京平「ここで一晩過ごすなんて真っ平ごめんだ!」

 

瑠璃「はなこ、動物を助けるのも良いけど、あなたはもっと後先考えて行動した方が良いと思うわ。」

 

大吾「俺も同感だ瑠璃。」

 

杏「うん!でも皆助かったし、終わり良ければ全てハッピーって奴だよ!やっぱり私ってついてるなー!」

 

瑠璃「そんな事ないと思うけど?」

 

杏「そんな事あるよ!今朝だった今だって、ヒバリちゃんが通り掛って良かった!ヒバリちゃんと同じクラスになれて良かった!本当にありがとう!」

 

天使のような笑顔を見せる杏。

 

瑠璃「べ、別に・・・あんな場面に出会したら、私じゃなくたって助けるわよ・・・」

 

大吾「瑠璃は本当素直じゃねえな。」

 

そして下校再開。大吾と京平が牡丹を支えながら歩いてる。

 

杏「ああーー!!ごめんねヒバリちゃん!!」

 

瑠璃「ん?どうしたの?」

 

杏「借りたハンカチ、泥付いちゃってる・・・ああ、汚さないよう気を付けてたのに・・・」

 

京平「そんな事かよ・・・」

 

瑠璃「(汚れないように?)バカね。どうせ中には血も付いちゃってるでしょ?」

 

杏「そ、そっか!そうだよね?ああごめんね!綺麗なハンカチなのに!元より3倍白くして返すから!」

 

大吾「純粋だなぁお前。」

 

すると瑠璃は笑った。

 

瑠璃「くすっ。もう良いわよ。ハンカチくらい。」

 

杏「ヒバリちゃん!笑った顔もすっごい可愛い!!」

 

瑠璃「え!?バカ!何言ってるの!?」

 

牡丹「親切な目も可愛らしくて、猫の役にも立たないし、卵も割ってしまった私とは月と虫けらですう!」

 

京平「何だか楽しそうだな。あの3人。」

 

大吾「瑠璃があんな素直になるのは久し振りだ。」

 

瑠璃「そ、そうよ!卵!」

 

卵を出した瞬間、何かが落ちた。パスケースだった。

 

瑠璃「さっきので割れちゃったんじゃ・・・」

 

杏「ヒバリちゃん!落ちた、ん?」

 

落ちたパスケースを見る杏と牡丹。

 

大吾「おい杏!」

 

瑠璃「はっ!!」

 

2人はそれを見て固まった。

 

瑠璃(知られた!こんなに早く!今度こそ!)

 

また瑠璃は、中学時代を思い出した。

 

瑠璃(今度こそ、隠す通すつもりだったのに!)

 

牡丹「ヒバリさん、この写真の方は?」

 

瑠璃「私の・・・大切な人よ。ずっと、その人を見る為だけに、1人で工事現場まで通ったりして、中学まではそれで酷くバカにされたり、からかわれたりしたわ・・・」

 

京平「そんな過去があったのか・・・」

 

杏「ほえ?どうしてからかわれるの?」

 

牡丹「写真をパスケースに入れるなんて、ロマンチックですね!」

 

京平「ああ!俺でも真似出来ないな。」

 

瑠璃「え?そ、そうじゃなくて、普通に考えたら変でしょ?」

 

京平「何処が?」

 

瑠璃「だってその人は・・・ただの工事現場の看板なのよ!」

 

なんとパスケースの写真は、工事現場のオジギビトの看板だったのだ。

 

京平「え!?マジで!?」

 

瑠璃「何時も知られた途端、周りに言い触らされて・・・」

 

すると杏は瑠璃にパスケースを返す。

 

杏「友達の好きな人を、誰かに言ったりなんかしないよ?」

 

牡丹「ええ。」

 

瑠璃「・・・しないの・・・?」

 

杏「しないよ?」

 

牡丹「しないです。」

 

京平「する訳無えじゃん!俺達友達だろ?」

 

大吾「良かったな瑠璃、頼もしい奴らがまた増えて。」

 

瑠璃「・・・そう・・・」

 

パスケースを受け取る。

 

京平「なあ大吾、お前瑠璃とは何の切っ掛けで親友になったんだ?」

 

大吾「それはだな、最初は総一が我慢出来ずに、瑠璃をからかう奴らから庇ったんだ。それに続いて俺と他の親友2人と一緒に彼女を庇ったんだ。それ以降親友同士なのさ。」

 

京平「成る程!良かったな瑠璃、大吾達と親友同士になって。」

 

瑠璃「もう大吾!その話言わないで!」

 

大吾「良いじゃねえか。俺達親友だろ?」

 

瑠璃「・・・帰るわよ!」

 

牡丹「ええ、そうですね!」

 

杏「うん!帰ろう!」

 

5人が歩き出したその時。

 

5人「ん?」

 

 

 

 

 

 

地面に瑠璃の卵が割れてるのを発見した。

 

 

 

 

 

 

瑠璃「あ・・・」

 

それを見た京平と大吾は笑って自分の卵を取り出した。

 

京平「こうなったら。」

 

大吾「こうするしか無いよな。」

 

 

 

 

 

 

すると2人は、卵を落として割った。

 

 

 

 

 

 

瑠璃「え!?何してるの!?」

 

京平「何かさ、これから不幸の連続が終わったら終わりそうな感じがするし。」

 

大吾「ここはまだ未経験な不幸を皆で受けて立とうみたいな感じで行こうかな?って。」

 

杏「京ちゃん!大ちゃん!」

 

牡丹「2人共素晴らしいですね!」

 

瑠璃はそんな2人を見てくすっと笑った。

 

 

 

 

 

 

その頃総一は、卵を持って立っている。

 

総一「さて、この卵を無事に持って帰らねえとな。」

 

すると後ろから猫が物凄いスピードで総一の背中に突進した。

 

総一「あばす!?」

 

すると持ってた卵を手放してしまい、落として割れてしまった。

 

総一「何・・・だと・・・!?」

 

そのまま猫は走り去って行った。

 

総一「・・・THE END・・・」

 

 

 

 

 

 

そして翌日。

 

小平先生「全員、卵を割ってしまったようですね。これも想定内です。どんな状況で割ってしまったか、紙に書いて提出を・・・」

 

杏「先生!」

 

小平先生「ん?」

 

杏「じゃーん!」

 

何と杏だけ卵が割れてなかった。

 

全員「おおー!!」

 

小平先生「あら・・・」

 

瑠璃「はなこは割れなかったの!?」

 

牡丹「凄いです!」

 

総一「え!?花小泉だけか!?」

 

杏「えへへー、一晩中抱いて寝てたんだー!」

 

京平「抱いて寝てた?」

 

大吾「一晩中?って事は・・・」

 

すると突然、杏の卵が割れて、なんと中からひよこが産まれた。ひよこは杏の頭に座った。

 

瑠璃「嘘でしょ・・・?」

 

大吾「ああ、一晩中抱いて寝てたから。」

 

京平「卵が孵化してひよこが産まれたんだ。」

 

総一「て事は、花小泉の卵は有精卵だったって事か。ってかこんな事ってある?」

 

杏「可愛いー!」

 

ひよこを見て杏は喜んだ。

 

瑠璃(やっぱり、一番残念なのはこの子かもね。)

 

その頃違う場所では、ある奴が目覚めた。

 

「END」




    キャスト

 小川京平:内田雄馬

 吾野大吾:八代拓

 豊島総一:仲村宗悟

 花小泉杏:花守ゆみり
雲雀丘瑠璃:白石晴香
久米川牡丹:安野希世乃
  萩生響:山村響
 江古田蓮:吉岡茉佑

 小平先生:原由実
 花小泉桜:儀武ゆう子
   校長:中博史
   先生:野口瑠璃子
   女子:七瀬彩夏

次回「4月11日ハイテクな身体測定」

あんハピの本編を投稿しました。まあ最初はこんな感じですが、見て下さった皆さんには感謝です。

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