「…え?何に使うつもりだい?別にいいけど…」グローブを貸してくれないかと聞いた私にご主人様は困惑しながらも了承してくれた。やったね!さあ、グローブをつけて準備万端だと言いたいところだったが、「……これ、むすんでくれないかな…はは」「えっ」久しぶりに人間化したので細かい動きができないのだ。ご主人様は大丈夫かなァ…と言いながらも結んでくれた。流石ご主人様!!あとはディオくんに声をかけるだけ、というところでご主人様が「ところで君名前はなんていうんだい?ここら辺では見ない顔だけど…」「…えっ、私はラフッ…ハッ、ア、アルフォンスってんだ。よろしく。」アルフォンス…我ながら今のは上手い誤魔化し方だと思う。「らふ?まぁいいや、よろしくアルフォンス」…わりと危なかった。さて、あまりぐずぐずしているとディオくんが行ってしまうのですぐに話かけ、…すっごい人だかり。こちらもなんとかもみくちゃにされながらディオくんの元へと辿り着いた。「…ねえ!!ディオッ!!…くんッ!!」人が多すぎて流されないようにするのがやっとで、途切れ途切れの呼び声になってしまったが大丈夫だろうか。「…新入りの僕が言うのもなんだが…君、見ない顔だね?」なんとか気付いて声をかけてくれた。よかった。それと同調して周りの皆も全員私の方を見る。…落ち着いて。「やぁ、はじめまして私はアルフォンスというものだ。私、君とボクシングがしたくてね?ディオくん。」自分ではしっかり言い切れたと思ったのだが、どうやら違ったようで。「声が震えてるぜ~ヘヘッ!!」「なんだこいつ?」「よわそーッ!!」とバッシングの嵐が起こった。でもディオくんが「みんな静かに…いいだろう、僕が受けてたとう」と言ったので、全員が再びリングの周りに集まり始め、そんなやつやっちまえッ!!と盛り上がる。この時、ご主人様の顔を見てみると不安そうな顔をしていた。もしかして私がディオくんにボコボコにされるのを心配しているのだろうか?そんな事を考えていると、「みてたから分かると思うけど、このボクシングは子供の遊びじゃあない。自分に賭けてもらうよ。」ああ、そっか。「…ふん!」ディオくんが再び帽子に賭け金を入れたのだが、どうやら負けるつもりは無いらしい。ご主人様から勝ち取った分も含めて全額を賭けた。「さ、さっきの倍だよ…君、これでも勝負するかい?それにこの金額相応なものは……」レフェリーが何かをいいかけたところで私は袋を取り出す。ご主人様に内緒で今まで働きに出掛けていた分全額だ。まあ、ご主人様やディオくんは3か月くらい我慢すれば貯まる金額だけど。それを見てレフェリーは帽子を落とし、観客はざわざわしだした。「ふん…負けるつもりは無い、か。おもしろい。」とディオくんが呟くと同時に試合開始のゴングが鳴る。負けるわけないだろう!?ご主人様の敵討ちだ…。
「でも、私ボクシングしたことないんだよねぇ~…」「…貴様なめているのかッ?!」あぁ、怒らせちゃった…。私がいつまで経っても殴りにかからないので、痺れを切らしたディオくんが攻撃をしかけてくる。ブオンッ!!…ひぇェ~ッ!!あんなの当たったら死んじゃうよぅ。「すげぇッ!!」「あいつ避けたぞッ!!」と観客も盛り上がってきた。ふふん!!動体視力、反射神経、スタミナだけは自信があるのだ。とちょっとした優越感に浸っていると、ディオくんが殺しにきてるんじゃないかと思う位のパンチを連続で繰り出してくる。まぁ、当たらないけど。「すごいよアルフォンスッ!!」「((くそッ!!何なんだこいつはァ~ッ!!))」ご主人様…ハッ!!「うげっ…っっ」ご主人様の声に気をとられてディオくんの鋭いパンチを食らってしまった。…痛い。しかしこんな事で止まる私じゃないんでねッ!!次に顔面に飛んでくる拳をかわす。ワアアアアアアァァ!!会場がドッと盛り上がる。さて、そろそろおしまいだ。渾身のパンチを外して少しだけよろけたディオくんの顔面に蹴られたお返しの強烈なパンチを…ッ!ボカッ「……?」パンチ確かに顔面に決まった。しかし、私のパンチ力が無さすぎた。ディオくんのは平然と立ったまま困惑している。…それは私も同じだ。「こっ、この勝負顔面へのパンチが決まったため、勝者はアルフォンスゥーッ!」………ワアアアアアアァァッ!!!少しの間があったが、勝者を称えるように会場が盛り上がり、観客達が私の周りへ集まってきた。「すごい!!」「かっこ良かったぜアルフォンスッ!!」と次々に言葉が飛んでくる。「あっ、ありがとう…?」…とりあえずありがとうと言っておいた。「くそッ!!…あのアルフォンスとかいうやつめェッ!!」あぁっ、ディオくん怒ってるよ…!!とりあえずご主人様の元へ行かなければ…「ごっ、ジョジョ!!ありがとう!!君のグローブがあったから勝てたんだ!!」「そうかな…?アルフォンスが強いだけさ」また謙遜しちゃって。いや、でもあのパンチは痛かった。もうやりたくない。結局1日ボクシング観戦をご主人様とを楽しんだあと、自分の賭けた額だけ持って帰った。恐らく皆は私のこの姿をしばらく見ないだろうから、注目がディオくんに向いたままなのは変わりないと思うけど。その後、ご主人様に送っていくよといわれたが、全力で断った。「じゃあね、アルフォンス」「うん、じゃあねジョジョ」自分はこっちだから、と別れるふりをして、狼に戻って先回りするように走って家へ帰る。「(はぁっ、はあっ、ただいま!!)」「(どうだったかい?)」「(…痛かった。)」
そっか、と呟いてダニーは家へ入っていったので、私も後を追いかけた。
長くなってごめんなさい
みせどころ(笑)でしたね…私的にはじゃれあう位の強さのパンチだったって妄想です。
全力で殴ってもじゃれあいのボカッてかんじのにしかなりりません(笑)