お久しぶりすぎて
もはや誰だかわからないと思います。燕尾です。
こうしてまた投稿できたこと自体奇跡かもしれません
仕事を退職したばかりなので、少し時間もでき、時間はかかるかもですが
また手を付けていきたいなと、思っています。
100話目にして1年と9ヶ月ほどかかってしまいましたが、記念話とかではありません
今はもうほとんど書いている人がいなさそうな初期の話ですが
お楽しみいただけたらと思います。
――Yuya side――
「みんな、集まったな」
放課後――事前にメッセージで呼びかけて部室にへと集まってもらっていた。
皆を見渡して俺は口を開く。
「集まってもらったのは他でもない――今回のライブの会場についてどうするか、今の候補を皆にも知ってもらおうと思ってな」
俺一人で考えるのもやはり限界があったし、それに最終的に決めるのは皆の意志だから、そろそろ考えてもらおうと思った。
「うん、まかせて!」
「もし意見がまとまれば、そのまま決定してもいいわね」
「ああ。だからまずは聞いてもらう。主な候補は三つだ」
今回のライブステージについて、と俺はホワイトボードに書き始める。
「一つは運営が用意している各ステージ。ここは各機材やステージの準備に関してそこまで考えなくていい代わりに、今回披露する曲やダンスのイメージに合わない可能性があるのと他チームと被ると時間的な制約ができる可能性がある」
俺は候補地とそれに対するメリットとデメリットを書いていく。
「二つ目は音ノ木坂学園。学園の許可さえ取れれば運営のステージとは違って時間の制約はほぼ起きない。だがその分、いつものように機材やステージの準備を行わなければならないのと、あとはこれまでの学園でやったライブとそこまで変わらないといわれる可能性がある」
ここまでは皆も想像はしているだろう。実際俺も考えてもその二つぐらいしか思いつかなかったのが事実だった。
次の一つは思い付きではなく、ある提案を受けて入れた候補だ。
「そして最後の候補として――UTX高校の屋上だ」
『UTXの屋上!?』
俺が提案したその内容に、皆が目を向けた。
「どういうことなの、遊弥くん?」
絵里からの問いかけに、あー、と目を反らしながら答える。
「これについては…実はつばさからの提案なんだよ」
つばさの名前を出した瞬間、全員がピクリと肩を反応させた。
「つばささん……? ゆうくんどういうことなの……?」
「いつの間につばささんと会っていたの、ゆーくん?」
「きちんと説明してもらえますか、遊弥?」
見事な連携で即座に俺を取り囲んだ幼馴染三人。俺は冷や汗だらだら掻きながら迫る三人を押しのけた。
「昨日の帰りに偶然会ったんだよ。別に示し合わせたとかじゃないから、何にもないから」
「本当に、何もなかったのね?」
「――ああ。話をしながら帰っただけだ」
向かいから睨みつけるような鋭い眼光を放つ絵里の追撃に俺は一瞬詰まるも何とか取り繕う。しかし、その一瞬を見逃すほど彼女たちは甘くはなかった。
「ゆうくん、嘘ついてる」
「嘘ついてますね。遊弥」
「ゆーくん、嘘ついてる時の声してる」
「………」
「遊弥くん、嘘つかない方が方が身のためやよ?」
「嘘なんかついてないっ!!」
「本当かしら?」
真姫を含め、一年生からも疑念の眼差しを受ける。
全部話してないだけで何一つ嘘は言っていない。だけどこいつらの察知能力は本当にどうなっているんだ。誤解するとかならまだしもいつも核心をついてくるのは本当に心臓に悪い。
「とにかく!」
俺は声を荒げて強引に話を打ち切る。
「今日はこれからつばさの話を聞きに行く。アポイントは昨日の話の流れでついてるから――行くぞ、UTXに」
そういって、俺たちはUTXのある秋葉原まで足を運んだ。
「さて、この辺で落ち合うつもりだったんだが……いないな」
「それはそうでしょ。こんな大勢の人がいる所に綺羅つばさが居たら騒ぎになるもの」
にこの指摘に失念していた俺は頭を掻いた。
「遊弥くん。とりあえず連絡してみたらどうかしら――連絡先は、知ってるんでしょ?」
「知ってるけど、なんでそこで睨んでくるんだよ。絵里」
「別に何でもないわ」
絶対あるような態度に、原因がわからない俺は息を吐いてスマホを取り出す。
「まあいい。少し待っててくれ。今つばさに連絡するから――」
「その必要はないわ」
声と共に俺のスマホは取り上げられた。
「……おいこら」
『……っ!』
現れたのは言うまでもなくA-RISEの綺羅つばさ。
「大声出しちゃ駄目よ、そんなことしたら大騒ぎになっちゃうから」
しーっ、と指を立ててウィンクするつばさ。
大声出そうにもいきなりの登場に驚いて声も出ない皆。対して俺はもうおなじみ過ぎて声より呆れしか出てこない。大方どこかでここら辺を見ていたのだろう。
「いたずらも大概にしておけよ。ほら、携帯返せ」
「ふふ。携帯を返してほしかったら、私を捕まえてみなさい。ちなみに――」
つばさは俺の携帯を勝手に捜査して俺だけに見えるように見せてきた。
「私を捕まえられなかったら、これがμ'sのみんなに見られることになるわよ?」
そこに映っていたのは、新幹線の中で寝ている俺に抱き着きながらツーショットをとっているつばさの姿。
ご丁寧に、俺が見ることのないフォルダの中にわざわざ新しく作成して保存していたようだ。
「じゃあね、待ってるわ。遊弥」
そういっていたずらっ子の笑みを浮かべながら、つばさはその場から人混みへとまぎれ走り去ってゆく。
「………」
そうか。そういうことをするのか。
「ゆ、ゆーくん…ぴぃ!!」
「上等だ。久しぶりにキレちまったよ。そっちがその気ならもう容赦せん」
「ゆ、遊くんが般若の顔に!」
「毎度毎度、誰をおちょくっているのか、思い知らせてやる」
助けてもらったり負い目があったりしてたから、あまり強くは出られなかったが、もうそろそろ反撃したっていいだろう。
「みんな。あのいたずら猫すぐに捕まえて連絡する。それまで喫茶店かどこかで休んでてくれ」
そして俺は人混みの間を縫ってつばさを追いかける。
それからほどなくしてつばさを簡単に追い詰めることができた。
「さて。覚悟はできてるんだろうな。つばさ」
「うふふ。何をされるのかしら、私」
何をされてもイニシアチブは取れると踏んでいるのか、ずいぶんと余裕なご様子のつばさ。
そんなつばさに俺は口を三日月のように歪ませ、笑う。
「余裕こいているのも今のうちだぞ。今からやるのは外面だけは完璧な我が義妹が、羞恥と痛みのあまり最終的に泣いて許しを乞うた奥義だ」
「へぇ、そうな――にゃっ!?」
笑みを浮かべるつばさとの間を俺は一瞬で詰め、俵を抱えるようにつばさを持ち上げた。
そして手ごろなところに腰を掛け、つばさを俺の太ももの上に乗せる。
「ゆ、遊弥? これは、まさか……?」
「つばさが悪いんだぞ。超えてはいけないラインを超えるから」
「ちょ、ま――」
「待たない。さあ、張り切ってまいきしょう。おしおきターイム」
「なんか白黒のクマの姿が見えたんだけど!?」
やかましい。つべこべ言うな。
俺は腕を上げて、突き上げられたそのお尻に振り下ろした。
「に゛ゃぁぁあああああ――――!!!!」
――Eri side――
「どこに行ったのかしら、遊弥くん」
「うちの占いによるとこっちの方なんやけど」
走り去っていった方向を考えながら私と希は二人を探していた。
捕まえて戻ると遊弥くんは言っていたけど、心配でそのままにはできなかった。
「なんだか、嫌な予感がするのよね」
「遊弥くん、無茶してへんといいんやけど」
「たまにとんでもないことしでかすものね」
主に女の子の扱い方において。下手したらセクハラにとらえかねないような方面で。
私もなんだかんだこの前に喘がされたことあるし。肩もみだけど。健全なんだけど、彼のテクニックが半端なくて。
そうなる前に早い所見つけたいのだけれど――
――ごめんなさい遊弥!! ちょっとからかったりしていただけなの!
――写真ばら撒くって脅すことが、つばさの言うからかいか。そうなのか
「「……」」
路地裏から聞こえてきた女の子の叫びと、淡々と説教する男の子の声に、私と希は顔を見合わせる。
お互いに頷いて、急いでそこに向かうと本当にとんでもない光景が広がっていた。
「本当にばら撒くつもりで言ったわけじゃないの! 少しでもあなたの気を引きたくて、つい思いついただけなの!!」
「そもそも、寝ている人の携帯のロックを外して、一緒に写真撮ること自体非常識だとは思わんかね?」
「思います!! ごめんなさい!! 本当に反省してるし、二度としないからもうやめ――ひゃああん!!」
「ダメ。もう少し反省しないと許さない」
ぱちんっ、ぱちんっ、と破裂音のような音が鳴り響き、痛みに悶えながら涙を浮かべるつばささんと、悪魔の笑顔を作り、彼女のお尻を引っ叩いている遊弥くん。
「ひゃん! ひぅ!! うぅ……でも、ちょっと気持ちよくなってきたかも……?」
「勝手に気持ちよくなってんじゃないよ。まだ反省が足りないのか?」
「ひん! ごめんなさい!!」
恍惚の表情をし始めたつばささんを現実に戻すかのように叩く威力を強める遊弥くん。
かのトップスクールアイドルのあられもない痴態とそれを引き起こしている元凶に私たちは、
「な、な――なにをしているのよーーーーっ!!」
慌てて遊弥くんを止めるのだった。
いかがでしたでしょうか
もう一つの物語やサンシャイン、ごちうさなども含め、執筆中です。
興味ある方はぜひそちらの方も見ていってください。
今後ともよろしくお願いします。