ラブライブ! ~one side memory~   作:燕尾

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どうも、燕尾です。
無事に研究室に配属され、大学生活最後の仕上げに入りました。


最後までがんばります。







対策会議と後悔

 

 

――Honoka side――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まずいね……」

 

「ええ、由々(ゆゆ)しき事態です」

 

「え、えーと、二人とも大袈裟じゃないかな……?」

 

「何言ってるのことりちゃん! 大袈裟なんかじゃないよ!!」

 

「ぴぃ!?」

 

わたしは大声でことりちゃんに迫る。

大問題だよ、状況は深刻なんだよ、海未ちゃんの言う通り由々しき事態なんだよ!!  

 

「このままだと、遊くんが会長や副会長に取られちゃうんだよ!?」

 

「ゆーくんが、取られる……」

 

「そうですね、最近の遊弥は会長や副会長と仲が良いですからね。いつの間にか連絡先も交換していたみたいですし」

 

「連絡先、交換……ゆーくんと仲良し……」

 

わたしと海未ちゃんの言葉に小さく呟いて何か考え込むことりちゃん。そして、真剣な表情から一転、

 

「そうだね。ことりたちもゆーくんともっともーっと仲良くしないとね♪」

 

満面の笑みを咲かせる。だけどその後ろには禍々しいオーラがあった。

 

「怖い、怖いよことりちゃん!?」

 

「一番重傷なのはことりでしたか……」

 

やだなぁ、そんなこと無いよ。とことりちゃんは笑っている。だけど、目が全然笑っていない。そして、(ふところ)から携帯を取り出す。

 

「とりあえず、ゆーくんの予定を取っておかないとね♪ えーと、『朝はごめんなさい。話したいこともあるので放課後のトレーニング、付き合ってくれますか?』っと」

 

「行動はやっ!? しかもさりげなくフォローを入れて遊くんを呼び出そうとしている!?」

 

策士、策士だよことりちゃん。遊くんのことになるとすっごい頭が回ってるよ。

 

「とりあえず、これで大丈夫だと思うよ」

 

ことりちゃんが笑みをこぼす。でも、

 

「……」

 

なにかが違う。今の今まで遊くんを取られたくないって思っていたのに。ことりちゃんの行動を見て、小さい違和感を感じる。

 

「そうですね、遊弥が居ないとトレーニングのしようもありませんから今のうちに遊弥の予定を聞いておきませんと」

 

「それは、そうだけど……」

 

海未ちゃん、ことりちゃんの話しを聞くほど違和感が大きくなる。本当にそれでいいのかなって。

 

「穂乃果? どうかしたのですか?」

 

言い淀むわたしに海未ちゃんが心配するように首を傾ける。

 

ああ、そっか――

 

そこでようやく気づいた。そして湧き上がってくるのは罪悪感と自己嫌悪。

 

「いや、ね? 朝のことはもちろん、さっきも無視するようなことしちゃったから……だから遊くん、怒ってないかなって思っちゃって……」

 

「あ……」

 

「う……」

 

わたしの不安の言葉にことりちゃんと海未ちゃんの表情も曇る。

言葉にするとわたし達は相当酷いことを遊くんにしちゃってた。副会長に嫉妬して、感情任せに遊くんに当たって……どうして謝れば済むと思っていたのだろう。

こんなの、遊くんに嫌われててもおかしくないよ。

無視してしまったときチラッと見えた遊くんの表情が今更ながらに甦ってくる。ああいうことされるのが遊くんはとってもつらいって昔から知ってたのに。

 

「許してもらえるか分からないけど、遊くんにちゃんと謝ろう……」

 

わたしの言葉にことりちゃんも海未ちゃんも無言で頷く。

ついこの前までは遊くんが居ない日常が普通で、いつもことりちゃんと海未ちゃんとの三人でお昼ご飯を食べていたのに、

今日は今まで以上に寂しいものを感じる昼休みだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――Yuuya side――

 

 

 

 

 

 

 

 

西木野さんと別れた後、俺は生徒会室に居た。というのも、

 

 

「あの子が萩野君? かわいい~!」

 

 

三年生に見つかれば可愛がられ、

 

 

「キャー、萩野先輩だよ! 格好良いー!」

 

 

一年生に見られたら声を上げられ、二年生は言わずもがな……

 

 

「萩野君、こっちでお話しようよ! 訊きたいこと沢山あるから!!」

 

 

物珍しさであっちこっちへと誘われていた。

とりあえず人のいない場所を探していた俺は逃げるように学校を彷徨(さまよ)っていたところ、偶然出会った希先輩に連れられたのだ。

 

「え、まだあの子らの機嫌直っておらんかったの?」

 

朝練の後、俺がどうなったのか訊いてきたので正直に話すと彼女は少し驚いた顔で聞いてくる。予想外、と思っているのだろう。

 

「ええ、よくわからないスピリチュアルな先輩が悪乗りし過ぎたせいで」

 

「うっ――で、でも、遊弥君だってうちをからかってたやん!!」

 

苦し紛れのように希先輩は声を上げる。この人は本当に自分のことわかってないな。

 

「からかった覚えはありませんよ。希先輩の巫女姿、本当にすごく似合ってたと思ってます」

 

正直に言えば今まで見てきた女の子の中では十指の中に入るぐらいだ。恥ずかしいから言葉にはしないが。

 

「てか、なんでそんなに疑うんですか? まあ、出会って数日の奴の言うことなんて信じられないのは分かりますけど」

 

「ゆ、遊弥君の言うことを信じないわけじゃないんや」

 

じゃあ、なんなんですか? と訊くと希先輩は顔を紅くして自分の胸の前で指先をつんつんさせる。

 

「そ、それは……恥ずかしくて……あと、嬉しくて……」

 

「…………」

 

え、なんて言ったの? ぼそぼそと小さすぎてよく聞こえなかったんだけど?

 

「あの……」

 

「な、なんでもない、なんでもないよ! うん、遊弥君の言葉、信じるから。だからこの話は終わり! ね!?」

 

「わ、分かりました……」

 

希先輩の勢いに押されて思わず頷いてしまう。まあ、あまり深く追求しないほうがいいだろう。

暫くしたのち、落ち着いた希先輩は申し訳なさそうに申し出る。

 

「とりあえず、うちからも言っておこうか? 遊弥君は口説いておらんかったよって」

 

「それが一番はや――ん?」

 

途中まで言いかけると、ポケットの中が振動する。

 

「すみません、ちょっと連絡が入ったみたいです。確認してもいいですか?」

 

「全然気にせんでええよ」

 

「ありがとうございます――え、ことり?」

 

表示されている送り主の名前に俺は少し戸惑ってしまう。

とりあえず見ないことにはなんなのかわからない。ロックを解き確認する。

 

「えーっと、なになに……『朝はごめんなさい。話したいこともあるので放課後のトレーニング、付き合ってくれますか?』って」

 

さっきまで怒っていたのにどういう心境の変化なんだ? まあ、改めて謝ろうとは思ってはいたから願ってもいないところだけど。

 

「よかったやん、向こうから連絡来るなんて」

 

「ええ、何とかなりそうです」

 

キーンコーンカーンコーン――

 

話の区切りがついたところでタイミングよく予鈴が鳴る。

 

「それじゃあ、俺はこれで失礼します。希先輩が良ければまた誘ってください」

 

「うん、また誘わせてもらうわ。ほなまたな~」

 

挨拶をして、生徒会室から出る。

教室へ向かう最中、俺はあることに気づく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺、弁当食べて無いじゃん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手に持っていた弁当を眺めて後悔するように呟いた。

 

 

 

 

 

 







いかがでしたでしょうか?

今後ともがんばります。
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