ラブライブ! ~one side memory~   作:燕尾

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どうも燕尾です。

今日はこれと新しく書き始めたものの第三話も投稿します。

最近、織田信奈の野望のアニメを見直しているのですが、いやぁ~、いいっすねぇ~、ロリっ子たち。心が洗われますよ。






連絡先聞いてないや……

 

「――ほら、三人ともスピードが落ちてる。ペースをちゃんと維持して」

 

「「「は、はい……!!」」」

 

休日が明けて次の週。学校が終わり、放課後。俺たちは神田明神で基礎体力の向上のトレーニングをしていた。曲ができるまでにはある程度の体力を付けておかないといけないのだ。だが、

 

「その曲をどうするかだよな……」

 

穂乃果が西木野さんに頼み込んでいるのだが、色好(いろよ)い返事はもらえていない。そして穂乃果は先日完成した歌詞を渡してそれで断るというのなら今度こそ諦めると決めた。

俺もこの数日に曲作りについて勉強して色々と作業をしているが、いかんせん力不足だ。

このままだと企画倒れになる可能性は高い。

 

「もっと頑張らないとな……」

 

「どうしたの、遊くん?」

 

「えっ……?」

 

考え込んでいるうちに穂乃果たちはノルマを終わらせていたようで、俺の指示を仰いで来た。

 

「えっ、じゃなくて、腕立て伏せとか終わったんだけど、次はどうするの?」

 

「あ、ああ……お疲れ様。少し休憩した後、ランニングして今日は終わりだ」

 

そう言う俺に怪訝そうな顔を向けてくる三人。

やめろやい、そんなに見つめられると照れるじゃないか。

 

「遊弥、大丈夫ですか……?」

 

「大丈夫ってなにが?」

 

「ゆーくん、少し顔色悪い気がするんだけど……無理してない?」

 

……まあ、気づかれるかもしれないとは思ってはいたよ。だけどここで止められるわけにはいかない。

 

「無理はしてないけど。顔色も気のせいじゃないか?」

 

「なら、いいのですが……」

 

なんでもないように装う俺を見て、三人は引き下がってくれた。

 

「ほらほら、ランニングにいったいった! 前と同じで足並みそろえてな」

 

「ええっ!? まだ休憩し足りないよ!!」

 

「俺と話してただろ? それに休みすぎると身体が動かなくなるからな。コーチ命令です。行きなさい」

 

「遊くんの鬼! 悪魔! 魔王さまー!!」

 

文句を言いつつも三人はスタートを切る。

半ば追い払うように走らせに行かせたことには多少の罪悪感はあった。

だけどそれは仕方のないことだ。木の陰からちらりと様子を見に来ている彼女と話をするためには穂乃果たちがいては駄目なのだ。

 

「今日も見に来てくれたのか、西木野さん」

 

「べ、別に、見に来たって訳じゃないんだけど……たまたま通りかかっただけだし」

 

はい、今日のツンデレ台詞頂きました。可愛いです。

神田明神は西木野総合病院とは反対にあるのだ。偶然に通りかかるわけがない。

 

「そのほのぼのとしてる表情やめてくれない? イラッとするんだけど」

 

「悪い悪い、西木野さんが可愛くてついな」

 

「ッ――……もう焦ったりしないわ。あなたの思うつぼだもの」

 

成長したな、西木野さん。まあ、可愛いというのは正直な気持ちなのだが。それは置いておいて。

 

「それで、今日はどうしたんだ?」

 

「高坂先輩が来たわ。しかも今日は歌詞を持って」

 

穂乃果から聞いたとおりのことだ。俺は驚くこともなく頷く。

 

「これで最後って、歌詞を渡してきたわ」

 

「ああ……」

 

俺は余計なことを言わず西木野さんの言葉を待つ。

彼女もなにを言えばいいのか迷っているようでしばらく考え込んでいた。そして、

 

「――いい歌詞ね。これ」

 

端的に言われた言葉。だが、その一言には色々な含みが感じられた。

 

「まっすぐで、綺麗で、軒並(のきな)みな言葉だけれど、希望に()(あふ)れていて、これからの始まりを予感させるような、そんな歌詞」

 

「ああ、俺もそう思う。穂乃果たちのスクールアイドルとしての門出にぴったりな歌だ」

 

「同感ね。私も思ったわ」

 

また訪れる静寂。それだけをわざわざ言いに来たのだとしたら律儀なだけだが、そうではないとわかる。

西木野さんは何かを決意してここへ来たのだ。それは俺たちにとって、良いものか、悪いものかは西木野さんだけが知っている。

その答えがついに西木野さんの口から紡がれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「曲――作ってあげる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そうか、ありがたい」

 

ただし、と付け加える西木野さん。そして俺にビッ、と指を突きつけて、

 

「私が曲を作ったことは高坂先輩たちには絶対秘密。それとあなたにも手伝ってもらうわ。これが曲を作る条件よ」

 

「秘密にするのはもちろんいいけど、俺の手伝いは必要なのか? むしろ邪魔にしかならないような気がするが」

 

「あなた――曲のイメージや構想、外枠は大方できているのでしょう?」

 

「……驚いたな。俺が思っていた以上に聡明だった。穂乃果たちにはバレなかったんだけどな」

 

西木野さんには通用しないってことか。俺が曲を作り始めているのが完全にばれてる。

 

「私を甘く見ないでよね。今のあなたを見ていればわかるわ。目の下の隈をファンデーションで隠しているほどなんですもの」

 

朝、穂乃果たちが来る前に神社でバイトしていた希先輩に恥を忍んでファンデーションを借りて隈を誤魔化していたのだが、西木野さんの目は騙せないようだ。

 

「先輩。あなた、どれだけ寝ていないの?」

 

「……」

 

さらに鋭い目で追求してくる西木野さん。それに俺は沈黙で答えてしまった。彼女は深い溜息をつく。

 

「曲作りは私の家でやるわ。顔を出してもらうつもりだから、体調は整えておきなさいよね」

 

「……わかった」

 

釘を刺された俺は頷くしかなかった。

 

「それじゃあ、私は高坂先輩たちが戻ってくる前に帰るわ」

 

あくまで西木野さんは穂乃果たちとは顔を合わせたくないらしい。いそいそと帰ろうとする。

 

「西木野さん、ありがとな」

 

階段を下っていく西木野さんの背中に感謝の声をかける。西木野さんは何もいわず、ただ振り返り笑みを返しただけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、連絡先聞いてねえ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか。

実を言うと私――ロリだけじゃなく普通の女の子も好きです(当たり前)。

ではまた次回。


あ、誤字脱字、感想などがあれば遠慮なく。


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