ラブライブ! ~one side memory~   作:燕尾

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ども、燕尾です。
続きの85話です





捜索

 

 

 

 

 

「ここね……」

 

秋葉原駅から離れた廃墟。そこには一人の少女とその少女を守るように隣に立つ黒服の男が数人居た。

 

「お嬢様。いかがいたしますか?」

 

お嬢様と呼ばれた少女は黒服の人間に問いかける。

 

「相手の数は?」

 

「四人です」

 

ふむ、と少し考える少女。

 

「なら、早いうちに制圧しに行くわよ」

 

「かしこまりました――おい、聞いたな? それぞれ配置につけ」

 

『はっ』

 

無線から聞こえてくる男たちの声。

 

『お嬢様。配置、完了いたしました』

 

「わかったわ――それじゃあ、いくわよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――Kotori side――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三チームに分かれて、それぞれ範囲を決めてゆーくんを探し始めた私たち。

 

「すみません。こんな人を見かけませんでしたか?」

 

「いや、見てないかな」

 

「そうですか…ありがとうございます」

 

頭を下げて、去っていく人を見送る。

 

こんなことを繰り返し続けて約一時間。ゆーくんへの手がかりは一向につかめないままだった。

穂乃果ちゃん、海未ちゃんたちのチームも同じようで、ゆーくんに繋がる情報がまったく得られない状況らしい。

残り約四時間しかない。それなのにわたしたちの成果はゼロ、進展すらしていない。

募るのはゆーくんの心配ばかりだ。

 

「ちょっと――探し方を変えないといかんかもしれへんな」

 

この状況をよくないと思っていたのか、希ちゃんが提案してくる。

 

「どういうことにゃ?」

 

「遊弥くんがいなくなったのは昨日の朝のことだから、今いる誰かに聞いても知っている人はほとんどいないと思うんよ」

 

「そっか。三年生のあの二人の話は確か目立たないところでやったっていう話だったから」

 

もしその現場を見たとしても注意深く気にしていた人じゃなきゃ、見たことを覚えている人はほぼゼロに等しい。

そう考えれば、ずっと人に当たっていても手がかりを得られないのは当たり前だ。

 

「でも、探し方を変えるって言ってもどうやってやるのにゃ?」

 

「人を手がかりとするんやなくて、遊弥くんを閉じ込めてそうな建物を当たるんや。それも地下に繋がっている建物やね」

 

「地下?」

 

「人を閉じ込めるのであれば、誰にも見えないところに閉じ込めるのが普通や。二階や三階みたいな上の部屋は窓から見られる可能性があるから」

 

「なるほど……」

 

「とりあえずうちはえりちとにこっちに連絡するから、ことりちゃんと凛ちゃんは地図アプリでこの近辺で地下フロアがある建物を探して」

 

「うん!」

 

「わかったにゃ!!」

 

希ちゃんが絵里ちゃんとにこちゃんに連絡を取っている間に私と凛ちゃんは建物の目星をつける。

 

「二人への連絡はこれでオッケー。それじゃあ、うちらも方向性を変えて遊弥君を探そっか」

 

それから私たちは人から建物へとターゲットを変えて、ゆーくんの捜索を再開する。

 

 

 

 

 

しかし――

 

 

 

 

 

「ここも違ったね……」

 

ゆうくんが囚われてそうな場所を絞って探し始めてから一時間半――結構な数を廻ったがわたしたちはまだゆーくんを見つけることができていない。

最初のタイムリミットから半分の時間を過ぎてこの有様にだんだん私たちに焦りが出始める。

 

そもそも人もそうだけど、建物も東京には数え切れないほどいっぱいある。その中からゆーくんがいる場所を当てるのは砂の中から一粒の砂金を見つけるようなものだ。

でも可能性があるとした希ちゃんが言った通りにするしかない。泣き言は言っていられない。

 

もっと頑張らなきゃ。ゆーくんと一緒にいるためだもの。わたしはわたしでできる限りのことをしないと。もう、後悔なんてしたくないから。

焦りはあるけど、周りが見えなくなっちゃうのはよくない。頬を両手でパンッ、と叩いてわたしは気合を入れる。

 

「よしっ……――って、あれ?」

 

立ち上がったそのとき、ポケットの中が振動した。

ちょっと前に穂乃果ちゃんや海未ちゃんと状況確認の連絡は取ったのに。二人とも親展がないって言う話だったけど、なにか判ったことでもあったのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ、嘘……!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

画面を開いて送り主を確認した瞬間、わたしは大きな声を上げた。

 

「どないしたん、ことりちゃん?」

 

「ことりちゃん、どうしたの!?」

 

「これ……!!」

 

わたしは自分が見たものが信じられず、二人に画面を見せる。送信者を見た二人も、同じように驚いた表情をした。

 

「ゆーくんからの着信だよ!」

 

画面にはゆーくんの携帯からの通話が表示されていた。

 

「ど、どうしたらいいのかな!?」

 

「とりあえず落ち着いて、電話に出るんやことりちゃん!」

 

「う、うん……!」

 

わたしは通話ボタンをフリックしてゆーくんとの電話に出る。

 

『もしもし、みな――』

 

「もしもし、ゆーくん!? ことりだよ! 今どこにいるの!?」

 

繋がった途端、落ち着きなんて全部忘れて矢継ぎ早に言う。だけど、

 

『落ち着いて。南ことりさん』

 

電話から聞こえてきたのはどういうわけか女の子の声。しかも以前聞いたことのある声だった。

 

『私、綺羅つばさよ』

 

ゆーくんのスマホでわたしに電話を掛けてきたのはA-RISEの綺羅つばささんだった。

 

「つばささん…!? どうしてゆーくんのスマホから……!?」

 

「詳しい事情は後で説明するわ。とりあえず今は私の言った場所に来てちょうだい。そこに遊弥がいるわ」

 

「ゆーくんが!?」

 

私の混乱が頂点に達する。どうしてつばささんがゆーくんの状況を知っているのか、どうして彼女がゆーくんの居場所を知っているのか、まったくわからないから。

だけどわたしは混乱を抑えるために、一呼吸置いた。いま一番重要なのはゆーくんの居場所をしることなのだから。

 

「それで、ゆーくんは今どこにいるんですか?」

 

『いま遊弥は秋葉原駅の南口から300メートルはなれた廃墟ビルの地下よ。詳しい住所はこの後送るから地図を見てくれるかしら』

 

「わかりました。いますぐいきます!!」

 

つばささんからの電話が切れる。そこからわたしはすぐに動いた。

 

「希ちゃん! 凛ちゃん! 絵里ちゃんとにこちゃんに連絡して皆に秋葉原駅に来るように伝えて!!」

 

「まかせとき!」

 

「わかった!!」

 

待っててねゆーくん、いま助けに行くから!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――Yuya side――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「呆れたな。まさか本当に出てくるとは思わなかった」

 

「……」

 

「だが、大人しく戻ってもらう。でなければ身の安全は保障できない」

 

「たかだか一人にどれだけ用心してるんだよ」

 

ナイフや鈍器を向けられている俺は両手を挙げて溜め気を吐きながら、目の前の年の近い四人の男たち(・・・・・・)を睨む。

 

「そんなに乙坂からの金が欲しいのか?」

 

「学園理事長の子供としてぬくぬくと育ったお前にはわからない。俺たちの苦悩が」

 

わーお、唐突なお話が出てきたよ。

俺はいたいものを見るような目をしてしまった。

 

「おいおい。唐突な不幸自慢はやめておけ」

 

「なんだと…?」

 

男の眉がピクリと動く。

 

「自分たちだけが、なんて言ってるのは痛いだけだぞ」

 

俺の言葉に男たちの顔がどんどん歪んでいく。

 

「どうせ、自分の思い通りにならないことを周りのせいにして逃げていたんだろ」

 

身なりを見れば大体そんなところの奴らだ。そんじょそこらのグレた若者のような格好。髪を派手に染め、着崩した服に安物のピアスや指輪をつけている。

俺たちの苦悩が――なんていっているが、結局のところそこらのチンピラだ。自分の思い通りに行かないから癇癪を起こしているだけのお子様なだけだ。

 

「お前らはただ考えなしに金に眩んだろくでなし共さ」

 

「黙れッ!」

 

「ゴフッ……」

 

言い切る前に腹を殴られる。どうやら相手の癇に障ったようだ。だが、俺は止まらない。

 

「は…そうやってキレるってことは図星か?」

 

「うるさい、黙れッ!」

 

「がっ――ぐっ――!」

 

相手は煽り耐性がゼロのようで怒りのまま殴り、蹴りを入れてくる。

 

「お前らは…まるで、届かない位置にぶら下がっているバナナに必死に手を伸ばしている猿…なにも考えちゃいない……」

 

こいつらの行動は人間のそれではない。ただ自分が満足するために他人を落とす、脳のない動物だ。

 

「お前らはいつからそんなのに成り下がった…?」

 

「黙れェェェ!!!!」

 

「あ、おいっ!!」

 

誰かの制止が聞こえた瞬間、頭に重い衝撃が奔った。

 

気付けば俺は、地に伏していた。

 

頭がドクドクと脈打っている。

目の前が眩む。意識が飛びそうだ。

 

「お、おいっ! 何してんだよ!!」

 

仲間の一人の慌てた声が耳に入る。

 

「いくらなんでも、ここまでする必要はなかっただろ!!」

 

「うるさいっ! こいつが悪いんだ、こいつが余計なことしたからだッ! 俺はあの女に言われたとおりのことをしただけだ!!」

 

「でも、殺せまでいわれてなかっただろうが!!」

 

おい、誰も死んでない。この程度で勝手に殺すなよ。

 

「うるさいうるさいうるさい! つべこべ言ってないで、さっさとこいつをあの部屋に戻せ!!」

 

「お、お断りだ! 俺は知らねえ、なにも知らねえからな!!」

 

一人がそう言って逃げ出すと他の二人も、俺も、と言って地上に逃げ出す。

 

「あ、おい! ふざけるな!! 戻って来い! おい!!!!」

 

取り残された男は怒鳴るが、仲間たちが戻ってくることはない。

 

「くそっ、くそっ! どうしてこんなことに……!!」

 

 

 

「それは…覚悟もなく、一線を……越えたからだ……」

 

 

 

慌てふためく男に俺は足に力を入れ、立ち上がりながらそう言い放つ。

 

「お友達は…ちゃんと、選んだほうが良い……」

 

「お、お前……っ!」

 

「上っ面で付き合うから…一人になる……」

 

「うるさい! お前が余計なことしなけりゃ、俺は成功してた! 金が貰えたんだ!!」

 

「ふ、はは……そこまできても金か…いっそ清々しい」

 

俺は笑いがこみ上げる。

 

「そりゃ…金は欲しいよな。あっても困るものじゃない。どんな経緯であれ、金は金だ。その気持ちはよく分かるさ」

 

こいつがどうしてここまで金に執着するのかはわからないし、知ろうとも思わない。

ただ、昔はある意味で俺もこいつと同じだったから、こいつらの気持ちは分からなくはない。

 

だが――

 

「お前は、その辺の雑草を食ったことはあるか……?」

 

「あ……?」

 

「お前は、住む場所を失ったことはあるか?」

 

「何を言っている……」

 

「その日食うものに困ったことはあるか?」

 

「わけの分んねえこと言ってんじゃねえよ!!」

 

「――お前は、越えてはいけない一線を越えた奴の末路を、知ってるか?」

 

「しっ、知らねえよそんなこと!!」

 

超えてはいけないラインを超えた者は碌なことには絶対ならない。俺がそうだったように。

 

「なら…お前は幸せものだよ……」

 

「お、お前は――お前は一体なんなんだよぉぉ!!」

 

にやりと笑う俺に、男は恐怖に震え上がったように叫び、バットで殴りかかってくる。

大きく振りかぶり俺の頭を狙う男。しかし隙だらけだ。

 

俺は相手の手首を掴み、捻り上げる。

 

「あぐぁ!?」

 

力を利用して捻り上げたことで、相手の手首から鈍い音がなる。

 

痛みで手が開き、落下するバットをキャッチする。そして――

 

「がっ!?」

 

グリップ部で相手の首根を思い切り打つ。

男はそのまま顔面から地面にダイブし、そのまま動かなくなった。

 

「ふう…あつつ……」

 

痛む頭を抑えて俺は一息ついた。

どうやら何とかなったようだ。受けたダメージは大きいが。それでも何とかなったのだからよしとしよう。

 

「さて、スマホと財布……」

 

倒れている男のポケットを弄り、取られたであろうスマホと財布を探す。

しかし、この男は持っていないみたいで、隅々探してもでてこなかった。

 

「おいおいマジか。どこにやったんだ、俺の財布とスマホ」

 

もしかして、あの下っ端かぶれの奴らが持ってたとか? そうだったら結構やばいぞ。

散らばったあいつらがどこにいったのかわからない。顔は覚えているのだが、次に会うのはいつになることやら。

今ならそう遠くはいっていないはずだが、頭を強打されたこともあってかなりだるい。

 

「はぁ……今度は残党狩り、かよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その必要はないわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だがその直後に聞こえてきたのは本来ならここにいるはずがない知り合いの声。

 

 

「無事、とは言いがたい状態ね。大丈夫かしら?」

 

 

声の方、前を向くとそこに居たのは――

 

 

 

 

 

「……このくらいじゃ死にはしない。それで……なんで、こんなところに居るんだ……つばさ?」

 

 

 

 

――μ'sの誰でもない、A-RISEの綺羅つばさだった。

 

 

 

 

 

「あら、凄い久しぶりの登場だと言うのに随分な言い方ね」

 

「おい……」

 

「冗談よ」

 

そんな冗談は言わないでほしい。彩音さんやマスター以来の唐突なぶっこみに俺はため息をつく。

 

「どうして、ここに……? それに残党狩りの必要がないってどういうことだ?」

 

「あなたを助けに、それとあなたのスマホと財布はここにあるからよ」

 

そういいながらつばさは俺のスマホと財布の両方を見せてくる。

 

「どうして、それを――」

 

「まあ話せば長くなるんだけど、そこで伸びてる男の人の仲間と思しき人たちが親切に私に渡してくれたの」

 

にっこりと笑いながら言うツバサ。そんなツバサに俺は戦慄した。

嘘だ。この笑顔、絶対に嘘だ。

何らかの力が働いてたに違いない顔だ。

 

「で、そもそもの疑問だが…何でツバサは、俺の状況と居場所がわかったんだ……?」

 

「それに関しては本当に偶然なのだけれど、あなたが運ばれていたところを見つけたのよ。でも、下手にすぐに行くわけにはいかなかったから、家の人に見張ってもらって証拠を集めていたの」

 

「……つばさって、もしかして良家のお嬢様なのか?」

 

「まあそこまで大きな家じゃないけれどね」

 

そう言うつばさに、俺は思った。真姫と同じタイプの自覚なしお嬢様だこいつ、と。

 

「う……」

 

色々と情報過多にくらっとしてしまう。

そんな俺をつばさは支えながら、ゆっくりと座らせてくれる。

 

「もう大丈夫よ。あなたを連れ去った男たちは一人残らず拘束したし、周りの安全は確保したわ。それと、悪いとは思ったけどあなたのスマホロックがかかってなかったから、ミナリンスキーさん――南さんに連絡させてもらったわ。μ'sの皆はあなたを探していたみたいだから、もうすぐ皆が来るはずよ」

 

「そう、か……」

 

どうやらとんでもなく心配させていたみたいだ。

 

「でもその前に止血とかしないと。ほら寝転がって」

 

そういってつばさが指示したのは――彼女の膝だった。

 

「いや、それは――」

 

「つべこべ言わず、乗せなさい」

 

「あいたたたたたた! わかった…わかったから無理やり掴むな……!」

 

怪我人には優しくしてほしい。痛いものは痛いのだから。

俺はつばさの膝、というより太ももに頭を乗せる。

彼女の柔らかい感触と下からつばさの顔を見上げるような形に、少し戸惑ってしまう。

 

「どうかしら、私の膝枕は?」

 

俺の顔を真上から見るつばさ。顔の距離が結構近く、緊張してしまう。

 

「応急処置するんだろ。なら早くしてくれ」

 

「ふふ、照れてる遊弥もいいわね」

 

「楽しむなよ…結構辛いんだぞ……」

 

「ごめんなさい。今手当てするから」

 

そう言ってつばさはバッグから消毒液とガーゼ、そして包帯を取り出して、的確に処置をし始める。

 

「――(つう)っ」

 

「我慢して、男の子」

 

そういいながら見事な手際で手当てを進めるつばさ。

 

「はい。これで少しは何とかなるわ。ただ病院はちゃんと行くこと」

 

キュッ、と包帯を縛りながらいい? と言うつばさに俺は素直に頷く。

ここで抵抗したところで、後々穂乃果たちに連れて行かれるのは決まっているし。今さらこんなことで強がることなどしない。

 

「そうね。南さん、電話に出たとき凄い慌てていたんだから、ちゃんと安心させることね」

 

確かにこの二日間連絡もできなかったから、皆には凄い心配を掛けていただろう。

 

「ああそうだ、なら俺からも連絡ぐらいはしておかないとな……つばさ、俺のスマホをくれ」

 

彼女が持つ俺のスマホに手を伸ばそうとしたところで、手を(はた)かれた。

 

「……」

 

「……おい」

 

もう一度手を伸ばそうとするが、また叩き落とされる。

一体何がしたいんだつばさは。

 

「せっかくA-RISEの綺羅つばさと二人きりなのに、他の女の子と連絡を取るのってどうなのかしら?」

 

「いやそんなこといわれても…状況が違うだろうが」

 

「もう…ちゃんと女心をわかってあげないと、後々大変よ? ただでさえあなたは女心がわからなくて怒らせること多そうだし」

 

そういわれると穂乃果たちを怒らせて仕舞うことが多々あるから耳が痛いのだが、この状況下においては納得はできない。

 

「まあ良いわ。お迎えも着たみたいだし、膝枕も堪能できたし、今日は許してあげる」

 

つばさが微笑んだ直後、地下室の扉が勢いよく開かれた。

 

 

 

 

 

「ゆうくん!!」

 

「ゆーくん!!」

 

「遊弥!!」

 

「遊弥くん!!」

 

 

 

 

 

大きな声を上げて入ってきたのは穂乃果、ことり、海未に絵里。そしてその後に続いて、皆がなだれ込んでくる。

 

 

「ゆうくん、良かった! 無事だった…ん……だ……」

 

 

最初こそ声を上げていた穂乃果だったけど、その語尾はどんどんしぼんでいった。

 

「えっ……?」

 

「これは、一体……?」

 

絵里や海未も、戸惑いの声を上げる。

 

「ゆーくん……? 一体何してるの……?」

 

つばさのことを知っていることりは真顔で問いかけてくる。

 

「遊くんが、知らない女の子といちゃついているにゃー!?」

 

だが、間髪いれずに凛が叫んだ。

皆の意識がつばさに行ったところで、彼女がどんな人なのかに気付いた人が居た。

 

「ちょっと、待って……そこの人って、まさか……!?」

 

「ま、間違いない……間違いようがないわ……!」

 

アイドル好きの花陽とにこは即座に判断できたようだ。

 

「A-RISEの綺羅つばさじゃない!?」

 

「本物の、綺羅つばささんです! 間違いないです!!」

 

 

断言するにこと花陽に、ようやくことり以外の人も理解が追いついたようで

 

 

『えぇーー!?!?』

 

 

この廃墟に、驚きの声が響き渡るのだった。

 

 

 

 

 

 







いかがでしたでしょうか?
ではまた次回に……
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