遊戯王CW   作:ミスタータイムマン

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3話 勇猛の決闘者

ファーストイノベイトが作られたインパクトは大きく、社内でイノベイトモンスターの開発を賛同する声が増えてきた。

 

しかし―――、

 

I2社 役員会

 

「イノベイトモンスター開発の成功おめでとうございます。発表・販売に関しては、来年度以降でよろしいのではないかと思います」

 

立ちはだかるのは開発部Aチームの瀬良チーフ。

 

 

「開発時には本社を中心に行っていただき、Cチームはアドバイザーとしてサポートする形が良いでしょう」

 

 

「フム、確かにイノベイトモンスターの開発は一大イベント。開発したのがウチとはいえ、本社を中心にしていくのは妥当だな」

 

幹部の1人が頷き、更にもう1人の幹部も同意する。

 

「各国の支部とも足並みを揃える必要もありそうですね」

 

 

 

「むぅ、今からイノベイトの方に人員を割けないでしょうか。自分達と他の支部を含めた一部の

チームと協力して進めていきたいのですが」

 

幹部達の意見に大野チーフも強く言えない様子だ。話の主導権はこちらにない。このままでは話が終わってしまう。

 

だったら―――

 

 

「私達はチーフとイノベイトに懸けてきたんです!チーフの言うように私達だけでも、イノベイトの開発の継続の許可を認めていただきたい!」

 

「ちょっ・・・、八重樫」

 

チーフの制止も構うものか。

ここで話せる空気でも立場でもないけど何とかしたい。

 

「ここはカードゲーム会社として私達とデュエルで決着をつけましょう。勝敗は勿論ですが、

あなたがそうまでイノベイトに拘るのなら、イノベイトモンスターを使用してください」

 

なるほど。流石、瀬良チーフ。

イノベイトはまだデュエルディスクに対応してきれていない。イノベイトをデュエルディスクに完全に読み込ませるようにしなければならない。

 

「分かりました」

 

条件は飲まざるを得ない。

 

「では来週の役員会の前に行いましょう。

私達が今開発しているカードを持たせたテストプレイヤーを代理として立てさせてもらいます」

 

 

 

―Cチーム開発室―

 

「と、啖呵を切ったわけですね」

あきらめたように嘆息する田崎さん。

 

「もっとやりようはあったと思いますけど、あの場で何とかしないといけなかったですから」

 

ポン、と肩に手を置く大野チーフ

「遊作はよくやったと思うぞ。こうなった以上、この機会を活かすしかない」

 

 

「しかし、イノベイトモンスターのディスクへの読み取りは不完全です。

それを解決するとなると・・・、どう頑張っても半年は必要になります」

 

小宮山の言う通り、シンクロモンスターやモンスターエクシーズの時もデュエルディスクの対応に半年もかかっていた。

瀬良チーフの狙いはまさにそこのはずだ。1週間はあまりにも短すぎる。一応、その対策はある。

 

「大丈夫です。手はあります。イノベイトモンスターの1枚を特殊召喚モンスターとして無理矢理デュエルディスクに登録させます。瀬良チーフからイノベイトモンスターを使ったデュエルになることは予想してましたから」

 

イノベイトモンスターのデュエルディスクへの読み取りが行いにくい原因の1つが召喚トリガーの多彩さだ。ファーストイノベイトそれぞれはトリガーが異なっている。

 

「その方法なら期日までには間に合いそうだな。しかしデュエルディスクの事になると、俺達には手が終えないな」

 

「はい、海馬コーポレーションの浅田さんに相談してみます」

 

浅田亜依さんはデュエルディスクのプログラム部署の担当者でよくお世話になっている。

 

 

 

開発部を出て正面玄関に向かう。

この会社はかなり広いから、正面玄関まで行くのも時間がかかる。

通路を曲がろうとすると、大柄な男性と目があった。屈強な強面というよりも動物のような愛嬌のある顔だ。

 

「前田・・・。お疲れ様です」

ビックリした。同期の前田隼人(コアラさん)だ。ペガサス会長が直接スカウトした才能溢れる

エリート。今では開発部Aチームの中心メンバーの1人だ。一瞬、虚を疲れて挨拶が遅れてしまった。

 

「八重樫、さっきの会議気張ってたんだな」

 

「ああ・・・、ありがとう」

 

「気にすることはないんだな。それにしても、八重樫はあの頃から本当に変わったんだな」

 

「まあね。アポがあるからまた今度」

 

そういえば前田とこんなに話すのは数年振りだ。

数年前と比べてだいぶ変わったと自分でも思う。

全世界を飲み込んだ”あの闇”を忘れることができない。

 

 

 

―海馬コーポレーション―

受付に亜依さんとの面会の事を告げると、すぐに応接室に通された。

 

瀟洒な室内は青を基調に整えられていて、会社の格調の高さを感じる。その権威を象徴するかのように《青眼の白龍》の彫刻が鎮座している。

 

コン

 コン

 

「お待たせしました。早急な要件って電話で言ってましたけど何かあったんですか?」

 

高速ノックと共に扉を開けすぐに話を切り出す亜依さん。

 

このような素早く適切な対応が彼女の持ち味だ。

伊達に若くして海馬コーポレーションのプログラム部門のリーダーを務めている訳ではない。

 

「ええ、まずはこれを見てください」

 

デュエルディスクへの反応が一番良かった5番のファーストイノベイトのカードを見せる。

 

「これは・・・!イノベイトモンスター!?まさか新しい種類のカードですか!」

 

続けてイノベイトモンスターの開発経緯と早期開発のため、イノベイトモンスターを使った

デュエルを1週間後に行う話をした。

 

「なるほど、かなり無茶な要求ですね」

 

「その通りです。ですが1枚だけ『特殊召喚モンスター』として無理矢理どうにか使えれば何とかデュエルまで持ちこめるんです」

 

「それは私にとっても中々"無茶な要求"ですね。ですが心踊ります。新しい種類モンスターを、

私の手で使えるようにする。是非やらせてください!」

 

大きな瞳を宝石のように輝かせ、ずいっと顔を近づける亜依さん。

 

「ありがとうございます。イノベイトモンスターは海馬コーポレーションにも非公開なので亜依さん個人としてお願いする形になります」

 

「了解しました。ところでそのデュエルは誰が出る予定なんです?」

 

「まだ決めてないですね」

俺か小宮山のどっちかか。いや言い出した俺かな。

 

「だったら陽(よう)はどうですか?今年からプロになったんですけど、結構勝ってますよ」

 

新人で陽って名前のデュエリストはいたかな、と思い出す。

「もしかして陽って、あの本柳陽(もとやなぎ-)?まさか親戚だったんですか?」

初耳だ。

 

「陽は私の弟です。そのイノベイトモンスターは弟のデッキと相性が良さそうです。それに今後はテストプレイヤーが必要になってくるはずです。陽はピッタリだと思いますよ」

 

本柳陽は新人賞を獲る勢いで快進撃をあげている【ビートバーン】使いのデュエリストだ。まさかこんなに身近にいるとは。

 

 

その後本柳陽と会う約束を取り付けて、テストプレイヤーの契約をしてもらった。

最初はがんをとばしてきたが、亜依さんに諌められた後は快く引き受けてくれた。

 

 

―当日 I2社デュエルホール―

 

デュエルホールは作成したカードを試すために使われている。このホールは体育館のように中2階が存在している。1階の会場の様子を見下ろすことができるできるようになっている。

陽を1階のデュエルコートまで案内し、Cチームのスタッフとともに中2階に向かう。

そこには既に瀬良チーフがAチームのメンバーを引き連れていた。

 

「カードは開発できたようだね。八重樫君」

 

「はい、私達は何としても自分達の手でイノベイトモンスターを世に送り出したいですから」

 

「私はあなたが出ると思ってましたよ。かつて"虹色の構築師"と謳われたあなたの実力を見れないのが心残りです」

 

「私はそんなに強くないですよ。それよりそろそろ始まるようです」

 

ホールを見るとデュエルする2人は互いにデュエルディスクを構えている。陽の相手はデュエルアカデミアの講師の1人にしてプロリーグで活躍している茂野間ネオ(ものま‐)。

メタビートをはじめとして様々なデッキを使いこなす。

正にテストプレイヤーにうってつけの人材だ。

相対する2人は互いにカードを引く。

 

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

「俺のターン、俺はモンスターを1体セット、リバースカードを1枚セットしてターンエンド!」

 

本柳陽

LP:4000 手札:4枚

場:セットモンスター1枚、

魔法・罠:伏せカード1枚

 

「俺っちのターン、ドロー。このデッキは俺が使った中で最高クラスのデッキだぜ。

そう簡単に負けてくれるなよ。俺っちは速攻魔法《緊急テレポート》を発動。

デッキからサイキック族のチューナーモンスター《加工技師スミス》(レベル3 DEF1200)を守備表示で特殊召喚。更にスミスの効果でデッキから《マテリアルドラゴン》を手札に加える」

 

サーチしたカードの名前を聞いた瞬間、心の中でゲ、とつぶやく。俺のビートバーンには相性最悪のカードだ。

 

 

《加工技師スミス》

レベル3/光属性/サイキック族・チューナー・効果/ATK1500/DEF1200

「加工技師スミス」の①または②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動できない。

①:自分フィールドにカードが存在しない場合、このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、自分のデッキから「マテリアルドラゴン」1枚を手札に加える事ができる。

②:このカードが墓地に存在する場合、「マテリアルドラゴン」が相手モンスターを戦闘または効果で破壊した場合、自分の墓地からこのカードを効果を無効にして特殊召喚する事ができる。

 

 

「《加工技師スミス》をリリースして、《マテリアルドラゴン》(レベル6 ATK2400)をアドバンス召喚!《マテリアルドラゴン》でセットモンスターを攻撃!」

 

《マテリアルドラゴン》は光線を放つ。閃光に包まれたカードが吹き飛ぶ。

 

「くっ、《エクスプローシブ・ステゴ》(レベル4 DEF1600)はリバースした時、

相手に500ポイントのダメージを与える・・・」

 

だが《マテリアルドラゴン》がいる場合、効果ダメージは回復されてしまう。

いきなりメタカードがくるとは、さすがは茂野間プロ。

 

 

《エクスプローシブ・ステゴ》

レベル4/炎属性/恐竜族・効果・リバース/ATK500/DEF1600

「エクスプローシブ・ステゴ」の②の効果は1ターンに1度しか発動する事ができない。

①:このカードがリバースした場合、相手ライフに500ポイントのダメージを与える。

②:このカードが墓地に存在する場合、自分の墓地の「エクスプローシブ」チューナー2体を選択して発動する。このカードを表側守備表示または裏側守備表示で特殊召喚する事ができる。

 

 

茂野間ネオLP4000→4500

 

「《マテリアルドラゴン》が相手モンスターを戦闘で破壊した時、墓地の《加工技師スミス》を

特殊召喚できる。来い、《加工技師スミス》(レベル3 ATK1500)。ダイレクトアタックだ」

 

スミスが眼前まで迫り、手に持っていたナイフを煌めかせる。

 

 

「グゥ!」

 

本柳陽LP4000→2500

 

「まだまだ! メインフェイズ2に入り、レベル3の《加工技師スミス》でレベル6の《マテリアルドラゴン》をチューニング。シンクロ召喚!現れろ、レベル9《サクシード・ファング》!」

 

3つの光のリングを1筋の光が駆け抜けると、大きな牙を持つ胴が長い東洋の金色の竜が姿を現す。

 

 

《サクシード・ファング》

レベル9/光属性/ドラゴン族・シンクロ・効果/ATK3000/DEF2200

光属性チューナー+チューナー以外の光属性モンスター1体以上

①:このカードがS召喚に成功した場合、このターン、自分は通常召喚を2回まで行う事ができる。

②:このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分フィールドのレベル9またはランク9モンスターはカードの効果では破壊されない。

 

 

「《サクシード・ファング》の効果で俺っちは手札からモンスターを1体セット。リバースカードを1枚セットしてターンエンド」

 

茂野間ネオ

LP:4500 手札:3枚

場:《サクシード・ファング》セットモンスター1枚

魔法・罠:伏せカード1枚

 

 

 

「フフ、互いに1ターン経過して此方のほうがカードアドバンテージはプラス1、そして場には

レベル9のシンクロモンスター1体を含む4枚のカードがあります。いかがですか?我々が開発したモンスターは」

瀬良チーフは眼前の様子を自慢げに語る。

 

「確かにアド獲得力に展開力は高い。だが、それだけの普通のテーマじゃないか」

苦々しい表情の大野チーフ。

 

「このカードたちの底はまだまだ見せてないですよ。次のターンを待ちましょう。イノベイトモンスターにも期待してますよ」

 

「俺のターン、ドロー」

 

状況は不利。しかしメタカードの《マテリアルドラゴン》をリリースしたのがおかしい。

おそらく、あのカードは・・・。

 

「手札から《ナイトショット》を発動。リバースカードを破壊する」

 

「っ!やるな。俺っちリバースカードは《リビングデッドの呼び声》だ」

 

よし、これでバーンカードを心置きなく使える。

 

 

「ビンゴ!手札の《エクスプローシブ・ステゴ》とデッキの《エクスプローシブ・コア》を1枚ずつ、墓地に送る事で手札から《エクスプローシブ・ブラキオ》(レベル6 ATK2000)を特殊召喚する。墓地に送った《エクスプローシブ・コア》の効果で500ダメージ。更に、《エクスプローシブ・ブラキオ》の効果で、自分の墓地の炎属性モンスターの数×100、300ポイントのダメージを与える」

 

2つの火の玉が対戦相手を襲う。

 

茂野間ネオLP4500→4000→3700

 

 

《エクスプローシブ・ブラキオ》

レベル6/炎属性/恐竜族・効果/ATK2000/DEF2000

①:自分の手札とデッキから「エクスプローシブ」モンスターを1枚ずつ、墓地に送る事でこのカードを手札から特殊召喚する事ができる。

②:1ターンに1度、自分の墓地の「エクスプローシブ」モンスター1体につき相手ライフに100ポイントのダメージを与える。

 

《エクスプローシブ・コア》

レベル2/炎属性/岩石族・チューナー/ATK500/DEF500

①:このカードが墓地に送られた場合、相手ライフに500ポイントのダメージを与える。

「エクスプローシブ・コア」の効果は1ターンに1度しか発動する事ができない。

 

 

ここからが本番だ。フゥと深呼吸をする。コートの2階を見ると白衣を着たあの男と目が合う。

あいつは言っていた。"君がイノベイトモンスターを使う最初のデュエリストだ。

あの場にいるみんなに見せつけてやれ、新しい力を”

見せてやろうじゃないか!

 

「メインフェイズを終了する。そして相手ライフに800ダメージを与えたターンのメインフェイズ終了時にレベル6の《エクスプローシブ・ブラキオ》をリリース!

イノベイト召喚!轟け!《炎竜王サラマンディア・ドラグーン》!」

 

《エクスプローシブ・ブラキオ》が光の粒子になって消えると、巨大な深紅のドラゴンが

フィールドに降り立つ。

 

 

《炎竜王サラマンディア・ドラグーン》

レベル8/炎属性/ドラゴン族・イノベイト/ATK3000/DEF2000

レベル5以上のモンスター1体

トリガー:自分または相手ターン中に相手ライフに合計800ポイント以上の効果ダメージを与えたメインフェイズ終了時

①:このカードが守備表示モンスターと戦闘を行うバトルステップ時、相手ライフに500ポイントのダメージを与え、攻撃対象となったモンスターを表側攻撃表示にする事ができる。

②:相手ライフに効果ダメージを与えたフェイズ中、このカードは戦闘またはカードの効果では破壊されない。

FI-P05BB

 

ドラゴンが俺を見下ろす。その眼を見て心臓が震えた。まるで長年の親友であるかのような感覚。

 

首をもたげ、敵を見据える。

 

グォオオオォオオ!!!

 

「バトルだ。《炎竜王サラマンディア・ドラグーン》でセットモンスターを攻撃!

『バーニングノヴァ』!この瞬間サラマンディア・ドラグーンの効果が発動する。このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、相手に500ダメージを与え、攻撃対象のモンスターを表側攻撃表示に変更する!(セットモンスター→《加工技師クラフト》ATK1700)」

 

 

《加工技師クラフト》

レベル4/光属性/戦士族・チューナー・効果/ATK1700/DEF1500

フィールドのこのカードはS素材にできない。

①:このカードがフィールドから離れた場合、自分のデッキまたは手札から自分フィールドに「マテリアルファルコ」1体を特殊召喚する事ができる。

②:このカードが墓地に存在し、①の効果で特殊召喚された「マテリアルファルコ」がフィールドから墓地に送られる場合、墓地のこのカードと「マテリアルファルコ」1枚をゲームから除外する事でエクストラデッキからレベル9光属性Sモンスター1体をS召喚扱いで特殊召喚する事ができる。

 

 

茂野間ネオLP3700→3200→1900

 

「何つー攻撃性能だ。《加工技師クラフト》のモンスター効果を発動する。このカードが破壊された場合、自分のデッキから《マテリアルファルコ》1体を特殊召喚する事ができる。

現れろ《マテリアルファルコ》(レベル5 ATK2200)」

 

 

「俺はカードを1枚セットして、ターンエンド」

 

本柳陽

LP:2500 手札:2枚

場:《炎竜王サラマンディア・ドラグーン》

魔法・罠:伏せカード1枚

 

「これがイノベイトモンスターか。俺っちのターン、ドロー。俺っちはマジックカード《ブラックホール》を発動。フィールドすべてのモンスターを破壊する!」

 

フィールド上空に黒い渦が発生し、敵味方の区別なく、全てを飲み込もうとする。真っ先に飲み込まれるのは《マテリアルファルコ》だ。

 

 

「どういうことだ? 罠カードオープン、《岩投げアタック》相手に500ダメージを与え、デッキから岩石族モンスター《エクスプローシブ・バサルト》1体を墓地に送る。《炎竜王サラマンディア・ドラグーン》の更なる効果。効果ダメージを与えたフェイズ中、このカードは破壊されない。『ボンバードウォール』!更に墓地に送られた《エクスプローシブ・バサルト》の、効果を発動。相手に300ダメージ。そして、《サクシード・ファング》を守備表示にする」

 

《炎竜王サラマンディア・ドラグーン》はビートバーンの発展をコンセプトに開発されたと聞いている。そのパラメータ・効果・召喚条件、全てが俺のデッキにかみ合っている。

 

 

茂野間ネオLP 1900→1400→1100

 

 

《エクスプローシブ・バサルト》

レベル3/炎属性/岩石族・チューナー/ATK800/DEF1000

①:このカードが召喚に成功した場合またはデッキから墓地に送られた場合に発動する。相手フィールドの表側表示のモンスター1体を選択して、その表示形式を変更し、相手ライフに300ポイントのダメージを与える。

 

 

「耐性まであんのかよ。こっちも人のこと言えねーけどな。《サクシード・ファング》はカードの効果では破壊されない。更に、墓地の《加工技師クラフト》の効果。自分フィールドの《マテリアルファルコ》がフィールドを離れた場合、墓地のクラフトとファルコをゲームから除外する事で互いを素材にシンクロ召喚できる。レベル4のチューナー《加工技師クラフト》でレベル5の《マテリアルファルコ》をチューニング。シンクロ召喚!来い、レベル9《サクシード・ウィング》!」

 

荒鷲が雄たけびを上げ、銀色の翼をはためかせる。

 

 

《サクシード・ウイング》

レベル9/光属性/鳥獣族・シンクロ・効果/ATK2800/DEF3000

光属性チューナー+チューナー以外の光属性モンスター1体以上

①:このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、このカードと自分フィールドの魔法・罠カードは1ターンに1度、カードの効果では破壊されない。

②:このカードが墓地へ送られた時、このカードをエクストラデッキに戻す事で、自分の手札または墓地から「マテリアル」モンスター1体か「加工技師」モンスター1体を特殊召喚できる。

 

 

 

「墓地からシンクロ召喚だと?!」

 

大野チーフが驚きの声を上げる。

 

「このデッキの真価はここからですよ。よくフィールドを見てください」

 

レベル9のモンスターが2体、まさか・・・。

 

 

 

「墓地シンクロだけじゃないぜ。俺っちはレベル9のシンクロモンスター2体でオーバーレイ。2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚!現れろ。至上の完成体!

ランク9《プライムサクシード メシアル》!」

 

 

《プライムサクシード メシアル》

ランク9/光属性/天使族・エクシーズ・効果/ATK3800/DEF3200

光属性レベル9Sモンスター×2

①:このカードがX素材をもつ限り、このカードは自分フィールドから離れない。

②:このカードが攻撃を行ったダメージステップ終了時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。このカードは続けて攻撃できる。

③:自分がデッキからカードをドローした場合、そのカードをこのカードのX素材にする。

 

 

爆発する銀河から銀色の翼を広げた黄金の天使が舞い降りる。

 

「このカードは完全な除去耐性と連続攻撃能力をもつ。バトルだ。《プライムサクシード メシアル》で《炎竜王サラマンディア・ドラグーン》を攻撃!」

 

《プライムサクシード メシアル》は手にした透き通る剣を斜め下に構える。

 

ここでサラマンディア・ドラグーンを失うわけにはいかない。

「手札の《エクスプローシブ・コア》を墓地に送り、罠カード発動、《サンダー・ブレイク》!《プライムサクシード メシアル》を対象にする」

 

メシアルは破壊できないが、コアを墓地に送ることができた。

 

「墓地に送られたコアの効果で500ダメージを与え、サラマンディア・ドラグーンはバトルフェイズ中、破壊されない。『ボンバードウォール』!」

 

サラマンディア・ドラグーンの眼前に爆炎の膜が広がり、迫りくる斬撃を緩ませる。

 

茂野間ネオLP:1100→600

本柳陽LP:2500→1700

 

 

「まだダメージは受けてもらう。《プライムサクシード メシアル》のオーバーレイユニットを1つ取り除き、もう一度、サラマンディア・ドラグーンを攻撃」

 

本柳陽LP:1700→900

 

「くっ」

《プライムサクシード メシアル》、何て化け物だ。

 

「カードを2枚セットし、ターンエンド」

 

茂野間ネオ

LP:600 手札:2枚

場:《プライムサクシード メシアル》

魔法・罠:伏せカード2枚

 

「俺のターン、ドロー。俺は、墓地の「エクスプローシブ」チューナー2体をデッキに戻し、

《エクスプローシブ・ステゴ》の効果を発動する。墓地のこのカードを表側守備表示で特殊召喚する。手札からもう1体の《エクスプローシブ・ステゴ》を召喚。そしてレベル4モンスター2体でオーバーレイ。2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚!現れろ。ランク4《ガガガガンマン》!」

 

「カウンター罠《神の宣告》だ!《ガガガガンマン》の特殊召喚を無効にする!」

 

茂野間ネオLP:600→300

 

「だったら《昼夜の大火事》を発動する。800ダメージだ」

 

「させるか。カウンター罠《魔宮の賄賂》!《昼夜の大火事》を無効にする。ただし相手はカードを1枚ドローできる」

 

 

今の手札は0。ここで逆転できないと、次のターンには確実に負けてしまう。これが最後のドローだ。勝ってみせる!

 

「ドロー!よし!俺は《月の書》を発動する。《プライムサクシード メシアル》を裏守備にする」

 

これはフィールドから離れる効果ではないから有効だ。

 

「なるほど、これは俺っちの負けだな」

 

 

「バトルだ!《炎竜王サラマンディア・ドラグーン》で裏守備の《プライムサクシード メシアル》を攻撃!『バーニングノヴァ』!」

 

「《炎竜王サラマンディア・ドラグーン》が守備表示モンスターを攻撃した時、500ダメージを与え、攻撃対象のモンスターを表側攻撃表示にする。500ダメージを与えた瞬間に茂野間プロの

ライフは0になる」

 

茂野間ネオLP:300→0

 

 

 

「まさか、負けただと・・・?!我々が尽力した次世代のシンクロ・エクシーズデッキが・・・」

悔しそうに手すりに手をつく瀬良チーフ。

 

「私たちの勝ちですね。約束通り、イノベイトモンスターの開発は私たちCチームを中心に進めさせてもらいますよ」

 

「我々が取り決めた約束ですからね、わかりました。我々はイノベイトモンスター開発の反対の意を取り下げます」

 

 

 

デュエルをしてくれた2人をねぎらうため、1階に降りる。

 

「さすが、本柳プロ。まさかサラマンディア・ドラグーンをここまで使いこなすとは」

 

「陽で良いっすよ、八重樫さん。使った俺もビックリでしたけどね。馴染むって感じでしたよ」

陽は恥ずかしそうに頭を掻く。

 

「《炎竜王サラマンディア・ドラグーン》は君に渡そう。引き続きテストプレイヤーとしてよろしくお願いするよ」

握手のために手を差し出す。

 

「はい、望むところです」

ガッと握手を交わす。

 

「君と知り合うことができて良かったよ。亜依さんに感謝だ。今度何か奢らないとな」

 

「あ?!」

 

「待て、強く握るな!爪をたてるな!」バキッ「今変な音がしたぞ!やめろ!おい!」




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