遊戯王CW   作:ミスタータイムマン

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あけましておめでとうございます。お待たせしました。

今回は非日常へのきっかけがテーマです。
お見苦しいかもしれませんが、挿絵もあります。

あと、遊戯王の新作主人公と名前が被った模様(汗)


12話 封印の竜 (挿絵あり)

―I2社日本支社・第一会議室―

イノベイトモンスターの一般販売が始まって1ヶ月。イノベイトモンスター販売後、初の定例会が開かれていた。

 

「ここ1ヶ月でパックの売り上げは250%アップ、大会でのイノベイトモンスターの使用率は先程の説明のように、10%で微増しています」

 

プロジェクターに写し出されたデータを使いながら説明していくと、参加していた幹部の1人から質問をされる。

 

「確かにグラフのように、各ショップへのティーチングプロモーションが始まってから、使用率が増えていますね。ですが、エクストラデッキの使用枚数は1・2枚とデッキのアクセントとしての使用が殆どですね。やはりシンクロ・エクシーズに押されているようです。八重樫チーフ代理は今後、イノベイトモンスターのプロモーションをどのように考えていますか?」

 

「はい、更なるキャンペーンとして、3ヶ月後に、イノベイトモンスター発売記念の大会を開催したいと思っております」

 

ざわつく場内。

 

「みなさん、お静かに」

 

「天馬支社長・・・!」

 

「なるほど。確かに大会はプロモーションにはうってつけですね。イノベイトモンスターの宣伝である以上、普通に行うだけではあまり意味がないはずです。大会の草案を来週までにまとめて提出してください」

 

―――天馬夜行 日本支部支社長

今や、アメリカ本国並みに重要になった日本を預かるのがこの人だ。ほんの少し話すだけでざわめきが納まっていた。理路整然と話す佇まいは自分達の気が引き締まる。

 

瀬良チーフなど、苦々しい表情をするメンバーも何人かいたが支社長の一声で定例会は解散となった。

 

 

―数日後・夜―

 

この間の定例会を思い出しながら、帰途についていた。

あぁ、心臓に悪い。これから何度もあんなにもたくさん幹部がいるところでプレゼンをしないといけないなんて。全く、チーフめ、いい加減にして早く出て来てほしい。

 

 

チカッ

 

「なんだ、光?上からか?」

 

ビルの上―――、

 

逆光で姿が見えないが、小柄な人影だ。

光源は手に持っているカードか?!

 

カードを懐ろに戻し、ビルからスタッと飛びおりる。

 

手を招く仕草をする人影。

 

俺を知っていての挑発か。おそらく罠のはずだ。

 

「誰かはわからないが、誘いに乗ろうか」

 

念のための準備はしておこうと、ポケットに手を突っ込んで駆け出した。

 

 

 

後を追って、路地を抜ける。

 

「ここは、童美野埠頭!」

 

奥は海。奴はどこだ?

あたりは真っ暗でわずかに電灯がぼんやりと辺りを灯していた。

コツコツ 靴の音を響かせ、暗闇から抜き出てくるように姿を現す。

 

「慎重って聞いてたけど、意外と大胆なんだね」

 

小柄とは思っていたけど、だいぶ小さいな。中学生くらいか?声も高い。薄暗くてまだ顔がよく見えない。

 

「俺が誰だか詳しく知っている口ぶりだな」

 

「まあねー。それで誰の差し金で何の目的かって聞くんでしょ。ボクに勝ったら、教えてあげるよ」

 

構えたデュエルディスクの光がぼんやりと三日月の形に広げた口元の輪郭を照らす。

 

「わかった。デュエルだ」

 

「さすが♪ じゃあボクが勝ったら、今度やる大会を注視してもらおうかな」

 

そこまで知ってるのか。まだ社内の幹部クラスしか知らない話を・・・。

イノベイト反対グループか?ちらりと、瀬良チーフの顔が頭を掠める。

 

 

 

「「デュエル!!」」

 

「ボクの先攻か。後攻の方が面白そうだったけど、まぁいいや。驚くものを見せてあげるよ。ボクは手札からフィールド魔法《魔導砲衣 ストーリー・テラー》を発動っ!」

 

デュエルディスクから突風とともに茶と赤が混じった光の奔流が湧き出て、照らされている空間が別のものに書き換えられていく。

天まで届かんほどの本棚がコロシアムの壁のように周囲を取り囲んだ。

 

更に、眼前には黒いフードを目深に被ったローブ姿へと服装が変わっていた。

 

「姿も変わった・・?!」

 

普通のフィールド魔法では起こりえない現象だ。

そんなことができるカードは開発部の俺でも聞いたことがない。

 

「フフ、いい反応だね。ステージ衣装のようなものさ。フィールドとこの服が1セットってことだよ。さらにボクはフィールドに互いのフィールド魔法が以外の存在しない場合、手札から《S・C 原初を開く者》(レベル5 ATK1900)を特殊召喚する。そして、《魔導砲衣 ストーリー・テラー》の効果を発動。『1st』カードである原初を開く者をプレイしたため、デッキから『2nd』カードである《S・C 一瞬の虚無》を手札に加える」

 

本棚から本が飛び出てカードへと変わり、手札へと吸い込まれた。

 

「1st?2nd?なんだ、そのカテゴリーは」

 

「S・Cはそれぞれ物語の起承転結―、1st、2nd、3rd、4thに分かれる珍しいカテゴリーなんだ。ボクはカードを1枚セットしてターンを終了するよ」

 

 

S・C(ストーリー・キャラクター) 原初を開く者》

レベル5/光属性/サイキック族・効果/ATK1900/DEF1900

このカードはルール上、「1st」カードとしても扱う。(1st~4thは連続する番号のカードである。)

①:第1ターンのドローフェイズ開始時に、手札からこのカードを公開する事で、このターンをスキップする。次のターン、自分はドローフェイズとバトルフェイズをスキップする。

②:互いのフィールドにフィールド魔法以外のカードが存在しない場合、このカードを手札から表側守備表示で特殊召喚する事ができる。

 

 

Unknown LP 4000

手札3枚

場:《S・C 原初を開く者》、《魔導砲衣 ストーリー・テラー》、セットカード1枚

 

 

「俺のターン、ドロー(遊作:手札6枚)」

 

身に纏うフィールド魔法に、単一のカテゴリーでありながら、更にカテゴリーをもつカード群。自分達の常識では、ありえないカードだ。一体、何者なんだ?

 

「俺は、《ガイアメイジ》を・・・」

 

手札のカードを抜き出すその瞬間、《S・C 原初を開く者》が光に包まれる。

 

「相手のメインフェイズ開始時になったことで、トリガーを満たした《S・C 原初を開く者》と手札1枚をアセンション!物語を紡ぐ優雅なる尾をもって、仇なす全てに戒めを!イノベイト召喚!顕現せよ。レベル7《グレイステイル・イノベイト・ドラゴン》(ATK2500)!!」

 

キュワワアア―――――!

宝玉がついた尾をゆらめかせる灰色の四足竜。

 

俺はこのカードを知っている・・・!

 

「感動の再会かな?そう、《グレイステイル・イノベイト・ドラゴン》こそイノベイトモンスターの原点にして頂点の龍。さあ、どう闘う?」

 

あの時、ペガサス会長が描いた最初にカードになったイノベイトモンスター。言うなれば、イノベイト・オリジン。何故、このカードが・・・と疑問に思うが、今はデュエルに集中しよう。

 

「《ガイアメイジ》(レベル3 ATK1400)を召喚。効果により、自分のデッキから《ガイアパワー》を1枚手札に加える。フィールド魔法《ガイアパワー》を発動する。《ガイアメイジ》の攻撃力は500アップする。トリガーを満たした《ガイアメイジ》をアセンション。今生無敗の将軍よ。我らに勝利を導け!イノベイト召喚! 切り開け!レベル7《インビンシブル・ジェネラル》!」

 

 

《ガイアメイジ》

レベル3/地属性/魔法使い族・効果/ATK1400/DEF1300

①:このカード召喚・特殊召喚に成功した場合、自分のデッキから「ガイアパワー」1枚を手札に加える事ができる。

②:このカードがフィールドを離れたターンの終了時、自分の墓地の「ガイアパワー」1枚をデッキに戻す事で、自分フィールドのエクストラデッキから特殊召喚されたモンスター1体を選択して発動する。そのモンスターの元々の攻撃力と守備力を入れ替える。

 

 

だが、大剣を背負った鎧甲冑は現れない。

 

「いない?いや、これは裏側守備表示になっているのか!」

 

「アハハ、これこそがグレイステイルの効果!相手タ-ン中、相手がエクストラデッキから特殊召喚するレベル5以上のモンスターは裏側守備表示で特殊召喚されるのさ。1ターンに1回で強制効果っていうのが難点だけどね」

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

《グレイステイル・イノベイト・ドラゴン》

レベル7/光属性/ドラゴン族・イノベイト/

ATK2500/DEF2000

エクストラデッキから特殊召喚されていないレベル5以上のモンスター1体+手札1枚

トリガー:自分または相手ターンのメインフェイズ1開始時

①:このカードがフィールドに表側表示で存在する限り、相手ターン中、相手プレイヤーがエクストラデッキからレベル5以上のモンスターを特殊召喚する場合、そのモンスターは裏側守備表示で特殊召喚される。この効果は1ターンに1度しか適用されない。

FI-P00α

 

「くっ、カードを2枚セットしてターンエンド」

 

八重樫遊作LP 4000

手札3枚

場:《インビンシブル・ジェネラル》(裏守備)、《ガイアパワー》、セットカード2枚

 

「この間戦った相手は相手ターンにシンクロモンスター同士でシンクロ召喚して頑張ってたんだよ。君ももっと頑張ってほしいよね。ボクのターン、ドロー!」

 

「ボクは手札から《S・C ストレンジ・ハプニング》を発動。このカードは4つの効果から1つを選んで発動できる。ボクはトークン生成の効果を選択するよ。(黒羊トークン レベル1/ATK0/DEF0)」

 

 

S・C(ストーリー・チャプター)ストレンジ・ハプニング》

速攻魔法

このカードはルール上、「1st」カードとしても扱う。(1st~4thは連続する番号のカードである。)

①:以下の効果からいずれか1つを選択して発動する。

●相手ライフに300ポイントのダメージを与え、自分のライフを300ポイント回復する。

●フィールドのカードを1枚選択して発動する。選択されたカードはターン終了時まで、コントロールを変更されない。

●自分の手札を1枚デッキに戻し、自分のデッキからカードを1枚ドローする。

●自分フィールドに灰羊トークン(レベル1/光属性/獣族・効果/攻0/守0)1体を表側攻撃表示で特殊召喚する。

 

 

丸っこい灰色の羊が風船のようにふわふわ漂う。

 

「《魔導砲衣 ストーリー・テラー》の2つ目の効果を発動するよ」

 

「このタイミングでリバースカードオープン!《サイクロン》!《魔導砲衣 ストーリー・テラー》を破壊する」

 

あのカードはおそらくデッキの核。こいつを破壊すれば有利になるはずだ。

 

「甘いよ。このカードはこのカードが効果の対象かダイレクトアタックを受ける場合にその効果と攻撃を無効にして、このカードに損傷カウンターを1つ載せる。伊達に服の恰好じゃないんだよ。このカードに3つ損傷カウンターが載ったら、強制的に墓地に送られるんだけどね」

 

耐性まであるのか。

 

「処理を続行するよ。このカードの2つ目の効果はボクの墓地か除外されたカード1枚につき、相手のライフをに100のダメージを与え、自分のライフを200回復する。『メモリードレイン』!」

 

相手の腕から紫色の光が迸る。

 

Unknown LP4000→4600

八重樫遊作LP4000→3700

 

《魔導砲衣 ストーリー・テラー》

フィールド魔法

このカードに損傷カウンターが3つ以上乗った時、このカードをリリースする。

②・③の効果は1ターンに1度だけどちらか1つを選択して発動する事ができる。

①:自分またはこのカードが効果の対象か攻撃対象に選択された時に、その効果または攻撃を無効にして、このカードに損傷カウンターを1つのせる。

②:「1st」~「3rd」のカードをプレイした時、次の番号のカードを自分のデッキから手札に加える。

③:自分の墓地または自分がゲームから除外したカード1枚につき、自分のライフを200回復し、相手ライフに100ポイントのダメージを与える。

 

 

《魔導砲衣ストーリー・テラー》(損傷カウンター0個→1個)

 

「ライフを回復したことで、トリガーを満たした灰羊トークンをアセンション!ページの隙間より現れろ!ファニーでデンジャラスなガンマン!イノベイト召喚!レベル6《S・C ハッピートリガー》(ATK2100)!」

 

 

S・C(ストーリー・キャラクター)ハッピー・トリガー》

レベル6/光属性/サイキック族・イノベイト/ATK2100/DEF900

レベル3以下の光属性モンスター1体

トリガー:自分のライフポイントが回復した場合

①:このカードがI召喚に成功したターン終了時、自分フィールドのモンスターが1体以下の場合、自分フィールドに残響トークン(レベル5/光属性/サイキック族・効果/攻900/守2100)1体を表側表示で特殊召喚することができる。

②: このカードが裏側守備表示モンスターを攻撃した時、ダメージ計算を行わずに裏側守備表示で破壊し、相手に400ポイントのダメージを与える。

 

テンガロンハットをかぶったガンマンは手にした玩具のような銃をバトンのようにくるくると回して着地する。

 

「バトルだよ。《S・C ハッピートリガー》で裏側守備表示モンスターを攻撃。このカードが裏守備モンスターを攻撃した時、ダメージ計算を行わずに裏側守備表示で破壊して、相手に400ポイントのダメージを与える」

 

遊作LP3700→3300

 

カードが割れたガラスのように砕け散るエフェクト。エフェクトが晴れ、現れると竜の顎。

 

「さあ、《グレイステイル・イノベイト・ドラゴン》でダイレクトアタック!『凍結のフリーズブラスター』!」

 

氷の息吹が迫る―――、

 

「リバースカードオープン!《ピンポイントガード》!《ガイアメイジ》(DEF900→400)を守備表示で特殊召喚!この効果で特殊召喚されたカードはこのターン破壊されない!さらにデッキから2枚目の《ガイアパワー》をドロー」

 

「そうこなくっちゃ。ターンエンド」

 

 

Unknown LP 4300

手札2枚

場:《グレイステイル・イノベイト・ドラゴン》、《S・C ハッピートリガー》、《魔導砲衣 ストーリー・テラー》、セットカード1枚

 

 

スキがない・・・!

小柄なナリだが、かなりの手練れ・・・。

 

「俺のターン、ドロー!(遊作:手札5枚)《レスキューラビット》を召喚。リリースし、効果を発動。デッキからチューナーモンスター《エンジェル・トランペッター》2体を特殊召喚する」

 

レベルを持たないモンスターエクシーズなら、あの《グレイステイル・イノベイト・ドラゴン》を突破することができる。

 

「俺はレベル4の《エンジェル・トランペッター》2体でオーバーレイネットワークを構築!現れろ、鋭きスナイパー!エクシーズ召喚!《鳥銃士カステル》!」

 

流通しているモンスターエクシーズの中でも特に汎用性が高い1枚。銃口の狙いを定める。

 

「《鳥銃士カステル》のオーバーレイユニットを2つ取り除き効果を発動。相手フィールドのモンスター1体を選択してデッキに戻す。対象は《グレイステイル・イノベイト・ドラゴン》!」

 

「甘いよ。リバースカードオープン!速攻魔法《S・C一瞬の虚無》を発動!このフェイズ中、自分の手札と互いのフィールドのモンスターをこのフェイズ中、ゲームから除外する!」

 

 

S・C(ストーリー・チャプター)一瞬の虚無》

速攻魔法

このカードはルール上、「2nd」カードとしても扱う。(1st~4thは連続する番号のカードである。)

①:自分の手札とフィールドの全てのモンスターをこのフェイズ終了時まで、ゲームから除外する。

自分フィールドにIモンスターが存在しない場合、このカードはバトルフェイズに発動することができない。

 

 

「フッ、こっちが本命だ。手札から魔法カード《龍の鏡(ドラゴンズ・ミラー)》を発動。墓地の《エンジェル・トランペッター》2体を除外して、融合させる。美しき2輪の花よ。原初の渦で1つとなりて古の竜を現出せよ!融合召喚!レベル9《始祖竜ワイアーム》(ATK2700)!」

 

「グレイステイルをフィールドから離したのは失策だったな。メインフェイズ終了時に互いのカードは元に戻る」

 

「上手いね。これはどうかな?計3回以上、カードがプレイされたことでボクはトリガーを満たした手札の《S・C親愛なる隣人》(レベル1)をアセンション!高貴なる守りよ。顕現せよ。イノベイト召喚!レベル4《シャインシールド・ガーディアン》(DEF2300)!」

 

S・C(ストーリー・キャラクター) 親愛なる隣人》

レベル1/光属性/サイキック族・効果/ATK100/DEF100

このカードはルール上、「2nd」カードとしても扱う。(1st~4thは連続する番号のカードである。)

①:自分フィールドにこのカード以外のモンスターが存在しない場合、このカードは(レベル8/闇属性/悪魔族・効果/攻3000/守100)になり、以下の効果を得る。●このカードが与える戦闘ダメージは1000になる。

②:フィールドのこのカードはゲームから除外されない。

 

《シャインシールド・ガーディアン》

レベル4/光属性/戦士族・イノベイト/ATK300/DEF2300

手札のレベル3以下の光属性モンスター1体

トリガー:相手ターン中、カードが3回以上プレイされたターンのメインフェイズ終了時

①:I召喚に成功したこのカードがフィールドに表側表示で存在する限り、自分フィールドのモンスターの攻撃力は300ポイントアップし、相手フィールドのモンスターの攻撃力は300ポイントダウンする。

 

 

「2段構えの対策ということか。ならば、《始祖竜ワイアーム》(ATK2700→2400)で《シャインシールド・ガーディアン》(DEF2300)を攻撃」

 

「カードを2枚セットしてターンエンドだ」

 

八重樫遊作LP 3300

手札1枚

場:《始祖竜ワイアーム》、《鳥銃士カステル》、《ガイアメイジ》《ガイアパワー》、セットカード2枚

 

 

「なかなか楽しめたけど、そろそろ終わらせるよ。ボクのターン、ドロー!(Unkown:手札3枚)」

 

「悪いが、足掻かせてもらう。ダブルリバースカードオープン。速攻魔法《終焉の焔》&《突進》!自分フィールドに黒焔トークン(レベル1 DEF0)2体を特殊召喚し、《グレイステイル・イノベイト・ドラゴン》の攻撃力を700ポイントアップさせる!」

 

《グレイステイル・イノベイト・ドラゴン》ATK2500→3300

 

「相手フィールドのモンスターの攻撃力が5000以上になったことでトリガーを満たした黒焔トークンをアセンション! 世界傾きし時 終焉の彼方から姿を現せ! イノベイト召喚!現れろ!《ラストモーメント・ドラゴン》!」

 

黄金の幾何学模様が入った翼を両方とも持ち上げ、翼が巨大な円となり、黄金に輝く。

 

「《ラストモーメント・ドラゴン》の効果を発動。このカードがイノベイト召喚された場合、このターンを終了させる。『Moment at the Ragnarok』!」

 

 

《ラストモーメント・ドラゴン》

レベル8/闇属性/ドラゴン族・イノベイト/ATK2500/DEF2000

表側攻撃表示のレベル3以下の通常モンスター1体

トリガー:相手ターン中、相手フィールドのモンスターの攻撃力の合計が5000以上になった場合

「ラストモーメント・ドラゴン」の①の効果はデュエル中、1度しか適用できない。

①:このカードがI召喚に成功した場合、エンドフェイズになる。

②:1ターンに1度、自分フィールドの戦士族または魔法使い族のモンスター1体を選択して発動する。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで2000ポイントアップする。この効果を発動したターン、「ラストモーメント・ドラゴン」は攻撃できない。

FI-P06RA

 

 

「ターンスキップ・・・。強引だね。イノベイトモンスターの扱いがなってないよ」

 

「言っていろ。俺のターン、ドロー!(遊作:手札2枚)《強欲で貪欲な壺》を発動。デッキの上から10枚カードを除外して2枚ドローする」

 

俺の手札は、《隼の騎士》(レベル3 ATK1000 2回攻撃)、《ウィルスメール》(レベル4以下モンスターに直接攻撃能力付与)、《ガイアパワー》の3枚。

 

相手の布陣はかなり固い。エクストラを封じる《グレイステイル・イノベイト・ドラゴン》にダイレクトアタックを許さない《魔導砲衣ストーリー・テラー》。崩すには攻撃力が6300必要になる。それにあの余裕そうな態度。手札誘発をまだまだ持っている可能性が高い。

八方塞がりか・・・。

いや、ある。この状況を根本的に打開する1手が。

 

「俺は《隼の騎士》(レベル3 ATK1000→1500)を召喚!《ラストモーメント・ドラゴン》のもう1つの効果を発動する。このターン、ラストモーメントは攻撃を放棄することで《隼の騎士》の攻撃力を2000アップさせる」

 

《ラストモーメント・ドラゴン》は《隼の騎士》を背に乗せ、宙を舞う。

 

《隼の騎士》(ATK1500→3500)

 

 

「攻撃力3500の2回攻撃?!」

 

「更に《ウィルスメール》を発動。《隼の騎士》を対象とする事でこのカードはダイレクトアタックが可能になるが、このターンで破壊される」

 

「ストーリー・テラーによって、ボクへの攻撃は無効だよ?」

 

「バトルだ。まずは《始祖竜ワイアーム》で、《グレイステイル・イノベイト・ドラゴン》を攻撃!」

 

「手札から《オネスト》の効果を発動。攻撃力がアップ。迎え撃て、グレイステイル!(ATK2500→5200)」

 

遊作:LP3300→800

 

「やはり、《オネスト》を持ってたか。《隼の騎士》でダイレクトアタック!」

 

《ラストモーメント・ドラゴン》に乗った《隼の騎士》が突撃し、急上昇!

 

「《魔導砲衣ストーリー・テラー》の効果!ダイレクトアタックを無効にする!クゥ・・・」

 

《魔導砲衣ストーリー・テラー》(損傷カウンター1個→2個)

 

「攻撃3500に、この大質量。ソリッドビジョンでも、クるものがあるだろ?もう一度ダイレクトアタック!」

 

《ラストモーメント・ドラゴン》達が天高くからダイブ!

 

「うわぁああ・・・!」

 

《魔導砲衣ストーリー・テラー》(損傷カウンター2個→3個:自壊)

 

バリィンッ!

 

ローブと本棚のコロシアムが砕け散り、横向きに倒れ込んだ。

華奢な二の腕をガシッと掴んだ。

 

「悪いな。通り魔として、警察に届けさせともらう。サイレンも聞こえて来てるだろ」

 

あらかじめ、携帯で呼んでおいたのだ。

ヨロヨロと肩近くまで伸びた銀髪を揺らしながら、面を上げる。

 

「よく知らない男の人に無理矢理、腕を掴まれるのも犯罪だとボクは思うよ」

 

パッチリとした大きな眼、長い艶やかな眉。

 

「女・・・の子?!」

 

「バトルは終了でしょ?早くデュエルを進めてよ」

 

パトカーが近づくにも関わらず不敵に笑む。

 

「このまま進めても効果モンスターがメインの君のデッキではワイアームは突破できないぞ。まあいい。バトルフェイズを終了する」

 

「それはどうかな。ボクはトリガーを満たした《グレイステイル・イノベイト・ドラゴン》をアセンション!不遜な簒奪者に裁きの尾を振るえ!イノベイト召喚!顕現せよ!レベル8《フェアリーテイル・イノ・・・」

 

その瞬間―――、

 

ビー!

 

彼女のデュエルディスクから耳障りな機械音が鳴る。

 

SURRENDER

 

「これどういうこと?」

 

強制サレンダー?といぶかしんでいると、彼女のデュエルディスクから音声が漏れてきた。

 

『ユーナ、そこまでだよ。早く退いてください』

 

「チョ・・・待ってよ、ハイネ。あと少しでコイツをぶっ飛ばせたのに!」

 

『人が集まってきている。こっちで回収するよ』

 

「全員、倒していくからいいのに」

 

『・・・リーダー、賢明な判断をお願いします』

 

「うーん、しょうがないなぁ」

 

「逃がすと思っているのか?」

 

折角の情報源、逃がすわけにはいかない。一層、手に力をこめる。

 

『無駄ですよ。そんなものでは』

 

ブワッ

 

言うやいなや周囲に白い羽根が吹雪のように舞う。

 

「クソッ、視界が」

 

羽吹雪が収まると彼女の姿が消えていた。

 

サイレンの音だけが夜空に響いてた。

 

自分達以上にイノベイトモンスターと見知らねカードを使いこなす・・・、まさか。突拍子がないことはないが恐ろしい可能性が頭をよぎっていた。自分達は、とんでもないことに首をつっこんでいるのではないかと。




読んでくださりありがとうございます。

やっぱり、挿絵は苦手です。どうしてもブルーアイズっぽくなります。

ちなみにユーナが使っていたS・Cシリーズで今話で使っていないものも参考までに書いておきます。

S・C(ストーリー・チャプター)英雄の帰還》
速攻魔法
このカードはルール上、「3rd」カードとしても扱う。(1st~4thは連続する番号のカードである。)
①:このターン、自分の墓地に送られたかゲームから除外されたモンスター1体を選択して自分フィールドに表側守備表示で特殊召喚する。

S・C(ストーリー・キャラクター)狭間の有識者》
レベル6/光属性/サイキック族・効果/ATK600/DEF2600
このカードはルール上、「3rd」カードとしても扱う。(1st~4thは連続する番号のカードである。)
①:自分または相手のターンに手札のこのカードをゲームから除外し、自分フィールドのモンスター1体を選択して発動する。
自分のターン:対象のモンスターはターン終了時まで攻撃力が600ポイントアップし、カードの効果で手札またはエクストラデッキに戻らない。
相手のターン:対象のモンスターはターン終了時まで、攻撃力が600ポイントアップし、ゲームから除外されない。

S・C(ストーリー・チャプター)ハッピーエンド&ネクストストーリー》
速攻魔法
このカードはルール上、「4th」カードとしても扱う。(1st~4thは連続する番号のカードである。)
①:以下の効果からいずれか1つを選択して発動する。
●互いのフィールドと墓地のIモンスター1枚につき、自分のライフを600ポイント回復する。この効果を発動したターンの終了時に自分のライフポイントが相手より20000ポイント以上高い場合、自分はこのデュエルに勝利する。
●自分のデッキから「1st」カード1枚を選択して自分の手札に加える。
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