そこに向けて、キャラ紹介と情報整理が少々続きます。
オリキャラですが、やっと女の子登場です。
真中駅東口『デパートひゃくごう』
地上9階地下3階建ての老舗デパート、この中にハッピートリガーのヒーロー事務所は有る。
全国的に見ても珍しいケースらしく、ネットや雑誌の各種媒体に幾度となく取り上げられている。
デパートの警備補佐を受け持ち、所属するサイドキックが店内を時に堂々と、時に密やかにパトロールする姿は、ひゃくごうの名物と言えた。
『まぁ、私は一般職なので直接は関係無いんですけどね。』
と、父の声が聞こえる。
今日は日曜日。近所に住む仲のいいお母さん達、いわゆるママ友で定期的に行っている料理研究の集まりが有り、この日はウチに皆が集まっていた。
父がいるのは、偶々シフト制での休養日が重なり、せっかくだからと参加しているのだ。
独身時代に料理に凝っていた時期があるらしく、結婚後も母と一緒に台所に立つことが父は多かった。
と、いうわけで母達が台所に集まっており、その子供である僕たちは、リビングで遊びながら御飯を待っていた。
『マトイ君とこは家が広くてうらやましーなー。台所も広いのなー。』
そう言って、ジュースを
『えー、でもそれなら
凡造物君の父親はヒーローでこそ無かったが、国の認可を得てその『個性』
母親の『個性』は
両手でこねくり回した物を、素材から任意の物体に創り変えることができる稀有な『個性』だ。
もっとも、創りだす物への正確な知識・認識が要求されるため、使いこなすのは難しいようだった。
ともかく、凡造物君の家は広い庭付きの豪邸で、家政婦、警備員、運転手を雇うセレブっぷりだ。
本人は、裕福な家の子供であることを鼻に掛けることもないさっぱりとした気性だったが。
『えー、そりゃデッカイけどさー。でも父ちゃんナリキンだぜ?真問の父ちゃんカッケーし、ヒーローじむしょではたらいてるっしょ?真問んちのほうがスゲーって。』
皆が頷く。やはり、ヒーロー事務所に勤めている、しかも皆が名を知る上位ランカーというのは、子供たちの間ではかなりのステータスだった。
全国に有るヒーロー事務所は一万を越える。
さらに事務所を構えないフリーのヒーローを考えると、いくら子供たちの憧れ、社会の花形とはいえ流石に飽和状態といえた。
通称ランキング。正確にはヒーロー・ビルボード・チャート・JP。
事件解決数、国民の支持率、社会貢献度など諸々を集計、年に二度発表されるヒーロー番付だ。
ざっくり言ってしまうと、このランキングで100位以内に入れるかどうかが有名・無名のおよその線引きだ。
『だよねー。ハッピートリガーかっこいいし。わたし、ヒーローになったらハッピートリガーのサイドキックになりたいなー。真問くんのパパってソウダンのってくれるかなー。』
そう言ってズイッと僕に近づくのは
父方の遠縁の親戚にあたる女の子で、ハッピートリガーの大ファンだ。
『ハッピートリガーは
『ほてーよりわたしのほうがつよいからへーき。』
千刀世ちゃんは言い返す。接近戦闘型の『個性』持ちのせいか、この二人は互いを意識している様子があった。
『な、なかよく、しなきゃだめなんだよ?』
二人が
千刀世ちゃんと布袋君がいっしょに居ると、だいたいはこんな感じなので、気にするのはちょっと気弱な路雄土君ぐらいだ。
『それより、だれのみるの? ヒーローチューブ』
皆同い年なのだが、ローラちゃんはちょっとお姉さんぶっていた。
『オールマイト!』
『ハッピートリガーでしょ、ここは!』
『エンデヴァーのしんさくアップされてないかな?』
『ワイプシってしってる?』
まぁ、まとまらない。ローラちゃんは呆れて
『とりあえず、ヒーローチューブ、チョイス!』
この面々が集まっているときは、親たちから端末操作はローラちゃんに任されていた。
下手に僕達が弄くり回すより、彼女の『個性』
画面に映し出される『DJ・サガラン』
いつものハデなコスチュームを着込んだナビゲーターは、その手に頭が巨大なリボルバー拳銃の形をしたヒーロー?フィギュアを握っていた。
『ハロー、boys&girls!hero-tubeにようこそ!さっそくだがオススメのヒーローを紹介するぜ! 』
彼は手にしたフィギュアを前に突き出す。
『ハードにボイルドなgun-headヒーロー“トウジュウロー”!!』
異形型にしても押し出しが強い姿だったが、その分心に響くナニカが有った…気がした。
『見てみよっか?トージューロー。』
ローラちゃんの言葉に反対意見が無かった為、僕たちはハードボイルドなヒーローのバトルクリップを見ることにした。
『OK!it's No Guns Life !!!』
『できたぞー。ビーフ・ガノンドロフだ!』
しょうもないギャグを言いながら、父さんが大皿を手に、母さん達とリビングに入って来たとき、僕たちは涙目でへこんでいた。
『おい、どうした?真問?何があった?』
父さんの問いに答える気力も無く、半べそで画面を指さす僕。
『俺としたことがとぉんだミステイク! あー、この動画には残酷な描写が含まれており、15才未満の方の視聴は禁じられておりまぁす! ……遅かった、かな?』
父は黙って画面を消すと、
『あー、皆のママと、おじさんが作った料理が出来たから、これを食べて元気出そう!』
『美味しい、ビーフ・ストロノーフだぞー。』
なんだかよく分からないネタを更に押してくる父だったが、突っ込む者は母子含めて誰もいなかった。
次回は台所の夫婦イチャラブ回、かな?