原作キャラとの接点をいつにしたものかー。
人口の二割が『無個性』。だが、世代を重ねるごとに個性持ちの方が多くなっているから、僕の周りの同年代…近所の子供に無個性はいなかった。
僕…桜邏真問、四歳。衝撃的な個性判明から一年がたっていた。
近所の子供と遊ぶときの話題も、自分の個性自慢や、どんなヒーローになりたいかが多い。
そんな中、僕は両親の個性を継げずに意気消沈…していなかった。
近所の公園で、仲のいい友達と『個性』を語り合う。
手にしたタオルを瞬時に棒のように固める、
『俺はこのタオルスピアーで
…公園内で『個性』を使うな、と立看板に書いてあるのはみんなでスルー。
『僕は命のエネルギーが見えるんだ。だから、隠れているヴィランや、変装しているヴィランを見つける探偵ヒーローになる!』
そう、目にした相手の生体エネルギーを見る個性。
最初は嘆いた、落ち込んだ。
パパの個性なら、悪いヴィランをやっつけられる。
ママの個性なら、悪いヴィランにやられても何度でも立ち上がるヒーローになれる。
でも、でも、こんな個性じゃ…
でも、鶏頭の先生…
『先生は真問くんが羨ましいなー』
え?うらやましい?なんで?
『真問君の個性があれば、病気や怪我の人の診察にスッゴい助けになるからね。本人が気がついてない病気を見つけることだってできるかもしれない。』
見つける…?
『ドクター・ヒーローってカッコイイよね?』
隠れている…見つける!
知勤先生のドクター・ヒーロー発言には、あまりピンっとは来なかったが、それでも“何かが見えた”気がした。
『チキン先生、ありがとう!』
この『個性』だって、きたえればきっと、てきざいてきしょだ!
まあ、小さいころの僕は単純だったことは否定しない。
だが、早々に立ち直ったおかげで、両親にも心配をあまりかけずに済んだし、何よりも“今”に至る助走を長く続けることができたのだから。
最初に取り組んだのは、『個性』のオンとオフの切り替え。
そもそも、オフにできるかどうかもわからなかったが、父が『知覚系の個性は切り替えが大事』と病院で聞いてきたらしく、そこから始めることにしたのだ。
半日程で達成。思ったより簡単だった。
なんかこう、『目を閉じるっぽい』感覚で、オフにできた。
そこから約一年、見えることについて両親の協力を得て調べ、練習を重ね、公園で『探偵ヒーローになる』発言をしているわけだ。
『探偵ヒーロー?』
堅也くんがたずね、僕は、
『そう!キメ台詞は、僕の目はアザムケナイ!だよ!』
『何それ、かっけー!』
堅也くんが食いついてきた。
『ヒーローなら、キメ台詞がひつようだって、パパが言ってたからね!』
僕の目に映る輝きは、個人の判別や健康状態の推移、個性の発動状況、様々な情報を語ってくれる物だと、父と母は解き明かしてくれた。
…当の本人たる僕は、正直よくわかっていなかったが、パパとママが喜んで、自分を誉めてくれる事を素直に誇っていたのだ。
『なら、僕は…この手につかめないモノはない!』
『俺がつくりかえてやる!たとえうんめーであっても』
『えっと、えっと、天井だって走れる…ぜ?』
新たな目標、新たな夢を僕は友達と語りあい、信じて疑わなかった。この『個性』の本当の姿が、まるで別物だなんて思いもせずに。
探偵ヒーロー!
猟奇事件に巻き込まれ続けそうでコワイナー(棒)