「うぅーん…遠野くぅん…」
私、弓塚さつきは吸血鬼だ。
それも、二十七祖?とかなんだかとても強そうなグループに入ってもいいよ、って言われるぐらいにはとても強いらしい。
…私にはよくわからないんだけれど。シオンとかリーズさんによると「手がつけられないレベルだからそのままのさつきでいてね」と言われる。
そのシオンとかリーズさんだとかが倒せなかった「タタリ」だとか「ワラキアの夜」と同じなんだって。
私、そんなに凄い吸血鬼だったんだ、って思うんだけど…
「…だめだよぉ…遠野くぅん…こんなところで…そんなぁ…」
正直どうでもいいの。
私はそんな事より、私の想い人である遠野君と…えへへへへ…
「さつき、ご飯ですよ」
「う、うん…?あれ…?」
「レンさん、あまりさつきに夢を見させないで上げてください」
え?!夢?!
…そう、だよね。分かってる、今の私は路地裏に住んでいて、シオンとリーズさんと一緒にこの町を守っている、ってことぐらい。
それでも、夢を見るぐらいは
「私は許さないぞさつき!」
そう言って、リーズさんが怒っている。
いや、夢を見るぐらいは許してくださいよ。
「夢を見るぐらいは自由でしょ、リーズ」
「いや、ダメだ!だいたい誰だ、遠野って奴は!」
「あれ?リーズ、志貴とあったことないんでしたっけ?」
「ああ」
そうか。リーズさん、の中ではシオンの起こした事件はシオンが解決したことになってるんだ。
…あれ?でもまって…?
「リーズさん、遠野君殴りたい、とか言ってなかったっけ?」
「おお、あの少年か!」
「思い出しましたか、リーズ」
ぽん、と手をたたくリーズさん。
そして。
「あのハーレムを築いてる癖に本人はわざと気がついてないふりをしてる少年か!殴ってこないと!」
「まってリーズさん!リーズさんが殴ったら遠野君死んじゃう!」
音楽家のパンチ力は2tぐらい、と本人が言ってるぐらいだから普通の音楽家にしても多分鍛えてる男の人ぐらいのパンチ力はある。
そして、2tぐらいあるって言ってるリーズさんは普段鍛えているんだから多分4tぐらいある。
そんな攻撃受けちゃったら遠野君の命が!
「ちょっとまってくださいリーズ。志貴を亡きものにしたら私達の願いが。…それに、ハーレムを築いているって言っても本当に志貴を愛しているのは秋葉と晶とさつきぐらいです」
「そうなの?!というかそれってハーレムって言わなくない?!」
「まあ、私達ギャルゲーのキャラですし、一応は?」
「メタい!」
とてもメタいよシオン!
というか、私達以外の遠野君好きってそんなに遠野君愛してないの?!ファッションなの?!
「いや、だって、私の旦那様はリーズですし。真祖の旦那様は第七位ですし」
「えっ?アルクさんの彼氏さん先輩なの?!喧嘩しているのに?!」
「喧嘩するほど仲がいいって言うじゃないですか」
「…私とシオンはそんなに仲良くないのか…」
唯の諺に割と凹むリーズさん。
いや、ほら
「?なんでリーズが凹んでるかわかりませんが。私の旦那さんはリーズしかいませんよ?」
「そ、そうか!そうだよな!」
リーズさんが立ち直って何よりです。
「にしてもやっぱり弓塚さんって乙女ですよねー」
「そうだな、ドクター。だが私はさつきの結婚は許さないぞ」
だからいつからいたんですか琥珀さん…
「ついさっきです♪レンさんのお迎えに」
心を読まないでください。
やっぱり私この人苦手かも。
「弓塚さんが苦手でも私は好きですよー♪Wレンさんがこんなに懐くのも納得ですー♪」
「私は懐いてるわけじゃないけどね」
何時の間に白レンさんもいるし…。
どういうことなの。
「皆さつきが好きってことですよ」
「そうそう、さつきはだれにも渡さないぞ」
「…心読んでる?」
「口に出してます」
そう…口にでてるの…
「もおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!シオンの馬鹿!鬼!アトラス!!!」
「またこのオチですか!!!」
「頑張ってシオン(さん)-!」
「まーた避難してるしぃ!?いやだからそれはやめてくださいさつきぃ!」
この日、治ったばっかりの路地裏の一角はまた崩れたとかなんとか。(byリーズ)
オチが同じ…?
はっはっは仕方ないね。