三咲町、路地裏。
「レンさ~ん、こっちに目線くださーい」
「…………」
「白レンさんもー」
「はぁ?!なんでやらなきゃいけないのよ!」
「ケーキで釣られたじゃないですかー」
「それは私じゃなくてレン!」
なんてやり取りをしているレンさん達と琥珀さんを見ている私、弓塚さつきです。
大体にしてなんでここで撮影会が行われているんでしょうか、なんていう思いはあるんだけれど、琥珀さんだから、という理由をシオンに言われてしまってはもうどうしようもない。
私とシオンはそのレンさん達撮影会を横目にお茶を飲んでいました。
「…………」
「いや、うん、そうなんだけど。そうなんだけど!」
「……………」
「……………わかったわよ。…………………………こういうのが嫌なだけで、貴方達が嫌いだったら一緒になんていないわよ」
「「(白レンさんによる貴重なデレシーン))」」
そうそう私達の前では見られることのない白レンさんのデレシーンが見れたのでまあ、良しとします。
「ところでサツキ」
「なぁに?」
「なんで琥珀はレン達を取っているんですか?」
「2月22日だから、じゃない?」
「…?」
「あれ?猫の日って知らない?」
「…ああ!そういうことですか」
「そういうこと」
頷く私とシオン。
何かこうレンさん達を囲んでの撮影会をやりたくなった琥珀さんの気持ちもよく分かる。
レンさん達夢魔であって猫じゃないですけれどね!
「…………………」
「あ、はい、おしまいです。ありがとうございました~♪」
「………………やっと終わったわ……………」
琥珀さんは撮影会が終わるとぴゅーっと何処かへいってしまいまして。
レンさんと白レンさんが私達のほうへときた。
「お疲れ様です。お茶とケーキ、ありますよ」
「いただくわ…」
「……………(ふんすっ)」
「レンさんはなんで気合入ってるの…?」
疲れきった顔の白レンさんと、ケーキを食べると聞いて何故かちょっと気合の入っているレンさん。
いやまあ、可愛いからいいんだけれど。可愛いからいいんだけれども。
「…ほんと、琥珀の思いつきには参った物だわ…」
「でも、白レンさん、なんだかんだ言って乗ってくれるよね?」
「そうですね」
「それは……………」
顔真っ赤にする白レンさんと、それをニヤニヤと見てしまう私とシオン。
どこかレンさんも…いやレンさんはいつもどおりだった。いつも通りケーキを食べてるだけだった。
「………………まあ、でも、ちょっと前の私なら、考えられなかったわ」
「そうだねー」
「そうですね。…そう考えると琥珀はいい潤滑油なのかもしれません」
「……………(こくこく)」
「ちょっと強引だけれどね」
そう言ってお茶を飲む白レンさん。
まあ、そうだね。強引だよねー、なんて話して。ちょっとして解散しました。
後日、「助けてください!私殺されちゃいます!」なんて言いながら逃げ込んできた琥珀さんと「待ちなさいよ!!!!!!!!なんでそれ録音してるの!!!消しなさい!!!!」と琥珀さんを鬼の形相で追いかけてくる白レンさん、っていうのが私達の目の前で行われたって付け加えておくね。