三咲町。
「ふふーん♪」
「ななこちゃんどうしたの?」
「へっへー、今日はですね、ちょっとチョコレートをですね」
「チョコレート?!」
そうだよ!今月はVDがあったんだよ!
あ、皆さんこんにちわ。弓塚さつきです。ということで今月はVDだったんだけれども…。
「ななこちゃん渡す相手いるの?」
「えっと、マスターでしょ?弓塚さんでしょ、シオンさんでしょ、リーズさんに渡して…」
「わぁ、いっぱいいた!?あ、そうだ。私からもななこちゃんに」
「わーい!」
まあ、精霊さんだから大丈夫だと思うけれど、お馬さんにチョコレートって平気なのかな、なんて思いました。
ついでにちゃんとシエル先輩に渡しててえらいなーって思いました。
「ところで弓塚さんは?」
「まあ、私も似たような感じかなあ。シオンに、リーズさんに…琥珀さんぐらい」
「琥珀さん?」
「あー。遠野くんのところの召使いさん…?」
「なるほど。そこから志貴に?」
「…あっ!」
そうだよ!琥珀さんに渡すんだから遠野君にだっていくよ!
直接渡せないのは残念だけれども、でもそうすれば!
…いやなんで思いつかなかったんだろう。えーと、大量に作っておいたチョコの残りは、と…。
「残念だったな!チョコの残りは私が食べた!」
「意地汚いですね、リーズ」
「いや、食べていいものかと思ってな」
「…あ、うん、食べてよかったです…」
ざんねん わたしの さくせんはおわってしまった 。
はー、いやあ、もうちょっと早く来てくれてればなあ…。
「…ところで、セブンちゃん」
「なんでしょ?」
「ちょっとお高いチョコ買ってきたほうがいいかな?」
「そうですね。失敗を取り返すにはそれしかないと思います」
「だ、そうですよ。サツキ。良かったですね」
「わーい!お高いチョコだ!わーい!わーい!ありがとう、リーズさん!」
遠野くんに手作りチョコを渡せなかったのは残念だけれども、いつまでもそんなことで凹んでいたらシオンやリーズさんに悪いものね!
だから、お高いチョコが貰えるなら喜んじゃう。いや、はじめから狙ってたわけじゃないよ?!
本当に本当だよ?!
「…いやあ、現金なサツキもかわいいぞ」
そういって、私の頭を撫でるリーズさん。
いや、現金っていう言葉は褒め言葉ではない気がするけれど、まあ頭なでてくれてるからいいか、なんて思いつつ。
まあ、なんかこう子供扱いされてる気もするけれど、まあ頭を撫でられる事は嫌ではないので、素直に撫でられておく。
はい、今年はこんな感じだったよ、バレンタインデー!
…遠野くんにあげようって思っただけ一歩前進だと思わない?ねぇ?!