恋する吸血鬼   作:のゔぇんぶれ

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第34話

三咲町。

 

「ふふーん♪」

「ななこちゃんどうしたの?」

「へっへー、今日はですね、ちょっとチョコレートをですね」

「チョコレート?!」

 

そうだよ!今月はVDがあったんだよ!

あ、皆さんこんにちわ。弓塚さつきです。ということで今月はVDだったんだけれども…。

 

「ななこちゃん渡す相手いるの?」

「えっと、マスターでしょ?弓塚さんでしょ、シオンさんでしょ、リーズさんに渡して…」

「わぁ、いっぱいいた!?あ、そうだ。私からもななこちゃんに」

「わーい!」

 

まあ、精霊さんだから大丈夫だと思うけれど、お馬さんにチョコレートって平気なのかな、なんて思いました。

ついでにちゃんとシエル先輩に渡しててえらいなーって思いました。

 

「ところで弓塚さんは?」

「まあ、私も似たような感じかなあ。シオンに、リーズさんに…琥珀さんぐらい」

「琥珀さん?」

「あー。遠野くんのところの召使いさん…?」

「なるほど。そこから志貴に?」

「…あっ!」

 

そうだよ!琥珀さんに渡すんだから遠野君にだっていくよ!

直接渡せないのは残念だけれども、でもそうすれば!

…いやなんで思いつかなかったんだろう。えーと、大量に作っておいたチョコの残りは、と…。

 

「残念だったな!チョコの残りは私が食べた!」

「意地汚いですね、リーズ」

「いや、食べていいものかと思ってな」

「…あ、うん、食べてよかったです…」

 

ざんねん わたしの さくせんはおわってしまった 。

はー、いやあ、もうちょっと早く来てくれてればなあ…。

 

「…ところで、セブンちゃん」

「なんでしょ?」

「ちょっとお高いチョコ買ってきたほうがいいかな?」

「そうですね。失敗を取り返すにはそれしかないと思います」

「だ、そうですよ。サツキ。良かったですね」

「わーい!お高いチョコだ!わーい!わーい!ありがとう、リーズさん!」

 

遠野くんに手作りチョコを渡せなかったのは残念だけれども、いつまでもそんなことで凹んでいたらシオンやリーズさんに悪いものね!

だから、お高いチョコが貰えるなら喜んじゃう。いや、はじめから狙ってたわけじゃないよ?!

本当に本当だよ?!

 

「…いやあ、現金なサツキもかわいいぞ」

 

そういって、私の頭を撫でるリーズさん。

いや、現金っていう言葉は褒め言葉ではない気がするけれど、まあ頭なでてくれてるからいいか、なんて思いつつ。

まあ、なんかこう子供扱いされてる気もするけれど、まあ頭を撫でられる事は嫌ではないので、素直に撫でられておく。

 

はい、今年はこんな感じだったよ、バレンタインデー!

…遠野くんにあげようって思っただけ一歩前進だと思わない?ねぇ?!

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