三咲町、路地裏。
私、弓塚さつきは目の前にある状況に少々戸惑いを隠せずにいた。
「なあ、いいだろ、シオン、さつき」
「「えぇ……」」
同居人のリーズさんが隣に遠野君ちにいるメイドさん(ヒスイさんって言ったっけ?)そっくりのメカを隣において、私とシオンさんに向かって土下座している状況。
これで戸惑うなっていう方が無理っていうもんだよ……
「大体にして、リーズ。その人形はどうしたんですか」
「いやなに、今日、ドクターが私に用事があったみたいでな。その用事をすましに遠野家へ行ったんだ」
「何それ羨ましい!ずるい!」
私なんて行ったところで門前払いされるのに!
「いやあ、志貴様にとってさつきさんはもう過去の人ですし…」とか言って!酷いよ!
確かに、遠野君にとって私は過去の人かもしれないけど!私はこうやって生きてるよ!って報告したいのに!
「どうどう、さつき。それで、どうしたんです?」
「用事自体はなんてことない話でさ。ほら、いただろう、あのキモカワイイ猫を追い払ってくれ、っていう話で」
「あれはキモいだけだよ、リーズさん…」
相変わらずリーズさんの美的感覚はよくわからない。
あの猫さんのどこがカワイイのか……。
「で、リーズはその用事を無事完遂した。そうですね?」
「ああ、何の問題もなく終わらせてきたよ。…………というか、私が顔見せたらささーって波のように引いて行ったよ……。私は可愛がりたいだけなのに……」
そう言っていじけ始めたリーズさん。
「はい、いじけないでください。で、それとその人形、メカヒスイ、はどう関係あるんですか」
「で、あのキモカワイイ猫達の引きっぷりを見てドクターが一体くれたんだ。そう、これは依頼料として貰ってきたんだ。だからいいだろ、ここにおいても!」
「「えぇー……」」
再び私とシオンの困惑の声がダブる。
大体にして、依頼料は普通にお金がよかったよ……。
「…………まあ、大体の話はわかりました」
「そうか。ならここでもらってもいいんだな!」
「それとこれとは話が別です。ねえ、さつき」
「そうだよ、リーズさん。そもそも、そのお人形さんの動力は何?」
「ドクターがいうには、企業秘密だそうだ。そしてこれは動かない」
「動かないの?!!!!!!!!!」
「ああ、動かない」
「……さつき、粗大ゴミとして回収してもらいます。手伝ってください」
「ま、まってくれ!インテリア!インテリアとして」
シオンの足元にすがりつくリーズさん。
ニッコリと笑うシオン。果たして結果は!
2500円取られましたが、無事、回収してもらいました。
計算通りです。(byシオン)
やっぱこの三人が一番動かしやすいですわ。