その世界に来たのは、以前いた世界からの繋がり。
別に行っても行かなくてもどちらでもよかった。
すでに向こうで暮らしている者もいるらしい。
「あ、私もたまに行ってるよ!結構人も多いみたいだね」
唯一まともに話をする、友達・・・というのだろうか。
私より少し年下だと思う。年齢を聞いたことがないから詳しくはわからないけど・・・
「ねね!行ってみたらどうかな?」
もう一つの世界に行った先でも一緒とは限らない。
探せば見つかるが、時間はかかるはず。
「・・・そうだね、考えとくよ」
「やった!じゃあ、今日のところは帰るね、おやすみ!」
言ってすぐに消えた。
とても行動が速く、しっかりものの彼女ラピスらしい。
少し前に渡された招待状。誰からの物かはわからない。
気付いたら手元にあったのだ。
(・・・行ってみようかな)
この世界も、少し飽きていたところだ。
これが続けば生き続けることが困難になり、また眠り続けることになる。
(ちょうどいい退屈しのぎ・・・にはなるかな?)
「どうかした?」
ぼんやりと、昔のことを思い出していたら無意識に足が止まっていたらしい。
数歩分前を歩くラピスは不思議そうな顔をして私を見ていた。
少し離れた所にいる彼女の仲間達は、そんな私達に気付かない。
「・・・何でもないよ」
「本当?」
隣まで行くと、同じように歩きだした。
少し前を歩く者達は相変わらず楽しそうに騒いでいる。それが煩わしくて仕方ない。
意識的に仲間を増やしたラピスと違い、適当にしている私にとって、この世界での仲間・・・友人とまで呼べる人間は彼女だけ。
私から見れば、彼女のあれらに対する気持ちも、あまり思い入れはなさそうだ。
「少し昔を思い出してただけ」
「・・・リア?」
自分が最初に生きていた世界のことをそう呼んでいるらしい。
呼び方はそれぞれ違うし、元の世界も同じとは限らない。
「あぁ、いや・・・そこまで昔ではないよ」
「そうなの?ならいつの「おーい!」・・・」
「・・・呼ばれてる、行っておいで」
言おうとしたのを遮られたことが不快だったのか、背中を向けてるのを良いことに不愉快そうな顔で舌打ち。
私に対する態度とは雲泥の差だ。呼ばれた方を向いた時には既に笑顔なのだから、尊敬する。
ラピスが近寄れば、他の仲間達も歓迎して変わらず楽しげに大声を出す。
携帯を取り出しその場に椅子を出して座る。勝手に帰ると彼女は無言で悲しむ。
少し前に来ていたらしいメッセージ。いつの間にか入っていた。
何気なしに開けば、お知らせの文字。さっさと目を通しても大したことは書かれていない。
(・・・あぁ、つまらないなぁ)
空を見上げても、誰かが自慢のために召喚した化け物だけ。