ダンジョンに浪漫を求めるのは間違っていない 作:マジカル☆八極拳
単純に自己満作品ですわ
外伝なんてなかった(読んでません
『人生の終わりとは意外と呆気ないものだよ。』
師匠が苦笑交じりに俺に言った最後の言葉。
毒を盛られ憔悴したところに複数人に撃たれ、体中に風穴ができ、血は出来た穴から吹き出すように流れて体温を奪っていく。
…あぁ、俺は死ぬのか。まだまだやりたいことあったのになぁ。
詰みゲーもあるし、そういやFGOとグラブルのガチャ回してなかった…こんな事になるなら回せばよかった。
何が悪かったのかな…ただ『夢』を追い求めてただけなのに。
何がいけなかったのか?その問いに誰も応えることはなく聞こえて来るのは自分のゆっくりとした鼓動の音のみ。
生物からただの物に変わる間際に見る走馬灯がコレで、思い出すやり残したことがコレとは、思わずあの日の彼と同じような顔を浮かべて、目の前に突き付けられた銃を見る。
「そうだな師匠…本当に…、呆気な」
その日、青年の短い人生が終わった。
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体が重い。
あちこちから痛みが走る。
腕はだるく、手足の先は痺れて指一本と動きそうにない。思考も油が切れて回らなくなった歯車のように廻らない。
ここはどこだ?浮遊感…いや、海で漂ってるようなそんな感じだ。
だが波の音は聴こえないし、水に触れている触感はしない。前も見えない。そもそも眼があるのか機能しているのかもわからない程全てが黒い。とりあえず此処に来る前何があったのか思い出そう。
確か自分は撃たれて死んだハズ……、なるほど。ならばこれが死後の世界か?だとしたらとんでもなく酷いものだ。人生、生きてきた頃のことを思い出せば天国…には行けるはずも無いだろうが最悪地獄か、あるのだとすれば自分が憧れた《英霊の座》に死後は連れて行かれるんではないか?とも密かに夢見ていたがこの場所はその何処にでもない。ただ痛みを伴い浮いてるだけで何もない何もできない無限獄すら生温いそんな場所。
『何が欲しい』
聴こえてくるというより響いて来る。女なのか男なのか分からないそんな声でそれは尋いてくる。
『何が欲しい』
何が欲しいってまぁ微妙に答えにくい事を尋いてくるものだ。
死んだ身でこんな場所にいる自分に何か欲しい?とかこいつバカなんじゃないか?貰ってもこんな状態じゃ何もできやしないではないか。
『…何が欲しい』
長い間の後また声がした。
怒ったのか?少し可愛いとこあるじゃあないか。
だが何かをくれるような聴き方をしてくる相手をこれ以上怒らせて無かった事にするのは流石に馬鹿のする事だ。いい加減答えてやろう。
「欲しいというよりも欲しかったものというかしたかった事だが…英雄になりたかった。あのゲームみたいに英雄と肩を並べたかったし叶うなら稽古もつけて欲しかったな…、そんな所だ。」
『そう、分かった』
何が分かったのか俺には分からないが声の主は何処かへ消えたらしい。近くにいない事がなんとなくだが分かった。
しかしまぁ、自分で言うのもなんだが恥ずかしい願いだったな。いってしまえばゲームのキャラになりたいとかそんな話だ。だいたいそういうのは子供の夢として思春期過ぎれば消えるものだが…、俺にはこれしかなかったから。
思い出したくない過去が浮かんでくる前に体が何処か引っ張られていく感じがしてそちらに意識を向ける。
やっと終わりの時間が来たようだ。
来世はもっと普通に生きたい、なんて思ったところで意識が途切れた。
「大丈夫ですか?!」
ダンジョンからホームまで続く人通りの少ない近道を通っていた途中、全身と道を真っ赤に染めた男の人が倒れてるのを見つけた。
出血が酷く体は冷たい。それでも微かに聞こえる呼吸の音が僕のやる事を決めた。
「神様のところまで運ばなくちゃ…!!」
その人は僕より大きく、背負うのに手こずったけど僕は脚に力を入れ走った。
その際地面に垂れ下がった9本の尾を引き摺る事になったが、死ぬよりはマシだし起きたら謝ろうと思ったので僕は全力で走った。