ダンジョンに浪漫を求めるのは間違っていない   作:マジカル☆八極拳

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??「活動報告で挙げた期間を大幅に遅れた。だが私は謝らない。なぜなら諸君がこれを糧に次の話を読みたいと思ってくれると信じているからだ」

すいません所長は後で0距離射撃しときますんで

大変遅くなりましたがよければ読んで感想いただきますと嬉しいです


第12話 神と兎の逃避行

「もうっ、何がどうなってるのよ!」

 

ガーネーシャ・ファミリアが現在管理してあるはずの闘技場の地下から逃げたとされるモンスターの数およそ二十数体。

ベルとアカツキの担当アドバイザーを務めるギルドの職員、エイナ・チュールは祭を楽しんでいた人々の避難誘導を行いながら今回の騒動の愚痴を溢していた。

 

毎年行なわれる怪物祭でこの様な事になったのは今回初めてで、ギルドとしても突然の事で上手く動けず、緊急クエストとして近くの上級冒険者を捕まえては協力をして貰っていたが、逃げたモンスターのレベルと捕まえた冒険者のレベル差や、複雑に入り組んだ街の構造といつもより多い人のせいで末端のエイナまで現在の情報がなかなか伝わらず焦りと苛立ちだけが募っていた。

 

 

「ベル君…大丈夫かしら」

 

うわぁあ!!モンスターだ!!!

 

 

神を連れ祭りに参加していた弟のように思っているベルの事を考えていると、誘導していた人の列が散り散りにバラける。

その先に現れたのは、咲くように広がる角が剣の様に鋭い牡鹿型のモンスター、ソードスタッグ。

通りの真ん中まで出てくると二、三度辺りを見回し、正面に居た真っ直ぐエイナを視る。

 

いや、視ると言うより狙いをつけるという方が正しい。

それはソードスタッグが、今正に一人の乙女へと突撃しようと前脚で地を掻いているのだから。

 

「あ、…ぁぁあ!」

 

選別され、狩られる獲物とその恐怖。

この平和な地上でモンスターに襲われるという、普段体験する事の無い出来事に身体が追いついていないせいもあるが、何よりもエイナの心が訪れるだろう【死】を感じ停止していた。

 

込み上げる恐怖と次々と浮かんでくる最悪のビジョンに、エイナは体を震わせる事しか出来なかった。

 

そんなエイナを他所にソードスタッグが地を蹴りまっすぐエイナへと突進する。

 

 

 

「いや…助けてベル君!!」

 

 

 

ドスン

ズカァン!!

 

 

一人の冒険者の名を彼女が叫んだあと、無情にも肉に鋭いものが貫かれた音と石畳の()()()が辺りに響き、土煙が上がる。

誰しもが犠牲となったであろう彼女の死を悔やみつつも、次の犠牲から逃れるべく逃げようとすると、土煙を紅い一条の閃光が斬り払う。

 

 

「あぁ?ベルってのは男の名前か…とすると、もしかして助けない方が良かったか嬢ちゃん」

 

 

煙が晴れ現れたのは濃紺の衣に朱く禍々しい槍を携えた青年。

切れ長の目に青い髪を後ろで一本に纏めた彼は、ソードスタッグの生き別れた半身に足を置いて身を乗り出すように彼女へ手を差し出す。

 

エイナは訳も分からない状態のまま差し出された手によって引き上げられ立ち上がると、震える体を落ち着かせるように抱きながら彼に問う。

 

「あの…貴方はいったい…?」

 

「俺か?俺はランサーのサーヴァント、名をクー・フーリン。クランの猛犬とは俺の…あー今は違うんだったか、なんだったけなぁ…あ、そうそうクランの猛犬改めヘスティア・ファミリアの番犬だ」

 

よろしく嬢ちゃん。

 

自己紹介から伝わるなんとも言えぬ胡散臭さとは裏腹に、その顔に似合った獣じみた笑みを浮かべ差し出された手をエイナはおどろおどろしく再び手を取った。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「ベル君!ボクは不謹慎ながらこの状況に興奮せずには居られないよ!」

「何言ってるんですか神様ぁ!!」

 

 

僕を抱きかかえながら走るベル君の首に腕を回し後方警戒しながらもボクはこの鼓動の高鳴りを伝えないわけには行かなかった。

 

好いた男にお姫様抱っこされてバケモノから逃げるなんて、まるで物語の主人公とそのヒロインみたいじゃないか!!

 

 

この試練を乗り越えたあと二人には恋が芽生えやがて幸せなキスをして終了…

 

と、世間に拡まる物語ではそうなるのだがそこまで妄想を膨らますには今の状況はちょっとばかし無理があった。

 

 

 

『GUOOOOOOO!!!』

 

 

後方から路地の角を破壊しながら現れた白い大猿を睨みつける。

 

怪物祭で愛しの(ベル君)と再会し、二人で怪物祭を見て回っていた時にそれは起きた。

怪物祭の為に用意されたモンスターの一部が逃げ出し、何故かその一体が執拗に自分を追いかけてくるのだ。

 

それに対してベル君が取ったのは逃げの一手である。

 

そして今、人通りの多いメインストリートを避けて『人が造り上げた人工迷宮』とも呼ばれているダイダロス通りのスラム街を逃げ彷徨っていた。

当初はこのダンジョンさながらに入り組んだスラム街であればと思っていたが、ポテンシャルを活かして大猿は追いかけてきた。

 

先程までこの状態(お姫様抱っこ)に浮かれていたものの、こうやって彼に抱かれながら湧き上がるのは無力感。

神の力が使えない事を条件に降りたとは言え彼の足手まといとなっていた自分が嫌だ。

抱きかかえる腕から、密着した体から、彼はまた一回り成長した事を感じているからこそ余計にそう思う。

ボクは彼と共に成長する事は出来ない、彼の行く末を見守る事しか出来ない、そんなのは

 

 

「いやだ」

 

「え?」

 

「…ベル君。あのモンスターを倒せるかい?」

「アカツキを倒すよりかはたぶん、出来なくはないと思います」

 

 

 

ーー僕一人で武器さえあればーー

 

 

 

自分の腰に差していたーー武器としてはおよそ使う場面が限られるだろうーー折れたナイフを悔しげな表情で見るベル君をボクは見逃さなかった。

『男子、三日会わずんば刮目して見よ』だったかな?友神のタケがそんな事を言っていたけど正しくその通りだ。

前までのベル君なら慌てふためいて『むむむ無理ですよ!』とか言ってそうだったのにいつの間にかまた一つカッコよくなっている。

経験値を通して冒険を垣間見る事は出来てもソレを共にする事は出来ない。

「大丈夫だよベル君。武器なら()()()()()。ボクと君で、アイツを倒そう」

「神様…わかりましたっ、倒しましょう!僕と、神様の力で!」

 

 

険しかった顔を崩し、年相応の笑顔をボクに見せるベル君。

 

 

ホント、キミってやつは……。

 

 

そうと決まれば余念は残さず怠らず準備を始める。

ヘファイストスが言うにはこの《神のナイフ(ヘスティア・ナイフ)》は持ち主と共に成長する。

ならば今までベル君が積み上げてきた経験をボクが垣間見るようにナイフへと共有させれば今の状態より強く鋭い刃となるのではないか?

神友が造った武器の準備と、会えなかったこの三日間で貯まった経験値(エクセリア)でステータスを更新するため、手広くかつモンスターから隠れられるような場所を探していると偶然にも高い塀の一部が隠し扉になっているのを見つけた。

神であるボクが言うのもおかしな話だがこれも神の思し召しなのかもしれない…天界に残った運命神にあとで感謝しておこう。

ステータス更新の最中そんな事を思っていると、隠し扉に気づいたのかあの大猿が壁をよじ登り物陰に隠れていたボク達の方を伺っている。

時間との勝負だ。背を向けて座る子の背に血を垂らしてステータスを開示、更新する。

 

 

「…っ!」

 

 

少し目を離した隙に君は何処まで跳んで行くんだい?

レアスキルの力が加速させたステータスを彼の背に刻み、それをナイフに共有させる。

 

「さぁ!これで準備は整ったよベル君!いっちょボクらの力ってものを見せてやろうじゃないか!」

「はい神様!神様はここで見てて下さい!」

 

更新を終えた背中にボクの気持ちも込めて叩き出し見守る。

 

 

ここから始まる英雄の物語を。




短いのにこんだけ待たせんじゃねーよ!!!
という感想飛んできそう(震え声
すいませんかなり始めの所でどう書こうか悩んで悩んで現実逃避してました。
その結果が次回へ続くだからもうやってらんないね!

次の話はめいいっぱい盛り上げるつもりなのでそこはもうご期待ください
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