「それに自分の母親が生きている事に気付いていないとわな。」
とこの言葉を聞いた朱乃は突然父上の両肩を掴み
「それは本当なのですか!?」
と言って父上をブンブン振っていた。
それを直ぐに止めて答える。
「お前の母親。朱璃は生きているぞ。今は我が里のうちは神社で巫女として働いている。なぜバラキエルとお前に手紙を送ったのに知らない。」
「その・・・悪戯かなにかかと思いまして破いて捨ててしまいました。」
「そうか。でも悪魔である間はうちは一族の集落の敷居を跨がせる訳には行かないからな。」
「何故ですか?」
「そうだな。ヒントは息子イツキの妻である黒歌と日本妖怪そして元日本妖怪にはぐれが多い理由だな。我が同胞にはぐれが多い理由を考えれば敷居を跨がせる訳には行かない理由は明らかだ。」
「黒歌さんに日本妖怪、元日本妖怪のはぐれが多い理由ですか。」
「そうだ。さらにヒントを出すと日本妖怪は種族毎に外国の妖怪には絶対にない特殊能力の宝庫とだけ言っておこう。」
そう言って父上は
「一歌〜!おじいちゃんと遊ぼうか〜」
と言って一歌と部屋を出て行った。
そして従兄が出てきて
「やはり叔父上は悪魔を許していないようだな。」
「そりゃそうだ。なんだって母上は下忍の頃に悪魔に無理矢理転生させられそうになっていた時に同じく下忍だった父上に助けられたのだ。父上も母上もボロボロだったと聞く。」
「そうか。でも許していないのはイツキもだろ。気付いているかわからないが悪魔が近くにいる時は・・・いやそこにいる2人とその眷属を別として悪魔がいる時は黒歌を守ることにチャクラを多く使っている。でも実際は黒歌はその必要が無いくらい強い。一歌はまだ幼いからお前達2人で守る責任があるがな。」
「守るのは当たり前にゃ。一歌はイツキとの唯一の娘にゃ。その娘を守らずして暁を名乗れないにゃ。」
「そうだな。一歌は命懸けで守るさ。オーフィスやグレートレッド相手でもな。」
「そうか。流石暁が誇る狼と虎の最強コンビなだけはあるな。」
その頃一歌と一緒に遊ぼうと地下室の広場へ向かったら葉月が1人で修行をしていた。
「修行とは精が出るな。どうしたんだ。イツキ大好きっ子のお前が1人で修行なんて。」
「お父様。・・・私は未だにお兄様やお父様のいる領域に立てておりません。それはお兄様の足を引っ張る事に繋がります。だから責めて足を引っ張る事が無いようになりたいんです。」
「そこはやはり兄妹だな。まだイツキに娘の一歌が産まれる前の話だ。あいつはよく同じように1人で修行していたよ。理由はなんだと思う?」
「分かりません。」
「答えはお前と黒歌を守る為だそうだ。そこに今は一歌に他の家族が加わり守る者がどんどん増えて言った。今では次期当主として日本妖怪全てを守る力を手に入れようとしている。俺もよく無理をして修行していた。恐らく俺もイツキも1人ではこの領域まで届かないだろう。何故だと思う?」
「なぜ。・・・それは今の私には無いものですか?」
「そうだな。お前には無くて俺とイツキにはあるものだ。」
「最愛の恋人か死んでも護るべき人ですか?」
「そうだ。死んでも護るべき者達がいるかいないかだな。それを見つける事ができれば」
「死んでも護るべき者達」
この言葉をキッカケに葉月は旅に出る決意をするのであった。